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公開番号2024101868
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-30
出願番号2023006040
出願日2023-01-18
発明の名称潜熱蓄熱材組成物
出願人東邦瓦斯株式会社
代理人弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
主分類C09K 5/06 20060101AFI20240723BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】主成分をリン酸水素二ナトリウム十二水和物とした潜熱蓄熱材である場合でも、融点を、20℃台より低い温度帯域まで降下させることができている潜熱蓄熱材組成物を提供する。
【解決手段】潜熱蓄熱材組成物1は、リン酸水素二ナトリウム十二水和物を主成分とする潜熱蓄熱材10に、該潜熱蓄熱材10の融点を調整する融点調整剤20を配合してなる潜熱蓄熱材組成物において、融点調整剤20は、第1融点調整剤21として、金属イオンを含む酢酸塩または酢酸塩水和物と共に、第2融点調整剤22として、ジカルボン酸に属するカルボン酸系物質を含有してなり、カルボン酸系物質は、炭素数18未満の脂肪族化合物に対し、単結合により炭素鎖をなす飽和化合物である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
リン酸水素二ナトリウム十二水和物[Na

HPO

・12H

O]を主成分とする潜熱蓄熱材に、該潜熱蓄熱材の融点を調整する融点調整剤を配合してなる潜熱蓄熱材組成物において、
前記融点調整剤は、第1の添加剤として、金属イオンを含む酢酸塩または酢酸塩水和物と共に、第2の添加剤として、ジカルボン酸に属するカルボン酸系物質を含有してなり、
前記カルボン酸系物質は、炭素数18未満の脂肪族化合物に対し、単結合により炭素鎖をなす飽和化合物であること、
を特徴とする潜熱蓄熱材組成物。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載する潜熱蓄熱材組成物において、
前記カルボン酸系物質は、シュウ酸(Oxalic acid)、マロン酸(Malonic acid)、コハク酸(Succinic acid)、またはグルタル酸(Glutaric acid)のうち、少なくともいずれかの単数種の物質、または複数種の混合物であること、
を特徴とする潜熱蓄熱材組成物。
【請求項3】
請求項2に記載する潜熱蓄熱材組成物において、
前記カルボン酸系物質は、グルタル酸であること、
を特徴とする潜熱蓄熱材組成物。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載する潜熱蓄熱材組成物において、
前記潜熱蓄熱材の重量と前記第1の添加剤の重量との和である基準重量に対し、前記カルボン酸系物質の配合割合は、0wt%より大きく、かつ10wt%以下の範囲内であること、または、
当該潜熱蓄熱材組成物全体の重量に占める前記カルボン酸系物質の配合割合は、0wt%より大きく、かつ30wt%以下の範囲内であること、
を特徴とする潜熱蓄熱材組成物。
【請求項5】
請求項1に記載する潜熱蓄熱材組成物において、
前記金属イオンは、リチウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン、またはカルシウムイオンのうち、少なくともいずれかであること、
を特徴とする潜熱蓄熱材組成物。
【請求項6】
請求項5に記載する潜熱蓄熱材組成物において、
前記酢酸塩または前記酢酸塩水和物は、酢酸カリウム[CH

COOK]、酢酸リチウム二水和物[CH

COOLi・2H

O]、酢酸ナトリウム三水和物[CH

COONa・3H

O]、酢酸マグネシウム四水和物[Mg(CH

COO)

・4H

O]、または酢酸カルシウム一水和物[Ca(CH

COO)

・H

O]のうち、少なくともいずれかの単数種の物質、または複数種の混合物であること、
を特徴とする潜熱蓄熱材組成物。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載する潜熱蓄熱材組成物において、
当該潜熱蓄熱材組成物は、その融解温度を、前記融点調整剤により、リン酸水素二ナトリウム十二水和物の融点より低い10℃台の温度まで調整された物性であること、
を特徴とする潜熱蓄熱材組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、相変化に伴う潜熱の出入りを利用して、蓄熱またはその放熱を行う潜熱蓄熱材に、この潜熱蓄熱材の物性を調整する添加剤を配合した潜熱蓄熱材組成物に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
潜熱蓄熱材(PCM:Phase Change Material)は、相変化に伴う潜熱の出入りを利用して蓄熱または放熱を行う物性を有しており、予め排熱等の熱を蓄熱し、蓄えた熱を必要に応じて取り出すことで、エネルギが無駄なく有効に活用できる。このような潜熱蓄熱材は無数種あり、その中でも、リン酸水素二ナトリウム十二水和物(融点35℃)を主成分とする蓄熱材は良く知られており、その一例が、特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1は、包晶系塩水和物の一つであるリン酸水素二ナトリウム十二水和物を主剤に、水と水膨潤性架橋重合体を加えた潜熱蓄熱材組成物であり、水膨潤性架橋重合体の含有により、リン酸水素二ナトリウム十二水和物で過冷却現象の発現を防止した潜熱蓄熱材組成物の過冷却防止方法である。特許文献1では、リン酸水素二ナトリウム十二水和物は、融点との差を5℃程に抑えた温度で過冷却現象を解除して、凝固できるとされている。
【0004】
ところで、産業界は近年、潜熱蓄熱材の物性を利用した様々な技術開発に取り組む傾向にある。例えば、携帯端末機器に搭載したバッテリを保護する等、電子機器向けに温度管理を行う用途や、植物の温室栽培で温度管理を行う用途等では、特に潜熱蓄熱材の活用が期待されている。このような新規用途で潜熱蓄熱材を用いる場合、求められる潜熱蓄熱材の物性は、概ね十℃前後と二十数℃前後との間にある低温度帯域内で、蓄熱と放熱を可能とした物性である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平8-85785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
無数種ある無機塩水和物系の蓄熱材の中でも、リン酸水素二ナトリウム十二水和物は、35℃という比較的低い融点で、蓄熱性能も優れていることから、前述した新規用途に適した蓄熱材となり得る。しかしながら、特許文献1では、水膨潤性架橋重合体の含有により、リン酸水素二ナトリウム十二水和物は、凝固した状態から30℃程で融解して蓄熱するため、特許文献1のような潜熱蓄熱材組成物は、新規用途に求められる蓄熱材の物性を満たさない。それ故に、新規用途にも対応可能となる蓄熱材の開発が、市場から希求されていた。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、主成分をリン酸水素二ナトリウム十二水和物とした潜熱蓄熱材である場合でも、融点を、20℃台より低い温度帯域まで降下させることができている潜熱蓄熱材組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る潜熱蓄熱材組成物は、以下の構成を有する。
【0009】
(1)リン酸水素二ナトリウム十二水和物[Na

HPO

・12H

O]を主成分とする潜熱蓄熱材に、該潜熱蓄熱材の融点を調整する融点調整剤を配合してなる潜熱蓄熱材組成物において、前記融点調整剤は、第1の添加剤として、金属イオンを含む酢酸塩または酢酸塩水和物と共に、第2の添加剤として、ジカルボン酸に属するカルボン酸系物質を含有してなり、前記カルボン酸系物質は、炭素数18未満の脂肪族化合物に対し、単結合により炭素鎖をなす飽和化合物であること、を特徴とする。
(2)(1)に記載する潜熱蓄熱材組成物において、前記カルボン酸系物質は、シュウ酸(Oxalic acid)、マロン酸(Malonic acid)、コハク酸(Succinic acid)、またはグルタル酸(Glutaric acid)のうち、少なくともいずれかの単数種の物質、または複数種の混合物であること、を特徴とする。
(3)(2)に記載する潜熱蓄熱材組成物において、前記カルボン酸系物質は、グルタル酸であること、を特徴とする。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載する潜熱蓄熱材組成物において、前記潜熱蓄熱材の重量と前記第1の添加剤の重量との和である基準重量に対し、前記カルボン酸系物質の配合割合は、0wt%より大きく、かつ10wt%以下の範囲内であること、または、当該潜熱蓄熱材組成物全体の重量に占める前記カルボン酸系物質の配合割合は、0wt%より大きく、かつ30wt%以下の範囲内であること、を特徴とする。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載する潜熱蓄熱材組成物において、前記金属イオンは、リチウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン、またはカルシウムイオンのうち、少なくともいずれかであること、を特徴とする。
(6)(5)に記載する潜熱蓄熱材組成物において、前記酢酸塩または前記酢酸塩水和物は、酢酸カリウム[CH

COOK]、酢酸リチウム二水和物[CH

COOLi・2H

O]、酢酸ナトリウム三水和物[CH

COONa・3H

O]、酢酸マグネシウム四水和物[Mg(CH

COO)

・4H

O]、または酢酸カルシウム一水和物[Ca(CH

COO)

・H

O]のうち、少なくともいずれかの単数種の物質、または複数種の混合物であること、を特徴とする。
(7)(1)乃至(6)のいずれか1つに記載する潜熱蓄熱材組成物において、当該潜熱蓄熱材組成物は、その融解温度を、前記融点調整剤により、リン酸水素二ナトリウム十二水和物の融点より低い10℃台の温度まで調整された物性であること、を特徴とする。
【0010】
上記構成を有する本発明に係る潜熱蓄熱材組成物の作用・効果について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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