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公開番号2024115293
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-26
出願番号2023020910
出願日2023-02-14
発明の名称通信装置
出願人株式会社日立製作所
代理人ポレール弁理士法人
主分類H04K 1/02 20060101AFI20240819BHJP(電気通信技術)
要約【課題】少ない部品点数で通信性能の低下を抑制できるとともにY-00プロトコルを無線通信に適用できる通信装置を提供する。
【解決手段】本発明による通信装置は、搬送波を生成する搬送波発生器102と、搬送波に雑音を重畳する雑音重畳部103と、送信対象のデータである送信データ101を多値のデータに変換して多値変調信号を得る多値信号生成部105と、雑音が重畳した搬送波と多値変調信号とを合成して送信信号を生成する変調器104とを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
搬送波を生成する搬送波発生器と、
前記搬送波に雑音を重畳する雑音重畳部と、
送信対象のデータである送信データを多値のデータに変換して多値変調信号を得る多値信号生成部と、
前記雑音が重畳した前記搬送波と前記多値変調信号とを合成して送信信号を生成する変調器と、
を備えることを特徴とする通信装置。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記雑音重畳部は、前記搬送波を光信号に変換する電気信号/光信号変換器と、前記光信号に変換された前記搬送波を電気信号に変換する光信号/電気信号変換器と、を備える、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記雑音重畳部は、前記電気信号/光信号変換器が出力した前記光信号の強度を減衰させる光減衰器と、前記電気信号/光信号変換器が出力した前記光信号の強度を増幅させる光増幅器との、両方または一方を備える、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記雑音重畳部は、前記搬送波の振幅を減衰させる電気減衰器と、前記搬送波の振幅を増幅させる電気増幅器との、両方または一方を備える、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記雑音重畳部は、前記雑音が重畳した前記搬送波から、予め定めた周波数成分の信号を除去する帯域通過フィルタを備える、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記雑音重畳部は、前記光信号/電気信号変換器が前記電気信号に変換した前記搬送波の振幅を増幅させる電気増幅器を備える、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項7】
出力する搬送波の周波数を変えることができる搬送波発生器と、
前記搬送波と異なる周波数の信号である中間周波数信号を生成する中間周波信号発生器と、
前記中間周波数信号に雑音を重畳する雑音重畳部と、
雑音が重畳した前記中間周波数信号と前記搬送波発生器が出力した前記搬送波を入力して、雑音が重畳した搬送波を生成する周波数変換器と、
送信対象のデータである送信データを多値のデータに変換して多値変調信号を得る多値信号生成部と、
前記雑音が重畳した前記搬送波と前記多値変調信号とを合成して送信信号を生成する変調器と、
を備えることを特徴とする通信装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、特に無線通信に適用できる通信装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、情報通信の分野では、量子計算技術の進歩に伴い、計算量的安全性を根拠とする従来の(数理)暗号の危殆化が課題となっている。量子雑音ストリーム暗号であるY-00プロトコルは、物理的な観測の複雑性を量子雑音で実現しており、物理レイヤでの信号変調と同時に信号を暗号化するため、高速・低遅延で耐量子計算の安全性を実現でき、光ファイバ通信を基盤として研究開発が進められている。Y-00プロトコルの具体的な仕組みとしては、一般的な通信装置が送受信する「0」と「1」の符号を暗号鍵及びそれをシードとした乱数列により多値(一般的には4,096以上の値)の符号に置き換える。送信される信号は、多値化されてアナログ信号のような信号の羅列となる。
【0003】
図1は、Y-00プロトコルでの通信信号の例を示す図である。送信される信号は、図1に示すように多値化されている。
【0004】
更に、光ファイバ通信においては、光信号を受信する際に生じる量子雑音(除去が不可能とされる雑音)の効果により、多値で表された信号のレベル判別が困難である。盗聴者にとっては、この信号のレベルを正確に読み取り、元のデータに復元するための規則性を見出す必要があるが、信号のレベル判別ができないため、復号するための規則性の判別が極めて困難である。一方、正規の受信器は、送信器と同じ暗号鍵と乱数列生成の法則を保持しており、多値化された信号を元の「0」と「1」の符号に変換することができる。正規の受信器でも量子雑音の影響を被るが、「0」と「1」の符号に復元した状態に付加された雑音量は無視できるレベルのものであり、通信の正常性は十分に確保できる。
【0005】
なお、伝送過程で生じる雑音としては、電子回路、電気/光変換器、及び光/電気変換器を通過する際に生じる熱雑音などもある。熱雑音も現在の技術では除去が不可能であり、盗聴者にとってよりレベル判別が不可能な状態を作り出している。
【0006】
Y-00プロトコルは、光ファイバ通信を主な活用対象とするが、様々な変調方式に対応し得る可能性が考えられ、無線通信への適用が期待されている。ただし、安全性の根拠となる量子雑音効果は、一般的な無線通信器では発生し得ない。このため、Y-00プロトコルを無線通信に適用するには、盗聴者にとって信号のレベル判別が困難であるような雑音を信号に重畳するための新たな技術を創出する必要がある。
【0007】
この課題に関して、例えば特許文献1と特許文献2に記載されているような発明が提案されている。
【0008】
特許文献1には、Y-00プロトコルを実行するための暗号送信装置が記載されている。特許文献1に記載された暗号送信装置は、情報伝送する搬送波を発生する搬送波発生器と、雑音を発生する雑音発生器と、これらの出力側に接続され搬送波と雑音とを合波する合波器と、初期鍵を持つ送信用擬似乱数発生器と、基底選択制御器と、基底選択制御器によって選択された基底情報と送信データにしたがって対応する信号値に変調し出力するM-ary変調器とを有し、疑似乱数を通信系に重畳することにより、量子雑音効果に似たレベル判別の困難性を創出する。
【0009】
特許文献2には、所定データに基づく多値の状態をとる多値情報を光信号として発生させる光発生手段と、光信号を電気信号に変換する光電気変換手段と、電気信号に変換された多値情報を電波として送信する電波送信手段とを備える信号処理システムが記載されている。この信号処理システムでは、光通信信号そのものを電気信号に変換することにより、光通信信号において量子雑音効果を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2006-080720号公報
特開2020-170960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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