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公開番号
2024085458
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-06-27
出願番号
2022199921
出願日
2022-12-15
発明の名称
土留パネル及び土留構造物
出願人
JFE建材株式会社
代理人
弁理士法人きさ特許商標事務所
主分類
E02D
17/04 20060101AFI20240620BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】補強構造を有する土留パネルにおいて、裏込注入材の充填不良を抑制できる、土留パネル及び該土留パネルを用いた土留構造物を提供すること。
【解決手段】本発明に係る土留パネルは、地山を掘削して形成された壁面に沿って設置された土留構造物を構築するために用いられる土留パネルであって、断面形状が波形の波付鋼板と、波形の山部及び谷部が並列する第1方向において波付鋼板の一方の端部に接合された補強部材と、を備え、補強部材は、断面形状がL形に形成され、波付鋼板の一方の端部に平行な一対の板面を有する第1部分と、第1部分の板面に対し交差する方向に延びる一対の板面を有する第2部分と、を備え、波付鋼板は、第2部分よりも壁面側に位置する。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
地山を掘削して形成された壁面に沿って設置された土留構造物を構築するために用いられる土留パネルであって、
断面形状が波形の波付鋼板と、
前記波形の山部及び谷部が並列する第1方向において前記波付鋼板の一方の端部に接合された補強部材と、を備え、
前記補強部材は、
断面形状がL形に形成され、前記波付鋼板の前記一方の端部に平行な一対の板面を有する第1部分と、前記第1部分の板面に対し交差する方向に延びる一対の板面を有する第2部分と、を備え、
前記波付鋼板は、
前記第2部分よりも前記壁面側に位置する、土留パネル。
続きを表示(約 870 文字)
【請求項2】
前記波付鋼板の他方の端部に接合された第2補強部材を更に備え、
前記第2補強部材は、
前記波付鋼板の前記他方の端部に平行な一対の板面を有する第1部分と、
前記第1部分の板面に対し交差する方向に延びる一対の板面を有する第2部分と、を備え、
前記第2補強部材の前記第2部分は、
前記波付鋼板よりも前記壁面側に位置する、請求項1に記載の土留パネル。
【請求項3】
前記第2補強部材は、
山形鋼、溝形鋼、H形鋼、又は平板である、請求項2に記載の土留パネル。
【請求項4】
前記補強部材は、
貫通孔を有し、
前記第1部分の前記波付鋼板側にナットが接合されており、
前記ナットは、
前記貫通孔に対応して配置されている、請求項1又は2に記載の土留パネル。
【請求項5】
前記補強部材は、
貫通孔を有し、
前記貫通孔は、
雌ねじが形成されている、請求項1又は2に記載の土留パネル。
【請求項6】
前記波付鋼板は、
前記第1方向の両端部に前記第1方向に垂直な面を有するフランジ部を備え、
前記フランジ部は、
先端が前記壁面とは反対方向を向いて配置されている、請求項1又は2に記載の土留パネル。
【請求項7】
前記フランジ部は、
貫通孔を有し、
前記フランジ部の前記補強部材が接合されている面とは反対側の面に前記貫通孔に対応する位置にナットが接合されている、請求項6に記載の土留パネル。
【請求項8】
複数の土留パネルを前記第1方向に連結して構築された土留構造物であって、
前記複数の土留パネルは、
請求項1~3の何れか1項に記載の土留パネルを含み、
前記土留パネルは、
前記一方の端部に固定された前記補強部材が重力方向において上側に配置された、土留構造物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、土留パネル及び土留パネルを用いた土留構造物に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に開示されているように、地面を掘削して形成された掘削孔に波付鋼板からなる土留パネルを組み立てて構築された土留構造物が知られている。土留構造物は、掘削孔の壁面に沿って複数の波付鋼板を環状に配置して形成された構造体を、孔軸方向に積み重ねて構築される。
【0003】
土留構造物は、掘削孔の深度が深くなるにつれて地山側からの土圧が大きくなり、波付鋼板だけでは剛性が足りない場合がある。また、深度の深さにかかわらず、土質の条件等により、土圧が大きい場合もある。更に、孔軸方向の深度が深くなるにつれて、上方に配置された構造体の自重が下方に配置された構造体に作用する。このため、土留構造物では、剛性が足りない箇所において、上下に隣り合う波付鋼板の間に補強リングと呼ばれるH形鋼を挟み込み剛性を高めている。
【0004】
補強リングは、複数のH形鋼を、そのフランジ部が地山側と掘削側(掘削孔の内側)に向くように、掘削孔の周方向に沿って配置され、隣り合うH形鋼のフランジ部が継手板を介して接合されて構築される。継手板は、H形鋼における地山側のフランジ部と掘削側のフランジ部とにそれぞれ当てがわれて、隣り合うH形鋼のフランジ部にそれぞれボルト接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-066845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
H形鋼を補強リングとして使用した場合、H形鋼が土留パネルの孔軸方向の端部に連結され、H形鋼のフランジ部が土留パネルの孔軸方向の端部の地山側を覆う様に配置される。このとき、H形鋼のフランジ部と土留パネルとの間に空間が形成される。その空間は、孔軸を含む断面において、H形鋼のウェブ部、フランジ部及び土留パネルの端部に囲まれた袋状となっている。土留構造と地山との間には、裏込注入材として、例えばコンクリート又はモルタルが充填されるが、袋状の空間には十分に裏込注入材が行き渡らない場合がある。特に、裏込注入材は重力方向において下側から充填されていくため、重力方向において上側にある土留パネルの端部に設置されたH形鋼により形成される袋状の空間には、空気が滞留するなどにより充填不良が生ずる場合がある、という課題があった。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、補強構造を有する土留パネルにおいて、裏込注入材の充填不良を抑制できる、土留パネル及び土留構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る土留パネルは、地山を掘削して形成された壁面に沿って設置された土留構造物を構築するために用いられる土留パネルであって、断面形状が波形の波付鋼板と、前記波形の山部及び谷部が並列する第1方向において前記波付鋼板の一方の端部に接合された補強部材と、を備え、前記補強部材は、断面形状がL形に形成され、前記波付鋼板の前記一方の端部に平行な一対の板面を有する第1部分と、前記第1部分の板面に対し交差する方向に延びる一対の板面を有する第2部分と、を備え、前記波付鋼板は、前記第2部分よりも前記壁面側に位置するものである。
【0009】
本発明に係る土留構造物は、複数の土留パネルを前記第1方向に連結して構築された土留構造物であって、前記複数の土留パネルは、上記の土留パネルを含み、前記土留パネルは、前記一方の端部に固定された前記補強部材が重力方向において上側に配置されたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、補強部材により波付鋼板の壁面側が覆われていないため、波付鋼板と壁面との間の裏込注入材の充填不良の発生を抑制しつつ強度の高い土留構造を構築できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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