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公開番号2024090168
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022205879
出願日2022-12-22
発明の名称ガス吸収量評価装置及びガス吸収量評価方法
出願人株式会社フジタ
代理人弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
主分類G01N 33/38 20060101AFI20240627BHJP(測定;試験)
要約【課題】コンクリートなどの試料のガス吸収量を評価する際に、試料を高温に加熱するような処理をせずに、試料を非破壊で、簡便な構成によって評価することのできる装置及び方法を提供すること。
【解決手段】ガス吸収量評価装置は、試料を収容するデシケータと、少なくとも一方向に伸縮するガスバッグと、ガスバッグを少なくとも一方向への伸縮を可能とするように保持するガスバッグ収納容器と、デシケータとガスバッグとを繋ぐ連結管と、デシケータ及びガスバッグの内部を減圧する真空ポンプと、連結管から分岐されデシケータ及びガスバッグに試験ガスを供給するためのガス供給口と、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
試料を収容するデシケータと、
少なくとも一方向に伸縮するガスバッグと、
前記ガスバッグを、前記少なくとも一方向への伸縮を可能とするように保持するガスバッグ収納容器と、
前記デシケータとガスバッグとを繋ぐ連結管と、
前記デシケータ及び前記ガスバッグの内部を減圧する真空ポンプと、
前記連結管から分岐され、前記デシケータ及び前記ガスバッグに試験ガスを供給するためのガス供給口と、を含む、
ことを特徴とするガス吸収量評価装置。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記ガスバッグ収納容器に液体が充填され、前記ガスバッグが前記液体の中に保持された状態で、前記液体の液面の変位を測定する計測手段を有する、請求項1に記載のガス吸収量評価装置。
【請求項3】
前記計測手段がレーザ変位計である、請求項2に記載のガス吸収量評価装置。
【請求項4】
前記液体の液面に流動パラフィンを有する、請求項3に記載のガス吸収量評価装置。
【請求項5】
前記デシケータの内部に収納された前記試料の重力を測定する重量計を有する、請求項1に記載のガス吸収量評価装置。
【請求項6】
前記試験ガスが、二酸化炭素ガスである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のガス吸収量評価装置。
【請求項7】
デシケータの中に試料を配置し、
前記デシケータと、前記デシケータとが連結された少なくとも一方向に伸縮するガスバッグと、の内部を真空排気し、
前記デシケータ及び前記少なくとも一方向に伸縮するガスバッグに試験ガスを充填し、前記充填された状態を維持し、
前記少なくとも一方向に伸縮するガスバッグの伸縮状態の変化より、前記試料の前記試験ガスの吸収量を評価する方法であり、
前記一方向に伸縮するガスバッグが、前記一方向に伸びる筒状のガスバッグ収納容器に収納されており、
前記一方向に伸縮するガスバッグの伸縮状態の変化を、前記ガスバッグ収納容器内の変形量によって評価する、ことを特徴とするガス吸収量評価方法。
【請求項8】
前記ガスバッグ収納容器内に液体を充填し、前記一方向に伸縮するガスバッグを前記液体の中に保持させて、前記液体の液面の変位から前記一方向に伸縮するガスバッグの伸縮状態の変化量を測定する、請求項7に記載のガス吸収量評価方法。
【請求項9】
前記液面の変位をレーザ変位計で測定する、請求項8に記載のガス吸収量評価方法。
【請求項10】
試験ガスとして、二酸化炭素ガスを用いる、請求項7乃至9のいずれか一項に記載のガス吸収量評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、コンクリートなどの水硬化性構造物のガス吸収量を評価する装置及び評価方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
コンクリートの炭酸化は、コンクリート構造物の耐久性に影響を与えるため重視されている。コンクリートが吸収した二酸化炭素量(炭酸化量)を測定する方法としては、例えば、示差熱重量分析装置を用いて特定の温度帯における重量の減少分を二酸化炭素量とするもの、また所定の温度でコンクリートを燃焼させ発生した二酸化炭素ガスを赤外線式ガス分析装置で測定し無機炭素量に換算する方式などがある。また、コンクリートの中性化深さを測定する方法として、表面の弾性波速度を測定する方法がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008-075391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンクリートの炭酸化を評価するために示差熱重量分析装置や赤外線式ガス分析装置を用いる場合、ある温度帯で減少する質量や発生するガスに炭素以外に気化する物質が含まれていると正確に評価できない可能性がある。また、炭酸化の程度は部位によって異なる場合があるので、評価対象とする構造物に対して分析に用いることのできる試料が極めて小さい場合、炭酸化量を正確に評価するために相当の時間が必要となる。さらに、示差熱重量分析装置や赤外線式ガス分析装置による測定は、いずれも試料を破壊して分析に供するため、試料が試験後に残らず他の検証に用いることができないことも問題である。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みなされたものであり、コンクリートなどの試料のガス吸収量を評価する際に、試料を高温に加熱するような処理をせずに、試料を非破壊で、簡便な構成によって評価することのできる装置及び方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るガス吸収量評価装置は、試料を収容するデシケータと、少なくとも一方向に伸縮するガスバッグと、ガスバッグを少なくとも一方向への伸縮を可能とするように保持するガスバッグ収納容器と、デシケータとガスバッグとを繋ぐ連結管と、デシケータ及びガスバッグの内部を減圧する真空ポンプと、連結管から分岐されデシケータ及びガスバッグに試験ガスを供給するためのガス供給口と、を含む。
【0007】
本発明の一実施形態において、ガスバッグ収納容器に液体が充填され、ガスバッグが液体の中に保持された状態で液体の液面の変位を測定する計測手段を有していてもよい。計測手段としてレーザ変位計が用いられてもよい。液体の液面には流動パラフィンが設けられれていてもよい。デシケータの内部には、収納された試料の重力を測定する重量計が設けられていてもよい。試験ガスが二酸化炭素ガスであってもよい。
【0008】
本発明の一実施形態に係るガス吸収量評価方法は、デシケータの中に試料を配置し、デシケータとデシケータとが連結された少なくとも一方向に伸縮するガスバッグとの内部を真空排気し、デシケータ及び少なくとも一方向に伸縮するガスバッグに試験ガスを充填し、充填された状態を維持し、少なくとも一方向に伸縮するガスバッグの伸縮状態の変化より試料の試験ガス吸収量を評価する方法であり、一方向に伸縮するガスバッグが一方向に伸びる筒状のガスバッグ収納容器に収納されており、一方向に伸縮するガスバッグの伸縮状態の変化をガスバッグ収納容器内の変形量によって評価する。
【0009】
本発明の一実施形態において、ガスバッグ収納容器内に液体を充填し、一方向に伸縮するガスバッグを液体の中に保持させて液体の液面の変位から一方向に伸縮するガスバッグの伸縮状態の変化量を測定してもよい。液面の変位をレーザ変位計で測定してもよい。試験ガスとして二酸化炭素ガスを用いてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本実施形態に係るガス吸収量評価装置及びそれを用いたガス吸収量評価方法によれば、示差熱重量分析装置や赤外線式ガス分析装置における場合のように試料を加熱する必要がないので、加熱に伴う質量変化や脱気による影響を無くすことができるので、正確な評価を行うことができる。また、デシケータ及びガスバッグの大きさを適宜変更することで、試料のサイズに制約を受けることなくガス吸収量の評価を行うことができる。また、試料を非破壊で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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