TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024090425
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022206339
出願日2022-12-23
発明の名称プラスチック用離型剤および食品容器包装用プラスチックの製造方法
出願人ダウ・東レ株式会社
代理人
主分類C08L 83/04 20060101AFI20240627BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】保存安定性、機械的安定性、濡れ性および耐クラック性が良好であり、低重合度の環状シロキサン成分の含有量の少ないオルガノポリシロキサンのエマルジョン形態であるプラスチック用離型剤およびそれを用いる食品容器包装用プラスチックの製造方法を提供する。
【解決手段】 (A)25℃における動粘度が100~100,000mm2/sの、低重合度の環状シロキサン成分の含有量の少ないオルガノポリシロキサン:100質量部、(B)アニオン性界面活性剤:0.1~18.0質量部、(C)ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合型ノニオン乳化剤 0.1~10質量部、および(F)水:35~100,000質量部を含有し、平均粒子径が100nmを超えて1000nm以下のエマルジョンであるプラスチック用離型剤およびその使用。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)下記一般式(1)で表され、25℃における動粘度が100~100,000mm2/sであって、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキサシロキサンの含有量がそれぞれ1質量%未満であるオルガノポリシロキサン:100質量部、
TIFF
2024090425000008.tif
34
108
(式中、R

は同一もしくは異なってもよく、ヒドロキシ基、水素原子、炭素数1~32の非置換の直鎖アルキル基、フェニル基のいずれかであり、Lは60から1,500の整数である。)
(B)アニオン性界面活性剤:0.1~18.0質量部、
(C)ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合型ノニオン乳化剤 0.1~10質量部、および
(F)水:35~100,000質量部
を含有し、レーザー回折・散乱法により測定されるエマルジョン粒子の平均粒子径が100nmを超えて1000nm以下のエマルジョンであることを特徴とするプラスチック用離型剤。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
(B)成分が、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエー テル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩から選択される1種又は2種以上のアニオン性界面活性剤である、請求項1に記載のプラスチック用離型剤。
【請求項3】
さらに、(D) 下記一般式(2):
TIFF
2024090425000009.tif
39
112
(R

は炭素数8から24のアルキル基である。a、b、及びcは独立して0以上の整数であり、a+b+cの合計は8~30である。)
で表されるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル:0.1~15.0質量部を含む請求項1または請求項2に記載のプラスチック用離型剤。
【請求項4】
さらに、(E)下記一般式(3):



2m+1
(OCH

CH



OH (3)
(mは10~20の整数であり、nは4~50の整数である。)
で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル:0.1~10.0質量部 を含む、
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のプラスチック用離型剤。
【請求項5】
前記プラスチックが食品容器包装用であることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のプラスチック用離型剤。
【請求項6】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のプラスチック用離型剤を用いる、食品容器包装用プラスチックの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂フィルムないしシート(以下、フィルム等と言う)の離型剤として 有用な水性のシリコーンエマルジョン組成物に関するものであり、特に食料包装材用フィルム等に好適なシリコーンエマルジョン形態のプラスチック用離型剤に関する。さらに、本発明は、当該プラスチック用離型剤を用いる食品容器包装用プラスチックの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
鮮度や衛生面の観点から、食品はプラスチックのトレー、シート、フィルム等で保護をして販売されている。各種食料品等の包装材としては、成形性、耐水性が優れているため、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリプロピレン(PP),ポリスチレン(PS)等の熱可塑性樹脂フィルムやシートが広く使用されている。樹脂フィルム等はその製造工程においてロール状に巻き、食料品の包装材として使用する場合にはロール状に巻かれたフィルム等を巻きもどしながらカップ又は袋状に成形される。しかし、離型剤を使用しない場合、樹脂フィルム等 の表面同士が付着し、巻きもどしが円滑にできず、剥がす際にフィルム等が変形したり破れたりするトラブルがあった。また、容器の型成形時には、型への接着の問題、取り出し性の低下等の問題が発生し、更に多数枚積重ねた打ち抜き成形の際には、製品間が接着する等の問題があった。さらに、シートやフィルムを成型したケース、トレー、カップなどの成形品は重ねて保管されるが、そこに離型剤が塗工されていないと、ブロッキングが起こる問題がある。
【0003】
これらの問題を解決する手段として、シリコーン離型剤の塗布、特に作業性、安全性の面からオルガノポリシロキサンエマルジョンが多用されている。離型性およびすべり性の観点から、食品容器包装用の合成樹脂の離型剤としては、25℃における動粘度が100~100,000mm2/sのオルガノポリシロキサンのエマルジョン組成物が好適である。(例えば、特許文献1)。
【0004】
オルガノポリシロキサンのエマルジョン組成物を離型剤としてプラスチックに塗布する場合は、オルガノポリシロキサンの濃度を0.1~5.0質量%になるように水で希釈し、ロータリーダンプニング、グラビア方式もしくはスプレー方式で塗工する。
【0005】
ロータリーダンプニングのような強い攪拌を伴う塗工方法では、エマルジョン自体が破壊され、ゲルやオイル浮き等を生じるおそれがある。ゲルやオイル浮きが発生している状態でエマルジョンをプラスチックに塗工すると、濡れムラが生じ、プラスチック同士の接着や、外観の不均一といった問題が生じる。また、エマルジョンの保存安定性が悪いと、経時でオイル浮き等が発生し濡れムラが生じる。
【0006】
また、プラスチックにノニオン界面活性剤を多く含むオルガノポリシロキサンのエマルジョンを塗布すると、ノニオン界面活性剤がプラスチックに含浸することでクラックが生じ、成形体にひびが入るといった問題が生じることがある。このようなクラックはプラスチックの中でも、特に二軸延伸ポリスチレンやポリスチレン(PS)で生じやすい。
【0007】
また、近年、オクタメチルシクロテトラシロキサンが欧州のREACH規制が定めた高懸念物質の候補となり、環境負荷物質として懸念されるようになったため、オクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量を抑制した製品が求められている。
【0008】
従って、希釈安定性、機械安定性、保存安定性に優れ、濡れ性が良好、プラスチックに対してクラックを生じず、オクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量の少ないオルガノポリシロキサンのエマルジョン型離型剤が求められている。
【0009】
日本では、食品衛生法の改正により2020年6月1日から「食品用器具・容器包装のポジティブリスト(PL)制度」が施行され、食品用の器具・容器包装に使用する原材料は安全性が確認されたもののみを使用することが求められている。また、プラスチック製食品用器具・容器包装を製造するために使用する塗布剤に関しても、従来はポリオレフィン等衛生協議会が、ポジティブリストに記載された物質及び制限条件に合致しており、かつ、衛生試 験に合格していることを確認して確認証明書を交付しており、2021年以降は、一般財団法人化学研究評価機構 食品接触材料安全センターが承継して行っている。そのため、食品に直接接触する容器包装の用途では安全性が確認されている原料製品を使用することが推奨されている。食品容器包装向けプラスチック用離型剤には、安全で、かつ上記の目的課題を解決しうるオルガノポリシロキサンのエマルジョンが望まれている。
【0010】
これまでに上記問題を解決するために様々な方法が検討されている。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東ソー株式会社
摺動部材
1か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
25日前
東レ株式会社
多孔質構造体
2か月前
東レ株式会社
CPUソケット
1か月前
東ソー株式会社
加飾フィルム
1か月前
東ソー株式会社
加飾フィルム
1か月前
東ソー株式会社
加飾フィルム
1か月前
東レ株式会社
CPUソケット
1か月前
ユニチカ株式会社
ビスマレイミド
21日前
東ソー株式会社
ハロゲン含有ポリマー
2か月前
愛知電機株式会社
加熱処理設備
5日前
三洋化成工業株式会社
徐放材用組成物
2か月前
東レ株式会社
ポリオレフィン微多孔膜
2か月前
ユニチカ株式会社
ポリアミック酸溶液
2か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物及び加硫ゴム
2か月前
アイカ工業株式会社
光硬化性樹脂組成物
18日前
日本製紙株式会社
樹脂組成物
1か月前
富士フイルム株式会社
組成物
4日前
東レ株式会社
ポリプロピレン系樹脂フィルム
1か月前
株式会社クラベ
耐摩耗性絶縁組成物及び電線
1か月前
住友精化株式会社
吸水性樹脂粒子の製造方法
2か月前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
27日前
東ソー株式会社
クロロプレンラテックス組成物
1か月前
東ソー株式会社
クロロプレンラテックス組成物
1か月前
大日精化工業株式会社
樹脂成形品
1か月前
ユニチカ株式会社
ポリ尿素およびその製造方法
2か月前
株式会社イーテック
組成物
1か月前
東ソー株式会社
セルロース樹脂含有樹脂組成物
2か月前
株式会社大阪ソーダ
圧電デバイス用ポリマー材料
1か月前
横浜ゴム株式会社
ゴム組成物およびタイヤ
26日前
遠東新世紀股分有限公司
防水透湿膜
2か月前
住友化学株式会社
ブロック共重合体
1か月前
東ソー株式会社
光学薄膜及び光学薄膜の製造方法
2か月前
東洋紡株式会社
熱収縮性ポリエステル系フィルム
26日前
上野製薬株式会社
液晶ポリマー組成物
2か月前
株式会社カネカ
メタクリル樹脂組成物
5日前
続きを見る