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公開番号2024111650
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-19
出願番号2023016279
出願日2023-02-06
発明の名称複合成形体
出願人UBE株式会社
代理人弁理士法人 津国
主分類B32B 27/34 20060101AFI20240809BHJP(積層体)
要約【課題】接着性、シール性及び機械的特性に優れる、複合成形体を提供する。
【解決手段】本発明は、ポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)又はポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)を含むエラストマー組成物(A)からなる成形体Aと、脂肪族ポリアミド樹脂(b1)及び強化繊維(b2)を含むポリアミド樹脂組成物(B)からなる成形体Bとが直接接合した複合成形体であって、前記エラストマー組成物(A)の合計100質量部に対して、前記ポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)の含有量が50質量部超100質量部未満であり、前記ポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)中のポリエーテル化合物由来の構成単位の比率が30~55質量%であり、前記ポリアミド樹脂組成物(B)の合計100質量部に対して、前記前記脂肪族ポリアミド樹脂(b1)の含有量が50質量部超100質量部未満であり、前記脂肪族ポリアミド樹脂(b1)の末端アミノ基濃度が40~105μmol/kgである、複合成形体に関する。また、複合成形体は、成形体の軽量化により、資源使用量の減少に寄与する観点から、SDGs(Sustainable Development Goals。持続可能な開発目標)のGoal9、13等の達成に貢献し得る。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)又はポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)を含むエラストマー組成物(A)からなる成形体Aと、
脂肪族ポリアミド樹脂(b1)及び強化繊維(b2)を含むポリアミド樹脂組成物(B)からなる成形体Bとが直接接合した複合成形体であって、
前記エラストマー組成物(A)の合計100質量部に対して、前記ポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)の含有量が50質量部超100質量部未満であり、
前記ポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)中のポリエーテル化合物由来の構成単位の比率が30~55質量%であり、
前記ポリアミド樹脂組成物(B)の合計100質量部に対して、前記前記脂肪族ポリアミド樹脂(b1)の含有量が50質量部超100質量部未満であり、
前記脂肪族ポリアミド樹脂(b1)の末端アミノ基濃度が40~105μmol/kgである、
複合成形体。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
ポリアミド樹脂組成物(B)の合計100質量部に対して、脂肪族ポリアミド樹脂(b1)の含有量が55質量部以上85質量部以下であり、強化繊維(b2)の含有量が15質量部以上45質量部以下である、請求項1に記載の複合成形体。
【請求項3】
強化繊維(b2)が、ガラス繊維、炭素繊維及びセルロース繊維からなる群より選択される1種以上である、請求項1又は2に記載の複合成形体。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の複合成形体の製造方法であって、以下の工程1-A及び工程2-A:
工程1-A:ポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)又はポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)を含むエラストマー組成物(A)を射出成形して、ポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)又はポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)を含むエラストマー組成物(A)の成形体Aを得る工程、
工程2-A:前記成形体Aの表面の全部又は一部に、ポリアミド樹脂組成物(B)を射出成形して、前記成形体A上に、ポリアミド樹脂組成物(B)の成形体Bを直接接合させる工程、
を含む、
複合成形体の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の複合成形品体の製造方法であって、以下の工程1-B及び工程2-B:
工程1-B:ポリアミド樹脂組成物(B)を射出成形して、ポリアミド樹脂組成物(B)の成形体Bを得る工程、
工程2-B:前記成形体Bの表面の全部又は一部に、ポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)又はポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)を含むエラストマー組成物(A)を射出成形して、前記成形体B上に、ポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)又はポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)を含むエラストマー組成物(A)の成形体Aを直接接合させる工程、
を含む、
複合成形体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複合成形体に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
金属と加硫ゴムとを接着剤を介して貼り合わされた積層体、金属の端に加硫ゴムを部分的に接着した部品等の複合成形体は、加硫ゴムが有する弾性力と、金属が有する機械的強度の複合作用によりシール性を発揮する。そのため、前記複合成形体は、自動車部品、産業機械、航空機内部品、家庭用機器、建設材料等のシール性部材や摺動部材及び防振部材分野で使用されている。
【0003】
特許文献1には、このような金属と加硫ゴムとが接着剤を介して積層された複合成形体が開示されている。
【0004】
一方で、特許文献1に記載されたような、金属を含む複合成形体を樹脂によって代替する試みがある。ポリアミド樹脂は優れた機械的特性、耐熱性、耐薬品性を有しており、自動車部品、産業機械、電気部品等の構造部材やハウジング材料として広く使用されている。そして、ポリアミド樹脂を使用した硬質材料に、所望の特性を付与する目的で軟質材料である熱可塑性エラストマーを熱融着させた複合成形体が知られている。特許文献2には、ポリアミド樹脂を使用した硬質材料として、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエステルアミド樹脂及び酸変性されたポリプロピレン樹脂を特定量配合してなる熱可塑性樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、前記組成物の成形体と、軟質材料である熱可塑性エラストマーの成形体とを熱融着した複合成形体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-067216号公報
特開2008-106249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された複合成形体は、接着剤が必要である。これに対して、接着剤を用いる工程を減らすことに対する要求がある。
【0007】
特許文献2に開示されたポリアミド樹脂を使用した硬質材料は、軟質材料である熱可塑性エラストマー成分を含むため、金属の代替として強度の問題が生じ得る。そして、硬質材料の樹脂と軟質材料の樹脂という異なる樹脂の間の接着において、接着が困難である場合がある。
【0008】
また、摺動部材における緩衝部材として用いられる複合成形体は、部材との衝突により変形するための柔軟性が要求される。また、このような複合成形体が密封を目的とする態様で用いられる場合、封入された潤滑油等の流体の漏れを防ぐためのシール性が要求される。
【0009】
したがって、本発明は、接着性、シール性及び機械的特性に優れる、複合成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下に関する。
[1]ポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)又はポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)を含むエラストマー組成物(A)からなる成形体Aと、
脂肪族ポリアミド樹脂(b1)及び強化繊維(b2)を含むポリアミド樹脂組成物(B)からなる成形体Bとが直接接合した複合成形体であって、
前記エラストマー組成物(A)の合計100質量部に対して、前記ポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)の含有量が50質量部超100質量部未満であり、
前記ポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)中のポリエーテル化合物由来の構成単位の比率が30~55質量%であり、
前記ポリアミド樹脂組成物(B)の合計100質量部に対して、前記前記脂肪族ポリアミド樹脂(b1)の含有量が50質量部超100質量部未満であり、
前記脂肪族ポリアミド樹脂(b1)の末端アミノ基濃度が40~105μmol/kgである、
複合成形体。
[2]ポリアミド樹脂組成物(B)の合計100質量部に対して、脂肪族ポリアミド樹脂(b1)の含有量が55質量部以上85質量部以下であり、強化繊維(b2)の含有量が15質量部以上45質量部以下である、[1]に記載の複合成形体。
[3]強化繊維(b2)が、ガラス繊維、炭素繊維及びセルロース繊維からなる群より選択される1種以上である、[1]又は[2]に記載の複合成形体。
[4][1]~[3]のいずれか一項に記載の複合成形体の製造方法であって、以下の工程1-A及び工程2-A:
工程1-A:ポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)又はポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)を含むエラストマー組成物(A)を射出成形して、ポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)又はポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)を含むエラストマー組成物(A)の成形体Aを得る工程、
工程2-A:前記成形体Aの表面の全部又は一部に、ポリアミド樹脂組成物(B)を射出成形して、前記成形体A上に、ポリアミド樹脂組成物(B)の成形体Bを直接接合させる工程、
を含む、
複合成形体の製造方法。
[5][1]~[3]のいずれか一項に記載の複合成形体の製造方法であって、以下の工程1-B及び工程2-B:
工程1-B:ポリアミド樹脂組成物(B)を射出成形して、ポリアミド樹脂組成物(B)の成形体Bを得る工程、
工程2-B:前記成形体Bの表面の全部又は一部に、ポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)又はポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)を含むエラストマー組成物(A)を射出成形して、前記成形体B上に、ポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)又はポリエーテルポリアミドエラストマー(a1)を含むエラストマー組成物(A)の成形体Aを直接接合させる工程、
を含む、複合成形体の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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