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公開番号2024085959
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022200759
出願日2022-12-16
発明の名称水性インキセット及び印刷物
出願人artience株式会社
代理人
主分類C09D 11/54 20140101AFI20240620BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】非浸透性基材への印刷で混色滲みや色ムラがなく印刷画質が良好であり、保存安定性の良好なオーバーコート液による優れた耐水擦過性、密着性を付与する水性インキセットおよび印刷物を提供すること。
【解決手段】凝集剤(A)を含む前処理液(I)と、顔料分散樹脂(B)を含むインクジェットインキ(II)と、コアとシェルとを乳化重合により形成してなるコアシェル型樹脂エマルジョン(C)を含み、コアがポリジメチルシロキサン構造を有するエチレン性不飽和単量体(D)由来の構成単位を含む共重合体であり、シェルがジメチルシロキサン構造を含まない共重合体であり、コアとシェルとの質量比が60/40~90/10であり、コアシェル型樹脂エマルジョン(C)の酸価が10~65であり、エチレン性不飽和単量体(D)のジメチルシロキサン単位のくり返し数nは5~100であるオーバーコート液(III)とを含む水性インキセット。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
前処理液(I)とインクジェットインキ(II)とオーバーコート液(III)とを含むインキセットであって、
前記前処理液(I)が凝集剤(A)を含み、
前記インクジェットインキ(II)が顔料分散樹脂(B)を含み、前記オーバーコート液(III)がコアとシェルとを乳化重合により形成してなるコアシェル型樹脂エマルジョン(C)を含み、前記コアがポリジメチルシロキサン構造を有するエチレン性不飽和単量体(D)由来の構成単位を含む共重合体であり、前記シェルがジメチルシロキサン構造を含まない共重合体であり、前記コアとシェルとの質量比が60/40~90/10であり、かつコアシェル型樹脂エマルジョン(C)の酸価が10~65であり、前記ポリジメチルシロキサン構造を有するエチレン性不飽和単量体(D)のジメチルシロキサン単位のくり返し数nは5~100である、水性インキセット。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記コアシェル型樹脂エマルジョン(C)の全質量に対する前記ポリジメチルシロキサン構造を有するエチレン性不飽和単量体(D)由来の構成単位の質量比が5~20質量%である、請求項1に記載の水性インキセット。
【請求項3】
前記コアシェル型樹脂エマルジョン(C)のコアの全質量に対する架橋性エチレン性不飽和単量体由来の構成単位の質量比が0.1~2質量%である、請求項1に記載の水性インキセット。
【請求項4】
請求項1~3いずれかに記載の水性インキセットを用いる軟包装用水性インクジェットインキ印刷物の製造方法であって、
記録媒体に、前処理液(I)を付与する工程と、前処理液(I)を付与した部分に、インクジェットインキ(II)を付与する工程と、オーバーコート液(III)を付与する工程とを含む、
軟包装用水性インクジェットインキ印刷物の製造方法。
【請求項5】
請求項1~3いずれかに記載の水性インキセットを記録媒体に印刷してなる軟包装用水性インクジェットインキ印刷物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、前処理液、インクジェットインキ、オーバーコート液、及び、それを用いてなる印刷物、並びにその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
印刷の小ロット化やニーズの多様化に伴い、デジタル印刷方式の普及が急速に進んでいる。デジタル印刷方式では、版を必要としないことから、小ロット対応、コストの削減、印刷装置の小型化が実現可能である。
【0003】
デジタル印刷方式の一種であるインクジェット印刷方式とは、記録媒体に対してインクジェットヘッドからインキの微小液滴を飛翔及び着弾させて、前記記録媒体上に画像や文字(以下総称して「印刷物」ともいう)を形成する方式である。他のデジタル印刷方式と比べて、印刷装置のサイズ及びコスト、印刷時のランニングコスト、フルカラー化の容易さなどの面で優れており、近年では産業印刷用途においても利用が進んでいる。
【0004】
インクジェット印刷方式に使用されるインキとしては、油系、溶剤系、活性エネルギー線硬化系、水系など多岐に渡る。これまで、産業印刷用途では、溶剤系や活性エネルギー線硬化系のインキが使用されてきた。しかし近年の、環境や人に対する有害性への配慮・対応といった点から、水系インキの需要が高まっている。
【0005】
また近年では、インクジェット印刷方式の用途拡大の要望の中で、産業印刷用途に加えて、紙器、ラベル、包装フィルムといったパッケージ用途への展開が求められている。その場合、コート紙やアート紙のような低浸透性の基材、及び、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのような非浸透性の基材に対して、実使用に耐えられる特性を有する印刷物の形成が要求されることになる。
【0006】
軟包装材料を製造するためにインクジェット印刷を利用する場合、フィルム基材に対する画像形成が必須となる。これまでに存在する、インクジェット印刷で用いる水性インキは、普通紙や専用紙(例えば、写真光沢紙)のような浸透性の高い基材に対して画像形成するためのものであり、フィルム基材のような非浸透性の基材に対して印刷した場合、着弾した後のインキ液滴が、基材中に全く浸透しないため、浸透による乾燥が起きず、混色滲みや色ムラが発生し、印刷画質が損なわれる、色材である顔料が基材表面に付着されている状態のため摩擦に対する耐性が低い、といった問題が発生する。
【0007】
印刷画質が損なわれる課題に対しては、非浸透性の基材に対する前処理液が知られている。一般に、水性インクジェットインキ用の前処理液として、前記水性インクジェットインキ中の液体成分を吸収し乾燥性を向上させる層(インキ受容層)を形成するもの(特許文献1~2参照)と、色材や樹脂など、前記水性インクジェットインキ中に含まれる固体成分を意図的に凝集させることで液滴間の滲みや色ムラを防止し印刷画質を向上させる層(インキ凝集層)を形成するもの(特許文献3~4参照)の2種類が知られている。しかしながら、どちらの方法を採用したとしても、前処理剤液のみでは摩擦に対する耐性を改善することは難しい。
【0008】
摩擦に対する耐性が低い課題に対して、例えば特許文献5~8には、インキ中に定着樹脂を使用することで耐擦過性に一定の向上効果が得られることが開示されており、一方で特許文献9には、インキ層の上にオーバーコート層を設けることで、高い耐擦過性が得られることが開示されているが、いずれも湿潤時の摩擦に対する十分な耐性(耐水擦過性)が得られなかった。
【0009】
さらに、オーバーコート層に耐擦過性と撥水性を併せ持たせるために、シリコーン系やフッ素系のエマルジョンが用いられているが、シリコーン系やフッ素系のエマルジョンでは撥水性は得られるが、基材への密着性や耐水擦過性が劣ることが課題となっている。
【0010】
そこで、密着性の高いアクリル系やウレタン系のエマルジョンに、撥水性を高めるシ
リコーン系やフッ素系エマルジョンを混合したり、共重合させることで、密着性にも撥水
性にも優れたエマルジョンを開発する試み(特許文献10~11参照)がなされている。しかしながら、これらの方法では配合時の安定性、基材への密着性や耐水擦過性が必ずしも十分な性能が得られなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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