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公開番号
2024115222
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-26
出願番号
2023020808
出願日
2023-02-14
発明の名称
最適化装置、最適化方法および最適化プログラム
出願人
日本電気株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
G06N
99/00 20190101AFI20240819BHJP(計算;計数)
要約
【課題】学習に用いるデータが少量であっても、生成する最適化対象のモデルの精度を向上させることができる最適化装置を提供する。
【解決手段】学習手段82は、評価値を予測する予測モデルを学習データを用いて学習する。エンコード手段83は、学習データに含まれる変数をエンコードする。イジングモデル生成手段84は、予測モデルおよびエンコードされた変数に基づいてイジングモデルを生成する。最適化処理実行手段85は、アニーリングマシンに対し、イジングモデルを入力してサンプリングデータを出力させる。デコード手段86は、最適化処理の結果得られたサンプリングデータをデコードする。抽出手段87は、評価式の値が所定の条件を満たすサンプリングデータを抽出する。学習データ入力手段81は、抽出されたサンプリングデータを学習データとして入力を受け付ける。
【選択図】図16
特許請求の範囲
【請求項1】
学習データの入力を受け付ける学習データ入力手段と、
入力された学習データを用いて、最適化処理において組み合わせの対象となる変数に基づいて得られる評価値を予測する予測モデルを学習する学習手段と、
入力された学習データに含まれる変数を、イジングモデルに入力する態様に応じてエンコードするエンコード手段と、
前記予測モデルおよびエンコードされた前記変数に基づいてイジングモデルを生成するイジングモデル生成手段と、
前記学習データに含まれる変数の組み合わせに基づいて所定の評価式を最小化する最適化処理を実行するアニーリングマシンに対し、前記イジングモデルを入力して、前記評価値を最小化する変数の組み合わせであるサンプリングデータを出力させる最適化処理実行手段と、
前記最適化処理の結果得られたサンプリングデータをデコードするデコード手段と、
前記評価式の値が所定の条件を満たすサンプリングデータを抽出する抽出手段とを備え、
前記学習データ入力手段は、抽出されたサンプリングデータを学習データとして入力を受け付け、
前記学習手段は、入力されたサンプリングデータを用いて、前記予測モデルを学習する
ことを特徴とする最適化装置。
続きを表示(約 2,000 文字)
【請求項2】
抽出手段は、評価式の値が最も低いサンプルデータから低い順に、設定された数分または割合分のサンプルデータを抽出する
請求項1記載の最適化装置。
【請求項3】
学習手段は、金融ポートフォリオの最適化処理において、組み合わせの対象とする変数である金融商品の属性および金融市場の状況に基づいて得られるインデックス指標値の差分を予測する予測モデルを学習し、
最適化処理実行手段は、前記インデックス指標値の差分を最小化する変数の組み合わせをサンプリングデータとして出力させる
請求項1または請求項2記載の最適化装置。
【請求項4】
学習手段は、金融ポートフォリオの最適化処理において、組み合わせの対象とする変数である金融商品の属性および金融市場の状況に基づいて得られる各金融商品の価格変動の和を予測する予測モデルを学習し、
最適化処理実行手段は、前記各金融商品の価格変動の和をゼロにする変数の組み合わせをサンプリングデータとして出力させる
請求項1または請求項2記載の最適化装置。
【請求項5】
エンコード手段は、学習データにおける一変数の最小値と最大値を特定し、nを量子化数としたとき、当該最小値から当該最大値までの区間を2
n
等分して、n桁の2進数で前記一変数を表現する
請求項1または請求項2記載の最適化装置。
【請求項6】
予測モデルを学習する処理を繰り返すか否か判定する終了条件判定手段を備え、
学習データ入力手段は、繰り返し処理を実行すると判定された場合に、抽出されたサンプリングデータを学習データとして入力を受け付け、
学習手段は、入力された学習データを用いて予測モデルを学習する
請求項1または請求項2記載の最適化装置。
【請求項7】
学習データの入力を受け付け、
入力された学習データを用いて、最適化処理において組み合わせの対象となる変数に基づいて得られる評価値を予測する予測モデルを学習し、
入力された学習データに含まれる変数を、イジングモデルに入力する態様に応じてエンコードするエンコードし、
前記予測モデルおよびエンコードされた前記変数に基づいてイジングモデルを生成し、
前記学習データに含まれる変数の組み合わせに基づいて所定の評価式を最小化する最適化処理を実行するアニーリングマシンに対し、前記イジングモデルを入力して、前記評価値を最小化する変数の組み合わせであるサンプリングデータを出力させ、
前記最適化処理の結果得られたサンプリングデータをデコードし、
前記評価式の値が所定の条件を満たすサンプリングデータを抽出し、
抽出されたサンプリングデータを学習データとして入力を受け付け、
入力されたサンプリングデータを用いて、前記予測モデルを学習する
ことを特徴とする最適化方法。
【請求項8】
評価式の値が最も低いサンプルデータから低い順に、設定された数分または割合分のサンプルデータを抽出する
請求項7記載の最適化方法。
【請求項9】
コンピュータに、
学習データの入力を受け付ける学習データ入力処理、
入力された学習データを用いて、最適化処理において組み合わせの対象となる変数に基づいて得られる評価値を予測する予測モデルを学習する学習処理、
入力された学習データに含まれる変数を、イジングモデルに入力する態様に応じてエンコードするエンコード処理、
前記予測モデルおよびエンコードされた前記変数に基づいてイジングモデルを生成するイジングモデル生成処理、
前記学習データに含まれる変数の組み合わせに基づいて所定の評価式を最小化する最適化処理を実行するアニーリングマシンに対し、前記イジングモデルを入力して、前記評価値を最小化する変数の組み合わせであるサンプリングデータを出力させる最適化処理実行処理、
前記最適化処理の結果得られたサンプリングデータをデコードするデコード処理、および、
前記評価式の値が所定の条件を満たすサンプリングデータを抽出する抽出処理を実行させ、
前記学習データ入力処理で、抽出されたサンプリングデータを学習データとして入力を受け付けさせ、
前記学習処理で、入力されたサンプリングデータを用いて、前記予測モデルを学習させる
ための最適化プログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
抽出処理で、評価式の値が最も低いサンプルデータから低い順に、設定された数分または割合分のサンプルデータを抽出させる
請求項9記載の最適化プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、最適化装置、最適化方法および最適化プログラムに関する。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
組み合わせ最適化問題は、複数の組み合わせや並べ方の中から、ある評価式の計算値が最小になる組み合わせや並べ方を求める問題である。一般には、すべての組み合わせや並べ方の評価式を計算することで必ず求解できる。しかし、n個の並べ方は、nの階乗通りの数だけ存在するため、nが大きくなると、膨大な回数の評価式の計算が必要になる。
【0003】
組み合わせ最適化問題の一つとしてポートフォリオの作成が挙げられる。金融市場においては、異なる特性を有する複数の金融商品をセットにすることで、ある一定の利益を得つつ、リスクを最小化するようなポートフォリオが作成される。
【0004】
近年、金融商品は多様化し、金融市場はますます複雑化しているため、十分な精度でポートフォリオを作成することは困難になっている。これを解決する技術として、組合せ最適化問題を効率的に解くことができる量子コンピューティングが期待されている。
【0005】
特許文献1には、イベント発生時の損害額を考慮しながら収益性を大きくするポートフォリオを適用し、収益性を担保する方法が記載されている。特許文献1に記載された方法では、量子コンピューティングの1つである量子アニーリング技術を使ってポートフォリオを生成する。
【0006】
また、特許文献2には、組合せ最適化問題の解の精度を向上させる最適化装置が記載されている。特許文献2に記載された装置では、仮最適解を算出してシミュレーション(評価式の計算)を行い、シミュレーション結果に基づいて更新されたイジングモデルを作成し、最適解を更新する。
【0007】
また、非特許文献1には、量子アニーリングおよび分解器を使用したメタマテリアルの設計方法について記載されている。具体的には、非特許文献1には、機械学習によりイジングモデルを作成する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2021-135917号公報
特開2020-194273号公報
【非特許文献】
【0009】
Koki Kitai, et al., "Designing metamaterials with quantum annealing and factorization machines", PHYSICAL REVIEW RESEARCH 2, 013319, 2020.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
金融市場は複雑で、シミュレーション(シナリオ+モデル化)するには、ランダム性を考慮して何回も計算をする必要があった。一般的には、モンテカルロシミュレーションという方式が使われる。しかし、金融商品の数は膨大であり、また各金融商品を金額(もしくは全体比率)の選択、どのくらいの期間金融商品を保有するかで、予測値、リスクの変動は大きくなり、一般的なコンピュータでは現実的な時間で求解することは困難であった。
(【0011】以降は省略されています)
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