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公開番号
2024094812
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-10
出願番号
2022211622
出願日
2022-12-28
発明の名称
液化水素ポンプのガス置換方法
出願人
川崎重工業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
F17C
9/00 20060101AFI20240703BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約
【課題】置換ガスの固化を伴うことなく液化水素ポンプから液化水素を排出する。
【解決手段】液化水素ポンプ1内に残留している液化水素10を置換ガスを用いて排出する方法を提供する。この方法は、液化水素ポンプ1の内部に水素ガスを供給し、供給した当該水素ガスによって液化水素ポンプ1の内部から外部に液化水素10を押し出す第1パージを行うこと、及び、当該第1パージの後、液化水素ポンプ1の内部に窒素ガスを供給し、供給した当該窒素ガスによって液化水素ポンプ1の内部から外部に水素ガス10を押し出す第2パージを行うこと、を含む。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
液化水素を送り出す液化水素ポンプ内に残留している液化水素を置換ガスを用いて排出する方法であって、
前記液化水素ポンプの内部に水素ガスを供給し、供給した当該水素ガスによって前記液化水素ポンプの内部から外部に液化水素を押し出す第1パージを行うこと、及び、
前記第1パージの後、前記液化水素ポンプの内部に窒素ガスを供給し、供給した当該窒素ガスによって前記液化水素ポンプの内部から外部に水素ガスを押し出す第2パージを行うことを含む、液化水素ポンプのガス置換方法。
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【請求項2】
請求項1に記載の液化水素ポンプのガス置換方法において、
前記第1パージの開始後、前記液化水素ポンプの内部温度が窒素の融点を超えたか否かを判定する温度判定を行うことをさらに含み、
前記第2パージは、前記温度判定により前記液化水素ポンプの内部温度が前記融点を超えたことが確認された後に開始される、液化水素ポンプのガス置換方法。
【請求項3】
請求項2に記載の液化水素ポンプのガス置換方法において、
前記第1パージでは、常温の水素ガスを前記液化水素ポンプの内部に供給する、液化水素ポンプのガス置換方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の液化水素ポンプのガス置換方法において、
前記第1パージでは、前記液化水素ポンプの上部から内部に水素ガスを供給し、かつ前記液化水素ポンプの底部から外部に液化水素を排出する、液化水素ポンプのガス置換方法。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の液化水素ポンプのガス置換方法において、
前記第2パージでは、前記液化水素ポンプの底部から内部に窒素ガスを供給し、かつ前記液化水素ポンプの上部から外部に水素ガスを排出する、液化水素ポンプのガス置換方法。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載の液化水素ポンプのガス置換方法において、
前記液化水素ポンプは、上流側から供給された液化水素を受け入れるポンプポットと、当該ポンプポット内に配置されかつ当該ポンプポット内の液化水素を下流側に吐出するポンプ本体とを含み、
前記第1パージでは、前記水素ガスを前記ポンプポットの内部に供給し、
前記第2パージでは、前記窒素ガスを前記ポンプポットの内部に供給する、液化水素ポンプのガス置換方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、液化水素を送り出す液化水素ポンプ内に残留している液化水素を置換ガスを用いて排出する技術に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
液化水素ポンプとして、例えば下記特許文献1のものが公知である。この特許文献1に記載の液化水素ポンプは、外槽と、外槽の内部に配置された内槽と、内槽の内部に配置されたポンプ本体とを備える。内槽には液化水素が貯留され、内槽内の液化水素はポンプ本体によって外部に送り出される。内槽と外槽の間には、内槽内の液化水素を保冷するための真空断熱層が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-80801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のような液化水素ポンプをメンテナンスする際には、安全性の確保等のため、液化水素ポンプ(内槽)の内部に残留している液化水素を事前に排出しておく必要がある。しかしながら、液化水素は非常に低温であるため、取り扱い次第では、液化水素に触れた窒素等の置換ガスが固化し、その固化成分によって何らかの不具合が引き起こされるおそれがある。
【0005】
本開示は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、置換ガスの固化を伴うことなく液化水素ポンプから液化水素を排出することが可能な方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するためのものとして、本開示の一局面に係る液化水素ポンプのガス置換方法は、液化水素を送り出す液化水素ポンプ内に残留している液化水素を置換ガスを用いて排出する方法であって、前記液化水素ポンプの内部に水素ガスを供給し、供給した当該水素ガスによって前記液化水素ポンプの内部から外部に液化水素を押し出す第1パージを行うこと、及び、前記第1パージの後、前記液化水素ポンプの内部に窒素ガスを供給し、供給した当該窒素ガスによって前記液化水素ポンプの内部から外部に水素ガスを押し出す第2パージを行うこと、を含むものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示の液化水素ポンプのガス置換方法によれば、置換ガスの固化を伴うことなく液化水素ポンプから液化水素を排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の一実施形態に係るガス置換方法が適用される液化水素ポンプを含む設備の概略構成を示すシステム図である。
前記液化水素ポンプを単体で示す拡大模式図である。
前記液化水素ポンプの内部をガス置換するイナーティング処理の手順を示すフローチャートである。
前記イナーティング処理の前半部の動作説明図である。
前記イナーティング処理の後半部の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[液化水素ポンプの構成]
図1は、本開示の一実施形態に係るガス置換方法が適用される液化水素ポンプ1を含む設備の概略構成を示すシステム図である。液化水素ポンプ1は、液化水素10を貯蔵する液化水素タンク100から液化水素10を払い出す際に使用されるポンプである。液化水素タンク100は、本実施形態では二重殻の球形タンクであり、液化水素10の貯蔵空間を画成する球状のタンク内槽101と、タンク内槽101を収容する球状のタンク外槽102と、タンク外槽102を地盤上に支持する支柱103とを備える。タンク内槽101とタンク外槽102との間には、液化水素10を保冷するための真空断熱層104が形成されている。液化水素ポンプ1は、液化水素タンク100の外部に設置されている。液化水素ポンプ1は、例えば液化水素10を運搬船等のキャリアに荷役する荷役時に駆動されて、液化水素タンク100から液化水素10を引き込んで前記キャリアに送り出す。
【0010】
液化水素ポンプ1は、ポンプ本体11と、ポンプ内槽12と、ポンプ外槽13とを備える。ポンプ本体11は、液化水素10を圧送する機能を発揮する機構部である。ポンプ本体11は、例えば、インペラ等の回転要素と、回転要素を回転可能に保持する筐体と、回転要素を駆動する駆動源とを含んだものとすることができる。ポンプ内槽12は、ポンプ本体11を収容する容器である。ポンプ外槽13は、ポンプ内槽12を収容する容器である。ポンプ内槽12とポンプ外槽13との間には、保冷のための真空断熱層14が形成されている。なお、ポンプ内槽12は、本開示における「ポンプポット」に相当する。
(【0011】以降は省略されています)
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