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公開番号2024091882
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-05
出願番号2024070262,2023009348
出願日2024-04-24,2019-02-21
発明の名称発光素子
出願人株式会社半導体エネルギー研究所
代理人
主分類H10K 50/12 20230101AFI20240628BHJP()
要約【課題】発光効率及び信頼性が高い発光素子を提供する。
【解決手段】発光層にホスト材料とゲスト材料を含む発光素子である。ホスト材料は三重
項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、ゲスト材料は蛍光を発する。ゲスト材料
の分子構造は、発光団と保護基を有する構造であり、保護基はゲスト材料1分子中に5個
以上含まれる。保護基を分子中に導入することで、ホスト材料からゲスト材料へのデクス
ター機構による三重項励起エネルギーのエネルギー移動を抑制する。保護基としては、ア
ルキル基、分岐鎖アルキル基を用いる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
一対の電極間に発光層を有し、
前記発光層は、第1の化合物と、第2の化合物と、第3の化合物と、を有し、
前記第2の化合物は、発光団及び5個以上の保護基を有し、
前記発光団は縮合芳香環または縮合複素芳香環であり、
前記5個以上の保護基は、それぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキル基、置換または無置換の炭素数3以上10以下のシクロアルキル基、炭素数3以上12以下のトリアルキルシリル基のいずれか一を有し、
前記第3の化合物は三重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、
前記第1の化合物のS1準位及びT1準位は、前記第3の化合物のT1準位よりも高く、
前記第3の化合物のT1準位は、前記第2の化合物のS1準位及びT1準位よりも高い、発光素子。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記5個以上の保護基のうち、少なくとも4個がそれぞれ独立に、炭素数3以上10以下のアルキル基、置換または無置換の炭素数3以上10以下のシクロアルキル基、炭素数3以上12以下のトリアルキルシリル基のいずれか一である、発光素子。
【請求項3】
一対の電極間に発光層を有し、
前記発光層は、第1の化合物と、第2の化合物と、第3の化合物と、を有し、
前記第2の化合物は、発光団及び少なくとも4つの保護基を有し、
前記発光団は縮合芳香環または縮合複素芳香環であり、
前記4つの保護基は前記縮合芳香環または前記縮合芳香環とは直接結合せず、
前記4つの保護基はそれぞれ独立に、炭素数3以上10以下のアルキル基、置換または無置換の炭素数3以上10以下のシクロアルキル基、炭素数3以上12以下のトリアルキルシリル基のいずれか一を有し、
前記第3の化合物は三重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、
前記第1の化合物のS1準位及びT1準位は、前記第3の化合物のT1準位よりも高く、
前記第3の化合物のT1準位は、前記第2の化合物のS1準位及びT1準位よりも高い、発光素子。
【請求項4】
一対の電極間に発光層を有し、
前記発光層は、第1の化合物と、第2の化合物と、第3の化合物と、を有し、
前記第2の化合物は、発光団及び2以上のジアリールアミノ基を有し、
前記発光団は縮合芳香環または縮合複素芳香環であり、
前記縮合芳香環または前記縮合複素芳香環は前記2以上のジアリールアミノ基と結合し、
前記2以上のジアリールアミノ基中のアリール基は、それぞれ独立に、少なくとも1つの保護基を有し、
前記保護基は、炭素数3以上10以下のアルキル基、置換または無置換の炭素数3以上10以下のシクロアルキル基、炭素数3以上12以下のトリアルキルシリル基のいずれか一を有し、
前記第3の化合物は三重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、
前記第1の化合物のS1準位及びT1準位は、前記第3の化合物のT1準位よりも高く、
前記第3の化合物のT1準位は、前記第2の化合物のS1準位及びT1準位よりも高い、発光素子。
【請求項5】
一対の電極間に発光層を有し、
前記発光層は、第1の化合物と、第2の化合物と、第3の化合物と、を有し、
前記第2の化合物は、発光団及び2以上のジアリールアミノ基を有し、
前記発光団は縮合芳香環または縮合複素芳香環であり、
前記縮合芳香環または前記縮合複素芳香環は前記2以上のジアリールアミノ基と結合し、
前記2以上のジアリールアミノ基中のアリール基は、それぞれ独立に、少なくとも2つの保護基を有し、
前記保護基は、炭素数3以上10以下のアルキル基、置換または無置換の炭素数3以上10以下のシクロアルキル基、炭素数3以上12以下のトリアルキルシリル基のいずれか一を有し、
前記第3の化合物は三重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、
前記第1の化合物のS1準位及びT1準位は、前記第3の化合物のT1準位よりも高く、
前記第3の化合物のT1準位は、前記第2の化合物のS1準位及びT1準位よりも高い、発光素子。
【請求項6】
請求項4または請求項5において、
前記ジアリールアミノ基がジフェニルアミノ基である、発光素子。
【請求項7】
請求項2乃至請求項6のいずれか一項において、
前記アルキル基が、分岐鎖アルキル基である発光素子。
【請求項8】
一対の電極間に発光層を有し、
前記発光層は、第1の化合物と、第2の化合物と、第3の化合物と、を有し、
前記第2の化合物は、発光団及び複数の保護基を有し、
前記発光団は縮合芳香環または縮合複素芳香環であり、
前記複数の保護基を構成する原子の少なくとも一つが、前記縮合芳香環または前記縮合複素芳香環の一方の面の直上に位置し、かつ、前記複数の保護基を構成する原子の少なくとも一つが、前記縮合芳香環または前記縮合複素芳香環の他方の面の直上に位置し、
前記第3の化合物は三重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、
前記第1の化合物のS1準位及びT1準位は、前記第3の化合物のT1準位よりも高く、
前記第3の化合物のT1準位は、前記第2の化合物のS1準位及びT1準位よりも高い、発光素子。
【請求項9】
一対の電極間に発光層を有し、
前記発光層は、第1の化合物と、第2の化合物と、第3の化合物と、を有し、
前記第2の化合物は、発光団及び2以上のジフェニルアミノ基を有し、
前記発光団は縮合芳香環または縮合複素芳香環であり、
前記縮合芳香環または縮合複素芳香環は前記2以上のジフェニルアミノ基と結合し、
前記2以上のジフェニルアミノ基中のフェニル基は、それぞれ独立に、3位および5位に保護基を有し、
前記保護基は、それぞれ独立に、炭素数3以上10以下のアルキル基、置換または無置換の炭素数3以上10以下のシクロアルキル基、炭素数3以上10以下のトリアルキルシリル基のいずれか一を有し、
前記第3の化合物は三重項励起エネルギーを発光に変換する機能を有し、
前記第1の化合物のS1準位及びT1準位は、前記第3の化合物のT1準位よりも高く、
前記第3の化合物のT1準位は、前記第2の化合物のS1準位及びT1準位よりも高い、発光素子。
【請求項10】
請求項9において、
前記アルキル基が、分岐鎖アルキル基である発光素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、発光素子、有機化合物または該発光素子を有する表示装置、電子機
器及び照明装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明
の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関する。または、本発明の一態様
は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マ
ター)に関する。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野
としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶
装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる

【背景技術】
【0003】
近年、エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:EL)
を利用した発光素子の研究開発が盛んに行われている。これら発光素子の基本的な構成は
、一対の電極間に発光性の物質を含む層(EL層)を挟んだ構成である。この素子の電極
間に電圧を印加することにより、発光性の物質からの発光が得られる。
【0004】
上述の発光素子は自発光型であるため、これを用いた表示装置は、視認性に優れ、バッ
クライトが不要であり、消費電力が少ない等の利点を有する。さらに、薄型軽量に作製で
き、応答速度が高いなどの利点も有する。
【0005】
発光性の物質に有機化合物を用い、一対の電極間に当該発光性の有機化合物を含むEL
層を設けた発光素子(例えば、有機EL素子)の場合、一対の電極間に電圧を印加するこ
とにより、陰極から電子が、陽極から正孔(ホール)がそれぞれ発光性のEL層に注入さ
れ、電流が流れる。そして、注入された電子及び正孔が再結合することによって発光性の
有機化合物が励起状態となり、励起された発光性の有機化合物から発光を得ることができ
る。
【0006】
有機化合物が形成する励起状態の種類としては、一重項励起状態(S

)と三重項励起
状態(T

)があり、一重項励起状態からの発光が蛍光、三重項励起状態からの発光が燐
光と呼ばれている。また、発光素子におけるそれらの統計的な生成比率は、S

:T


1:3である。そのため、蛍光を発する化合物(蛍光性材料)を用いた発光素子より、燐
光を発する化合物(燐光性材料)を用いた発光素子の方が、高い発光効率を得ることが可
能となる。したがって、三重項励起状態のエネルギーを発光に変換することが可能な燐光
性材料を用いた発光素子の開発が近年盛んに行われている。
【0007】
燐光性材料を用いた発光素子のうち、特に青色の発光を呈する発光素子においては、高
い三重項励起エネルギー準位を有する安定な化合物の開発が困難であるため、未だ実用化
に至っていない。そのため、より安定な蛍光性材料を用いた発光素子の開発が行われてお
り、蛍光性材料を用いた発光素子(蛍光発光素子)の発光効率を高める手法が探索されて
いる。
【0008】
三重項励起状態のエネルギーの一部もしくは全てを発光に変換することが可能な材料と
して、燐光性材料の他に、熱活性化遅延蛍光(Thermally Activated
Delayed Fluorescence:TADF)性材料が知られている。熱活
性化遅延蛍光性材料では、三重項励起状態から逆項間交差により一重項励起状態が生成さ
れ、一重項励起状態から発光に変換される。
【0009】
熱活性化遅延蛍光性材料を用いた発光素子において、発光効率を高めるためには、熱活
性化遅延蛍光性材料において、三重項励起状態から一重項励起状態が効率よく生成するだ
けでなく、一重項励起状態から効率よく発光が得られること、すなわち蛍光量子収率が高
いことが重要となる。しかしながら、この2つを同時に満たす発光材料を設計することは
困難である。
【0010】
また、熱活性化遅延蛍光性材料と、蛍光性材料と、を有する発光素子において、熱活性化
遅延蛍光性材料の一重項励起エネルギーを、蛍光性材料へと移動させ、蛍光性材料から発
光を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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