TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024098524
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-24
出願番号2023002055
出願日2023-01-11
発明の名称加熱装置および加熱方法
出願人株式会社九州日昌
代理人弁理士法人KEN知財総合事務所
主分類F27B 17/00 20060101AFI20240717BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】
被加熱物の間に熱放射部材が配置された多段式の加熱装置であって、温度均一性を損なうことなく、熱放射部材や内壁のメンテナンスを容易化する。
【解決手段】
複数の加熱用壁体と、前記複数の加熱用壁体の対向領域に棚状に配置されて前記加熱用壁体からの熱を伝導させる金属製の複数の熱放射部材とが、被加熱物をそれぞれ収容するための、上下方向に配列された複数の収容スペースを画定する、多段式加熱装置であって、
上下に隣接する収容スペースの間は、熱放射部材により隔離されて、空気の流通が遮断され、
各熱放射部材は、加熱用壁体の対向する壁面に設けられた一対の熱放射部材支持部に載置されて、上下方向及び左右方向のいずれにも固定されておらず、前方に引き出すことが可能に設けられている。
【選択図】図6

特許請求の範囲【請求項1】
左右方向に距離を隔てて対向して立設された複数の加熱用壁体と、
前記複数の加熱用壁体の各々に設けられた複数の発熱手段と、
前記複数の加熱用壁体の対向領域に上下方向に距離を隔てて棚状に配置されて前記加熱用壁体からの熱を伝導させる金属製の複数の熱放射部材と、
を備え、
前記複数の加熱用壁体と前記複数の熱放射部材とは、平板状の被加熱物をそれぞれ収容するための、上下方向に配列された複数の収容スペースを画定する、多段式加熱装置であって、
上下に隣接する前記収容スペースの間は、前記熱放射部材により隔離されて、空気の流通が遮断され、
前記複数の熱放射部材は、両側端部が前記複数の加熱用壁体の対向する壁面の互いに対応する位置に設けられた一対の熱放射部材支持部に載置されて、上下方向及び左右方向のいずれにも固定されておらず、前方に引き出すことが可能に設けられている、ことを特徴とする加熱装置。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記熱放射部材支持部は、前記加熱用壁体の前記対向する壁面に設けられた断面略コの字型の溝部であり、前記熱放射部材の側端部の下面が、前記溝部の上向きの面に載置されている、請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
対向する前記複数の加熱用壁体は、各々の前記収容スペースに面する側の各壁面の互いに対応する位置に設けられ、前記被加熱物の両側端部の下面が載置される被加熱物支持部をそれぞれ有する、請求項1に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記熱放射部材と前記被加熱部材の形状及び寸法が略同一で、前記熱放射部材支持部と前記被加熱物支持部の形状及び寸法が略同一である、請求項3に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記収容スペースは、前記加熱用壁体と前記熱放射部材とにより画定される開口部を前面側および背面側に有し、前記背面側の開口部は、閉塞部材により閉塞され、前記前面側の開口部は、扉により開閉可能に構成され、前記扉の開状態のときに前記被加熱物及び前記熱放射部材の搬入及び搬出が可能に構成されている、請求項3に記載の加熱装置。
【請求項6】
前記複数の加熱用壁体の各々に設けられた少なくとも一の温度センサと、
前記複数の加熱用壁体の各々に設けられた少なくとも一の温度センサの検出温度が目標温度の追従するように、前記複数の加熱用壁体にそれぞれ設けられた複数の発熱手段の各々の発熱量を独立に制御する温調手段と、を有する請求項1に記載の加熱装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の加熱装置と、
前記加熱装置を収容するチャンバをさらに有する、加熱システムであって、
前記チャンバは、底部に大気を取り込むためのる吸気口と天井部に大気を排出する排気口を通じて当該チャンバ内を換気する換気機構を有する、加熱システム。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれかに記載の加熱装置、または、請求項7に記載の加熱システムを用いて被加熱物を加熱する、加熱方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱装置および加熱方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、液晶表示パネルなどの製造工程において、構成部材であるガラス基板等の
洗浄後の水分の除去や、基板上に塗布された薬液の組成分中に含まれる溶剤等の除去することを目的とする加熱・乾燥工程が行われている。このような、大型基板に対してなされる加熱・乾燥工程を、大型基板の多数枚について行なうために、多段式加熱装置が使用されている。
【0003】
特許文献1は、加熱気体循環方式のクリーンオーブンを開示している。この装置は、対向して立設された加熱用壁体と、その間に、棚状に配置され、加熱用壁体からの伝導熱で加熱された複数の熱放射部材とを備え、これらの熱放射部材の間の各空間を収容スペースとして被加熱物であるガラス基板を収容し、上下の熱放射部材からの放射熱で加熱処理している。各収容スペースは区画されているため、温度分布の均一性も優れ、熱気の上昇に起因する上部空間における熱蓄積現象が発生しない。また、加熱空気の吹付を行わないので、クリーンな加熱処理を実現している。
【0004】
また、特許文献2は、特許文献1の加熱装置において、一対の加熱用壁体の内側に密着する一対の伝熱壁体を設け、この伝熱壁体の間に熱放射部材を棚状に配置して、温度均一性を高めた加熱装置を開示している。
【0005】
特許文献3では、特許文献1の区画構造でもまだ上側の収容スペースの温度が下側の収容スペースよりも高くなるという問題を解消するために、加熱用壁体における電気ヒータの配置間隔を加熱用壁体の下部より上部で大きくすることにより、上部より下部での発熱量を大きくしている。また、加熱用壁体の途中に断熱部を設けて熱が上方に伝導しないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2013-200077号公報
特開2005-352306号公報
特開2005-055152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、液晶基板などの加熱・乾燥工程では、加熱された基板(被加熱物)から揮発する化学物質が、多段式加熱装置の壁面や仕切り板(熱放射部材)の表面などに付着することがあり、その場合、定期的にメンテナンスを行って、これらの付着物を除去する必要がある。多段式加熱装置では、各被加熱物の収容スペースが、上下方向に狭い板状の空間なので、この除去作業が大変である。
この除去作業の容易化のため、熱放射部材を加熱用壁体から引き出せる構造にすることが考えられる。しかし、引き出せる構造、すなわち熱放射部材を加熱用壁体に強固に固定しない構造では、加熱用壁体からの熱伝導が減少して熱放射部材の温度均一性が損なわれ、その結果、放射熱不均一により板状の被加熱物の温度均一性が損なわれる懸念があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために成されたもので、被加熱物の間に熱放射部材が配置された多段式の加熱装置であって、加熱温度均一性を損なうことなく、熱放射部材や内壁のメンテナンスを容易化できる加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らの検討の結果、熱放射部材の加熱は主に空気を通してなされ、加熱用壁体からの熱伝導による加熱は相対的に小さいことが分かった。また、熱放射部材が隣接する収容スペース間の空気の流れを遮断する構造であれば、各収容スペース内の空気の温度均一性が高いことが分かった。これは、加熱装置内での熱気の上昇に起因する各収容スペース内の空気の流れが抑制されるためと考えられる。従って、このような構造であれば、収容スペース内の空気の温度均一性が高いので、熱放射部材の加熱用壁体への結合を手動でスライド可能な程度に緩めても、熱放射部材の温度均一性は維持されることが見出され、本発明を得た。
【0010】
本発明の加熱装置は、左右方向に距離を隔てて対向して立設された複数の加熱用壁体と、
前記複数の加熱用壁体の各々に設けられた複数の発熱手段と、
前記複数の加熱用壁体の対向領域に上下方向に距離を隔てて棚状に配置されて前記加熱用壁体からの熱を伝導させる金属製の複数の熱放射部材と、
を備え、
前記複数の加熱用壁体と前記複数の熱放射部材とは、板状の被加熱物をそれぞれ収容するための、上下方向に配列された複数の収容スペースを画定する、多段式加熱装置であって、
上下に隣接する前記収容スペースの間は、前記熱放射部材により隔離されて、空気の流通が遮断され、
前記複数の熱放射部材は、両側端部が前記複数の加熱用壁体の対向する壁面の互いに対応する位置に設けられた一対の熱放射部材支持部に載置されて、上下方向及び左右方向のいずれにも固定されておらず、前方に引き出すことが可能に設けられている、ことを特徴とする。
この構成により、加熱対象の基板の間に熱放射部材が配置された多段式の加熱装置において、熱放射部材により隣接する収容スペース間の空気の流れを遮断する構造にしたので、熱放射部材の加熱用壁体への結合を手動でスライド可能な程度に緩めても、加熱温度均一性を損なうことなく、熱放射部材や内壁のメンテナンスを容易化できる加熱装置を提供することができる。
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

個人
屑鉄の大量溶解装置
2か月前
キヤノン電子株式会社
焼成炉
2か月前
三建産業株式会社
電気炉
10か月前
三建産業株式会社
電気炉
9か月前
三建産業株式会社
電気炉
11か月前
サンファーネス株式会社
熱処理炉
2か月前
中外炉工業株式会社
連続式熱処理炉
4か月前
日本鋳造株式会社
電気炉の補修方法
8か月前
ノリタケ株式会社
連続加熱炉
2か月前
ノリタケ株式会社
連続加熱炉
2か月前
三建産業株式会社
電気ヒータ
10か月前
三建産業株式会社
電気ヒータ
10か月前
ノリタケ株式会社
連続加熱炉
2か月前
中外炉工業株式会社
ダスト処理設備
9か月前
ノリタケ株式会社
連続加熱炉
2か月前
中外炉工業株式会社
熱処理炉
9か月前
株式会社Feel
連続炉
12か月前
トヨタ自動車株式会社
ノロ取りシステム
4か月前
クアーズテック株式会社
ローラー
11か月前
大同特殊鋼株式会社
溶解炉
10日前
株式会社神戸製鋼所
等方圧加圧装置
5か月前
大同特殊鋼株式会社
坩堝スカムの除去方法
2か月前
大同特殊鋼株式会社
熱処理炉
3か月前
三建産業株式会社
工業炉の加熱構造
8か月前
三建産業株式会社
工業炉の加熱構造
8か月前
大同特殊鋼株式会社
昇降扉の落下防止装置
5か月前
ノリタケ株式会社
ロータリーキルン
2か月前
株式会社サンコー
溶解炉の燃焼方法と装置
10か月前
ノリタケ株式会社
ロータリーキルン
1か月前
東京窯業株式会社
炉頂カバー、及び誘導炉
11か月前
個人
バイオマスのトレファクションシステム
9か月前
日本碍子株式会社
加熱炉
10か月前
大同特殊鋼株式会社
熱処理設備
12か月前
住友金属鉱山株式会社
水冷ジャケット
1か月前
大同特殊鋼株式会社
熱処理設備
12か月前
株式会社ジェイテクトサーモシステム
変成炉
11か月前
続きを見る