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公開番号2024087166
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-01
出願番号2022201808
出願日2022-12-19
発明の名称燃料油供給装置
出願人三菱重工業株式会社
代理人SSIP弁理士法人
主分類F02C 9/32 20060101AFI20240624BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】燃料ノズルに対する燃料油の供給系統における弁数削減に伴って燃料油の減圧段数が少なくなった場合においても、流量調節弁でキャビテーション発生を防止する。
【解決手段】本開示は、ガスタービンの燃焼器に燃料油を供給するための燃料油供給装置に関する。燃料油供給装置は、燃料油を供給するためのポンプと、ポンプの下流側に配置され、ポンプによる前記燃料油の供給圧力を調節するための供給圧力調節弁と、供給圧力調整弁の下流側に配置され、燃焼器が有する複数の燃料ノズルに供給される前記燃料油の流量をそれぞれ調節するための複数の流量調節弁とを備える。また複数の流量調節弁の各々の下流側には、複数のキャビテーション抑制部が設けられる。流量調整弁の開度は、流量調節弁の上流側における燃料油の第1圧力、流量調節弁の下流側における第2圧力、及び、燃料ノズルに供給される燃料油の流量に基づいて制御される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ガスタービンの燃焼器に燃料油を供給するための燃料油供給装置であって、
前記燃料油を供給するためのポンプと、
前記ポンプの下流側に配置され、前記ポンプによる前記燃料油の供給圧力を調節するための供給圧力調節弁と、
前記供給圧力調整弁の下流側に配置され、前記燃焼器が有する複数の燃料ノズルに供給される前記燃料油の流量をそれぞれ調節するための複数の流量調節弁と、
前記複数の流量調節弁の各々の下流側に設けられた複数のキャビテーション抑制部と、
前記流量調節弁の上流側における前記燃料油の第1圧力、前記流量調節弁の下流側における第2圧力、及び、前記燃料ノズルに供給される前記燃料油の流量に基づいて、前記流量調整弁の開度を制御するための開度制御部と、
を備える、燃料油供給装置。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記第2圧力は、前記燃料油の流量に基づいて算出された前記キャビテーション抑制部の圧損を含む、請求項1に記載の燃料油供給装置。
【請求項3】
前記第2圧力は、
前記燃料油の流量に基づいて算出される前記ガスタービンの車室圧力と、
前記複数の燃料ノズルによるノズル圧損と、
を更に含む、請求項2に記載の燃料油供給装置。
【請求項4】
前記複数の燃料ノズルの少なくとも一部に水を噴射するための水噴射装置を更に備え、
前記車室圧力は、前記水噴射装置による前記水の噴射量に基づいて補正され、
前記ノズル圧損は、前記水の噴射量と前記燃料油の流量とに基づいて算出される、請求項3に記載の燃料油供給装置。
【請求項5】
前記ポンプは、燃料油供給源に接続された燃料油供給ラインに設けられ、
前記供給圧力調節弁は、前記燃料油供給ラインのうち前記ポンプより下流側、且つ、前記流量調整弁の上流側から分岐し、前記ポンプによって供給される前記燃料油の少なくとも一部を前記燃料油供給源に戻すためのリターンラインに設けられる、請求項1又は2に記載の燃料油供給装置。
【請求項6】
前記供給圧力調節弁は、前記第1圧力が一定になるように開度が制御される、請求項1又は2に記載の燃料油供給装置。
【請求項7】
前記キャビテーション抑制部は、前記流量調整弁と一体的に構成される、請求項1又は2に記載の燃料油供給装置。
【請求項8】
前記キャビテーション抑制部は、前記燃料油の流量に対応して流路断面積が可変な絞り構造を有する、請求項1又は2に記載の燃料油供給装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ガスタービンの燃焼器に燃料油を供給するための燃料油供給装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
ガスタービンでは、燃焼器で燃料を燃焼して生成した燃焼ガスによって、タービンが駆動される。典型的なガスタービンでは、主に燃料として燃料ガスを用いる燃料ガス運転が行われるが、バックアップの位置付けとして燃料として燃料油を用いる油焚き運転が可能なものもある。油焚き用の燃料である燃料油を供給するための燃料油供給装置は、例えば、燃料油供給源からの燃料油の供給圧力を調節するための供給圧力調節弁と、燃焼器が有する複数の燃料ノズルに対する各系統において、燃料油の流量を調節するための流量調節弁、及び、流量調節弁の上流側及び下流側の差圧を調節するための差圧調節弁とを備える。この構成では、流量調節弁及び差圧調節弁は、燃料ノズルに対応する供給系統ごとに設けられるため、全体として調節弁の数(供給圧力調節弁、流量調節弁、及び、差圧調節弁の総数)が多くなるため、導入時の初期コストが高くなる。
【0003】
このような課題を解決するための一手法として、上記構成において各供給系統に設けられる複数の差圧調節弁を、各供給系統にわたって共有化することにより、調整弁の数を削減することが考えられる。すなわち、供給圧力調節弁の下流側に各供給系統に共有される圧力調節弁を設けることで、供給系統ごとに差圧調節弁を設ける場合に比べて、燃料油供給装置が有する調整弁の数を削減できる。例えば特許文献1には、燃料として燃料油ではなく燃料ガスを供給するための構成ではあるが、各燃料ノズルに対する燃料流量を調節するための流量調節弁の上流側に配置される差圧調節弁を削減することにより、調節弁の数を削減した構成例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2013/105406号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように、各燃料ノズルに対応する燃料油の供給系統において差圧調節弁を削減した場合、各供給系統における調節弁による減圧段数が減る(つまり、差圧調整弁と流量調整弁を有する構成では2段減圧であるのに対して、差圧調節弁を削減すると流量調整弁による1段減圧になる)。その結果、流量調節弁の上流側圧力及び下流側圧力の差圧が大きくなり、流量調整弁を通過する燃料油にキャビテーションが発生するおそれがある。
【0006】
本開示の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、各燃料ノズルに対する燃料油の供給系統における弁数削減に伴って燃料油の減圧段数が少なくなった場合においても、流量調節弁でキャビテーション発生を防止可能な燃料油供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態に係る燃料油供給装置は、上記課題を解決するために、
ガスタービンの燃焼器に燃料油を供給するための燃料油供給装置であって、
前記燃料油を供給するためのポンプと、
前記ポンプの下流側に配置され、前記ポンプによる前記燃料油の供給圧力を調節するための供給圧力調節弁と、
前記供給圧力調整弁の下流側に配置され、前記燃焼器が有する複数の燃料ノズルに供給される前記燃料油の流量をそれぞれ調節するための複数の流量調節弁と、
前記複数の流量調節弁の各々の下流側に設けられた複数のキャビテーション抑制部と、
前記流量調節弁の上流側における前記燃料油の第1圧力、前記流量調節弁の下流側における第2圧力、及び、前記燃料ノズルに供給される前記燃料油の流量に基づいて、前記流量調整弁の開度を制御するための開度制御部と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、燃料ノズルに対する燃料油の供給系統における弁数削減に伴って燃料油の減圧段数が少なくなった場合においても、流量調節弁でキャビテーション発生を防止可能な燃料油供給装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
一実施形態に係るガスタービン発電プラントの概略構成図である。
図1の燃料油供給装置の概略構成図である。
図2の比較例に係る燃料供給装置の概略構成図である。
図2のキャビテーション抑制部の断面構造を示す模式図である。
図2の燃料油供給装置の制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
図5の第2圧力算出部の演算ロジックを示す図である。
図7は図6の車室圧力を算出するための演算ロジックを示す図である。
第1圧力、第2圧力、車室圧力、キャビテーション抑制部の圧損、ノズル圧損の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(【0011】以降は省略されています)

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