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公開番号2024112735
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-21
出願番号2023018002
出願日2023-02-08
発明の名称揚砂バケットと、この揚砂バケットを使用した掘削方法
出願人株式会社アンビック
代理人個人,個人,個人,個人,個人,弁理士法人宮田特許事務所
主分類E21B 11/00 20060101AFI20240814BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】
ケーシングの内部に大量の水が滞留した状態においても、この水の底部に堆積した砂を効率よく地上に排出することができ、しかも信頼性に優れた揚砂バケットと、この揚砂バケットを使用した掘削方法の提供。
【解決手段】
揚砂バケット11は、筒状の胴体21と、胴体21の内部に収容される通水管24と、底面を塞ぐ底板23と、通水管24の上端面を塞ぐ可動蓋34などで構成し、胴体21の内部が収砂室25になるほか、可動蓋34は案内軸32に沿って移動可能とする。そしてケーシング62の内部に滞留した水を通水管24から噴出させ、これを可動蓋34で反射させて収砂室25に流入させ、この水に浮遊する砂を沈殿させることで、効率よく砂を排出できるほか、案内軸32の導入により、信頼性に優れている。なお実際の掘削方法においては、水没させた揚砂バケット11を上昇させることで砂の浮遊が促進され、大量の砂を排出可能になる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
地中に埋め込まれたケーシング(62)の内部に堆積した砂を地上に排出するための揚砂バケットであって、
ケーシング(62)の内部に嵌まり込む筒状の胴体(21)と、胴体(21)の内部に収容され且つ上下方向に伸びる通水管(24)と、胴体(21)と通水管(24)の双方の下端面の間を塞ぐ底板(23)と、胴体(21)と通水管(24)の双方の上端部を連結するリブ(27)と、通水管(24)の上端面を塞ぐことのできる可動蓋(34)と、吊り下げのためのロープ(58)を接続する接続部(38)と、を有しており、胴体(21)と通水管(24)と底板(23)で囲まれた空間が収砂室(25)になり、
ケーシング(62)の内部に滞留した水を通水管(24)の上端面から噴出させ、この水に浮遊する砂を収砂室(25)に沈殿させることで地上に排出可能であることを特徴とする揚砂バケット。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
可動蓋(34)は案内軸(32)に沿って上下方向に移動可能としてあり、案内軸(32)の下端部はリブ(27)に取り付けてあることを特徴とする請求項1記載の揚砂バケット。
【請求項3】
請求項1または2記載の揚砂バケット(11)を使用した掘削方法であって、
水が滞留したケーシング(62)の内部に揚砂バケット(11)を差し入れて下降させ、ケーシング(62)が水没することで通水管(24)に水が流入し、この水で可動蓋(34)を押し上げ、通水管(24)の上端面から水を噴出させることで収砂室(25)に水を流入させ、
次に揚砂バケット(11)を水中で上昇させることで可動蓋(34)が通水管(24)を塞ぐと共に、揚砂バケット(11)の上昇による水流でケーシング(62)の内部に堆積した砂を浮遊させ、
その後、再び揚砂バケット(11)を水中で下降させ、通水管(24)に流入した水で可動蓋(34)を押し上げ、通水管(24)の上端面から水を噴出させ、この水に浮遊する砂を収砂室(25)に沈殿させた後、揚砂バケット(11)を上昇させることで砂を地上に排出することを特徴とする掘削方法。
【請求項4】
揚砂バケット(11)がケーシング(62)の内部で水没した状態において、揚砂バケット(11)の上昇と下降を繰り返すことで砂の浮遊を促進させ、収砂室(25)に沈殿する砂を増大させることを特徴とする請求項3記載の掘削方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、地中にコンクリート製の杭を構築するために縦穴を形成する際、地中に埋め込まれたケーシングの内部に堆積した砂を地上に排出するための揚砂バケットと、この揚砂バケットを使用した掘削方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
大規模な建造物を施工する際は、その荷重を確実に受け止めるため、地中に大断面の杭を構築する必要があり、その規模により、工場で製造された既設杭の使用が難しいならば、場所打ち杭が選択されることになる。場所打ち杭は、地中を掘削して縦穴を形成した後、そこに鉄筋を落とし込み、さらにコンクリートを流し込むことで構築されるため、その深さや直径を自在に調整することができる。なお場所打ち杭の施工方法は様々だが、通常は、掘削された縦穴の崩壊を防ぐため、筒状のケーシングを継ぎ足しながら地中に埋め込んでいき、併せてケーシングの内部をハンマーグラブなどで掘削することになる。
【0003】
場所打ち杭の施工に関しては、後記の特許文献など、様々な技術が提案されており、そのうち特許文献1では、掘削土砂に含まれる水を排出する機能を有する掘削バケットが開示されている。この掘削バケットは、掘削刃や底蓋や周壁や頂壁などで構成された閉じた筒状であり、掘削刃によって掘削された土砂と共に水が内部に収容される。そして周壁には排水孔を設けてあり、さらに掘削バケットの内部は、エアブローなどで加圧可能な構成になっている。そのため掘削バケットの引き上げ時、加圧によって内部の水を排水孔から排出可能であり、掘削土砂の含水率を低下させ、その後の固化処理を回避することができる。
【0004】
次の特許文献2では、土砂除去バケットが開示されている。この文献では、地中に鋼管杭を挿入して縦穴を形成する際、縦穴の底に空気を供給して土砂を除去することを想定しているが、土砂が水分を含んでスライム状になっている場合、空気の供給だけでは、除去が不十分になることがある。そこでこの土砂除去バケットの底部には、空気流出口に加え、下側に突出する爪を設けてあり、土砂除去バケットを回転させることで、この爪が土砂を掻き上げる。そしてこの土砂は、土砂取込口を経て土砂除去バケットの内部に収容される。通常、スライム状の土砂は、粘度が高く比重も増大するため除去が難しくなるが、爪による撹拌でスライム状の土砂を分散させ、さらに空気流出口から空気を供給することで、このような悪い条件が緩和され、土砂を効率的に吹き上げ、より確実に土砂を除去することができる。
【0005】
そのほか特許文献3では、杭穴の底部に堆積したスライムを効率的に回収することのできるスライム処置バケットが開示されている。このスライム処置バケットは、杭穴に差し込み可能な筒状であり、その上部は開放しているが、底部は有底になっている。またスライム処置バケットの中央には、筒状の回収路を設けてあり、その両端面は開放しており、さらに回収路の開口上面を塞ぐため、開閉蓋を設けてある。そして、このスライム処置バケットを杭穴に挿入すると、スライムは、回収路を経てスライム処置バケットに収容され、地上に引き上げることができる。なおスライムの円滑な吸引除去を行うため、必要に応じてスライム処置バケットの下面にエア供給管を設けることも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2000-328865号公報
特開2017-110404号公報
特開平8-120674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
場所打ち杭を構築するため、地中にケーシングを埋め込み、その内部を掘削している際、地下水を豊富に含む層と交差すると、ケーシングの内部には水と砂が流入することになる。しかもその際、ケーシングの底部では土圧が緩和されるため、周辺の地盤が崩壊し、水と砂が際限なく流入して杭の構築が不可能になる恐れがある。そのためケーシングの内部には、あらかじめ水を注入しておき、ケーシングの底部での圧力を高めている。そしてこのように、ケーシングの内部に大量の水が滞留した状態において、その底部に堆積した砂を地上に排出するため、通常のハンマーグラブを使用した場合、その引き上げ時、ハンマーグラブから溢れ出る水流によって大量の砂が落下してしまい、一度での掘削量が低下し、作業時間の増大を招くことになる。そこでケーシングの内部に大量の水が滞留した状態でも、掘削能力を確保できる技術が待ち望まれている。
【0008】
そのほかケーシングの内部では、水と砂などが混合したスライムが生成されることがあり、その除去のため、スライムバケットを使用することがある。スライムバケットは、ケーシングの内部に差し入れて完全に水没させ、水中に浮遊するスライムを沈殿させた後、地上に引き上げることになる。そのためスライムバケットが円滑に水没できるよう、その大きさは、ケーシングに対して十分な余裕を確保する必要があり、容量が抑制され、必然的に一度で除去できる量が低下する。なお、前記の特許文献3で開示されたスライム処置バケットは、中央に回収路を設けてあるため大形化が容易であり、容量を増大させることができる。ただし開閉蓋が正常に機能しない場合、作業の継続が不可能になる。
【0009】
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、ケーシングの内部に大量の水が滞留した状態においても、この水の底部に堆積した砂を効率よく地上に排出することができ、しかも信頼性に優れた揚砂バケットと、この揚砂バケットを使用した掘削方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、地中に埋め込まれたケーシングの内部に堆積した砂を地上に排出するための揚砂バケットであって、ケーシングの内部に嵌まり込む筒状の胴体と、胴体の内部に収容され且つ上下方向に伸びる通水管と、胴体と通水管の双方の下端面の間を塞ぐ底板と、胴体と通水管の双方の上端部を連結するリブと、通水管の上端面を塞ぐことのできる可動蓋と、吊り下げのためのロープを接続する接続部と、を有しており、胴体と通水管と底板で囲まれた空間が収砂室になり、ケーシングの内部に滞留した水を通水管の上端面から噴出させ、この水に浮遊する砂を収砂室に沈殿させることで地上に排出可能であることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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