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公開番号2024085026
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-26
出願番号2022199336
出願日2022-12-14
発明の名称二次電池、及び二次電池の製造方法
出願人プライムアースEVエナジー株式会社
代理人個人
主分類H01M 10/0587 20100101AFI20240619BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】黒鉛粒子を配向さることによって生じ得る負極への非水電解液の含浸性の悪化と、非水電解液中の被膜形成剤に由来する被膜の膜厚の不均一さに起因する負極における抵抗ムラと、をともに抑制することができる二次電池、及び二次電池の製造方法を提供すること。
【解決手段】二次電池は、正極板及び負極板40を含む電極体と、電極体を収容する電池ケースと、電池ケース内に注入された非水電解液と、を有し、負極板40は、負極集電体41と、負極集電体41の表面上に形成され、第1黒鉛粒子71を含む第1負極合材層44と、第1負極合材層44の表面上に形成され、第2黒鉛粒子72を含む第2負極合材層45と、を有し、第2負極合材層45の中央部64に含まれる第2黒鉛粒子72は、第2負極合材層45の両端部62、63に含まれる第2黒鉛粒子72よりも配向度が高く、第1負極合材層44に含まれる第1黒鉛粒子71よりも配向度が高い。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
正極板及び負極板がセパレータを介して捲回された電極体と、
前記電極体を収容する電池ケースと、
前記電池ケース内に注入された被膜形成剤を含有する非水電解液と、を有し、
前記負極板は、
負極集電体と、
前記負極集電体の表面上に形成され、第1黒鉛粒子を含む第1負極合材層と、
前記第1負極合材層の表面上に形成され、第2黒鉛粒子を含む第2負極合材層と、を有し、
前記電極体の捲回軸方向における前記第2負極合材層の中央部に含まれる第2黒鉛粒子のX線回折法による(110)面のピーク強度Aに対する(002)面のピーク強度Bの比であるB/Aは、前記電極体の捲回軸方向における前記第2負極合材層の両端部に含まれる前記第2黒鉛粒子のX線回折法による(110)面のピーク強度Cに対する(002)面のピーク強度Dの比であるD/Cよりも小さく、
前記B/Aは、前記第1負極合材層に含まれる前記第1黒鉛粒子のX線回折法による(110)面のピーク強度Eに対する(002)面のピーク強度Fの比であるF/Eよりも小さい二次電池。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
前記B/Aの値は20~50である請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記D/Cの値は100以上であり、
前記F/Eの値は100以上である請求項1に記載の二次電池。
【請求項4】
前記第1黒鉛粒子の平均粒径は6μm~20μmであり、
前記第2黒鉛粒子の平均粒径は6μm~10μmであり、
前記第1黒鉛粒子の平均粒径は前記第2黒鉛粒子の平均粒径以上である請求項1に記載の二次電池。
【請求項5】
前記第1黒鉛粒子のタップ密度は0.85g/cm

~1.15g/cm

であり、
前記第2黒鉛粒子のタップ密度は0.85g/cm

~1.00g/cm

であり、
前記第1黒鉛粒子のタップ密度は前記第2黒鉛粒子のタップ密度以上である請求項1に記載の二次電池。
【請求項6】
正極板及び負極板をそれぞれ形成する電極板形成工程と、
前記正極板及び前記負極板がセパレータを介して捲回された電極体を作製する電極体作製工程と、
前記電極体を電池ケース内に収容する電極体収容工程と、
前記電池ケース内に被膜形成剤を含有する非水電解液を注入する電解液注入工程と、を有し、
前記電極板形成工程は、
第1黒鉛粒子及び溶媒を含む第1負極合材層形成用ペーストと第2黒鉛粒子及び溶媒を含む第2負極合材層形成用ペーストとをそれぞれ調製するペースト調製工程と、
前記第1負極合材層形成用ペーストを負極集電体の表面に塗工して第1塗工層を形成する第1塗工工程と、
前記第1塗工層を乾燥して前記負極集電体の表面上に第1負極合材層を形成する第1乾燥工程と、
前記第2負極合材層形成用ペーストを前記第1負極合材層の表面に塗工して第2塗工層を形成する第2塗工工程と、
前記電極体の捲回軸方向における前記第2塗工層の中央部に前記負極集電体の表面に対して略垂直方向となる磁場を印加する磁場配向工程と、
前記磁場を印加した後の前記第2塗工層を乾燥して前記第1負極合材層の表面上に第2負極合材層を形成する第2乾燥工程と、
を含む二次電池の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は二次電池、及び二次電池の製造方法に関し、特に捲回型の電極体を備える二次電池、及び二次電池の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
二次電池は、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として広く用いられている。二次電池の中でも、特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車等の車両の駆動用高出力電源として好適に用いられている。リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極(正極板)及び負極(負極板)の電極間を、電解質中のリチウムイオンが移動することで充放電可能な二次電池である。
【0003】
リチウムイオン二次電池等の二次電池に用いられる電極は、導電性の集電体と、集電体上に保持された活物質等を含む合材層と、を備えている。例えば、二次電池の負極活物質として、高容量且つ不可逆容量が小さく、又電気伝導性に優れていることから、天然黒鉛、人造黒鉛、これらの非晶質体等の黒鉛系炭素材料が広く利用されている。
【0004】
黒鉛粒子は、層状の結晶構造を有し、その層と層との間(層間)へのリチウムイオンの吸蔵及び当該層間からのリチウムイオンの放出により充放電が実現される。このような黒鉛粒子を用いて負極を形成すると、黒鉛粒子の層面が負極集電体の表面に対して略平行となるように配向しやすい。そのため、黒鉛粒子の磁場配向性を利用して、黒鉛粒子の層面を負極集電体に対して略垂直に配向させる技術が提案されている。このように黒鉛粒子の配向度を高めることによって、正極から脱離したリチウムイオンが黒鉛粒子の層間にスムーズに挿入されるため、負極のリチウムイオンの受入性が向上する。
【0005】
特許文献1には、捲回電極体の捲回軸方向における負極合材層の両端部分と、該捲回軸方向における負極合材層の少なくとも中央を含む中央部分との間で、負極合材層中の黒鉛材料の配向が相互に異なっており、中央部分における黒鉛材料のX線回折法による(110)面のピーク強度A及び(002)面のピーク強度Bの比であるA/Bは、両端部分における黒鉛材料のX線回折法による(110)面のピーク強度C及び(002)面のピーク強度Dの比であるC/Dよりも増大しているリチウムイオン二次電池とその製造方法が開示されている。
【0006】
特許文献2には、黒鉛粒子及び結着材が溶媒に分散されたペースト状の負極合剤が帯状の負極集電体に塗布され、負極集電体に負極合剤層が重ねられたものであり、負極合剤層は、幅方向の中央部分が、黒鉛粒子の層面が負極集電体の面に対して起立状態になっている起立部であり、起立部の幅方向両側が、黒鉛粒子の層面が負極集電体の面に沿った横向きの横向き部である非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池が開示されている。
【0007】
特許文献3には、正極および負極を備える二次電池であって、負極は、負極集電体と、負極集電体に保持された黒鉛を含む負極活物質層とを備え、負極活物質層は、負極集電体に相対的に近い内部領域に含まれる黒鉛の配向度が、該負極活物質層の外表面に相対的に近い表領域に含まれる黒鉛の配向度よりも小さい二次電池が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2013-69432号公報
特開2013-131297号公報
特開2014-137879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、二次電池の一形態として、正極板及び負極板がセパレータを介して捲回された捲回型の電極体を非水電解液とともに電池ケース内に収容した二次電池が挙げられる。このような二次電池では、負極活物質として用いられる黒鉛粒子の表面に形成される非水電解液の分解物からなるSEI(Solid Electrolyte Interface)膜に代えて、黒鉛粒子の表面に予め安定的な被膜を形成するために、リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)等の被膜形成剤を含有した非水電解液を用いる場合がある。
【0010】
二次電池の製造工程では、電極体に非水電解液を含浸させる必要があるが、電極体には不可避の不純物としてナトリウム成分(Na成分)が存在している。このため、被膜形成剤を含む非水電解液を電極体に含浸させると、Na成分が非水電解液中に溶出する。
(【0011】以降は省略されています)

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