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公開番号2024087529
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-01
出願番号2022202395
出願日2022-12-19
発明の名称超純水製造装置およびその運転方法
出願人オルガノ株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/44 20230101AFI20240624BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】水の無駄な消費を最小限に抑え、超純水の製造コストを削減する。
【解決手段】超純水製造装置10は、被処理水を透過水と濃縮水とに分離する限外ろ過膜を有する限外ろ過膜装置15と、限外ろ過膜装置15からの濃縮水を流通させる濃縮水ラインL13と、濃縮水ラインL13から分岐し、濃縮水ラインL13を流れる濃縮水を外部へ排出する排水ラインL14と、濃縮水ラインL13から分岐し、濃縮水ラインL13を流れる濃縮水を限外ろ過膜装置15の上流側に還流させる還流水ラインL14と、濃縮水ラインL13と排水ラインL14と還流水ラインL15との分岐部の近傍に設けられ、濃縮水ラインL13を排水ラインL14と還流水ラインL15とのどちらに連通させるかを切り替える流路切替手段V1,V2と、を有している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被処理水を順次処理して超純水を製造する超純水製造装置であって、
被処理水を透過水と濃縮水とに分離する限外ろ過膜を有する限外ろ過膜装置と、
前記限外ろ過膜装置からの濃縮水を流通させる濃縮水ラインと、
前記濃縮水ラインから分岐し、前記濃縮水ラインを流れる濃縮水を外部へ排出する排水ラインと、
前記濃縮水ラインから分岐し、前記濃縮水ラインを流れる濃縮水を前記限外ろ過膜装置の上流側に還流させる還流水ラインと、
前記濃縮水ラインと前記排水ラインと前記還流水ラインとの分岐部またはその近傍に設けられ、前記濃縮水ラインを前記排水ラインと前記還流水ラインとのどちらに連通させるかを切り替える流路切替手段と、を有する、超純水製造装置。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記流路切替手段を制御し、予め定められたスケジュールに従って、前記濃縮水ラインを前記排水ラインと前記還流水ラインとのどちらに連通させるかを切り替える制御手段を有する、請求項1に記載の超純水製造装置。
【請求項3】
前記制御手段は、1日のうち所定の時間帯に、前記濃縮水ラインを前記排水ラインに連通させ、前記所定の時間帯以外の時間帯に、前記濃縮水ラインを前記還流水ラインに連通させる、請求項2に記載の超純水製造装置。
【請求項4】
前記濃縮水ラインを流れる濃縮水の流量を一定に保持する流量保持手段を有し、
前記所定の時間帯の長さは、前記濃縮水ラインから前記排水ラインを通じて外部に排出される濃縮水の1日当たりの目標排水量と、前記一定に保持される濃縮水の流量とに基づいて決定される、請求項3に記載の超純水製造装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記限外ろ過膜装置からの透過水の流量を設定流量に調整する流量制御を実行し、
前記目標排水量は、前記限外ろ過膜装置からの透過水の前記設定流量に基づいて決定される、請求項4に記載の超純水製造装置。
【請求項6】
前記所定の時間帯は、前記限外ろ過膜装置からの透過水が前記超純水としてユースポイントに供給されず、その全部が前記限外ろ過膜装置の上流側に還流される時間帯である、請求項3から5のいずれか1項に記載の超純水製造装置。
【請求項7】
前記被処理水として一次純水を処理して前記超純水を製造するサブシステムを備え、
前記限外ろ過膜装置は、前記サブシステムの最も下流側に設けられている、請求項1から5のいずれか1項に記載の超純水製造装置。
【請求項8】
被処理水を順次処理して超純水を製造する工程を含む、超純水製造装置の運転方法であって、
前記超純水を製造する工程が、
限外ろ過膜を有する限外ろ過膜装置に被処理水を供給して透過水と濃縮水とに分離する工程と、
前記分離した濃縮水を外部に排出する工程と、
前記分離した濃縮水を外部に排出する代わりに、前記限外ろ過膜装置の上流側に還流させる工程と、を含む、超純水製造装置の運転方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、超純水製造装置およびその運転方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
半導体デバイスや液晶デバイスの製造プロセスでは、洗浄工程など様々な用途に、不純物が高度に除去された超純水が用いられている。超純水に含まれる微粒子は、デバイスの歩留まりを低下させる直接の原因となるため、そのサイズ(粒径)および個数(濃度)を厳しく管理することが求められている。超純水は、一般に、原水(水道水、河川水、地下水、工業用水など)を、前処理システム、一次純水システム、および二次純水システム(サブシステム)で順次処理することで製造されるが、超純水中の微粒子を低減するために、多くのサブシステムでは、その最も下流側に限外ろ過(UF)膜装置が設けられている。
【0003】
サブシステムに設置されるUF膜装置では、通常、被処理水をUF膜の膜面に平行に供給し、膜を透過しない被処理水の一部を濃縮水として排出するクロスフロー方式が採用されている。このとき、UF膜装置からの濃縮水は、ユースポイントに供給される透過水(超純水)に微粒子がリークしたり、膜面への微粒子の堆積による目詰まりが発生したりするリスクを考慮すると、その全部が外部に排出されることが好ましい(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-171892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、UF膜装置からの濃縮水を常に外部に排出することは、水の有効利用(節水)の観点からは好ましくない。また、ユースポイントで超純水が使用されるか否かにかかわらず、常に一定量の水が無駄に消費されるため、一次純水システムによる一次純水の製造量にも大きな影響を与え、超純水の製造コストの面でも好ましくない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、水の無駄な消費を最小限に抑え、超純水の製造コストを削減する超純水製造装置およびその運転方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明の超純水製造装置は、被処理水を順次処理して超純水を製造する超純水製造装置であって、被処理水を透過水と濃縮水とに分離する限外ろ過膜を有する限外ろ過膜装置と、限外ろ過膜装置からの濃縮水を流通させる濃縮水ラインと、濃縮水ラインから分岐し、濃縮水ラインを流れる濃縮水を外部へ排出する排水ラインと、濃縮水ラインから分岐し、濃縮水ラインを流れる濃縮水を限外ろ過膜装置の上流側に還流させる還流水ラインと、濃縮水ラインと排水ラインと還流水ラインとの分岐部またはその近傍に設けられ、濃縮水ラインを排水ラインと還流水ラインとのどちらに連通させるかを切り替える流路切替手段と、を有している。
【0008】
また、本発明の超純水製造装置の運転方法は、被処理水を順次処理して超純水を製造する工程を含み、超純水を製造する工程が、限外ろ過膜を有する限外ろ過膜装置に被処理水を供給して透過水と濃縮水とに分離する工程と、分離した濃縮水を外部に排出する工程と、分離した濃縮水を外部に排出する代わりに、限外ろ過膜装置の上流側に還流させる工程と、を含んでいる。
【0009】
このような超純水製造装置およびその運転方法によれば、限外ろ過膜装置からの濃縮水を外部に排出するか、限外ろ過膜装置の上流側に還流させるかを必要に応じて切り替えることができる。そのため、限外ろ過膜装置からの透過水に微粒子がリークしたり、膜面への微粒子の堆積による目詰まりが発生したりするリスクを高めない程度に、限外ろ過膜装置から外部に排出される濃縮水の排水量を減らすことが可能になる。
【発明の効果】
【0010】
以上、本発明によれば、水の無駄な消費を最小限に抑え、超純水の製造コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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