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公開番号2024110198
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-15
出願番号2023014637
出願日2023-02-02
発明の名称吸音装置
出願人株式会社東芝
代理人弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
主分類G10K 11/172 20060101AFI20240807BHJP(楽器;音響)
要約【課題】広い周波数帯域の音を吸音できる吸音装置を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る吸音装置は、表面板、背後板、膜、及び支持部材を備える。表面板は、音孔を有する。背後板は前記表面板に対向する。膜は、前記表面板と前記背後板との間に設けられる。支持部材は、前記膜を支持する。支持部材は、前記膜に取り付けられる第1の枠と、前記第1の枠の内側に位置する、前記膜に取り付けられる第1部材と、前記第1の枠と前記第1部材を連結する連結部材と、を含む。吸音装置は、第2の枠及び第3の枠をさらに備える。第2の枠は前記表面板と前記膜との間に第1の空間を形成する。第3の枠は前記背後板と前記膜との間に第2の空間を形成する。
【選択図】図3


特許請求の範囲【請求項1】
音孔を有する表面板と、
前記表面板に対向する背後板と、
前記表面板と前記背後板との間に設けられる膜と、
前記膜を支持する支持部材であって、前記膜に取り付けられる第1の枠と、前記第1の枠の内側に位置する、前記膜に取り付けられる第1部材と、前記第1の枠と前記第1部材を連結する連結部材と、を含む支持部材と、
前記表面板と前記膜との間に第1の空間を形成する第2の枠と、
前記背後板と前記膜との間に第2の空間を形成する第3の枠と、
を備える吸音装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記連結部材は、前記第1の枠に対して振動可能に前記第1部材を支持し、
前記膜が前記第1部材の振動に合わせて振動することにより生じる第1の吸音特性を利用して、前記音孔を通じて前記第1の空間に入射する音を低減する、
請求項1に記載の吸音装置。
【請求項3】
前記第1の吸音特性の固有振動数を調整するために、前記第1部材の質量を調整可能に構成される、請求項2に記載の吸音装置。
【請求項4】
前記第1の枠及び前記第1部材は前記膜の第1の部分に取り付けられ、
前記第1の部分とは異なる前記膜の第2の部分が振動することにより生じる第2の吸音特性を利用して、前記音孔を通じて前記第1の空間に入射する音を低減する、
請求項1に記載の吸音装置。
【請求項5】
前記連結部材は、第1の端部及び第2の端部を含む直線状の梁部材を備え、前記梁部材の前記第1の端部が前記第1の枠に接続され、前記梁部材の前記第2の端部が前記第1部材に接続される、請求項1に記載の吸音装置。
【請求項6】
前記連結部材は、第1の端部及び第2の端部を含む直線状の第1の梁部材と、第3の端部及び第4の端部を含む円弧状の第2の梁部材と、第5の端部及び第6の端部を含む直線状の第3の梁部材と、を備え、前記第1の梁部材の前記第1の端部が前記第1の枠に接続され、前記第1の梁部材の前記第2の端部が前記第2の梁部材の前記第3の端部に接続され、前記第3の梁部材の前記第5の端部が前記第2の梁部材の前記第4の端部に接続され、前記第3の梁部材の前記第6の端部が前記第1部材に接続される、請求項1に記載の吸音装置。
【請求項7】
前記第1部材は、互いに等距離離間する且つ前記支持部材の中心から等距離離間する3つ以上の部材を備える、請求項1に記載の吸音装置。
【請求項8】
前記連結部材は、前記膜に取り付けられる、請求項1に記載の吸音装置。
【請求項9】
前記支持部材は、第1の面及び前記第1の面と反対側の第2の面を有し、前記膜は、前記支持部材の前記第1の面側に設けられる第1の膜及び前記支持部材の前記第2の面側に設けられる第2の膜を備える、請求項1に記載の吸音装置。
【請求項10】
前記第1の枠、前記第1部材、及び前記連結部材は、一体成型されている、請求項1に記載の吸音装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、吸音装置に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
騒音などの音を低減させる吸音装置として、ヘルムホルツ共鳴器が知られている。ヘルムホルツ共鳴器は、内部空間が1個の音孔を介して外部空間と接続される容器である。ヘルムホルツ共鳴器は、音孔を介して入射した音によって内部空間で共鳴が発生することにより、共鳴周波数における入射音の振動エネルギーを減衰させることができる。ヘルムホルツ共鳴器は、1自由度系を有し、よって、単峰性の吸音特性を持つ。
【0003】
吸音特性を広帯域化させる観点から、2自由度系のヘルムホルツ共鳴器が提案されている。2自由度系のヘルムホルツ共鳴器は、内部空間を2つの空間に分離するように、1自由度系のヘルムホルツ共鳴器に弾性板を追加した構造を有する。弾性板が1自由度系を有し、ヘルムホルツ共鳴器が1自由度系を有し、ヘルムホルツ共鳴器と弾性板の連成により2自由度系となる。2自由度系のヘルムホルツ共鳴器は、吸音率ピークが2つに分離した吸音特性を持つ。
【0004】
2自由度系のヘルムホルツ共鳴器では、2つの吸音率ピーク間に谷特性(吸音率の落ち込み)が生じる。谷特性を抑えるために、弾性板に制振材を取り付ける手法が提案されている。しかしながら、弾性板への制振材の付与を適切に実施するには試行錯誤を要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6510653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、広い周波数帯域の音を吸音することができる吸音装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る吸音装置は、表面板、背後板、膜、及び支持部材を備える。表面板は、音孔を有する。背後板は前記表面板に対向する。膜は、前記表面板と前記背後板との間に設けられる。支持部材は、前記膜を支持する。支持部材は、前記膜に取り付けられる第1の枠と、前記第1の枠の内側に位置する、前記膜に取り付けられる第1部材と、前記第1の枠と前記第1部材を連結する連結部材と、を含む。吸音装置は、第2の枠及び第3の枠をさらに備える。第2の枠は前記表面板と前記膜との間に第1の空間を形成する。第3の枠は前記背後板と前記膜との間に第2の空間を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施形態に係る吸音装置を示す斜視図。
実施形態に係る吸音装置を示す分解図。
実施形態に係る吸音装置を示す断面図。
実施形態に係る支持部材を示す斜視図。
実施形態に係る膜と支持部材の組み合わせの吸音特性を示すグラフ。
実施形態に係る膜と支持部材の組み合わせの振動を示す図。
実施形態に係る膜と支持部材の組み合わせの振動を示す図。
実施形態に係る膜と支持部材の組み合わせの振動モードを示す図。
実施形態に係る支持部材を示す斜視図。
実施形態に係る支持部材を示す斜視図。
実施形態に係る膜と支持部材の組み合わせの振動を示す図。
実施形態に係る膜と支持部材の組み合わせの振動を示す図。
実施形態に係る支持部材を示す平面図。
実施形態に係る支持部材を示す平面図。
実施形態に係る支持部材を示す平面図。
実施形態に係る膜と支持部材の組み合わせの振動を示す図。
実施形態に係る膜と支持部材の組み合わせの振動を示す図。
実施形態に係る膜と支持部材の組み合わせの振動を示す図。
実施形態に係る膜と支持部材の組み合わせの振動を示す図。
実施形態に係る支持部材の中央部材の配置を示す図。
実施形態に係る支持部材を示す斜視図。
実施形態に係る膜と支持部材の組み合わせの振動を示す図。
実施形態に係る膜と支持部材の組み合わせの振動を示す図。
実施形態に係る膜と支持部材の組み合わせの振動を示す図。
実施形態に係る支持部材の中央部材の配置を示す図。
実施形態に係る支持部材を示す斜視図。
実施形態に係る膜と支持部材の組み合わせの振動を示す図。
実施形態に係る膜と支持部材の組み合わせの振動を示す図。
実施形態に係る膜と支持部材の組み合わせの振動を示す図。
実施例に係る表面板の吸音特性を計測するための構造体を示す斜視図。
実施例に係る表面板の吸音特性を計測するための構造体を示す分解図。
実施例に係る表面板の吸音特性を計測するための構造体を示す分解図。
実施例に係る表面板の構造を示す平面図。
実施例に係る表面板の吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
図33から得られる厚みL1に対するヘルムホルツ共鳴周波数のプロットを示すグラフ。
実施例に係る膜と支持部材の組み合わせの吸音特性を計測するための構造体を示す斜視図。
実施例に係る膜と支持部材の組み合わせの吸音特性を計測するための構造体を示す分解図。
実施例に係る膜と支持部材の組み合わせの吸音特性を計測するための構造体を示す分解図。
実施例1に係る膜と支持部材の組み合わせを示す平面図。
実施例1に係る膜と支持部材の組み合わせの吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
図36から得られる厚みL2に対する第1の吸音特性の固有振動数のプロットを示すグラフ。
実施例1に係る厚みL1と厚みL2の組み合わせを決定する方法を説明するための図。
実施例1に係る吸音装置の吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例1に係る吸音装置の吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例1に係る膜と支持部材の組み合わせの吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
図41から得られる厚みL2に対する第1の吸音特性の固有振動数のプロットを示すグラフ。
実施例1に係る厚みL1と厚みL2の組み合わせを決定する方法を説明するための図。
実施例1に係る吸音装置の吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例1に係る吸音装置の吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例1に係る、膜が2重である場合と膜が3重である場合とで比較して比音響インピーダンスを示す図。
実施例1に係る支持部材におもりを取り付ける状況を示す平面図。
実施例1に係る膜と支持部材の組み合わせの吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例1に係る、連結部材の形状の変更による固有振動数の変化を検証するために使用する4種類の支持部材を示す平面図。
実施例1に係る膜と支持部材の組み合わせの吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例2に係る膜と支持部材の組み合わせを示す平面図。
実施例2に係る膜と支持部材の組み合わせの吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
図52から得られる厚みL2に対する第2の吸音特性の固有振動数を示すグラフ。
実施例2に係る厚みL1と厚みL2の組み合わせを決定する方法を説明するための図。
実施例2に係る吸音装置の吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例2に係る吸音装置の吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例2に係る吸音装置の吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例3に係る吸音装置を示す分解図。
実施例3に係る膜と支持部材の組み合わせの吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
図59から得られる厚みL2に対する第2の吸音特性の固有振動数を示すグラフ。
実施例3に係る厚みL1と厚みL2の組み合わせを決定する方法を説明するための図。
実施例3に係る吸音装置の吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例3に係る吸音装置の吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例3に係る吸音装置の吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例2に係る吸音装置と実施例3に係る吸音装置とで比較して比音響インピーダンスを示す図。
実施例4に係る支持部材を示す斜視図。
実施例4に係る膜と支持部材の組み合わせの吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例4に係る吸音装置の吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例4に係る吸音装置の吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例4に係る吸音装置の吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例4に係る吸音装置の吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例4に係る吸音装置の吸音特性を計測した結果を示すグラフ。
実施例4に係る吸音装置の比音響インピーダンスを示す図。
実施形態に係る吸音装置を示す斜視図。
実施形態に係る吸音装置を示す斜視図。
実施形態に係る吸音装置を示す斜視図。
実施形態に係る吸音装置を示す分解図。
関連技術に係る吸音装置を示す断面図。
関連技術に係る吸音装置の吸音特性を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら実施形態を説明する。全図を通して同様の構成要素に同様の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0010】
まず、関連技術に係る吸音装置について簡単に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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