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公開番号2024091159
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022207656
出願日2022-12-23
発明の名称複合固体電解質及び固体電池
出願人トヨタ自動車株式会社,国立大学法人大阪大学
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類H01B 1/10 20060101AFI20240627BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】電池抵抗の上昇が抑制される複合固体電解質;及び固体電池の提供。
【解決手段】硫化物固体電解質と、リチウムイミド塩及び炭素数4以上のアルキル側鎖を有するポリマー電解質と、を含有する、複合固体電解質;及び固体電池。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
硫化物固体電解質と、
リチウムイミド塩及び炭素数4以上のアルキル側鎖を有するポリマーを含むポリマー電解質と、
を含有する、複合固体電解質。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
前記ポリマーは、前記アルキル側鎖の炭素数が6以上8以下である、請求項1に記載の複合固体電解質。
【請求項3】
前記リチウムイミド塩に対する前記ポリマーのモル比(ポリマー/リチウムイミド塩)が4以上7以下である、請求項1に記載の複合固体電解質。
【請求項4】
前記ポリマーは、下記一般式(1)で表される化合物を含む、請求項1に記載の複合固体電解質。
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2024091159000006.jpg
34
68
(上記一般式(1)中、mは4以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。)
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の複合固体電解質を含む、固体電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、複合固体電解質及び固体電池に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン二次電池等の二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
【0003】
二次電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造・材料面での改善が必要となる。これに対し、電解液を固体電解質層に変えて、材質を固体化した固体電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。
固体電池の分野において、硫化物固体電解質とポリマー電解質とを含む複合固体電解質に用いることにより、固体電池の抵抗を低く維持する方法が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2013/001623号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の複合固体電解質では、保管した際に、硫化物固体電解質と、ポリマー電解質に含まれるポリマーと接触面において、硫化物固体電解質とポリマーとが反応して反応生成物が生じ、これによりイオン伝導パスが阻害され、電池抵抗が上昇する傾向にあった。この現象は、高温で長期間保管(例えば60℃、3日間)するとより顕著である。特許文献1では、実質的に架橋硫黄を有しない硫化物固体電解質と、分岐型ポリマーと有する固体電解質とすることで、抵抗の上昇を抑制しようとしている。上述のように、前記複合固体電解質層を用いた際の抵抗の上昇を抑制するために、種々の研究がなされているが、さらなる技術の開発が望まれている。そこで本開示では、上記事情に鑑み、電池抵抗の上昇が抑制される複合固体電解質及び固体電池を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段には、以下の手段が含まれる。
<1> 硫化物固体電解質と、
リチウムイミド塩及び炭素数4以上のアルキル側鎖を有するポリマーを含むポリマー電解質と、
を含有する、複合固体電解質。
<2> 前記ポリマーは、前記アルキル側鎖の炭素数が6以上8以下である、前記<1>に記載の複合固体電解質。
<3> 前記リチウムイミド塩に対する前記ポリマーのモル比(ポリマー/リチウムイミド塩)が4以上7以下である、前記<1>又は<2>に記載の複合固体電解質。
<4> 前記ポリマーは、下記一般式(1)で表される化合物を含む、前記<1>~<3>のいずれか1つに記載の複合固体電解質。
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2024091159000001.jpg
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68
(上記一般式(1)中、mは4以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。)
<5> 前記<1>~<4>のいずれか1つに記載の複合固体電解質を含む、固体電池。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電池抵抗の上昇が抑制される複合固体電解質及び固体電池が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の一例である実施形態について説明する。これらの説明および実施例は、実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
【0009】
<複合固体電解質>
本開示に係る複合固体電解質は、硫化物固体電解質と、リチウムイミド塩及び炭素数4以上のアルキル側鎖を有するポリマーを含むポリマー電解質と、を含有する、複合固体電解質である。
本開示によれば、ポリマー電解質に含まれるポリマーが炭素数4以上のアルキル側鎖を有する。そのため、このポリマーのアルキル側鎖が、硫化物固体電解質とポリマー電解質内のポリマーの主鎖との相互作用を抑制する。その結果、保管した際にも(例えば60℃、3日間)、硫化物固体電解質とポリマーと接触面において、硫化物固体電解質とポリマーとが反応して反応生成物が生じることが抑制される。その結果、前記反応生成物によりイオン伝導パスが阻害されず、抵抗が低く維持される。つまり、抵抗の上昇が抑制される。
【0010】
〔ポリマー電解質〕
ポリマー電解質は、ポリマー及びリチウムイミド塩を含む。
ポリマーは、炭素数4以上のアルキル側鎖を有し、リチウムイミド塩を解離することができるポリマーであれば特に制限されない。ポリマー電解質は、1種単独の使用であっても、2種以上の併用であってもよい。
ポリマーとしては、主鎖に極性基を有するポリマーであることが好ましく、例えば、ポリアクリロニトリル等のニトリル系ポリマー;エーテル系ポリマー;エステル系ポリマー;ポリカーボネート等のカーボネート系ポリマー;アミド系ポリマー;糖鎖などが挙げられる。上記の中でも、高分子の種類としては、抵抗の上昇をより抑制する観点から、エーテル系ポリマーを含むことが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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