TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024111892
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-20
出願番号2023016585
出願日2023-02-07
発明の名称鉄筋切断装置
出願人津根精機株式会社
代理人個人
主分類B23D 47/04 20060101AFI20240813BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】丸鋸刃でねじ節鉄筋を切断し、高品質な鉄筋パーツを効率よく製作できる鉄筋切断装置を提供する。
【解決手段】切断位置に配されたn本(定数nは1以上の自然数)のねじ節鉄筋Tを幅方向に横切って切断する丸鋸刃16を備える。n本のねじ節鉄筋Tを、互いの平坦面Tc同士が順に対向し、且つ鉄筋パーツTPとなる側の端部が長さ方向に位置合わせされた状態に整列させる整列装置22を備える。整列装置22が整列させたn本のねじ節鉄筋Tを把持し、切断位置に向けてて搬入する搬入バイス装置24を備える。搬入バイス装置24から受け取ったn本のねじ節鉄筋Tを切断位置に配し、丸鋸刃16が横切る切断箇所の近傍を把持固定する主バイス装置10を備える。丸鋸刃16は、主バイス装置10が固定しているn本のねじ節鉄筋Tを、平坦面Tcの法線の方向に移動して切断するように設置されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
棒状本体の側面にねじ状突起が形成され、前記ねじ状突起の途中部分が、前記棒状本体の長さ方向の中心軸を挟んで平行に対向する2つの平坦面が形成されたねじ節鉄筋を切断対象物とし、前記ねじ節鉄筋の長さ方向の一端部から鉄筋パーツを切り出す鉄筋切断装置において、
切断位置に配されたn本(定数nは1以上の自然数)の前記ねじ節鉄筋を幅方向に横切って切断する丸鋸刃と、
n本の前記ねじ節鉄筋を、前記鉄筋パーツとなる側の端部が長さ方向に位置決めされた状態に整列させる整列装置と、
前記整列装置が整列させたn本の前記ねじ節鉄筋を、その整列状態が維持されるように把持して、前記切断位置に向けて搬入する搬入バイス装置と、
前記搬入バイス装置から受け取ったn本の前記ねじ節鉄筋を切断位置に配し、前記丸鋸刃が横切る切断箇所の近傍を、受け取った時の整列状態が維持されるように把持固定する主バイス装置とを備え、
前記丸鋸刃は、前記主バイス装置が固定しているn本の前記ねじ節鉄筋を、前記平坦面の法線の方向に移動して切断するように設置されていることを特徴とする鉄筋切断装置。
続きを表示(約 4,400 文字)【請求項2】
前記定数nは2であり、
前記整列装置は、
並列に投入された複数本の前記ねじ節鉄筋を、個々の前記ねじ節鉄筋の前記平坦面が上下に配された状態にして並列方向に順に送り出す鉄筋送り出し機構と、
前記鉄筋送り出し機構から順に送り出された2本の前記ねじ節鉄筋を、互いの前記平坦面同士が上下に対向するように順に積み重なり、且つ前記鉄筋パーツ側の端部同士の位置が揃った状態にする鉄筋積み重ね機構と、
前記鉄筋積み重ね機構によって積み重ねられた2本の前記ねじ節鉄筋を、その積み重ね状態が維持されるように把持する鉄筋仮固定機構と、
前記鉄筋仮固定機構を移動させることによって、前記鉄筋仮固定機構に把持された2本の前記ねじ節鉄筋を、互いの前記平坦面同士が左右に対向するように方向転換させる方向転換機構とで構成され、
前記搬入バイス装置は、前記方向転換機構から受け取った2本の前記ねじ節鉄筋を、前記方向転換機構から受け取った時の上下左右方向の相対的な位置関係が維持されるように把持して搬入し、
前記主バイス装置は前記搬入バイス装置から受け取った2本の前記ねじ節鉄筋を、前記搬入バイス装置から受け取った時の上下左右方向の相対的な位置関係が維持されるように把持固定する請求項1記載の鉄筋切断装置。
【請求項3】
前記鉄筋送り出し機構から送り出された時の前記ねじ節鉄筋の配置を基準に、前記ねじ節鉄筋の長さ方向をX軸方向、幅方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とするXYZ三次元座標系を定義したとき、
前記整列装置の前記方向転換機構は、前記鉄筋仮固定機構を、2本の前記ねじ節鉄筋を前記鉄筋積み重ね機構から受け取る受け位置から、2本の前記ねじ節鉄筋を前記搬入バイス装置に渡す渡し位置までの間を移動させるものであり、
前記整列装置の前記鉄筋仮固定機構は、前記方向転換機構により移動可能に支持された基体と、前記基体に設置された手段であって、前記鉄筋仮固定機構が前記受け位置に在る状態でZ軸方向に対向する上側チャッカ及び下側チャッカを有し、Z軸正方向側に位置する前記上側チャッカとZ軸負方向側に位置する前記下側チャッカとで2本の前記ねじ節鉄筋の側面を挟持するチャック手段とを備えるものであり、
前記整列装置の前記鉄筋積み重ね機構は、前記受け位置に在る前記鉄筋仮固定機構を相手方として動作する複数の手段を備え、前記複数の手段は、
Y軸方向に水平に延びる上面を有した第一支持部が設けられ、前記鉄筋送り出し機構から送り出された前記ねじ節鉄筋を、前記第一支持部で下方から支持するとともに前記第一支持部をZ軸正方向に変位させることによって前記下側チャッカの上面の位置よりも高く前記上側チャッカの下面の位置よりも低い下側Z基準位置に移送するZ軸方向移送手段と、
前記第一支持部に支持されて前記下側Z基準位置に在る前記ねじ節鉄筋を、側方からY軸正方向に押圧することによって、前記下側チャッカの上面及び前記上側チャッカの下面に対向するY基準位置に移送するY軸方向移送手段と、
前記第一支持部に支持されて前記下側Z基準位置に在る前記ねじ節鉄筋の、前記鉄筋パーツとして切り出される側の端面をX軸負方向に押圧することによって、当該端面のX軸方向の位置を調整するX軸方向位置合わせ手段と、
第二支持部を有し、前記第一支持部に支持されて前記Y基準位置に在る前記ねじ節鉄筋を、前記第二支持部で下方から支持するとともに、前記第二支持部をZ軸正方向に変位させることによって前記下側Z基準位置よりも高く前記上側チャッカの下面の位置よりも低い上側Z基準位置に移送する動作と、前記ねじ節鉄筋を支持している前記第二支持部をY軸方向に変位させることによって前記ねじ節鉄筋の支持を解除する動作とを行う可動式支持手段とで構成される請求項2記載の鉄筋切断装置。
【請求項4】
前記定数nは1であり、
前記整列装置は、
並列に投入された複数本の前記ねじ節鉄筋を、個々の前記ねじ節鉄筋の前記平坦面が上下に配された状態にして並列方向に順に送り出す鉄筋送り出し機構と、
前記鉄筋送り出し機構から送り出された1本の前記ねじ節鉄筋を、前記平坦面が上下に配された状態で移送する鉄筋移送機構と、
前記鉄筋移送機構から受け取った前記ねじ節鉄筋を、前記平坦面が上下に配された状態が維持されるように把持する鉄筋仮固定機構と、
前記鉄筋仮固定機構を移動させることによって、前記鉄筋仮固定機構に把持された前記ねじ節鉄筋を、前記平坦面が左右に配されるように方向転換させる方向転換機構とで構成され、
前記搬入バイス装置は、前記方向転換機構から受け取った前記ねじ節鉄筋を、前記平坦面が左右側に配された状態が維持されるように把持して搬入し、
前記主バイス装置は、前記搬入バイス装置から受け取った2本の前記ねじ節鉄筋を、前記平坦面が左右に配された状態が維持されるように把持固定する請求項1記載の鉄筋切断装置。
【請求項5】
前記鉄筋送り出し機構から送り出された時の前記ねじ節鉄筋の配置を基準に、前記ねじ節鉄筋の長さ方向をX軸方向、幅方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とするXYZ三次元座標系を定義したとき、
前記整列装置の前記方向転換機構は、前記鉄筋仮固定機構を、前記ねじ節鉄筋を前記鉄筋移送機構から受け取る受け位置から、前記ねじ節鉄筋を前記搬入バイス装置に渡す渡し位置までの間を移動させるものであり、
前記整列装置の前記鉄筋仮固定機構は、前記方向転換機構により移動可能に支持された基体と、前記基体に設置された手段であって、前記鉄筋仮固定機構が前記受け位置に在る状態でZ軸方向に対向する上側チャッカ及び下側チャッカを有し、Z軸正方向側に位置する前記上側チャッカとZ軸負方向側に位置する前記下側チャッカとで前記ねじ節鉄筋の側面を挟持するチャック手段とを備えるものであり、
前記整列装置の前記鉄筋移送機構は、前記受け位置に在る前記鉄筋仮固定機構を相手方として動作する複数の手段により構成され、前記複数の手段は、
Y軸方向に水平に延びる上面を有した第一支持部が設けられ、前記鉄筋送り出し機構から送り出された前記ねじ節鉄筋を、前記第一支持部で下方から支持するとともに前記第一支持部をZ軸正方向に変位させることによって前記下側チャッカの上面の位置よりも高く前記上側チャッカの下面の位置よりも低いZ基準位置に移送するZ軸方向移送手段と、
前記第一支持部に支持されて前記Z基準位置に在る前記ねじ節鉄筋を、側方からY軸正方向に押圧することによって、前記下側チャッカの上面及び前記上側チャッカの下面に対向するY基準位置に移送するY軸方向移送手段と、
前記第一支持部に支持されて前記Z基準位置に在る前記ねじ節鉄筋の、前記鉄筋パーツとして切り出される側の端面をX軸負方向に押圧することによって、当該端面のX軸方向の位置を調整するX軸方向位置合わせ手段とで構成される請求項4記載の鉄筋切断装置。
【請求項6】
前記整列装置の前記方向転換機構は、長さ方向の中心軸が横方向に配された回転用シャフトを有し、前記鉄筋仮固定機構を、前記回転用シャフトの前記中心軸周りに1/4回転させることによって、受け位置と渡し位置との間を往復移動させるものであり、
前記整列装置の前記鉄筋仮固定機構は、前記基体が前記回転用シャフトに回動可能に支持されている請求項3又は5記載の鉄筋切断装置。
【請求項7】
前記定数nは1又は2であり、
前記鉄筋パーツに情報表示を付与するためのマーキング装置が設けられ、
前記マーキング装置は、前記切断位置に配された切断前の前記ねじ節鉄筋の、切断後に前記鉄筋パーツとなる部分に対し、又は、前記丸鋸刃で切断されて、切断前の上下左右方向の相対的な位置関係が維持されている前記鉄筋パーツに対し、その外側に露出している前記平坦面に前記情報表示を付与する請求項1記載の鉄筋切断装置。
【請求項8】
棒状本体の側面にねじ状突起が形成され、前記ねじ状突起の途中部分が、前記棒状本体の長さ方向の中心軸を挟んで平行に対向する2つの平坦面が形成されたねじ節鉄筋を切断対象物とし、前記ねじ節鉄筋の長さ方向の一端部から鉄筋パーツを切り出す鉄筋切断装置において、
切断位置に配されたk本(定数kは1又は2)の前記ねじ節鉄筋を幅方向に横切って切断する丸鋸刃と、
k本の前記ねじ節鉄筋を、前記鉄筋パーツとなる側の端部が長さ方向に位置決めされた状態で切断位置に配し、前記丸鋸刃が横切る切断箇所の近傍を把持固定する主バイス装置と、
前記ねじ節鉄筋の切断後に前記鉄筋パーツとなる部分又は前記ネジ節鉄筋から切断された前記鉄筋パーツに対し、外側に露出している前記平坦面に情報表示を付与するマーキング装置とを備え、
前記丸鋸刃は、前記主バイス装置が固定しているk本の前記ねじ節鉄筋を、前記平坦面の法線の方向に移動して切断するように設置されていることを特徴とする鉄筋切断装置。
【請求項9】
前記丸鋸刃で切断されたk本の前記鉄筋パーツを、切断前の上下左右方向の相対的な位置関係が維持されるように把持して搬出する搬出バイス装置が設けられ、
前記搬出バイス装置は、前記鉄筋パーツの長さ方向に移動する搬出用基体と、前記搬出用基体に設置されk本の前記鉄筋パーツを把持する把持部とを有し、前記搬出用基体に前記マーキング装置が設置されており、
前記マーキング装置は、前記鉄筋パーツを搬出する際に前記情報表示を付与する動作が可能である請求項8記載の鉄筋切断装置。
【請求項10】
前記マーキング装置は、前記鉄筋パーツの長さ方向の異なる位置に各々情報表示を付与可能であり、
前記各情報表示の少なくとも一部を付与する際に、前記搬出バイス装置は、前記搬出用基体を移動させることによって、前記マーキング装置を前記各情報表示に対応した位置に移送し、
前記鉄筋パーツを搬出する際に、前記搬出バイス装置が前記把持部で前記鉄筋パーツを把持した状態で前記搬出用基体を移動させ、この移動と平行して前記マーキング装置が情報表示を付与可能に設けられている請求項9記載の鉄筋切断装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺のねじ節鉄筋から所定長さの鉄筋パーツを切り出す鉄筋切断装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
異形鉄筋の中には、ねじ節鉄筋(又はねじ鉄筋)と呼ばれるものがある。ねじ節鉄筋は、図26(a)に示すねじ節鉄筋Tように、棒状本体Taの側面にねじ状突起Tbが形成され、ねじ状突起Tbの途中部分が、棒状本体Taの長さ方向の中心軸を挟んで平行に対向する2つの平坦面Tcが形成された構造の鉄筋のことである。
【0003】
従来、ねじ節鉄筋等の棒材を丸鋸刃で切断する装置として、例えば特許文献1に開示されているように、横方向に移動して切断位置に配された棒材を切断する丸鋸刃と、棒材の、丸鋸刃が横切る切断部付近を挟持する位置固定用の主バイス装置と、棒材を挟持して切断位置に送り込む搬送バイス装置とを備えた棒材切断機があった。
【0004】
また、特許文献1の棒材切断機には、ねじ節鉄筋Tから切り出された鉄筋パーツTPの平坦面Tcに所定の情報表示JH(マーキング)を付与するため、位置固定式のマーキング装置が設けられている。鉄筋パーツTPは、一端部同士に筒状のネジカプラ等を螺合させることによって長さ方向に連結して使用される場合がある。そのため、例えば図26(b)に示すように、略長方形のベタ画で成る情報表示JHを付与し、情報表示JHが付与された位置によってネジカプラ等を螺合させる位置を示し、情報表示JHの色で鉄筋パーツの種類を示すことが行われている
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-28101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ねじ節鉄筋Tを切断する場合、通常は、図27(a)に示すように、ねじ節鉄筋Tを主バイス装置10で把持固定する時、一方の平坦面Tcを下側(Z軸負方向側)に配してZ軸方向の固定バイス12zの上面に載置する。これは、ねじ節鉄筋Tが中心軸周りに回動してねじ状突起Tb及び平坦面Tcの配置が不定になるのを防止するためである。そして、主バイス装置10は、ねじ節鉄筋Tの平坦面Tcの部分をZ軸方向の固定バイス12z及び可動バイス14zで把持固定し、ねじ節鉄筋Tのねじ状突起Tbの先端部分をY軸方向の固定バイス12y及び可動バイス14yで把持固定する。
【0007】
一般に、丸鋸刃16はYZ平面と平行に配され、Y軸負方向に移動してねじ節鉄筋Tを切断するので、丸鋸刃16の刃先は、最初にねじ状突起Tbの先端部に当たる。つまり、螺旋状に傾斜しているねじ状突起Tbの先端部に切り込むことになるので、丸鋸刃16の刃先がX軸方向にブレてしまい、ねじ節鉄筋Tを真っすぐ横切ることができない。したがって、鉄筋パーツTPの長さがばらつきやすいという問題や、鉄筋パーツTPの切断面が綺麗な平面にならないという問題や、丸鋸刃16が破損する不具合が発生しやすいという問題があった。
【0008】
特許文献1の棒材切断機は、上記の問題を解決するための特別な手段は備えておらず、同様の問題が発生する可能性がある。また、この棒材切断機は、特定のマーキング装置を使用して情報表示JHを付与する作業を行うが、この作業の作業効率をさらに向上させることが求められる。
【0009】
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、丸鋸刃でねじ節鉄筋を切断し、高品質な鉄筋パーツを効率よく製作できる鉄筋切断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明(請求項1記載の発明)は、棒状本体の側面にねじ状突起が形成され、前記ねじ状突起の途中部分が、前記棒状本体の長さ方向の中心軸を挟んで平行に対向する2つの平坦面が形成されたねじ節鉄筋を切断対象物とし、前記ねじ節鉄筋の長さ方向の一端部から鉄筋パーツを切り出す鉄筋切断装置であって、切断位置に配されたn本(定数nは1以上の自然数)の前記ねじ節鉄筋を幅方向に横切って切断する丸鋸刃と、n本の前記ねじ節鉄筋を、前記鉄筋パーツとなる側の端部が長さ方向に位置決めされた状態に整列させる整列装置と、前記整列装置が整列させたn本の前記ねじ節鉄筋を、その整列状態が維持されるように把持して、前記切断位置に向けて搬入する搬入バイス装置と、前記搬入バイス装置から受け取ったn本の前記ねじ節鉄筋を切断位置に配し、前記丸鋸刃が横切る切断箇所の近傍を、受け取った時の整列状態が維持されるように把持固定する主バイス装置とを備え、前記丸鋸刃は、前記主バイス装置が固定しているn本の前記ねじ節鉄筋を、前記平坦面の法線の方向に移動して切断するように設置されている鉄筋切断装置である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許