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公開番号2024088223
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-02
出願番号2022203286
出願日2022-12-20
発明の名称電子透かしの埋め込み及び抽出方法
出願人個人
代理人
主分類H04N 1/32 20060101AFI20240625BHJP(電気通信技術)
要約【課題】Annotation用途での電子透かしとして,画像非依存性,環境非依存性,プリント・スキャン耐性,汚れ・傷耐性,高セキュリティの他,高精度な補正画像の取得と高精度なブロック同期を得ることが課題である。
【解決手段】画像データをブロックに分割し,ブロック毎にグリーンノイズパターンを用いて透かし情報を埋め込む電子透かし法で,画像データの平滑化,適応的な埋め込み,マーカパターンの埋め込み,マーカの位置および色情報による補正画像の生成,適応的な透かし抽出などを組み合わせることで,画像非依存,環境非依存で,プリント・スキャン耐性,汚れ・傷耐性のある正答率の高い透かし抽出が可能となった。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
画像データI(x,y)をブロックに分割し,ブロック毎にそのスペクトル強度が高周波数域と低周波数域で低下したグリーンノイズ特性を示すグリーンノイズパターンpi(x,y)を用いて透かし情報を埋め込む電子透かし法において,
透かしの埋め込みは,ブロック毎に適応的な埋め込みを行い,同時に透かしの埋め込んだ画像の4端にマーカパターンを埋め込み,
埋め込まれた画像を印刷,あるいは表示し,カメラやスキャナで読み取った画像から,マーカの位置および色を検出して補正画像を生成し,
透かしの抽出は,補正画像をブロックに分割し,各ブロックから透かしを抽出する際,基準のブロック,およびx,y方向にずらしたブロックからの抽出情報から透かし情報を抽出する,
事を特徴とする電子透かし埋め込み及び抽出方法。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記透かしの適応的な埋め込みは,ブロックに透かしを埋め込んだ後,そのブロックの透かし情報と信頼度を抽出し,透かし情報が埋め込んだ時の透かし情報と異なるか信頼度が基準値よりも低い場合には,埋め込みの強度(gain)を一定量増加して再度埋め込むことを繰り返し,抽出された透かし情報が埋め込んだ時の透かし情報と一致し,かつ,信頼度が基準値以上になった段階で次のブロックの埋め込み操作を行うことを特徴とする請求項1に記載の電子透かしの埋め込み及び抽出方法。
【請求項3】
前記マーカパターンは,単色で上下左右対称の放射状パターンで,4端に埋め込むマーカパターンの色配列は画像サイズにより異なり,
マーカの位置検出は,マーカパターンと同じ放射状のマーカ検出パターンを用いて埋め込み画像をスキャンし,相関値の高い点をマーカ位置とし,その位置のマーカの色を検出し,
かかるマーカの位置および色情報から射影変換にて補正画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の電子透かし埋め込み及び抽出方法。
【請求項4】
前記透かしの抽出において,基準ブロックおよび,基準ブロック位置からx,y方向に±Δ画素ずれた複数のブロックからの透かし情報と信頼度を抽出し,その中で最も信頼度の高いものを透かし情報として抽出することを特徴とする請求項2あるいは請求項3に記載の電子透かし埋め込み及び抽出方法。
【請求項5】
前記透かしの抽出において,基準ブロックで透かし情報及び信頼度を抽出し,その信頼度が一定の基準値より高い場合は,その透かし情報を抽出された透かし情報とし,信頼度が低い場合は,基準ブロックおよび基準ブロックの位置からx,y方向に±Δ画素ずれた複数のブロックからの透かし情報と信頼度を抽出し,その中で最も信頼度の高いものを抽出透かし情報とすることを特徴とする請求項2あるいは請求項3に記載の電子透かし埋め込み及び抽出方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は,デジタル画像データに情報を埋め込む不可視の電子透かしの埋め込み及び抽出の方法に関するもので,特に、透かし情報を埋め込まれた印刷画像や表示画像をカメラやスキャナなどで読み取り,画像中に埋め込まれた透かし情報を正確に抽出出来,かつセキュリティの高い電子透かしの埋め込み及び抽出の方法に関するもので有る。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
文書や画像の中に情報を埋め込み,埋め込まれた情報を後で読み取り,著作権保護や偽造防止を目的として用いたり,読み取った情報をメタデータや注釈としてアプリと連動するAnnotationなど,様々な活用をする電子透かし法が多く提案されている。なかでも,Annotationとしての応用は、関連する情報,例えば,URLなどを画像の中に埋め込み,カメラやスマートフォン,スキャナなどで読み取ることによりネットに誘導して特定のアプリと連動することで,画像とネットとの融合を可能とし,今最も注目されている技術である。
【0003】
ユーザをネットに誘導する現状の方式として、バーコード,二次元バーコードなどがある。ユーザはこれらのコードをスマートフォンなどで読み取ることにより、関連するホームページに誘導したり、様々な情報を得ることができる。特に,二次元バーコードは,白紙の上に白/黒の微小なコードパターンを二次元配列して情報を埋め込むため,高密度に埋め込むことが出来,高精度,高信頼度で高容量の埋め込みと識別が可能である。また,誤り訂正符号や同期用のパターンも組み込まれているため,傷や汚れにも強く,同期エラーの発生も抑えられるため,様々な環境下で用いることが出来る。このため,現在,最も多く利用されている。
【0004】
しかし,二次元バーコードはユーザにとっては意味のない無味乾燥なドットパターンで,そのパターンからは何のための情報化などの意味・内容が推測できず、興味を引くようなものではない。そのため,関連する文章や画像のそばに置かれ,余分なスペースが必要となる。
【0005】
また,二次元バーコードなどは可視の下地が無色のパターンで,かつ,ドットパターンの埋め込み方法は公開されているため,第三者が容易に改竄することが可能である。埋め込み情報が暗号化されていても,書き換えによリ情報をかく乱させることが可能で,セキュリティ上は無防備である。
【0006】
一方,電子透かしで関連する画像の中に情報を埋め込むAnnotationとしての応用は、関連する画像内に情報を埋め込み,二次元バーコードと同じように用いることが出来る。余分なスペースを必要とせず,どのような画像にでも埋め込むことが出来るため自由度が高く,デザイン的にも優れている。
【0007】
かかる電子透かしによるAnnotationとしての応用では,電子データのみならず,印刷物や,ディスプレイなどの表示画像からも情報抽出が出来,かつ高い正答率が必要である。また,どのような画像に対しても埋め込むことが出来,撮影時の照明環境にも影響されず,多少の傷や汚れに対しても耐性がなければならない。従って,著作権保護における電子透かしに対する要件とは異なり,より厳しいものとなる。
【0008】
つまり,Annotation用の電子透かしとして用いるためには,画像非依存性,環境非依存性,プリント・スキャン耐性,汚れ・傷耐性は必須の要件となる。そのうえで,第三者が勝手に書き換えることを阻止するセキュリティ対策が必要要件となる。
【0009】
また,用途によって必要な情報量が変わる。このため電子透かしとしてはブロック分割型の電子透かしが必要である。大きな情報を埋め込むためには画像サイズを大きくすればよいからである。
【0010】
このAnnotation用電子透かしとして,発明者はこれまでブロック分割型で印刷スキャン耐性のあるグリーンノイズ拡散型電子透かし方法を提案してきた。グリーンノイズ特性を示すドットパターンはそのスペクトルが高周波数域と低周波数域で低減した特性を示し,プリンタやスキャナでは解像するが人の目では視認され難い(解像できない)周波数帯に設定することで,高画質で,プリント・スキャン耐性を持つ電子透かしが可能となる。そして,ブロック型で埋め込み情報量にも自由度がある。
(【0011】以降は省略されています)

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