TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024111290
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-16
出願番号2024101292,2023009555
出願日2024-06-24,2018-07-13
発明の名称ランドマーク転写因子を使用した幹細胞分化による神経前駆細胞、オリゴデンドロサイト前駆細胞、およびオリゴデンドロサイトの誘導
出願人アリール バイオテクノロジー アンド ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 5/0797 20100101AFI20240808BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】ランドマーク転写因子を使用した幹細胞分化による神経前駆細胞、オリゴデンドロサイト前駆細胞、およびオリゴデンドロサイトの誘導の提供。
【解決手段】ヒトiPSC由来の神経前駆細胞、オリゴデンドロサイト前駆細胞、オリゴデンドロサイトを前例のない効率および機能性で誘導する新規の方法。本発明の核心は、多能性から、外胚葉、神経外胚葉、これらからNPC、これからOPC、これからオリゴデンドロサイトへの経路に沿った重要な複数の分化決定点における、これまでに未知の様式の、実験により発見された転写因子の使用である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
図面に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2017年7月13日出願の米国仮特許出願第62/532,246号の優先権を主張する。
続きを表示(約 5,400 文字)【0002】
本開示は、神経前駆細胞、オリゴデンドロサイト前駆細胞、オリゴデンドロサイトへの、動態学的に制御された細胞成長プロセスによる多能性幹細胞の分化カスケードを、細胞密度の特定の組合せおよび範囲、試薬濃度、ならびにmRNAの特定の組合せを利用して、誘導および/または方向づけることに関する。
【背景技術】
【0003】
ヒト幹細胞の生成および後の分化への最近の取組みは、細胞運命の柔軟性、ヒト疾患のためのモデル、および臨床治療に関するパラダイムを変えた。胚性幹細胞(ESC)および体細胞から作製する人工多能性幹細胞(iPSC)はともに、益々増加するリストに挙がる、その対応する初代細胞と識別不能な特定細胞型に分化し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、細胞成長動態および関連するパラメータをモジュレートし、これにより細胞密度の特定の組合せ、試薬濃度、およびmRNAの組合せを使用して、分化/誘導の方向性を制御することにより、幹細胞を誘導および分化させるための方法を提供する。一態様では、本開示の1つの実利は、機能的で成熟したオリゴデンドロサイトとなり得る神経前駆細胞(NPC)およびオリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)を提供し、ならびに種々の型の髄鞘関連疾患および傷害に関与する治療にオリゴデンドロサイトを直接提供する、新たに開発したプロトコールである。
【0005】
本開示は、高度に効率的かつ適切に管理された、組織特異的分化におけるマスター制御遺伝子または重要な転写因子の発現を利用する分化方法を提供する。より詳細には、このような因子は、本開示により実証する、適切に改変かつ精製したmRNA分子の形態で多能性幹細胞に導入する。
【0006】
一態様では、本開示は、幹細胞を種々の細胞型に方向づけるために最適化した、重要な細胞運命因子、およびトランス活性化ドメインを有する従来の転写因子(TF)間の融合物を利用するステップと、このような因子を合成メッセンジャーRNA(mRNA)として、好ましい密度で、適切なレベルの導入遺伝子発現を生じる方法により、培養した多能性幹細胞に導入するステップと、最適条件下で細胞を維持して特定の分化効率を高め、これにより幹細胞または前駆細胞の多能性状態または前駆状態を特定の系列または組織細胞型に誘導するステップとを含む、細胞分化を誘導する方法を提供する。
【0007】
別の態様では、本開示は、幹細胞を種々の細胞型に方向づけるために最適化した、重要な細胞運命因子、およびトランス活性化ドメインを有する従来の転写因子(TF)間の融合物を含む、重要な細胞運命遺伝子を発現する幹細胞(まとめて幹細胞と呼ぶ)を生成するステップと、このような因子を合成メッセンジャーRNA(mRNA)として、好ましい密度で、適切なレベルの導入遺伝子発現を生じる方法により、培養した多能性幹細胞に導入するステップと、最適条件下で細胞を維持して特定の分化効率を高めるステップとのうちの少なくとも1つを含む、幹細胞または前駆細胞の多能性状態または前駆状態を特定の系列または組織の細胞型に変化させるための方法を提供する。
【0008】
別の態様では、人工多能性幹細胞(iPSC)および/または胚性幹細胞(ESC)の神経前駆細胞(NPC)への分化を誘導するための方法であって、
a)iPSCおよび/またはESCを、コーティングされた非組織処理培養プレートに蒔くステップと、
b)1つまたは複数の細胞運命因子をコードするmRNAを個別のmRNAまたは組み合わせたmRNAとしてステップa)の細胞にトランスフェクションするステップと、
c)ステップb)の前記iPSCおよび/またはESCを、細胞がNPCに分化するまで培養するステップと、
d)多数のNPCを必要とする場合、細胞をコーティングされていない超低接着条件に移して懸濁液中に成長させることにより、c)のNPCを増やし得るステップと
を含む、方法を本明細書において開示する。本態様の実施形態では、ステップb)の細胞運命因子は、Ngn2、Pax6、Sox2、Brn2およびFoxOファミリー因子のうちの1つまたは複数からなる群から、個別のmRNAまたは組み合わせたmRNAトランスフェクションとして選択される。一部の実施形態では、トランスフェクションするRNAの量は、6ウェルプレートの1ウェルあたり約10ng~約200ngもしくは約20ng~約200ngであるか、または他のタイプのプレートもしくは培養フラスコを使用する場合、容器の面積もしくは培養培地量の容量に基づいて比例的に調整する。一部の実施形態では、トランスフェクションは、少なくともさらに1回反復する。トランスフェクションは、約24時間間隔で反復し得る。別の実施形態では、細胞運命因子は、トランス活性化ドメイン、例えば、それらに限定されないがMyoDまたはVP16と融合させ得る。一部の実施形態では、ステップc)の細胞は、細胞がステップc)の細胞運命因子のうちの1つまたは複数を発現するまで培養する。細胞因子が発現するかどうかの決定は、イムノアッセイおよび/またはqt-PCRを使用して行うことができるが、これらに限定されない。さらに他の実施形態では、SB43542、LDN193189およびPD173074のうちの1つまたは複数を、必要に応じて、ステップc)の細胞に加え得る。一部の実施形態では、ステップa)~c)の培養条件は、約2%~約6%の酸素濃度におけるものである。本開示の実施形態では、ステップa)~c)において使用する培地は、最小必須培地アルファ(MEMa)、ダルベッコ改変イーグル培地:Nutrient Mixture F-12(DMEM/F12)またはB27サプリメントを有するDMEMから選択される。培地はまた、他の成分、例えば、ノックアウト血清代替物(KSR)、およびbFGF、N2もしくはB27、BSAまたはHSAのうちの1つまたは複数を含み得る。別の実施形態では、培養容器は、マトリゲルおよび/またはPLO-ラミニンでコーティングされている。本方法の実施形態では、ステップa)のiPSCおよび/またはESCは、6ウェルプレートにおいて約0.75×10

細胞~約1.5×10

細胞/ウェルで播種する。他のサイズの培養容器を使用することもできる。6ウェルプレート以外の培養容器のための播種密度は、約70,000細胞~約14,000,000細胞を使用し、細胞数を培養容器の成長面積で割ることに基づいて、例えば、表2に示すように決定することができる。一部の実施形態では、ステップc)の細胞は、約3~約10日間培養し、この時に細胞がアストロサイト様またはニューロン様形態を有する。約3~約10日後、約100%に近いが約75%よりも多くの細胞が、NPC細胞特有の形態を有する。一部の実施形態では、約40~60%の細胞が、NPC細胞特有の形態を有する。約40%よりも少ない細胞がNPC細胞特有の形態を有する場合、細胞選別を使用して細胞を単離することができる。懸濁培養システムを使用してさらに培養すると、さらなる選択が可能となる。一部の実施形態では、NPCの確認は、細胞運命因子のうちの1つ、例えば、Pax6の発現により示すことができる。
【0009】
本開示の別の態様は、オリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)をNPCから生成するための方法であって、前記方法は、
a)培地を含むコーティングされた培養容器(coatedculture vessel)にNPCを蒔く
ステップと、
b)1つまたは複数の細胞運命因子をコードするmRNAを個別のmRNAまたは組み合わせたmRNAとしてステップa)の細胞にトランスフェクションして、神経前駆細胞をオリゴデンドロサイト前駆細胞に分化させるステップと、
c)ステップc)の細胞を、NPCの形態がOPCの形態に変化するまで培養するステップと、
d)多数のOPCを必要とする場合、c)のOPCをコーティングされていない超低接着条件に移して懸濁液中に成長させることにより、増大させ得るステップと
を含む。本方法の実施形態では、ステップa)において、6ウェルプレートのウェルには、約0.75×10

細胞/ウェル~約1.5×10

細胞/ウェルで播種する。他のサイズの培養容器を使用することもできる。6ウェルプレート以外の培養容器のための播種密度は、約70,000細胞~約14,000,000細胞を使用し、細胞数を培養容器の成長面積で割ることに基づいて、例えば、表2に示すように決定することができる。別の実施形態では、ステップb)のトランスフェクションに使用するmRNAは、Oligo2、NKX2.2、SOX10およびOligo1のmRNAからなる群のうちの1つまたは複数から個別にまたは組み合わせて選択される細胞運命因子をコードする。別の実施形態では、ステップb)におけるトランスフェクションのための用量は、6ウェル培養プレートを使用する場合、1細胞運命因子あたり約20ng~約100ngであるか、または他のタイプのプレートもしくは培養フラスコを使用する場合、容器の面積もしくは培養培地量の容量に基づいて、比例的に調整する。別の実施形態では、最初のトランスフェクション後、トランスフェクションは、6ウェル培養プレートを使用する場合、約10ng/細胞運命因子~約200ng/細胞運命因子のmRNAの用量で少なくともさらに2回反復するか、または他のタイプのプレートもしくは培養フラスコを使用する場合、容器の面積もしくは培養培地量の容量に基づいて、比例的に調整する。別の実施形態では、培養容器プレートは、マトリゲルおよび/またはPLO-ラミニンでコーティングされている。別の実施形態では、ステップa)~c)に使用する培地は、DMEM/F12、DMEMおよびMEMaから選択される。一部の実施形態では、培地には、KSR、アスコルビン酸、SAG、PDGF、HGF、IGF1、T3、インスリン、RA、B27、CAMPおよび/またはビオチンのうちの1つまたは複数を補充する。本方法の実施形態では、ステップa)~d)の培養条件は、約2%~約6%の酸素濃度におけるものである。別の実施形態では、ステップc)の細胞は、OPCの形態特性を有する細胞が観察されるまで約4~約20日間培養する。別の実施形態では、OPC生成は、双極性形態および/または細胞運命因子のうちの1つの発現に基づいて確認することができる。約4~約20日後、約100%に近いが約75%よりも多くの細胞が、OPC細胞特有の形態を有する。一部の実施形態では、約40~60%の細胞が、OPC細胞特有の形態を有する。約40%よりも少ない細胞がOPC細胞特有の形態を有する場合、細胞選別を使用して細胞を単離することができる。懸濁培養システムを使用してさらに培養すると、さらなる選択が可能となる。一部の実施形態では、OPCの確認は、細胞運命因子のうちの1つ、例えば、Oligo2またはSox10の発現により示すことができる。
【0010】
本開示の別の態様は、次のステップ:
a)培地を含むコーティングされた培養容器にOPCを蒔くステップと、
b)細胞が、分枝細胞突起(branched cell process)を伴って出現する、および/ま
たはミエリン塩基性タンパク質(MBP)を生成するまで、ステップa)の細胞を培養するステップと
に基づいて、オリゴデンドロサイトをOPCから生成するための方法である。本方法の実施形態では、ステップa)~c)に使用する培地は、DMEM/F12、DMEMまたはMEMaから選択される。培地には、KSR、アスコルビン酸、N2、B27、ビオチン、CAM、T3およびインスリンからなる群から選択される培地サプリメントのうちの1つまたは複数を補充し得る。別の実施形態では、ステップa)のOPCは、6ウェルプレートを使用して1ウェルあたり約0.75×10

細胞~約1.5×10

細胞で播種する。6ウェルプレート以外の培養容器のための播種密度は、約70,000細胞~約14,000,000細胞を使用し、細胞数を培養容器の成長面積で割ることに基づいて、例えば、表2に示すように決定することができる。別の実施形態では、ステップb)の細胞は、約7~約30日間培養し、この時に分枝細胞突起を有する細胞が存在する。別の実施形態では、ステップa)の細胞培養容器は、マトリゲルおよび/またはPLO-ラミニンでコーティングされている。
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
菊川深蒸し茶わり
11日前
株式会社明治
細菌の検出方法
1か月前
テルモ株式会社
多段培養容器
25日前
国立大学法人大阪大学
組成物
27日前
株式会社島津製作所
溶血試薬
1か月前
東洋紡株式会社
マウス組換え抗体の生産性向上
10日前
株式会社シバタ
微生物培養用の交換装置
1か月前
学校法人麻布獣医学園
ブタ心臓組織標本
1か月前
本田技研工業株式会社
培養装置
1か月前
東ソー株式会社
免疫グロブリン結合性タンパク質
2か月前
個人
培養システム
2か月前
株式会社豊田中央研究所
材料評価方法
1か月前
本田技研工業株式会社
藻類回収装置
1か月前
東ソー株式会社
多能性幹細胞由来細胞集団の製造方法
2か月前
テルモ株式会社
サンプリングキット
1か月前
イチビキ株式会社
下痢・軟便の予防・軽減素材
2か月前
本田技研工業株式会社
培養システム
1か月前
テルモ株式会社
サンプリングキット
1か月前
ヤマモリ株式会社
γ-アミノ酪酸含有発酵液の製造方法
1か月前
株式会社MARS Company
善玉菌増殖方法
今日
国立大学法人大阪大学
新規ポリヌクレオチド
28日前
国立大学法人山梨大学
キメラタンパク質
10日前
花王株式会社
リパーゼ変異体
28日前
花王株式会社
リパーゼ変異体
28日前
住友化学株式会社
細胞チップ
2か月前
住友化学株式会社
細胞チップ
2か月前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
2か月前
JFEエンジニアリング株式会社
生細胞選別方法
10日前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
2か月前
極東開発工業株式会社
発酵装置及びメタンガス製造方法
1か月前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
2か月前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
2か月前
アサヒビール株式会社
ビール様発泡性飲料
2か月前
アサヒビール株式会社
ビール様発泡性飲料
2か月前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
2か月前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
2か月前
続きを見る