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公開番号2024105013
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-06
出願番号2023009509
出願日2023-01-25
発明の名称積層体
出願人尾池工業株式会社
代理人弁理士法人朝日奈特許事務所
主分類B32B 15/04 20060101AFI20240730BHJP(積層体)
要約【課題】室内装飾として一般的に用いられている白色系意匠を保持し、かつ、優れた遮熱効果を有する積層体を提供する。
【解決手段】金属層と、前記金属層の表面に塗布により形成された顔料層とが、この順に積層され、顔料層面の赤外線における9μmの正反射率が60%以上である、積層体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
金属層と、前記金属層の表面に塗布により形成された顔料層とが、この順に積層され、顔料層面の赤外線における9μmの正反射率が60%以上である、積層体。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
前記金属層を構成する金属は、アルミニウム、金、銀、銅、白金、亜鉛、錫、ニッケル、鉄、チタンまたはインジウムのいずれか、または、これらを含む合金である、請求項1記載の積層体。
【請求項3】
前記顔料層は、白色の酸化金属粒子を含む、請求項1または2記載の積層体。
【請求項4】
前記酸化金属粒子は、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウムのいずれか、または、これらを含む複合酸化物である、請求項3記載の積層体。
【請求項5】
前記顔料層は、オレフィン系樹脂またはフッ素樹脂を含む、請求項1または2記載の積層体。
【請求項6】
顔料層面の可視光領域における380~780nmの拡散反射率が75%以上である、請求項1または2記載の積層体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体に関する。より詳細には、本発明は、室内装飾として一般的に用いられている白色系意匠を保持し、かつ、優れた遮熱効果を有する積層体に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、建築部材に使用される内装材は、装飾性を施したものに加え、抗菌性、耐摩耗性、防カビ性、防汚性など目的や用途に応じて機能が付与されている。また、昨今、省エネの観点から、室内装飾用の壁紙に遮熱効果を付与することが提案されている(たとえば特許文献1~2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-92934号公報
特開2016-75078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシートは、室内側から順に、表面保護層、意匠層、赤外線反射層が積層されている。しかしながら、室内で発生した熱エネルギーに起因する赤外線は、赤外線反射層以外の意匠層、表面保護層のそれぞれにおいて吸収される。そのため、特許文献1に記載のシートは、遮熱効果が劣る。また、特許文献1の特許請求の範囲には、測定波長2400nmの赤外線反射率が28%以上あれば遮熱性能が得られると記載されている。そもそも、赤外線反射率の下限が28%であるということは、極端な例を示せば、赤外線の72%は反射されない可能性があることを示しており、赤外線反射性能が効率的であるとは言えない。また、特許文献1では他の懸念も指摘できる。ここで、ウィーンの式を参照する。ウィーンの式は、発熱体から放射される電磁波のピーク波長λmと発熱体の温度の関係を近似的に示したものであり、発熱体の温度をT℃とし、以下の式(λm=2896/(T+273)μm)で示される。特許文献1に示された測定波長2400nmはウィーンの式によれば、その温度は934℃になる。しかしながら、このような高温の発熱体は、一般的な生活環境において存在する事は稀である。従って、特許文献1は、現実の環境に則さない。一方、特許文献2に記載の遮蔽材は、室外からの熱線カットには有効である。赤外線反射層の室内側にプリント層と内装材とが積層されているため、特許文献1のシートと同様に、室内で発生した熱エネルギーに起因する赤外線を吸収する。その結果、特許文献2の遮蔽材は、室内における遮熱効果が低い。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、室内装飾として一般的に用いられている白色系意匠を保持し、かつ、優れた遮熱効果を有する積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明は、以下の構成を主に備える。
【0007】
(1)金属層と、前記金属層の表面に塗布により形成された顔料層とが、この順に積層され、顔料層面の赤外線における9μmの正反射率が60%以上である、積層体。
【0008】
このような構成によれば、積層体は、室内装飾として一般的に用いられている白色系意匠を保持し、かつ、優れた遮熱効果を有する。ここで、たとえば室内で用いられる暖房(ホットカーペット、床暖房、エアコン、オイルヒーター、石油ファンヒーター、ガスファンヒーター、壁面暖房、パネルヒーター等の発熱体)の温度は、およそ30~70℃、すなわちその時のピーク波長は、9.56~8.44μmである。ここで赤外線の温度放射強度と波長の関係に言及すると、ある波長における温度放射強度曲線はその波長を頂点として頂点付近では極めて緩やかに放射強度が減少する特徴がある。故に一般的な生活環境における温度領域(0℃~100℃)に対するピーク波長は10.61μm~7.76μmであるが、9μmを前記波長領域の代替値として使用してもその放射強度差は誤差程度と言え、さらに言及すれば簡便的かつ実効的である。したがって、積層体は、顔料層面の赤外線における9μmでの正反射率が60%以上であることにより、充分な遮熱効果が得られる。
【0009】
(2)前記金属層を構成する金属は、アルミニウム、金、銀、銅、白金、亜鉛、錫、ニッケル、鉄、チタンまたはインジウムのいずれか、または、これらを含む合金である、(1)記載の積層体。
【0010】
このような構成によれば、これらの金属は、極めて高い赤外線反射性能を有し、遮熱効果を示す。そのため、積層体は、赤外線領域で高い反射性能を有し、壁または天井への赤外線の吸収を抑制し、エネルギーロスを減らすことができる。なお、ここで示す赤外線は、その波長が、0.8~20μmの範囲である。
(【0011】以降は省略されています)

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