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公開番号2024087599
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-01
出願番号2022202505
出願日2022-12-19
発明の名称阻集器
出願人ホーコス株式会社
代理人
主分類E03F 5/16 20060101AFI20240624BHJP(上水;下水)
要約【課題】分離室で浮上する油脂類を可能な限り攪拌することなく、阻集器が有する最大限の阻集効率を発揮でき、清掃が簡単で安価な阻集器を提供すること、サイホン現象が発生しないトラップとそのトラップを有する阻集器を提供することを課題とする。
【解決手段】排水流出室は、分離室からの排水が流入する中空室であり、排水流出室の上部は、着脱可能な蓋で気密状に閉じられるとともに、この蓋には開口が設けられ、この開口は、蓋の排水流出室内側に設けられた開閉弁によって気密状に閉じられて排水流出室内を密閉空間とし、開閉弁は、排水流出室内が負圧になると排水流出室内側に開いて、開口から排水流出室内に空気を取り込んで負圧を解消するようになされており、排水流出室の直下流側には、排水を下水へと流出させる流出口が連通口よりも高い位置に設けられ、排水流出室そのものが下水からのにおいや虫の侵入を防ぐためのトラップであることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
阻集器は、
上流側に流入口と、前記流入口から流れ込む排水に含まれる夾雑物を阻集するバスケットを有する排水流入室と、前記バスケットを経由して排水に含まれる油脂類を水と油の比重差を利用して浮上分離させるための中間部に位置する分離室と、下流側に流出口を有する排水流出室と、を少なくとも一つずつ有し、前記排水流入室と前記分離室、前記分離室と前記排水流出室、とはそれぞれ隔てられつつ底部で連通されている阻集器において、
前記排水流出室は、前記分離室からの排水が流入する中空室となし、前記排水流出室の上部開口は、着脱可能な蓋で気密状に閉じられるとともに、前記蓋には開口が設けられ、前記開口は、前記蓋の前記排水流出室内側に設けられた開閉弁によって気密状に閉じられて前記排水流出室内を密閉空間とし、前記開閉弁は、前記排水流出室内が負圧になると前記排水流出室内側に開いて、前記開口から前記排水流出室内に空気を取り込んで負圧を解消するようになされており、前記排水流出室の直下流側には、排水を下水へと流出させる流出口が前記連通口よりも高い位置に設けられ、前記排水流出室そのものが下水からのにおいや虫の侵入を防ぐためのトラップであることを特徴とする阻集器。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記排水流入室と前記分離室と前記排水流出室とは、一つの貯留槽内に設けられて、前記排水流入室と前記分離室の間に第一隔板を、前記分離室と前記排水流出室との間に第二隔板を、少なくともそれぞれ設け、前記貯留槽の底壁と前記第一・第二隔板の下端部との間を連通部となしていることを特徴とする請求項1に記載の阻集器。
【請求項3】
前記排水流入室、前記分離室または前記排水流出室の少なくともいずれか一つは、独立ユニットであることを特徴とする請求項1に記載の阻集器。
【請求項4】
少なくとも前記排水流出室が前記独立ユニットである場合において、前記排水流出室は、前記分離室の下流側側壁の下流側に固設され、前記下流側側壁を除いた少なくとも三面を囲む側壁と底壁とを有する多角形またはは円筒状の中空室であることを特徴とする請求項3に記載の阻集器。
【請求項5】
少なくとも前記排水流出室が前記独立ユニットである場合において、前記分離室と前記排水流出室とを隔てる第二隔板は、連通口を有する前記分離室の下流側側壁かあるいは前記独立ユニットの上流側側壁であることを特徴とする請求項3または4に記載の阻集器。
【請求項6】
前記排水流入室が前記独立ユニットである場合において、前記排水流入室と前記分離室とを隔てる第一隔板は、連通口を有する前記排水流入室の下流側側壁かあるいは前記分離室の上流端側側壁であることを特徴とする請求項3または4に記載の阻集器。
【請求項7】
前記排水流入室が前記独立ユニットである場合において、前記排水流入室と前記分離室とを隔てる第一隔板は、連通口を有する前記排水流入室の下流側側壁かあるいは前記分離室の上流端側側壁であることを特徴とする請求項5に記載の阻集器。
【請求項8】
前記第一隔板は、前記貯留槽に着脱可能でかつ貯留槽本体の左右幅一杯に広がり、前記第一隔板は、鉛直部と、前記鉛直部から上流側に向かって前記バスケットの底面部に対し水平な水平面と有し、前記バスケットを経由した排水は、前記水平面の上流側端部によって流速を整えられてから連通部に流入することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載の阻集器。
【請求項9】
前記第一隔板は、前記貯留槽に着脱可能でかつ貯留槽本体の左右幅一杯に広がり、前記第一隔板は、鉛直部と、前記鉛直部から上流側に向かって前記バスケットの底面部に対し水平な水平面と有し、前記バスケットを経由した排水は、前記水平面の上流側端部によって流速を整えられてから連通部に流入することを特徴とする請求項5に記載の阻集器。
【請求項10】
前記第一隔板は、前記貯留槽に着脱可能でかつ貯留槽本体の左右幅一杯に広がり、前記第一隔板は、鉛直部と、前記鉛直部から上流側に向かって前記バスケットの底面部に対し水平な水平面と有し、前記バスケットを経由した排水は、前記水平面の上流側端部によって流速を整えられてから連通部に流入することを特徴とする請求項6に記載の阻集器。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、排水に含まれる夾雑物や油脂類などを下水に流出する前に排水から分離し収集する阻集器に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
油脂、ガソリン、土砂その他を含む排水をそのまま下水に流すと、下水管などを閉塞したり損傷したりする等、配管設備の機能に支障をきたすなどのおそれがある場合、有効な位置に阻集器を設置することが義務付けられている。阻集器の一例として、飲食店の厨房から排出される排水から夾雑物や油脂類を分離し収集するグリース阻集器がある。
【0003】
グリース阻集器は、貯留槽本体を有し、側溝あるいはパイプから貯留槽本体に流れ込んできた排水に混入している残さやゴミなどの夾雑物を取り除くバスケットを設けた排水流入室と、夾雑物が取り除かれた後の排水から油脂類を分離させる分離室と、油脂類が分離された排水を下水管へと流出させる流出口に下水管から臭気や虫が侵入してくるのを防ぐ排水トラップが設けられる。
【0004】
グリース阻集器において排水から油脂類を分離させるのは、水と油の比重の違いを利用した自然浮上分離方式を採用したものが一般的に多く用いられるのであるが、近年では、環境への配慮から、空気調和・衛生工学会の規格であるSHASE規格(SHASE-S217。以下、「SHASE」という。)において、グリース阻集器の阻集効率(油脂類の分離除去効率)は従来と比べより高いものが求められている。
【0005】
一般的に水中における油の浮上速度は、その油の粒径が大きいほど速く、自然浮上分離方式を採用するグリース阻集器において、排水に含まれる油脂類の粒径は、できるだけ大きい方が望ましい。しかしながら実際は、上流の側溝やパイプから排水流入室へ乱流状態で勢いよく流入した排水は、排水流入室内の排水と新しく流入してきた排水が混合され、油脂類は撹拌され、細かくせん断される傾向にある。特に、深型の貯留槽を有する阻集器においては、油脂類を含む排水はバスケットの孔あるいは網目を通り抜けて排水流入室の底深くに潜り込み、油脂類はさらに細かくせん断される傾向にあるのが実情である。
【0006】
ところでSHASEでは、図7に示すように、阻集器400の分離室401と排水トラップ402が設けられる排水流出室403をそれぞれ底部で連通させながら隔てる隔板404を設けることを推奨している。分離室401と排水流出室403との間に設ける隔板404は、その下端404aを排水トラップ402の流入口402aより深い位置に設けて、万一排水トラップ402内でサイホン現象が発生したとしても、排水流出室403内の排水の流出だけで、分離室401で阻集されている大量のグリースが下水に排出されてしまわないようにする役割を担っている。
【0007】
ちなみに、阻集器のサイホン現象とは、排水トラップ内で一部の空間が閉塞するなどのウォータープラグが発生し、密封領域が作られて負圧状態を引き起こし、貯留槽内の排水が引っ張られて下流に引き込まれ、最悪、分離槽に浮遊・分離した油脂類までもが下水へと流出してしまう現象である。
【0008】
また、排水流入室405と分離室401の間にも隔板406を設けることが推奨され、さらに貯留槽内を流れる排水の流速をできる限り均一化させ、排水に含まれる油脂類の浮上を促進することを目的として、分離室の底板から鉛直に立ち上がる隔板407を設けることも推奨されている。つまりSHASEによる標準的なグリース阻集器においては、少なくとも各室を隔てる隔板2枚(404、406)と底壁から鉛直に立ち上がって流路を形成する隔板1枚(407)とを有している。
【0009】
さらに、グリース阻集器は、バスケット内で阻集された夾雑物は1日1回、分離槽で浮上した油脂類は最低でも一週間に一度の定期的な清掃が必要とされている。その清掃を怠った場合、分離槽に浮上した油脂類の量が累積的に増えて、せっかく浮上分離した油脂類も、流入してくる排水の流れに乗って下水管へと流出してしまい、グリース阻集器の本来持つ性能を発揮できなくなるからである。グリース阻集器が本来持つ阻集効率を維持するためにも、清掃のしやすさは非常に重要な課題の一つである。
【0010】
こうした課題を克服するため、特許文献1では、バスケットとバスケットの下流側に設けられた隔板との間に整流板が設けられている。バスケット内へ勢いよく流入してきた排水は、整流板によって勢いが緩められた状態で隔板に設けられた開口部の越流部を越流して分離室内へと流入するので、排水に含まれる油脂類が排水流入室の底深くに潜り込み、油脂類が細かくせん断されるのを防ぐことができる。
(【0011】以降は省略されています)

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