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公開番号2024093404
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2022209769
出願日2022-12-27
発明の名称水素製造装置
出願人株式会社デンソー,国立大学法人東京工業大学
代理人弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類C25B 9/23 20210101AFI20240702BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】尿素を含む水溶液にアルカリ化合物を添加しなくても尿素及び水から水素を電気化学的に生成することができる水素製造装置を提供する。
【解決手段】電気化学セル4から構成された水素製造装置1である。アノード極23は、触媒層と、集電体とを有し、電解液3に浸漬されている。触媒層がカチオンを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
カソード極(21)と隔膜(22)とアノード極(23)とが順次積層された積層体から構成される電極体(2)、及び尿素を含む水溶液からなる電解液(3)を有する電気化学セル(4)から構成された水素製造装置(1)であって、
上記アノード極が、上記隔膜に当接する導電性の触媒層(231)を有する共に、上記電解液に浸漬されており、
上記触媒層が導電性基材(233)と該導電性基材に担持されたカチオン(234)とを有する、水素製造装置。
続きを表示(約 110 文字)【請求項2】
上記カチオンがアルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンである、請求項1に記載の水素製造装置。
【請求項3】
上記隔膜がイオン交換膜である、請求項1又は2に記載の水素製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、尿素及び水から水素を製造する装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
水素は、燃料電池の燃料、e-fuel等の原料として有用である。一方、尿素は、エネルギー密度が高く、安全に運搬、貯蔵が可能であり、また工場や生活排水などからも容易に入手できるため、水素やアンモニアを生成するための原料として着目されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、テフロン(登録商標)膜、ポリピロピレン膜を分離器(換言すれば、隔膜、セパレータ)として用いて尿素の電解加水分解を生じさせる方法が提案されている。特許文献1によれば、この方法により尿素からアンモニアや水素を生成することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2013-524014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の方法において、水素の生成が尿素水に添加される水酸化カリウムなどのアルカリ電解組成物の濃度に依存する。高濃度のアルカリ水溶液は腐食性が強く、そのアルカリ水溶液の廃棄処理に手間やコストがかかるという弊害があるため、尿素水中のアルカリ電解組成物の添加量を下げることが望まれている。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、尿素を含む水溶液にアルカリ化合物を添加しなくても尿素及び水から水素を電気化学的に生成することができる水素製造装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、カソード極(21)と隔膜(22)とアノード極(23)とが順次積層された積層体から構成される電極体(2)、及び尿素を含む水溶液からなる電解液(3)を有する電気化学セル(4)から構成された水素製造装置(1)であって、
上記アノード極が、上記隔膜に当接する導電性の触媒層(231)と、該触媒層に当接する導電性の集電体(232)とを有する共に、上記電解液に浸漬されており、
上記触媒層が導電性基材(233)と該導電性基材に担持されたカチオン(234)とを有する、水素製造装置にある。
【発明の効果】
【0008】
上記水素製造装置は、アノード極の触媒層が導電性基材と該導電性基材に担持されたカチオンとを有する。カチオンは触媒層中で導電パスとなるため、アノード極内での水酸化物イオンの伝達が促進される。これにより、たとえ尿素を含む水溶液にアルカリ化合物が添加されていなくても電気化学セルでの電流量が増大し、尿素の電気分解による水素生成が促進される。
【0009】
以上のごとく、上記態様によれば、たとえ尿素を含む水溶液にアルカリ化合物が添加されていなくても尿素及び水から水素を電気化学的に生成することができる水素製造装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施形態1における水素製造装置の模式図である。
図2は、実施形態1における水素製造装置の部分拡大模式図である。
図3は、実施形態1の水素製造装置の電流量増大のメカニズムを示す模式図である。
図4は、実験例1における触媒層表面のSEM-EDS像である。
図5(a)は、実験例1における触媒層表面のSEM-EDS分析結果のC元素マッピング像であり、図5(b)は、実験例1における触媒層表面のSEM-EDS分析結果のK元素マッピング像であり、図5(c)は、実験例1における触媒層表面のSEM-EDS分析結果のNi元素マッピング像であり、図5(d)は、実験例1における触媒層表面のSEM-EDS分析結果のO元素マッピング像である。
図6は、比較形態の水素製造装置の模式図である。
図7は、実験例2における触媒層の種類と電流密度とファラデー効率と生成率との関係を示すグラフである。
図8は、実験例3における触媒層内部のSEM-EDS像である。
図9(a)は、実験例3における触媒層内部のSEM-EDS分析結果のC元素マッピング像であり、図9(b)は、実験例3における触媒層内部のSEM-EDS分析結果のK元素マッピング像であり、図9(c)は、実験例3における触媒層内部のSEM-EDS分析結果のNi元素マッピング像であり、図9(d)は、実験例3における触媒層内部のSEM-EDS分析結果のO元素マッピング像である。
図10は、実験例4における終夜洗浄後の触媒層表面のSEM-EDS像である。
図11(a)は、実験例4における終夜洗浄後の触媒層表面のSEM-EDS分析結果のC元素マッピング像であり、図11(b)は、実験例4における終夜洗浄後の触媒層表面のSEM-EDS分析結果のK元素マッピング像であり、図11(c)は、実験例4における終夜洗浄後の触媒層表面のSEM-EDS分析結果のNi元素マッピング像であり、図11(d)は、実験例4における終夜洗浄後の触媒層表面のSEM-EDS分析結果のO元素マッピング像である。
図12は、実験例5における電解液のpHと電流密度との関係を示すグラフである。
図13は、実験例5における電解液のpHと電流密度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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