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公開番号
2024106693
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-08
出願番号
2023011092
出願日
2023-01-27
発明の名称
シアリルGalNAcが結合したMUC1を認識する抗体
出願人
学校法人順天堂
,
国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
C07K
16/28 20060101AFI20240801BHJP(有機化学)
要約
【課題】シアリルGalNAcが結合したMUC1を認識する抗体を作製し、その機能を明らかにすること。
【解決手段】MUC1タンデムリピートのT5、S6、T10、S16及びT17から選ばれるアミノ酸残基の1残基~5残基にシアリルGalNAcが結合したMUC1を認識する抗体又はその機能的断片。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
MUC1タンデムリピートのT5、S6、T10、S16及びT17から選ばれるアミノ酸残基の1残基~5残基にシアリルGalNAcが結合したMUC1を認識する抗体又はその機能的断片。
続きを表示(約 4,100 文字)
【請求項2】
MUC1タンデムリピートのアミノ酸配列が、AHGVTSAPDTRPAPGSTAPPAHGV(配列番号1)である、請求項1記載の抗体又はその機能的断片。
【請求項3】
次の(a)~(f)から選ばれるものである、請求項1又は2記載の抗体又はその機能性断片。
(a)免疫グロブリンVH鎖のCDR1が配列番号2に示されるアミノ酸配列、又は配列番号2に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR2が配列番号3に示されるアミノ酸配列、又は配列番号3に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR3が配列番号4に示されるアミノ酸配列、又は配列番号4に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR1が配列番号5に示されるアミノ酸配列、又は配列番号5に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR2がYTSで示されるアミノ酸配列、又はYTSで示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR3が配列番号6に示されるアミノ酸配列、又は配列番号6に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドである抗体又は機能的断片。
(b)免疫グロブリンVH鎖のCDR1が配列番号7に示されるアミノ酸配列、又は配列番号7に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR2が配列番号8に示されるアミノ酸配列、又は配列番号8に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR3が配列番号9に示されるアミノ酸配列、又は配列番号9に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR1が配列番号10に示されるアミノ酸配列、又は配列番号10に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR2がDTSで示されるアミノ酸配列、又はDTSで示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR3が配列番号11に示されるアミノ酸配列、又は配列番号11に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドである抗体又は機能的断片。
(c)免疫グロブリンVH鎖のCDR1が配列番号12に示されるアミノ酸配列、又は配列番号12に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR2が配列番号13に示されるアミノ酸配列、又は配列番号13に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR3が配列番号14に示されるアミノ酸配列、又は配列番号14に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR1が配列番号15に示されるアミノ酸配列、又は配列番号15に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR2がDTSで示されるアミノ酸配列、又はDTSで示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR3が配列番号16に示されるアミノ酸配列、又は配列番号16に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドである抗体又は機能的断片。
(d)免疫グロブリンVH鎖のCDR1が配列番号17に示されるアミノ酸配列、又は配列番号17に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR2が配列番号18に示されるアミノ酸配列、又は配列番号18に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR3が配列番号19に示されるアミノ酸配列、又は配列番号19に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR1が配列番号20に示されるアミノ酸配列、又は配列番号20に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR2がDTSで示されるアミノ酸配列、又はDTSで示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR3が配列番号21に示されるアミノ酸配列、又は配列番号21に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであるモノクローナル抗体又は機能的断片。
(e)免疫グロブリンVH鎖のCDR1が配列番号22に示されるアミノ酸配列、又は配列番号22に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR2が配列番号23に示されるアミノ酸配列、又は配列番号23に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR3が配列番号24に示されるアミノ酸配列、又は配列番号24に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR1が配列番号25に示されるアミノ酸配列、又は配列番号25に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR2がDTSで示されるアミノ酸配列、又はDTSで示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR3が配列番号26に示されるアミノ酸配列、又は配列番号26に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドである抗体又は機能的断片。
(f)免疫グロブリンVH鎖のCDR1が配列番号27に示されるアミノ酸配列、又は配列番号27に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR2が配列番号28に示されるアミノ酸配列、又は配列番号28に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR3が配列番号29に示されるアミノ酸配列、又は配列番号29に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR1が配列番号30に示されるアミノ酸配列、又は配列番号30に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR2がSTSで示されるアミノ酸配列、又はSTSで示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR3が配列番号31に示されるアミノ酸配列、又は配列番号31に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドである抗体又は機能的断片。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項記載の抗体又はその機能的断片を含有するがん細胞又はがん組織検出用試薬。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項記載の抗体又はその機能的断片を含有するがん予防又は治療薬。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項記載の抗体又はその機能性断片を用いて、生体試料中のMUC1タンデムリピートのT5、S6、T10、S16及びT17から選ばれるアミノ酸残基の1残基~5残基にシアリルGalNAcが結合したMUC1を検出する工程を有する、がん細胞又はがん組織の検出方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シアリルGalNAcが結合したMUC1を認識する抗体及びその利用に関する。
続きを表示(約 6,900 文字)
【背景技術】
【0002】
ムチンはO-結合型糖鎖を多数付加している上皮の表層側に発現する糖タンパク質で、セリン及び/又はスレオニンを多数含むアミノ酸配列の繰り返し(タンデムリピート)を持つ。ムチンのコアポリペプチドの遺伝子はヒトでは約20種知られている。膜貫通ドメインを持つ膜型と分泌型がある。基本的な機能は上皮表面の保護と潤滑である。
このうち、ムチン1(MUC1)は膜型ムチンでタンデムリピートドメイン、膜貫通ドメイン、細胞質ドメインを持つ。細胞質ドメインは、シグナル伝達、アポトーシスの抑制などに関わる。MUC1はがん細胞で発現が亢進し、糖鎖付加状態や糖鎖構造が異なることから、それ自身がワクチンとして、抗MUC1抗体は、ADC、CAR-T、などとして利用できる可能性があり、開発が進められている。
【0003】
1980年代に、がん細胞に対する結合性がその由来する正常上皮細胞に比べて高いことを指標に世界各地の多くの研究室で得られたモノクローナル抗体が結合する相手(抗原)が、MUC1として同定された。抗MUC1抗体には、そのMUC1への結合が糖鎖付加によって影響を受けるものがあることが判明していたが、特異性や結合性の正体は不明であった。
【0004】
乳がんにおいては、がん細胞はMUC1の産生量が高いだけでなく、糖鎖付加数が少なく、糖鎖が短小である場合が多く、このことが抗体の結合性の違いと関係する(抗体ががん特異性を持つ)との報告が多く見られた(非特許文献1)。臨床現場では、抗MUC1抗体(DF3と115D8の組み合わせ)が乳がんの負荷状態(tumor burden)を示す血清マーカーであるCA15-3の検出に広く用いられて来た(非特許文献2)。
また、本発明者らは、MUC1に種々の糖鎖を付加したポリペプチドを認識する抗MUC1抗体を作製し、その特異性を報告した(非特許文献3-5)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Glycoconjugate.J.17:649-658,2000
Dis.Markers.2018:9863092,2018
Jpn.J.Cancer Res.87(5):488-496,1996
J.Immunol.Methods.270(2):199-209,2002
Sci.Rep.9(1):16641,2019
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、シアリルGalNAcが結合したMUC1を認識する抗体は作製されておらず、当該抗体がどのような機能を示すのかは知られていなかった。
従って、本発明の課題は、シアリルGalNAcが結合したMUC1を認識する抗体を作製し、その機能を明らかにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者は、MUC1タンデムリピートの種々の位置にシアリルGalNAcが結合したMUC1を認識する抗体を作製し、その結合特異性を検討したところ、MUC1タンデムリピートの特定の位置にシアリルGalNAcが結合したMUC1又はその機能的断片が、これらのシアリルGalNAcが結合したMUC1に対する特異性が高く、また種々のがん細胞に特異的に結合することから、がんの診断やがんの予防又は治療剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、次の発明[1]~[9]を提供するものである。
[1]MUC1タンデムリピートのT5、S6、T10、S16及びT17から選ばれるアミノ酸残基の1残基~5残基にシアリルGalNAcが結合したMUC1を認識する抗体又はその機能的断片。
[2]MUC1タンデムリピートのアミノ酸配列が、AHGVTSAPDTRPAPGSTAPPAHGV(配列番号1)である、[1]記載の抗体又はその機能的断片。
[3]次の(a)~(f)から選ばれるものである、[1]又は[2]記載の抗体又はその機能性断片。
(a)免疫グロブリンVH鎖のCDR1が配列番号2に示されるアミノ酸配列、又は配列番号2に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR2が配列番号3に示されるアミノ酸配列、又は配列番号3に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR3が配列番号4に示されるアミノ酸配列、又は配列番号4に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR1が配列番号5に示されるアミノ酸配列、又は配列番号5に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR2がYTSで示されるアミノ酸配列、又はYTSで示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR3が配列番号6に示されるアミノ酸配列、又は配列番号6に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドである抗体又は機能的断片。
(b)免疫グロブリンVH鎖のCDR1が配列番号7に示されるアミノ酸配列、又は配列番号7に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR2が配列番号8に示されるアミノ酸配列、又は配列番号8に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR3が配列番号9に示されるアミノ酸配列、又は配列番号9に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR1が配列番号10に示されるアミノ酸配列、又は配列番号10に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR2がDTSで示されるアミノ酸配列、又はDTSで示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR3が配列番号11に示されるアミノ酸配列、又は配列番号11に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドである抗体又は機能的断片。
(c)免疫グロブリンVH鎖のCDR1が配列番号12に示されるアミノ酸配列、又は配列番号12に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR2が配列番号13に示されるアミノ酸配列、又は配列番号13に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR3が配列番号14に示されるアミノ酸配列、又は配列番号14に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR1が配列番号15に示されるアミノ酸配列、又は配列番号15に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR2がDTSで示されるアミノ酸配列、又はDTSで示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR3が配列番号16に示されるアミノ酸配列、又は配列番号16に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドである抗体又は機能的断片。
(d)免疫グロブリンVH鎖のCDR1が配列番号17に示されるアミノ酸配列、又は配列番号17に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR2が配列番号18に示されるアミノ酸配列、又は配列番号18に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR3が配列番号19に示されるアミノ酸配列、又は配列番号19に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR1が配列番号20に示されるアミノ酸配列、又は配列番号20に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR2がDTSで示されるアミノ酸配列、又はDTSで示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR3が配列番号21に示されるアミノ酸配列、又は配列番号21に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであるモノクローナル抗体又は機能的断片。
(e)免疫グロブリンVH鎖のCDR1が配列番号22に示されるアミノ酸配列、又は配列番号22に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR2が配列番号23に示されるアミノ酸配列、又は配列番号23に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR3が配列番号24に示されるアミノ酸配列、又は配列番号24に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR1が配列番号25に示されるアミノ酸配列、又は配列番号25に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR2がDTSで示されるアミノ酸配列、又はDTSで示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR3が配列番号26に示されるアミノ酸配列、又は配列番号26に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドである抗体又は機能的断片。
(f)免疫グロブリンVH鎖のCDR1が配列番号27に示されるアミノ酸配列、又は配列番号27に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR2が配列番号28に示されるアミノ酸配列、又は配列番号28に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVH鎖のCDR3が配列番号29に示されるアミノ酸配列、又は配列番号29に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR1が配列番号30に示されるアミノ酸配列、又は配列番号30に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR2がSTSで示されるアミノ酸配列、又はSTSで示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであり、免疫グロブリンVL鎖のCDR3が配列番号31に示されるアミノ酸配列、又は配列番号31に示されるアミノ酸配列において1~数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドである抗体又は機能的断片。
[4][1]~[3]のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片を含有するがん細胞又はがん組織検出用試薬。
[5][1]~[3]のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片を含有するがん予防又は治療薬。
[6][1]~[3]のいずれかに記載の抗体又はその機能性断片を用いて、生体試料中のMUC1タンデムリピートのT5、S6、T10、S16及びT17から選ばれるアミノ酸残基の1残基~5残基にシアリルGalNAcが結合したMUC1を検出する工程を有する、がん細胞又はがん組織の検出方法。
[7]がんの予防又は治療薬製造のための、[1]~[3]のいずれかに記載の抗体又はその機能性断片の使用。
[8]がんを予防又は治療するための、[1]~[3]のいずれかに記載の抗体又はその機能性断片。
[9][1]~[3]のいずれかに記載の抗体又はその機能性断片を投与することを特徴とするがんの予防又は治療方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の抗体は、シアリルGalNAcが結合したMUC1に特異的であり、種々のがん細胞に特異的に結合することから、がんの診断や癌の予防又は治療剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
免疫原としての糖ペプチドの製造ステップと製造ステップ毎のHPLCチャートを示す。
免疫原として合成した各種糖ペプチドの構造とマウスへの免疫操作を示す。
免疫原として合成した各種糖ペプチドを投与して得られたマウス抗血清と抗原との反応性(ELISA)を示す。
免疫原として合成した各種糖ペプチドを投与して得られたマウス抗血清の細胞染色結果(ハイコンテントAnalysis)を示す。
ハイブリドーマM5S-1、M5S-8、M5S-10、M3S-4の細胞染色像を示す。
M5S-1、M5S-8、M5S-10、M3S-4抗体のウエスタンブロッティング結果を示す。
M5S-1、M5S-8、M5S-10、M3S-4抗体の組織免疫染色マクロ像を示す。
M5S-1、M5S-8、M5S-10、M3S-4抗体のがん細胞免疫染色結果を示す。
STn-MUC1-IgGタンパク質のウエスタンブロッティング結果を示す。
2F7-1B1-1F8、7G9-1E8-2H4、M5S-1、M5S-8、M5S-10、M3S-4抗体のがん細胞への結合性(フローサイトメトリー)を示す(1)。
2F7-1B1-1F8、7G9-1E8-2H4、M5S-1、M5S-8、M5S-10、M3S-4抗体のがん細胞への結合性(フローサイトメトリー)を示す(2)。
2F7-1B1-1F8、7G9-1E8-2H4、M5S-1、M5S-8、M5S-10、M3S-4抗体のエピトープ解析結果を示す。
2F7-1B1-1F8、7G9-1E8-2H4抗体のエピトープ解析結果を示す。
M3S-4、M5S-10抗体のエピトープ解析結果を示す。
2F7-1B1-1F8、7G9-1E8-2H4、M5S-1、M5S-8、M5S-10、M3S-4抗体のVH鎖とVL鎖のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
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