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公開番号2024088294
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-02
出願番号2022203389
出願日2022-12-20
発明の名称ディーゼルエンジン
出願人株式会社クボタ
代理人個人
主分類F01N 3/20 20060101AFI20240625BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】大きな電力を用いずに、無負荷または低負荷運転時にもSCR触媒による排気浄化が可能なディーゼルエンジンを提供する。
【解決手段】電子制御装置の制御により、SCR触媒のSCR入口側排気温度(T4)が所定の低温判定温度TA以下となる開始条件が満たされた場合には、SCR触媒の昇温処理が開始され、SCR触媒のSCR入口側排気温度T4が所定のSCR昇温終了判定温度TC以上となる終了条件が満たされた場合には、SCR触媒の昇温処理が終了され、開始条件が再度満たされた場合には、SCR触媒の昇温処理が再開されるように構成され、SCR触媒の昇温処理では、排気絞り弁の開度減少S2がなされ、排気絞り弁の弁上流側排気温度T0が所定のアフター噴射許可温度TB以上になった場合には、燃料インジェクタからのアフター噴射が開始S5されるように構成されている。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
排気導出経路(1)を備え、排気導出経路(1)は、尿素水インジェクタ(2)及びSCR触媒(3)を備え、排気(1a)に添加された尿素水(2a)で排気(1a)中の窒素酸化物がSCR触媒(3)で浄化されるように構成されたディーゼルエンジンにおいて、
排気導出経路(1)の排気絞り弁(4)と、燃焼室(5)に燃料を噴射する燃料インジェクタ(6)と、排気絞り弁(4)の開閉と燃料インジェクタ(6)からの燃料噴射を制御する電子制御装置(7)を備え、
電子制御装置(7)の制御により、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)が所定の低温判定温度(TA)以下となる開始条件が満たされた場合には、SCR触媒(3)の昇温処理が開始され、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)が所定のSCR昇温終了判定温度(TC)以上となる終了条件が満たされた場合には、SCR触媒(3)の昇温処理が終了され、開始条件が再度満たされた場合には、SCR触媒(3)の昇温処理が再開されるように構成され、
SCR触媒(3)の昇温処理では、排気絞り弁(4)の開度減少(S2)がなされ、排気絞り弁(4)の弁上流側排気温度(T0)が所定のアフター噴射許可温度(TB)以上になった場合には、燃料インジェクタ(6)からのアフター噴射が開始(S5)されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
低温判定温度(TA)は、SCR触媒(3)の活性化温度よりも高い温度に設定されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【請求項3】
請求項2に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
エンジン始動後、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)がSCR触媒(3)の活性化温度を越えた後は、電子制御装置(7)の制御により、エンジン停止まで、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)がSCR触媒(3)の活性化温度を越える温度に維持されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【請求項4】
請求項2に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
低温判定温度(TA)は、SCR触媒(3)の活性化温度よりも30℃~70℃高い温度に設定されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【請求項5】
請求項4に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
SCR昇温終了判定温度(TC)は、低温判定温度(TA)よりも30℃~70℃高い温度に設定されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載されたディーゼルエンジンにおいて、
排気絞り弁(4)は、尿素水インジェクタ(2)及びSCR触媒(3)よりも排気上流側に配置されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【請求項7】
請求項6に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
尿素水インジェクタ(2)及びSCR触媒(3)よりも排気上流側に、DOC(8)を備えている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【請求項8】
請求項7に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
DOC(8)が、排気絞り弁(4)の排気上流側に配置される弁上流側DOC(8a)を備えている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【請求項9】
請求項8に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
DOC(8)が、排気絞り弁(4)の排気下流側に配置される弁下流側DOC(8b)をも備えている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【請求項10】
請求項8に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
DOC(8)が、排気絞り弁(4)の排気下流側に配置される弁下流側DOC(8b)を備えていない、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジンに関し、詳しくは、大きな電力を用いることなく、無負荷または低負荷運転時にもSCR触媒による排気浄化が可能なディーゼルエンジンに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、排気温度が低い場合に、電気ヒータの加熱によりSCR触媒を活性化させ、SCR触媒による排気浄化を行うエンジンがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-148068号公報(図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
《問題点》 大きな電力を必要とする。
特許文献1のエンジンでは、排気温度が低い無負荷または低負荷運転時に、電気ヒータの加熱によりSCR触媒を活性化させる必要があり、大きな電力を必要とする。
この場合、バッテリの急速な消耗、バッテリの電圧降下によるエンジンECUの制御不良等の問題が生じる。
【0005】
本発明の課題は、大きな電力を用いることなく、無負荷または低負荷運転時にもSCR触媒による排気浄化が可能なディーゼルエンジンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の主要な構成は、次の通りである。
図3に示すように、電子制御装置(7)の制御により、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)が所定の低温判定温度(TA)以下となる開始条件が満たされた場合には、SCR触媒(3)の昇温処理が開始され、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)が所定のSCR昇温終了判定温度(TC)以上となる終了条件が満たされた場合には、SCR触媒(3)の昇温処理が終了され、開始条件が再度満たされた場合には、SCR触媒(3)の昇温処理が再開されるように構成され、
SCR触媒(3)の昇温処理では、排気絞り弁(4)の開度減少(S2)がなされ、排気絞り弁(4)の弁上流側排気温度(T0)が所定のアフター噴射許可温度(TB)以上になった場合には、燃料インジェクタ(6)からのアフター噴射が開始(S5)されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【発明の効果】
【0007】
本願発明は、次の効果を奏する。
《効果1》無負荷または低負荷運転時にもSCR触媒(3)による排気浄化が可能になる。
図3に例示するように、このエンジンでは、電子制御装置(7)の制御により、SCR触媒(3)のSCR入口側排気温度(T4)が所定の低温判定温度(TA)以下の場合には、SCR昇温処理が開始され、排気温度が上昇して、SCR触媒(3)の温度も上昇し、SCR触媒(3)を活性化させることができるため、無負荷または低負荷運転時にもSCR触媒(3)による排気浄化が可能になる。
《効果2》SCR触媒(3)の活性化に大きな電力を用いる必要がない。
図3に例示するように、SCR昇温処理では、排気絞り弁(4)の開度減少(S2)と、アフター噴射がなされ、排気圧力の上昇やアフター噴射燃料の燃焼により排気温度が上昇するため、SCR触媒(3)の活性化に大きな電力を用いる必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の第1実施形態に係るエンジンの模式図である。
図1のエンジンの排気導出経路の模式図である。
図1のエンジンのSCR触媒昇温処理のフローチャートである。
図1のエンジンのDPF再生処理のフローチャートである。
本発明の他の実施形態に係るエンジンの排気導出経路の模式図で、図5(A)は第2実施形態のもの、図5(B)は第3実施形態のものである。
本発明の更に他の実施形態に係るエンジンの排気導出経路の模式図で、図6(A)は第4実施形態のもの、図6(B)は第5実施形態のものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1から図6は本発明の各実施形態に係るエンジンを説明する図で、各実施形態では、立形の直列多気筒(4気筒)ディーゼルエンジンについて説明する。
【0010】
図1,図2に示す第1実施形態について説明する。
図1に示すように、このエンジンは、吸気装置と、燃料供給装置と、排気装置を備えている。
吸気装置は、吸気導入路(11)と、吸気導入路(11)の終端に接続された吸気マニホルド(12)を備え、吸気導入路(11)は、吸気上流側から吸気下流側に近づく順に、エアクリーナ(13)と、吸気流量計(14)と、過給機(15)のエアコンプレッサ(15a)と、インタークーラ(16)と、吸気絞り弁(17)を備えている。
燃料供給装置は、コモンレール式のもので、コモンレール(6a)と、コモンレール(6a)に蓄圧された燃料を各燃焼室(5)に噴射する燃料インジェクタ(6)を備えている。
(【0011】以降は省略されています)

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