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公開番号2024087250
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-01
出願番号2022201968
出願日2022-12-19
発明の名称膜ろ過装置及びそれを用いた浄水システム
出願人環水工房有限会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/44 20230101AFI20240624BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】膜モジュール内に不純物質が堆積することを抑制し、堆積した不純物質の頻繁な除去をする必要がない膜ろ過装置、及びそれを用いた浄水システムを提供すること。
【解決手段】内圧型の膜ろ過装置100において、被処理水タンク1と、被処理水ポンプ2と、ろ過膜31が内包されるとともに略水平に配置された膜モジュール3と、被処理水ポンプ2とろ過膜31の一端34との間に接続される第一の被処理水配管51と、ろ過膜31の他端35と被処理水タンク1との間に接続される第一の濃縮水配管52と、処理水41を貯留するための処理水タンク4と、膜モジュール3と処理水タンク4との間に接続される第一の処理水配管53とを備え、ろ過膜31内を流れる被処理水11の方向を、一端34側から他端35側に向かう方向とするか、他端35側から一端34側に向かう方向とするか所定時間ごとに切り換える構成とした。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
不純物質を含有する被処理水を、ろ過膜を透過して前記除不純物質が除去された処理水と、前記ろ過膜を透過することなく前記不純物質の濃度が上昇した濃縮水とに分離するための内圧型の膜ろ過装置において、
前記被処理水を貯留する被処理水タンクと、前記被処理水タンクに接続される被処理水ポンプと、前記ろ過膜が内包されるとともに略水平に配置された膜モジュールと、前記被処理水ポンプと前記ろ過膜の一端との間に接続される第一の被処理水配管と、前記ろ過膜の他端と前記被処理水タンクとの間に接続される第一の濃縮水配管と、前記膜モジュールから透過した処理水を貯留するための処理水タンクと、前記膜モジュールと前記処理水タンクとの間に接続される第一の処理水配管とを備え、
前記ろ過膜内を流れる被処理水の方向を、前記一端側から前記他端側に向かう方向とするか、前記他端側から前記一端側に向かう方向とするか所定時間ごとに切り換えることを特徴とする、膜ろ過装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第一の濃縮水配管から分岐して前記第一の被処理水配管と接続される第二の被処理水配管と、前記被処理水ポンプからの流路を前記第一の被処理水配管への流路とするか前記第二の被処理水配管への流路とするかを切り換える被処理水方向切換手段と、前記第一の被処理配管から分岐して前記第一の濃縮水配管と接続される第二の濃縮水配管と、前記第一の濃縮水配管からの流路か前記第二の濃縮水配管からの流路かを切り換えて前記被処理水タンクと接続するための濃縮水方向切換手段とをさらに備え、
前記被処理水方向切換手段及び前記濃縮水方向切換手段を制御することにより、前記ろ過膜内を流れる被処理水の方向を、前記一端側から前記他端側に向かう方向とするか、前記他端側から前記一端側に向かう方向とするか所定時間ごとに切り換えることを特徴とする、請求項1に記載の膜ろ過装置。
【請求項3】
前記ろ過膜は自重により垂下しない剛性を有する膜であることを特徴とする、請求項1または2に記載の膜ろ過装置。
【請求項4】
前記ろ過膜はセラミック膜であり、
前記不純物質は被処理水中の有機物を分解する微生物が付着した生物活性炭であり、
前記生物活性炭の平均粒径は3um以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の膜ろ過装置。
【請求項5】
前記処理水タンクに接続される逆洗浄ポンプと、前記膜モジュールから外部空間に処理水を排水するための排水管とを備え、前記第一の処理水配管が前記逆洗浄ポンプと前記膜モジュールとの間に接続されることで前記ろ過膜の逆洗浄が可能であり、
前記第一の処理水配管と前記膜モジュールとの接続部は前記一端側寄りであるとともに、前記他端側寄りには前記第一の処理水配管から分岐する第二の処理水配管が接続され、
前記処理水ポンプからの流路を前記第一の処理水配管への流路とするか前記第二の処理水配管への流路とするかを切り換える処理水方向切換手段をさらに備え、
前記処理水方向切換手段を制御することにより、逆洗浄のための処理水を、前記一端側寄りの接続部から流出させるか、前記他端側寄りの接続部から流出させるか所定時間ごとに切り換えることを特徴とする、請求項3に記載の膜ろ過装置。
【請求項6】
原水から懸濁物質を除去するための外圧型の膜ろ過装置と、前記外圧型の膜ろ過装置により処理された一次処理水から着色物質を吸着除去するための活性炭処理装置と、前記活性炭処理装置により処理された二次処理水にオゾンを混合して有機物を分解するためのオゾン処理装置とを備え、
前記活性炭処理装置には、請求項4に記載の膜ろ過装置が用いられていることを特徴とする、浄水システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ろ過により無色透明の浄水を得るための膜ろ過装置において、膜モジュール内に、懸濁物質や粒状の添加剤、活性炭処理に用いられる粉末活性炭等、ろ過による除去対象となる物質であって、ろ過動作中に膜ろ過装置内に残留し得る物質(以下、「不純物質」という)が残留しにくい膜ろ過装置、及びそれを用いた浄水システムに関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
河川水や池水等の汚濁した水を濁りのない水にするために、中空糸膜等のろ過膜を用いて濁度成分を除去する膜ろ過装置が用いられる。ろ過膜には、分離対象物質の種類に応じて、精密ろ過膜(MF膜)や限外ろ過膜(UF膜)等が用いられる。このようなろ過膜を用いた膜ろ過装置によって濁度成分を除去することで、水の濁りが消え透明度の高い水を得ることができる。
しかし、濁度成分が除去された水であっても、色度成分が残留することで着色された水となっている場合がある。着色された水は外観上不快に感じることから、特に飲料用水として用いる場合には、濁度成分の除去に加え、除色処理を施す必要がある。
【0003】
色度の要因物質には種々ものが存在するが、溶解性色度の一例として、フミン酸類やフルボ酸類等の有機化合物による有機系色度が挙げられる。これら溶解性色度を除色するために、仮に、UF膜よりも細かいナノろ過膜(NF膜)を用いたとしても、ろ過膜のみでは完全には除去できない場合がある。そのため、活性炭による吸着作用を利用した活性炭処理が用いられる。
活性炭は表面に数nm~数十nmの孔を多数有する構造をしており、この孔に溶解性色度が吸着することで、着色された水から色度成分が除去される。そして、色度成分を吸着した活性炭を膜ろ過装置で除去することで、色度が除去された無色透明の処理水を得ることができる。
【0004】
活性炭を除去する膜ろ過装置としては、活性炭による膜の閉塞を防止するため、クロスフロー方式を採用したものが従来から知られている。クロスフロー方式とは、被処理水を膜面の平面方向に沿うように流すことで、平行な方向の流速成分によって膜面に活性炭が堆積することが抑制されるとともに、膜面に垂直な方向の流速成分による圧力によって膜面に接触する被処理水の一部が膜を透過することでろ過することができる方式である。
また、膜面を均一に使用できてろ過効率が良いことから、筒状の膜の内側から外側に向かってろ過をする内圧型によるクロスフロー方式を用いたものが知られている。
【0005】
例えば特許文献1では、被処理水に粉末活性炭を混合して凝集処理した後、粉末活性炭を含有する凝集スラリーをMF膜またはUF膜を用いてろ過する有機性汚水の処理方法の技術が開示されている。特許文献1には、チューブラー型または平膜型のクロスフロー方式を採用することができることも記載されている。
また、特許文献2では、被処理水に粉末イオン交換樹脂と粉末活性炭とを混合した混合水を、内圧型の中空糸膜によりろ過する水処理装置の技術が開示されている。
【0006】
ところで、内圧型の膜ろ過装置では、いかにクロスフロー方式を採用したとしても、ろ過時間の経過とともに膜面への不純物質の堆積が生じる。そこで、膜面の堆積物を除去するために、いわゆる逆洗という洗浄を行うのが一般的となっている。逆洗とは、ろ過した処理水を逆流させてろ過膜の外側から内側に向かって透過させ、透過時の水流によって膜面から堆積物を剥離させて外部に排出する洗浄方法である。
【0007】
ろ過膜の洗浄については、洗浄効果を向上させるために、逆洗をした後に被処理水の水流を用いてさらに膜面の残留堆積物を除去する方法が従来から知られている。
例えば特許文献3では、内圧型のクロスフロー方式を採用した中空糸膜による膜ろ過装置において、逆洗の後、ろ過膜の破断を検知するために、一旦膜内の水を抜いて大気圧よりも高い気圧の空気で満たし、膜内の気圧の変化からろ過膜の破断の有無を検知する仕組みを取り入れた膜ろ過システムの技術が開示されている。また、特許文献3には、ろ過膜の破断検知工程後に再び膜内を被処理水で満たす際、ろ過膜の一端側から他端側に向かって被処理水を通水させる動作と、ろ過膜の他端側から一端側に向かって被処理水を通水させる動作を交互に行うことで、逆洗により除去しきれなかった膜面の残留堆積物を、通水時の水流により除去する技術が開示されている。
【0008】
特許文献3の技術を概説すると、図12に示すように、膜ろ過システム900は、原水タンク91と、圧力容器92と、ろ過ポンプ93と、弁941~946と、中空糸膜からなる膜エレメント95と、逆洗ポンプ96と、空気を送り出すコンプレッサ97とを基本構成としている。
そして、逆洗工程の後、膜内を空気で満たす膜破断検知工程に次いで、弁941、942、943、944を開け、他の弁は閉じた状態で、ろ過ポンプ93を動作させ、中空糸膜の内側の一端側から他端側に被処理水を通水させる。一定時間継続したら、弁941、945、946、944を開け、他の弁は閉じた状態で、ろ過ポンプ93を動作させ、今後は前記他端側から前記一端側に通水するようにする。この動作により、膜の内側に付着し、通常の逆洗工程では落としきれなかった濁質を効果的に除去することができるとされている。なお、特許文献3の技術は、粉末活性炭を用いて色度を除去する膜ろ過装置ではなく、濁度を除去する膜ろ過装置の技術である。
【0009】
以上のように、濁度を除去した一次処理水に対して、特許文献1及び特許文献2に記載されているような粉末活性炭を用いた内圧型のクロスフロー方式の膜ろ過装置によって色度を除去すれば、無色透明の水を得ることができる。このとき、特許文献3に記載されているように、逆洗工程の後に、ろ過膜内を一旦空気で満たし、被処理水を再度通水させる動作をすることで、ろ過膜の洗浄を効果的に行うことができ、高いろ過効率を維持することができるのではないかとも思われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開平3-151100号公報
特開2011-230038号公報
特開2008-229471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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