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公開番号
2024111792
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-19
出願番号
2023115789
出願日
2023-07-14
発明の名称
絶縁ゲート型半導体装置及び絶縁ゲート型半導体装置の製造方法
出願人
国立大学法人大阪大学
,
富士電機株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
H01L
21/336 20060101AFI20240809BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】界面準位密度の低減ができ、半導体装置の信頼性の劣化を抑制することが可能な絶縁ゲート型半導体装置及び絶縁ゲート型半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】炭化シリコンからなるチャネル形成領域の上面にシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜を形成する工程と、窒素原子を含むガスでゲート絶縁膜を熱処理することで、ゲート絶縁膜と炭化シリコンとの界面を窒化処理して、チャネル形成領域とゲート絶縁膜との界面に中間窒化層を形成する工程と、二酸化炭素ガスと窒素ガスとの混合ガスでゲート絶縁膜を熱処理することで、ゲート絶縁膜中の窒素原子の一部を除去し、界面に窒化終端層を形成する工程と、ゲート絶縁膜の上に、チャネル形成領域の表面ポテンシャルを制御するゲート電極を形成する工程とを含む。二酸化炭素ガスに対する窒素ガスの比が0.25以上、0.75以下の割合である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
炭化シリコンからなるチャネル形成領域の上面にシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜を形成する工程と、
窒素原子を含むガスで前記ゲート絶縁膜を熱処理することで、前記ゲート絶縁膜と前記チャネル形成領域との界面の炭化シリコンを窒化処理して、前記界面に中間窒化層を形成する工程と、
二酸化炭素ガスと窒素ガスとの混合ガスで前記ゲート絶縁膜を熱処理することで、前記ゲート絶縁膜中の窒素原子の一部を除去し、前記界面に窒化終端層を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜の上に、前記チャネル形成領域の表面ポテンシャルを制御するゲート電極を形成する工程と
を含み、
前記二酸化炭素ガスに対する前記窒素ガスの比が0.25以上、0.75以下であることを特徴とする絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記窒化終端層は、前記混合ガス中で、800℃以上、1400℃未満の温度で熱処理して形成されることを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記チャネル形成領域の前記上面の面方位が(0001)面であり、前記窒化終端層が1000℃以上、1300℃以下の温度で熱処理して形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記チャネル形成領域の前記上面の面方位が(000-1)面、(11-20)面、及び(1-100)面のいずれかであり、前記窒化終端層が900℃以上、1200℃以下の温度で熱処理して形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。
【請求項5】
炭化シリコンからなるチャネル形成領域の上面に設けられたシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜と、
前記チャネル形成領域と前記ゲート絶縁膜との界面の前記チャネル形成領域の炭化シリコンが窒素と結合した窒化終端層と、
前記ゲート絶縁膜の上に設けられ、前記チャネル形成領域の表面ポテンシャルを制御するゲート電極と
を備え、
前記窒化終端層が設けられた前記界面をX線光電子分光法で測定したときの窒素の1s軌道に起因するスペクトル信号の強度I
N
と前記チャネル形成領域に由来するシリコンの2p軌道に起因するスペクトル信号の強度I
Si
との強度比I
N
/I
Si
に関して、前記界面から2nm以上3nm以下の間の前記ゲート絶縁膜を残したときの第1の強度比I
N
/I
Si
に対して、前記ゲート絶縁膜を除去したときの前記窒化終端層での第2の強度比I
N
/I
Si
が0.65以上であることを特徴とする絶縁ゲート型半導体装置。
【請求項6】
前記ゲート絶縁膜の中に、前記ゲート絶縁膜の伝導帯下端から2.2eVより深く、3.2eV以下のエネルギ準位を有する電子トラップの密度が3×10
11
cm
-2
/eV以下であることを特徴とする請求項5に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
【請求項7】
前記ゲート絶縁膜の中に、前記ゲート絶縁膜の伝導帯下端から2.6eVより深く、3.2eV以下のエネルギ準位を有する電子トラップの密度が1×10
10
cm
-2
/eV以下であることを特徴とする請求項6に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
【請求項8】
前記チャネル形成領域の前記上面の面方位が(0001)面であり、前記第2の強度比I
N
/I
Si
が、0.02以上、0.03以下であることを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
【請求項9】
前記チャネル形成領域の前記上面の面方位が(000-1)面、(11-20)面、及び(1-100)面のいずれかであり、前記第2の強度比I
N
/I
Si
が、0.05以上、0.08以下であることを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁ゲート型半導体装置及び絶縁ゲート型半導体装置の製造方法に係り、特に炭化シリコン(SiC)を用いた絶縁ゲート型半導体装置及び絶縁ゲート型半導体装置の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
SiCを用いたMOSFETでは、半導体層上にゲート絶縁膜を形成する際に、高密度の界面準位ができる。ゲート絶縁膜形成後に窒素原子(N)を含有するガス中で加熱する窒化処理でゲート絶縁膜と半導体層との界面に窒化終端層を形成して、界面準位密度(Dit)を低減することが可能である。しかし、バイアス印加ストレスに対してゲート閾値電圧の変動が生じ、信頼性の劣化を招くという問題がある。特許文献1では、窒化処理後に二酸化炭素(CO
2
)ガスによる熱処理でゲート閾値電圧変動を改善している。しかし、界面準位密度の低減が十分でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021‐86896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、上記問題点を鑑み、半導体装置の信頼性劣化を抑制することができ、界面準位密度の低減が可能な絶縁ゲート型半導体装置及び絶縁ゲート型半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一態様は、(a)炭化シリコンからなるチャネル形成領域の上面にシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜を形成する工程と、(b)窒素原子を含むガスでゲート絶縁膜を熱処理することで、ゲート絶縁膜と炭化シリコンとの界面を窒化処理して、チャネル形成領域とゲート絶縁膜との界面に中間窒化層を形成する工程と、(c)二酸化炭素ガスと窒素ガスとの混合ガスでゲート絶縁膜を熱処理することで、ゲート絶縁膜中の窒素原子の一部を除去し、界面に窒化終端層を形成する工程と、(d)ゲート絶縁膜の上に、チャネル形成領域の表面ポテンシャルを制御するゲート電極を形成する工程とを含み、二酸化炭素ガスに対する窒素ガスの比が0.25以上、0.75以下である絶縁ゲート型半導体装置の製造方法であることを要旨とする。
【0006】
本発明の他の態様は、(a)炭化シリコンからなるチャネル形成領域の上面に設けられたシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜と、(b)チャネル形成領域とゲート絶縁膜との界面のチャネル形成領域の炭化シリコンが窒素と結合した窒化終端層と、(c)ゲート絶縁膜の上に設けられ、チャネル形成領域の表面ポテンシャルを制御するゲート電極とを備え、窒化終端層が設けられた界面をX線光電子分光法で測定したときの窒素の1s軌道に起因するスペクトル信号の強度I
N
とチャネル形成領域に由来するシリコンの2p軌道に起因するスペクトル信号の強度I
Si
との強度比I
N
/I
Si
に関して、界面から2nm以上3nm以下の間のゲート絶縁膜を残したときの第1の強度比I
N
/I
Si
に対して、ゲート絶縁膜を除去したときの窒化終端層での第2の強度比I
N
/I
Si
が0.65以上である絶縁ゲート型半導体装置であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、半導体装置の信頼性劣化を抑制することができ、界面準位密度の低減が可能な絶縁ゲート型半導体装置及び絶縁ゲート型半導体装置の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の一例を示す断面概略図である。
実施形態に係る絶縁ゲート構造の評価に用いるMOSキャパシタの製造方法の工程の一例を説明するための断面概略図である。
実施形態に係る絶縁ゲート構造の評価に用いるMOSキャパシタの製造方法の図2に引き続く工程の一例を説明するための断面概略図である。
実施形態に係る絶縁ゲート構造の評価に用いるMOSキャパシタの製造方法の図3に引き続く工程の一例を説明するための断面概略図である。
実施形態に係る絶縁ゲート構造の評価に用いるMOSキャパシタの製造方法の図4に引き続く工程の一例を説明するための断面概略図である。
比較例2のMOSキャパシタの一例を示す断面概略図である。
MOSキャパシタの酸化膜界面近傍の評価に用いるSi2pのXPSスペクトルの一例を示す図である。
MOSキャパシタの酸化膜界面近傍の評価に用いるN1sのXPSスペクトルの一例を示す図である。
Si面MOSキャパシタの酸化膜界面近傍の強度比の測定結果の一例を示す図である。
Si面MOSキャパシタの酸化膜界面近傍の規格化強度比の測定結果の一例を示す図である。
Si面MOSキャパシタの評価結果の一例を示す表である。
m面MOSキャパシタの酸化膜界面近傍の強度比の測定結果の一例を示す図である。
m面MOSキャパシタの酸化膜界面近傍の規格化強度比の測定結果の一例を示す図である。
m面MOSキャパシタの評価結果の一例を示す表である。
実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の工程の一例を説明するための断面概略図である。
実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の図15に引き続く工程の一例を説明するための断面概略図である。
実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の図16に引き続く工程の一例を説明するための断面概略図である。
実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の図17に引き続く工程の一例を説明するための断面概略図である。
実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の図18に引き続く工程の一例を説明するための断面概略図である。
実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の製造方法の図19に引き続く工程の一例を説明するための断面概略図である。
比較例7の絶縁ゲート型半導体装置の一例を示す断面概略図である。
実施形態に係る絶縁ゲート型半導体装置の評価結果の一例を示す表である。
絶縁ゲート型半導体装置のゲート絶縁膜の通電試験の概要を説明するバンド図である。
絶縁ゲート型半導体装置のゲート絶縁膜の通電試験による電子トラップ状態を説明する図である。
絶縁ゲート型半導体装置のゲート絶縁膜の電子トラップ測定系の概要を説明する図である。
絶縁ゲート型半導体装置のゲート絶縁膜の電子トラップの評価方法を説明する図である。
実施例7のゲート絶縁膜の電子トラップの評価結果を示す図である。
比較例7のゲート絶縁膜の電子トラップの評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する説明を省略する。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は実際のものとは異なる場合がある。また、図面相互間においても寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。
【0010】
本明細書においてMOSトランジスタのソース領域は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)のエミッタ領域として選択可能な「一方の主電極領域(第1主電極領域)」である。又、MOS制御静電誘導サイリスタ(SIサイリスタ)等のサイリスタにおいては、一方の主電極領域はカソード領域として選択可能である。MOSトランジスタのドレイン領域は、IGBTにおいてはコレクタ領域を、サイリスタにおいてはアノード領域として選択可能な半導体装置の「他方の主電極領域(第2主電極領域)」である。本明細書において単に「主電極領域」と言うときは、当業者の技術常識から妥当な第1主電極領域又は第2主電極領域のいずれかを意味する。
(【0011】以降は省略されています)
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