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公開番号2024091008
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022207255
出願日2022-12-23
発明の名称ねじ締め機
出願人日東精工株式会社
代理人
主分類B23P 19/06 20060101AFI20240627BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】本発明は、気密パッキンの摩耗し難いねじ締め機を提供する。
【解決手段】
ねじの頭部と嵌合する嵌合孔371が形成されたボックスビット37と、前記ボックスビット37が連結されるビット軸35と、前記ビット軸35およびボックスビット37を回転駆動させる回転駆動源32とを備え、前記ビット軸35およびボックスビット37には、ビット軸35の外周に形成された開口部352から前記ボックスビット37の嵌合孔371まで連続する通気孔351が形成され、前記開口部352は、前記ビット軸35に相対回転可能に装着された吸気ユニット40に被覆され、前記吸気ユニット40には、空気を吸引可能な負圧発生手段が連続しているとともにビット軸35との間に設けられた気密パッキンにより気密性が保持されていることを特徴とするねじ締め機10による。
【選択図】図2

特許請求の範囲【請求項1】
ねじの頭部と嵌合する嵌合孔が形成されたボックスビットと、前記ボックスビットが連結されるビット軸と、前記ビット軸およびボックスビットを回転駆動させる回転駆動源とを備え、
前記ビット軸およびビット軸は、前記回転駆動源に対して軸方向に相対移動可能に構成されているドライバユニットと、
前記ドライバユニットを移動させる位置制御機構とを備えたねじ締め機において、
前記ビット軸およびボックスビットには、ビット軸の外周に形成された開口部から前記ボックスビットの嵌合孔まで連続する通気孔が形成され、
前記開口部は、前記ビット軸に相対回転可能に装着された吸気ユニットに被覆され、
前記吸気ユニットには、空気を吸引可能な負圧発生手段が連続しているとともにビット軸との間に設けられた気密パッキンにより気密性が保持されていることを特徴とするねじ締め機。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
前記吸気ユニットは、ビット軸を被覆する殻部材および殻部材の開口部を封鎖する閉鎖蓋を備え、
前記殻部材の内部には、当該殻部材および閉鎖蓋と前記ビット軸との相対回転を許容する回転摺動部材と、前記気密パッキンとが内包されており、
前記気密パッキンは、閉鎖蓋とビット軸との間を密閉するよう配置されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ締め機。
【請求項3】
前記吸気ユニットは、回り止め部材によってビット軸と供回りすることが防止されていることを特徴とする請求項2に記載のねじ締め機。
【請求項4】
前記ビット軸は、クッションばねによって前記回転駆動源と離反する方向に付勢されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ締め機。
【請求項5】
前記負圧発生手段には、ビット軸およびボックスビットの内部の気圧を測定可能な圧力センサが設けられていること特徴とする請求項1に記載のねじ締め機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじをワークに締結するねじ締め機に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ボックスビット102を備えたねじ締め機100として特許文献1に開示されたねじ締め機100が知られている。このねじ締め機100は、図4に示すように前記ねじと嵌合する嵌合孔101を備えたボックスビット102を締結モータ103により回転させるドライバユニット104と、このドライバユニット104を移動される位置制御機構105から構成されており、位置制御機構105の駆動を受けてワーク(図示せず)に向かい移動するボックスビット102が締結モータ103によって所定のトルクで回転することにより、ねじをワークに締結可能となっていた。また、前記ドライバユニット104は、締結モータ103の出力軸に連結される連結継手106と、この連結継手106とボックスビット102とを接続するビット軸107を有しており、ビット軸107は、前記連結継手106に対して、軸方向に相対移動可能に構成されているとともにビット軸107は、連結継手106に収容されたクッションばね108によって常時下方に付勢されている。このため、ねじとワークとが当接した瞬間等に生じる軸方向の衝撃を吸収することが可能でワークやねじの破損を防止出来る。さらに、前記ボックスビット102およびビット軸107には、軸方向に貫通する通気孔109が形成されている。この通気孔109の開口部は、前記位置制御機構105に固定されたハウジング110に覆われており、ハウジング110には、負圧発生手段(図示せず)まで連続するホース継手111が接続されている。このように、通気孔109が負圧発生手段に連続することにより、ボックスビット102の嵌合孔101にねじを吸着保持することが可能となる。なお、前記ハウジング110とビット軸107の間には、オムニシール等の気密パッキン112が配置されており、気密性が保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実開昭59-188161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のねじ締め機100は、前記ハウジング110が位置制御機構105に固定されていた。このため、ねじとねじ穴がずれている等によりビット軸107が傾斜すると、ビット軸107により気密パッキン112が圧迫されることとなり、ビット軸107と気密パッキン112との間で摩擦力が上昇する。この状態でビット軸107が回転したり、軸方向に移動したりすると、気密パッキン112の摩耗が激しく、短期間で破損することがあった。また、空気中の埃等がビット軸107の表面に付着した状態で当該ビット軸107が軸方向に相対移動すると、前記埃等の付着物が気密パッキン112を傷つけたり、気密パッキン112とビット軸107との間に入り込み隙間を形成することがあった。これらのように気密パッキン112が破損したり、気密パッキン112との間に付着物等が入り込むと、気密パッキン112による気密性が保持できなくなるため、嵌合穴101からねじが脱落する等の問題が発生する。また、これら理由により、従来のねじ締め機100は、気密パッキン112を比較的短期間毎に交換する必要があり、作業効率が悪いという問題もあった。
【0005】
そのため、本発明は、気密パッキンが摩耗し難いねじ締め機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて創生されたものであり、ねじの頭部と嵌合する嵌合孔が形成されたボックスビットと、前記ボックスビットが連結されるビット軸と、前記ビット軸およびボックスビットを回転駆動させる回転駆動源とを備え、前記ビット軸およびビット軸は、前記回転駆動源に対して軸方向に相対移動可能に構成されたドライバユニットと、前記ドライバユニットを移動させる位置制御機構とを備えたねじ締め機において、前記ビット軸およびボックスビットには、ビット軸の外周に形成された開口部から前記ボックスビットの嵌合孔まで連続する通気孔が形成され、前記開口部は、前記ビット軸に相対回転可能に装着された吸気ユニットに被覆され、前記吸気ユニットには、空気を吸引可能な負圧発生手段が連続しているとともに当該吸気ユニットとビット軸との間を密閉する気密パッキンが設けられ、前記負圧発生手段が駆動することにより、前記ボックスビットの嵌合部にねじを吸着保持可能に構成されることが好ましい。なお、前記吸気ユニットは、ビット軸を被覆する殻部材および殻部材の開口部を封鎖する閉鎖蓋を備え、前記殻部材の内部には、当該殻部材および閉鎖蓋と前記ビット軸との相対回転を許容する回転摺動部材と、前記気密パッキンとが内包されており、前記気密パッキンは、閉鎖蓋とビット軸との間を密閉するよう配置されていることが好ましい。また、前記吸気ユニットは、回り止め部材によってビット軸に供回りが防止されていることが好ましい。さらに前記ビット軸は、クッションばねによって前記回転駆動源と離反する方向に付勢されていることが好ましい。しかも前記負圧発生手段には、ビット軸およびボックスビットの内部の気圧を測定可能な圧力センサが設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明のねじ締め機によれば、負圧発生手段が接続される吸気ユニットがビット軸に装着されている。このため、ビット軸の傾斜および軸方向への移動に従動することができ、ビット軸が傾斜あるいは、軸方向へ移動しても気密パッキンが摩耗しない。このため、気密パッキンが破損し難くなる等の利点がある。また、これにより、気密パッキンの寿命が延び、交換頻度が低下するため、作業効率が向上する等の利点もある。なお、吸気ユニットがビット軸およびこれを被覆する殻部材の相対回転を許容する回転摺動部材を備えているため、吸気ユニットがビット軸と一体に回転することがなく、吸気ユニットが締結工程に影響を与えない等の利点がある。また、回り止め部材によって供回りが防止されているため、負圧発生手段との接続部品が動かずホース等が絡まる恐れがない等の利点がある。さらに、ビット軸を回転駆動源から離反する方向に付勢するクッションばねを備えることにより、ねじとワークとが当接した際の衝撃を吸収することが可能等の利点もある。しかも、負圧発生手段が圧力センサを備えおり、ボックスビットがねじを吸着保持したことを即座に検出できるため、サイクルタイムが向上する等の利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明に係るねじ締め機の構造を示す一部断面側面図である。
本発明に係るねじ締め機の要部の構造を示す要部拡大一部切欠き断面側面図である。
本発明に係るねじ締め機の要部の構造を示す要部拡大底面図である。
従来のねじ締め機の構造を示す一部断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1ないし図3において10は、ワーク(図示せず)に締結部品の一例であるねじ(図示せず)を締結するねじ締め機である。このねじ締め機10は、多関節ロボット(図示せず)の駆動を受けて水平方向に移動可能な位置制御機構20と、この位置制御機構20に支持されるドライバユニット30と、これら位置制御機構20およびドライバユニット30の駆動を制御する制御部とを有している。なお、ねじは、六角柱形状の頭部およぶ頭部と一体に形成された脚部からなる六角ボルトであり、脚部の外周には、おねじが形成されている。
【0010】
前記位置制御機構20は、鉛直方向に延びるフレーム21を備えており、このフレーム21の上下端部には、水平方向に延びる上板22および下板23が一体に固定されている。この上板22および下板23の間には、フレーム21と平行に延びるガイドロッド24が設けられており、このガイドロッド24には、摺動自在に構成されたドライバ台25が昇降自在に装着されている。また、前記上板22には、昇降駆動源の一例である昇降用ACサーボモータ26(以下、昇降モータ26という)が載置されており、この昇降モータ26の出力軸には、ボールねじ27が一体に回転可能に連結されている。このボールねじ27は、前記上板22および下板23の間に設けられており、このボールねじ27には、その回転によって昇降する駆動ナット(図示せず)を介して前記ドライバ台25が連結されている。これら構造により、前記ドライバ台25は、前記昇降モータ26の回転駆動を受けて、ガイドロッド24に沿って昇降可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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