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公開番号2024087945
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-02
出願番号2022202861
出願日2022-12-20
発明の名称水中のリンの回収方法
出願人ハイモ株式会社
代理人
主分類C02F 1/28 20230101AFI20240625BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】
廃水や廃液等の水中のリンの回収方法に関し、詳しくは比較的安価で簡易な操作で効率的にリンを回収する方法を提供すること。
【解決手段】
特定の単量体及び組成を有する高分子ゲルを水に接触させることで、簡易で効率的にリンを吸着し回収することが可能となる。高分子ゲルの単量体としてアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物あるいはメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物から選択される一種以上を用いることが好ましい。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(1)で表わされるカチオン性単量体80~99.9質量%、非イオン性単量体0~10質量%及び架橋性単量体0.1~20質量%を含有する単量体混合物を重合して得られる高分子ゲルを、リンを含有している水と接触させることを特徴とする水中のリンの回収方法。
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2024087945000011.jpg
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一般式(1)


は水素又はメチル基、R

、R

は炭素数1~3のアルキルあるいはアルコキシ基、R

は水素、炭素数1~3のアルキルあるいはアルコキシ基、7~20のアルキル基あるいはアリール基、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2~4のアルキレン基を表わす、X


は陰イオンをそれぞれ表わす。
続きを表示(約 200 文字)【請求項2】
前記一般式(1)で表わされるカチオン性単量体がアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物あるいはメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の水中のリンの回収方法。
【請求項3】
前記高分子ゲル中の含水率が40質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の水中のリンの回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水中のリンの回収方法に関する。詳しくは、高分子を用いて水中のリンを吸着して回収する方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
廃水中に含まれるリンは水質の悪化の要因となり、放流先水域に流出されると富栄養化が進行するため除去する必要がある。一方、リンの原料となるリン鉱石で採掘可能なものは今後数十年で枯渇すると予測されている。そこで、再利用が可能なリンの吸着除去、回収が喫緊の課題として挙げられている。
廃水中からのリン回収は一般的にはハイドロキシアパタイトやリン酸マグネシウムアンモニウム等を用いてリン化合物を晶析させる晶析法が用いられる。しかし、この方法ではスケール発生による配管詰まりが問題となる。加えて高濃度リン廃水を対象とする等、使用条件が限られる。一方でイオン交換樹脂やハイドロタルサイト系化合物等を用いた吸着法は低濃度のリン回収に優位であり、更にスケールの発生が少ない点がメリットであるが、使用するゲルの再生方法やコスト面で課題がある。
そこで、高分子を用いたリン回収方法も種々検討されている。
例えば、特許文献1では、ポリアクリルアミドやポリアミンを用いて廃水からリン酸塩を回収する方法が開示されている。しかし、この方法では多段階の処理ステップが必要であり煩雑である。
特許文献2では、リンを含む排水にカチオン系有機凝集剤とアニオン系有機凝集剤を添加するリン除去方法が開示されている。しかし、この方法では高分子を二液以上使用する必要がある。
そのため高分子を用いた比較的安価で効率的なリンの回収方法が要望されている。
【0003】
特表2019-505368号公報
特開2015-192976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、特に廃水や廃液等の水中のリン回収方法に関し、詳しくは比較的安価で簡易な操作で効率的にリンを回収する方法に関することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明者は鋭意検討を重ねた結果、特定の高分子ゲルを水と接触させることで、水中のリン酸を吸着することができ前記課題を解決できることを見出し本発明に至った。
【発明の効果】
【0006】
本発明における特定の高分子ゲルを水と接触させ、水中のリン酸を吸着することで効率的にリンを回収することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明における高分子ゲルは、下記一般式(1)で表わされるカチオン性単量体80~99.9質量%、非イオン性単量体0~10質量%及び架橋性単量体0.1~20質量%を構成単位とする。
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一般式(1)


は水素又はメチル基、R

、R

は炭素数1~3のアルキルあるいはアルコキシ基、R

は水素、炭素数1~3のアルキルあるいはアルコキシ基、7~20のアルキル基あるいはアリール基、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2~4のアルキレン基を表わす、X


は陰イオンをそれぞれ表わす。
【0008】
一般式(1)で表わされるカチオン性単量体として、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物等が挙げられる。これらの中でアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物が好ましい。これらを二種以上、組み合わせても差し支えない。カチオン性単量体は、全単量体に対し90~99.5質量%が好ましい。
【0009】
非イオン性単量体として、(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。これらを二種以上、組み合わせても差し支えない。
又、本発明における高分子ゲルの効果を阻害しない範囲でアニオン性単量体を含有しても良い。アニオン性単量体としては、(メタ)アクリル酸あるいはそのナトリウム塩等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、マレイン酸あるいはそのアルカリ金属塩、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等のアクリルアミドアルカンスルホン酸あるいはそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩等が挙げられる。アニオン性単量体は全単量体の5質量%以下が好ましい。
【0010】
架橋性単量体として、N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリアリルアミン、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸-1,3-ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、N-ビニル(メタ)アクリルアミド、N-メチルアリルアクリルアミド、アクリル酸グリシジル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、アクロレイン、グリオキザール、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられ、これらの中でN,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコールが好ましい。架橋性単量体は、全単量体に対し0.5~10質量%が好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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