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公開番号2024085384
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-26
出願番号2023194826
出願日2023-11-16
発明の名称身体貼付用シート
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類A61K 9/70 20060101AFI20240619BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】含水ゲルの坪量が大きいシートでも高い動作追従性が得られ、特に頸や肩、また、膝などの関節部といった動きの大きく、かつ、多い部位においても、冷却効果等の効果の持続性に優れた身体貼付用シートを提供する。
【解決手段】支持体と、前記支持体上に積層されたゲル層とを有する身体貼付用シートであって、前記ゲル層は次の成分(A)水、(B)COO^-基を有する水溶性高分子、(C)アルミニウム原子を含有し、前記ゲル層中の前記成分(A)の含有量が、50質量%以上85質量%以下であり、前記支持体と前記ゲル層とからなる層のバルクソフトネスが0.15N以上0.50N以下であり、坪量が1000g/m²以上2600g/m²以下であり、前記ゲル層の、JIS Z0237:2009に従って傾斜板の角度30°、温度23℃、50%R.H.の条件下で行われるボールタック試験におけるボールナンバーが14以上30以下である、身体貼付用シート。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
支持体と、前記支持体上に積層されたゲル層とを有する身体貼付用シートであって、
前記ゲル層は次の成分（Ａ）～（Ｃ）：
（Ａ）水
（Ｂ）ＣＯＯ
－
基を有する水溶性高分子
（Ｃ）アルミニウム原子
を含有し、
前記ゲル層中の前記成分（Ａ）の含有量が、５０質量％以上８５質量％以下であり、
前記支持体と前記ゲル層とからなる層のバルクソフトネスが０．１５Ｎ以上０．５０Ｎ以下であり、坪量が１０００ｇ／ｍ
２
以上２６００ｇ／ｍ
２
以下であり、
前記ゲル層の、ＪＩＳＺ０２３７：２００９に従って傾斜板の角度３０°、温度２３℃、５０％Ｒ．Ｈ．の条件下で行われるボールタック試験におけるボールナンバーが１４以上３０以下である、身体貼付用シート。
続きを表示（約 270 文字）【請求項２】
前記支持体が不織布である、請求項１に記載の身体貼付用シート。
【請求項３】
前記支持体のＣＤ方向における５０％伸長時強さが、０．５Ｎ／５ｃｍ以上４．０Ｎ／５ｃｍ以下である、請求項１又は２に記載の身体貼付用シート。
【請求項４】
更にポリビニルアルコール（Ｄ）を含む、請求項１～３のいずれかに記載の身体貼付用シート。
【請求項５】
前記成分（Ｃ）に対する前記成分（Ｂ）の質量比［（Ｂ）／（Ｃ）］が、２００以上８００以下である、請求項１～４のいずれかに記載の身体貼付用シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、身体貼付用シートに関する。
続きを表示（約 3,200 文字）【背景技術】
【０００２】
発熱時や炎症時の冷却、スポーツの後のクールダウン、血行促進による肩こり等の緩和といった様々な用途に使用される、ゲル層を備えた身体貼付用シート（含水ゲルシート）が開発されている。
例えば、特許文献１には、皮膚から剥がれ難い貼付剤を提供することを目的として、支持基材と、前記支持基材の一方面の全域にわたって積層された水性ゲルと、を備え、前記支持基材は、平面視において第１の方向及び前記第１の方向に直交する第２の方向のうちの一方向の伸長率が他方向の伸長率よりも高い、貼付剤が開示されている。
特許文献２には、展延時には保形性を上げて圧力による裏染みを防ぐと共に、使用時は保形性を下げて皮膚の動きへの追従性に優れた貼付剤を提供することを目的として、膏体組成物と、支持体とを有する貼付剤であって、上記膏体組成物が、（Ａ）ポリアクリル酸及びポリアクリル酸中和物：合計量で７～１５質量％であって、ポリアクリル酸／ポリアクリル酸中和物で表される含有質量比が１．５～３．０、（Ｂ）カルボキシメチルセルロース及びその塩から選ばれる１種以上、（Ｃ）グリセリン、（Ｄ）架橋剤：０．５質量％以下、及び（Ｅ）水：５０～８０質量％を含有する貼付剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０１９－２０８６９２号公報
特開２０２２－９８０９６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
このような身体貼付用シートは、日常生活において様々な動作をする中で身体に貼付して利用する為、持続的に所望の効果を得る為に身体の動きに対する追従性（動作追従性）が高いことが要求される。
しかし、例えば冷却用の含水ゲルシートでは、長時間に亘って冷却効果を持続させる為に、ゲル層の含水率および坪量を増加させる必要があり、シートが厚くなる。また、冷却用に限らず例えば生理活性ガスを含有させる場合等でも、該ガスの含有量を確保するためにゲル層の含水率および坪量を増加させたいことがある。
そのため、特に頸や肩、また、膝などの関節部といった動きの大きく、かつ、動きの多い部位に貼付した場合に、従来の身体貼付用シートでは、剥がれやすく、動作追従性の点でいまだ改善の余地があった。
【０００５】
本発明は、含水ゲル（ゲル層）の坪量が大きくても動作追従性に優れ、特に頸や肩、また、膝などの関節部といった動きの大きく、かつ、多い部位においても、冷却効果等の効果の持続性に優れた身体貼付用シートに関する。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明者らは、鋭意研究した結果、所定の構成を備えたシートであって、ゲル層が所定の組成を有し、支持体とゲル層とからなる層のバルクソフトネス及び坪量、並びにゲル層におけるボールタック試験のボールナンバーを特定範囲とすることで、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、下記に関する。
［１］支持体と、前記支持体上に積層されたゲル層とを有する身体貼付用シートであって、
前記ゲル層は次の成分（Ａ）～（Ｃ）：
（Ａ）水
（Ｂ）ＣＯＯ
－
基を有する水溶性高分子
（Ｃ）アルミニウム原子
を含有し、
前記ゲル層中の前記成分（Ａ）の含有量が、５０質量％以上８５質量％以下であり、
前記支持体と前記ゲル層とからなる層のバルクソフトネスが０．１５Ｎ以上０．５０Ｎ以下であり、坪量が１０００ｇ／ｍ
２
以上２６００ｇ／ｍ
２
以下であり、
前記ゲル層の、ＪＩＳＺ０２３７：２００９に従って傾斜板の角度３０°、温度２３℃、５０％Ｒ．Ｈ．の条件下で行われるボールタック試験におけるボールナンバーが１４以上３０以下である、身体貼付用シート。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、含水ゲルの坪量が大きいシートでも高い動作追従性が得られ、特に頸や肩、また、膝などの関節部といった動きの大きく、かつ、多い部位においても、冷却効果等の効果の持続性に優れた身体貼付用シートを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
実施例の冷却効果の持続性の評価における、皮膚温度の測定箇所を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、本発明の身体貼付用シートについて説明する。
［身体貼付用シート］
本発明の身体貼付用シート（以下、単に「本発明のシート」ともいう）は、支持体と、前記支持体上に積層されたゲル層とを有する身体貼付用シートであって、
前記ゲル層は次の成分（Ａ）～（Ｃ）：
（Ａ）水
（Ｂ）ＣＯＯ
－
基を有する水溶性高分子
（Ｃ）アルミニウム原子
を含有し、
前記ゲル層中の前記成分（Ａ）の含有量が、５０質量％以上８５質量％以下であり、
前記支持体と前記ゲル層とからなる層のバルクソフトネスが０．１５Ｎ以上０．５０Ｎ以下であり、坪量が１０００ｇ／ｍ
２
以上２６００ｇ／ｍ
２
以下であり、
前記ゲル層の、ＪＩＳＺ０２３７：２００９に従って傾斜板の角度３０°、温度２３℃、５０％Ｒ．Ｈ．の条件下で行われるボールタック試験におけるボールナンバーが１４以上３０以下である、身体貼付用シートである。
本発明の身体貼付用シートは上記構成を有することにより、含水ゲルの坪量が大きいシートでも高い動作追従性が得られ、特に頸や肩、また、膝などの関節部といった動きの大きく、かつ、多い部位においても、冷却効果等の効果の持続性に優れるものとなる。
【００１０】
本発明者らは、身体貼付用シートを身体に貼付し、数時間経過観察をしたところ、追従性が悪いシートでは、皺が少なく、シートの剥がれが生じているのに対し、追従性が良好なシートでは、細かい皺が複数寄っているがシートの剥がれは少ないことに気づき、追従性とシートの柔軟性との関係に着目した。また、一方で、身体貼付用シートは、シートの所望の効果を有効に得る為に、貼付時の密着性が重要となる。本発明者らは、鋭意研究した結果、「やわらかさ（柔軟性）」の指標の一つであるバルクソフトネスと、粘着性の指標であるボールタック試験のボールナンバーの値を特定の範囲の値にすることで、含水ゲルの坪量が大きいシートであっても、高い動作追従性が得られ、特に頸や肩、また、膝などの関節部といった動きの大きく、かつ、多い部位においても、冷却効果等の効果の持続性に優れることを見出した。
従来は、動作追従性を上げる為にはシートの厚みを薄くするしかなく、冷却効果等の持続時間を向上させるためシートの厚みを厚くする場合には、動作追従性については不十分な状態を受け入れるしかなかったが、本発明の構成によれば、従来の身体貼付用シートよりも動作追従性を向上させることができる為、身体貼付用シートのゲル層の坪量を大きくしても、高い動作追従性を実現できる。また、その結果として高い冷却効果を得ることもできる。ゲル層が所定の組成を有し、支持体とゲル層とからなる層のバルクソフトネス及び坪量、並びに、ゲル層におけるボールタック試験のボールナンバーの値を特定の範囲とすることで、含水ゲルの高坪量と動作追従性を両立させることができる。このことにより、例えば冷却性等の身体貼付用シートの機能を十分に奏することが可能となる。
（【００１１】以降は省略されています）

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