TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024110111
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-15
出願番号2023014481
出願日2023-02-02
発明の名称ドーナツ類及びその製造方法
出願人株式会社ニップン
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A21D 2/36 20060101AFI20240807BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】本発明は、口中でホロホロとした崩れるような食感を有し、口どけの良いドーナツ類を提供することを課題とする。
【解決手段】菽穀粉、架橋澱粉、及び任意成分としての菽穀粉以外の穀粉からなるドーナツ類用原料粉であって、菽穀粉の含有率が、前記原料粉全量に対して8~50質量%、架橋澱粉の含有率が、前記原料粉全量に対して38~77質量%、菽穀粉と架橋澱粉との合計が前記原料粉全量に対して68質量%以上であり、前記架橋澱粉が糊化しない架橋澱粉、又は前記架橋澱粉がその原料澱粉よりも3℃以上高い糊化開始温度を有する架橋澱粉である、ドーナツ類用原料粉を使用することで上記課題を解決する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
菽穀粉、架橋澱粉、及び任意成分としての菽穀粉以外の穀粉からなるドーナツ類用原料粉であって、菽穀粉の含有率が前記原料粉全量に対して8~50質量%、架橋澱粉の含有率が前記原料粉全量に対して38~77質量%、菽穀粉と架橋澱粉との合計含有率が前記原料粉全量に対して68質量%以上であり、前記架橋澱粉が糊化しない架橋澱粉、又は前記架橋澱粉がその原料澱粉よりも3℃以上高い糊化開始温度を有する架橋澱粉である、ドーナツ類用原料粉。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
菽穀粉が大豆粉である、請求項1に記載のドーナツ類用原料粉。
【請求項3】
架橋澱粉がリン酸架橋澱粉である、請求項1に記載のドーナツ類用原料粉。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のドーナツ類用原料粉を含有する、ドーナツ類用ミックス粉。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載のドーナツ類用原料粉を含有する、ドーナツ類用生地。
【請求項6】
請求項5に記載のドーナツ類用生地を揚げてなる、ドーナツ類。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項に記載のドーナツ類用原料粉を使用する、ドーナツ類用生地の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ドーナツ類及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
一般にドーナツ類は、穀粉や澱粉、糖類等の粉末原料と任意に油脂原料とを混合して得られるドーナツミックスを使用し、水や卵等の液体原料を加えて混合して生地を作成し、成形した生地を液油やショートニングで油ちょうして製造される。このようにして得られるドーナツ類は、柔らかく或いはサックリとして口どけのよい食感を有している。近年の食の多様化に伴い、ドーナツ類にも特徴ある食感が求められるようになってきた。
一方、ソフトクッキー等は、口中でホロホロとした崩れるような食感を有していることから人気のある焼菓子である。このような食感をドーナツ類で再現しようとすると、フライヤーでの油ちょう時にドーナツ類用生地の保形性を保つことができずバラバラになってしまうという問題があった。ドーナツ類用生地が油ちょう時にバラバラにならないように保形性を高める手段(生地の骨格を補強する手段)として、小麦粉の使用割合を高めること、卵白粉や小麦蛋白(活性グルテン)等の蛋白質素材を用いること等が挙げられる。しかしながら、骨格補強と共にホロホロとした崩れるような食感が得られ難くなり、食感と生地の保形性を両立させることは困難であった。
ドーナツ類の食感を改良するために種々検討されている。例えば特許文献1には、使用する小麦粉100に対して穀粉の粗粒粉を4~25%(重量)未満を添加し、これに必要な材料及び遅効性膨剤を加入したことを特徴とするケーキドーナツ用組成物が開示されており、小麦粉100重量部に対して3.4~4.7重量部の大豆粉を用いてケーキドーナツを製造し、比較的小型で低加水でもソフトで口どけの良好なケーキドーナツを得ることができることが記載されている。特許文献2には、穀粉類100質量部に対して、豆粉0.5~4質量部、グルテン粉末0.5~5質量部およびローストフラワー0.5~5質量部を添加混合してなる、イーストドーナツ用ミックスが開示されており、油っこくなく、外側がサックリとしかつ内側がもっちりとした食感を有するイーストドーナツが得られることが記載されている。特許文献3には、リポキシゲナーゼ力価12単位/g以下であり、かつ平均粒径が20~70μmである全脂大豆粉を20~60質量%含有するベーカリー食品用ミックスが開示されており、風味及びボリュームが良好なドーナツ類を得ることができることが記載されている。特許文献4には、低糖質食品原料と、活性グルテンと、還元処理グルテンと、イーストに資化可能な糖質原料とを含有することを特徴とするイースト発酵食品用組成物が開示されており、実施例6では低糖質食品原料の一部としての大豆粉10質量%とα化エーテル架橋タピオカ澱粉3質量%を含むミックス粉を用いて得られたドーナツ類の食味、食感(ソフトでしっとりとした食感)が良好であったことが記載されている。
しかしながら、ホロホロとした食感を有するドーナツ類については検討されてこなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平8-228664号公報
特開2012-200193号公報
特開2015-164413号公報
特開2016-28554号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、製造時において生地のつながりが良く容易に成型することができ、また安定してフライすることができ、且つ喫食時に口中でホロホロとした崩れるような食感を有し、口どけの良いドーナツ類を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ドーナツ類の製造において所定量の菽穀粉、架橋澱粉、及び任意成分としての菽穀粉以外の穀粉からなるドーナツ類用原料粉を使用することにより、生地のつながりが良く容易に成型することができ、安定してフライすることができ、喫食した際に口中でホロホロとした崩れるような食感があり、口どけの良いドーナツ類を得ることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の態様を包含する。
〔1〕菽穀粉、架橋澱粉、及び任意成分としての菽穀粉以外の穀粉からなるドーナツ類用原料粉であって、菽穀粉の含有率が前記原料粉全量に対して8~50質量%、架橋澱粉の含有率が前記原料粉全量に対して38~77質量%、菽穀粉と架橋澱粉との合計含有率が前記原料粉全量に対して68質量%以上であり、前記架橋澱粉が糊化しない架橋澱粉、又は前記架橋澱粉がその原料澱粉よりも3℃以上高い糊化開始温度を有する架橋澱粉である、ドーナツ類用原料粉。
〔2〕菽穀粉が大豆粉である、〔1〕記載のドーナツ類用原料粉。
〔3〕架橋澱粉がリン酸架橋澱粉である、〔1〕又は〔2〕記載のドーナツ類用原料粉。
〔4〕〔1〕~〔3〕のいずれか1記載のドーナツ類用原料粉を含有する、ドーナツ類用ミックス粉。
〔5〕〔1〕~〔3〕のいずれか1記載のドーナツ類用原料粉又は〔4〕記載のドーナツ類用ミックス粉を含有する、ドーナツ類用生地。
〔6〕〔5〕記載のドーナツ類用生地を揚げてなる、ドーナツ類。
〔7〕〔1〕~〔3〕のいずれか1記載のドーナツ類用原料粉又は〔4〕記載のドーナツ類用ミックス粉を使用する、ドーナツ類の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、製造時において生地のつながりが良く容易に成型することができ、また安定してフライすることができ、且つ喫食した際に口中でホロホロとした崩れるような食感があり、口どけの良いドーナツ類を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<ドーナツ類>
一般にドーナツ類は、いわゆるイーストドーナツ、ケーキドーナツ、シュードーナツに分類される。イーストドーナツとはイーストで発酵させたパン生地を用いたドーナツである。ケーキドーナツとは、基本的にパン酵母の発酵力に頼らず、膨張剤を使用したケーキ生地を用いたドーナツである。シュードーナツとはシュー生地と呼ばれる、穀粉及び油脂、水分を主体とする生地を加熱して糊化させた生地を用いて製造されるドーナツである。
本発明のドーナツ類用原料粉、ドーナツ類用ミックス粉はいわゆるケーキドーナツに使用されることが好ましい。
【0009】
<菽穀粉>
本発明のドーナツ類用原料粉において用いられる菽穀粉とはマメ科植物の種子を粉砕して得られる粉末のことである。本発明において用いる菽穀粉は、食用、食品加工用に供される公知の菽穀粉であれば特に限定されるものではない。そのような菽穀粉としては、大豆粉、インゲンマメ粉、ヒヨコマメ粉、アズキ粉、ラッカセイ粉等が挙げられる。好ましくは、タンパク質含有率が高く、栄養バランスの良い大豆粉を使用する。
菽穀粉を使用することにより、一般的なドーナツで使用される小麦粉を使用する場合と比較して、モチモチとした食感やヒキのある食感が抑制され、ホロホロとした食感となり口どけが良くなる。
【0010】
<架橋澱粉>
本発明のドーナツ類用原料粉において用いられる架橋澱粉とは、公知の架橋剤を用いて架橋処理された澱粉のことである。ただし、本発明において架橋澱粉は糊化しない架橋澱粉、又は前記架橋澱粉がその原料澱粉よりも3℃以上高い糊化開始温度を有する架橋澱粉である。本発明において、糊化開始温度の比較に用いられる架橋澱粉の「原料澱粉」とは、架橋処理される前の澱粉を意味する。例えばエーテル化澱粉をさらに架橋処理した場合、架橋処理される前のエーテル化澱粉が、糊化開始温度の比較に用いられる架橋澱粉の「原料澱粉」となる。
本発明の架橋澱粉の製造に用いられる原料澱粉は、一般に食用に適する澱粉であれば何れであってもよく、特に限定されるものではない。そのような澱粉として、例えば、穀物、塊茎、塊根、樹幹及びこれらのワキシー種又はハイアミロース種から分離精製された澱粉(小麦澱粉、米澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、緑豆澱粉、サゴ澱粉等並びにこれらのワキシー澱粉及びハイアミロース澱粉)が挙げられる。
澱粉の架橋処理は、従来公知の架橋剤を用いて行うことができ、例えば、トリメタリン酸ナトリウム、塩化ホスホリルを用いたリン酸架橋処理、無水酢酸と共にアジピン酸を用いたアジピン酸架橋処理、アクロレインを用いたアクロレイン架橋処理、エピクロヒドリンを用いたエピクロヒドリン架橋処理等が挙げられ、好ましくはリン酸架橋処理である。
用いる架橋剤の添加量、反応時間、反応温度等の処理条件を制御することにより、所望する糊化開始温度になるように調節することができる。一般に、架橋度が高くなるにつれて架橋された澱粉の糊化開始温度は高くなり、ついには糊化しなくなる。なお、澱粉をエーテル化(プロピレンオキシド処理等)、アセチル化(無水酢酸処理、酢酸ビニル処理等)ないしは酸化(次亜塩素酸ナトリウム処理)すると糊化開始温度が低くなる傾向になるため、澱粉の架橋処理と共に施さない方が好ましい。
架橋澱粉の糊化開始温度の測定方法は、公知の測定方法であれば何れも採用することができ、例えば、ブラベンダーアミログラフ、ラピッドビスコグラフあるいはDSCなどの熱分析計を用いて測定することができる。本発明においては、架橋澱粉の糊化開始温度はブラベンダーアミログラフを用いて測定する。すなわち、本発明における糊化開始温度とは、ブラベンダーアミログラフにおいて、澱粉濃度6質量%の水懸濁液(懸濁液30g中に澱粉を絶乾物として1.8gを含有)を50℃で撹拌しながら1分間に12℃の昇温速度で加熱したとき、澱粉の糊化開始によって粘度が発現する温度を機械的に読み取って得られる温度を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

ヤマハ株式会社
菓子
7日前
理研ビタミン株式会社
気泡安定剤
25日前
株式会社ミヤビック
麺線整形丸め装置
1か月前
個人
食用カンナ粉を含有する穀粉加工食品用生地
4か月前
個人
成形パイ生地及びその製造方法
4か月前
株式会社 不二商会
バウムクーヘン焼成機
22日前
松谷化学工業株式会社
具材入りケーキ類の製造方法
3か月前
ホシザキ株式会社
スリップピール
2か月前
大阪瓦斯株式会社
パン類及びその製造方法
24日前
日清製粉株式会社
パン類の製造方法
1か月前
日油株式会社
穀粉生地用プレミックス
3か月前
信越化学工業株式会社
スポンジケーキの製造方法
4か月前
株式会社ADEKA
油菓子用添加剤
3か月前
株式会社ミヤビック
麺線整形二つ折り装置及び二つ折り方法
28日前
不二製油株式会社
クランチー性を有するスナック様食品の製造方法
1か月前
株式会社豊製作所
麺皮片の製造装置
18日前
株式会社ADEKA
焼菓子の製造方法
2か月前
松谷化学工業株式会社
アメリカンドッグ用ミックス粉及びバッター生地
1か月前
株式会社 山本忠信商店
パン類の製造方法
2か月前
株式会社コバード
食品成形装置及び方法
4か月前
日油株式会社
穀粉生地用プレミックス
2か月前
昭和産業株式会社
湯種の製造方法、及び湯種を用いる食品の製造方法
2か月前
株式会社ニップン
ドーナツの製造方法
2か月前
日清オイリオグループ株式会社
メレンゲ、及び該メレンゲを使用した加熱食品
18日前
株式会社ニップン
カヌレ用小麦粉組成物
1か月前
株式会社 不二商会
ロボットアームを用いたバウムクーヘン焼成システム
22日前
松谷化学工業株式会社
ベーカリー食品用組成物及びそれを利用したベーカリー食品
1か月前
株式会社ADEKA
ベーカリー食品用食感改良剤
15日前
昭和産業株式会社
湯種及びその製造方法、並びに湯種を用いる食品の製造方法
24日前
株式会社ADEKA
パン類生地、及びパン類生地の製造方法
3か月前
昭和産業株式会社
フライドベーカリー製品およびその製造方法
2か月前
アピ株式会社
ベーカリー食品用の品質改良剤、及びそれを含むベーカリー食品
14日前
株式会社ニップン
フライベーカリー食品の製造方法
2か月前
株式会社ニップン
ドーナツ類及びその製造方法
1か月前
ベースフード株式会社
パン、パン用ミックス粉およびパンの製造方法
4か月前
個人
食用カンナ粉を含有する穀粉加工食品用生地
4か月前
続きを見る