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公開番号2024085006
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-26
出願番号2022199279
出願日2022-12-14
発明の名称油菓子用添加剤
出願人株式会社ADEKA
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A21D 2/32 20060101AFI20240619BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】体積、口溶け、歯切れ、風味が良好で、かつ、油性感や吸油が低減された油菓子を得ることが可能である油菓子用添加剤を提供すること。
【解決手段】乳由来のリン脂質及び乳タンパク質を含有し、乳由来のリン脂質1質量部に対し乳タンパク質を1~15質量部含有する水性液であることを特徴とする、油菓子用添加剤。上記水性液はpH3~6であることが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
乳由来のリン脂質及び乳タンパク質を含有し、乳由来のリン脂質1質量部に対し乳タンパク質を1~15質量部含有する水性液であることを特徴とする、油菓子用添加剤。
続きを表示(約 130 文字)【請求項2】
上記水性液がpH3~6である、請求項1記載の油菓子用添加剤。
【請求項3】
請求項1又は2記載の油菓子用添加剤を使用した油菓子生地。
【請求項4】
請求項3記載の油菓子生地を油ちょうした油菓子製品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は油菓子用添加剤に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、消費者の注目がドーナツに集まっており、ケーキドーナツやイーストドーナツ、フレンチクルーラー等の一般的な、定番のドーナツを初め、焼ドーナツや生ドーナツといった一風変わったドーナツも市場で人気を博している。
一方で、その油性感の高さから高カロリーが連想されるため、ドーナツ市場の縮小が見られ始めている。そのため、ドーナツ市場では、油性感が低減されたドーナツが求められている。
【0003】
ここで、油性感が低減されたドーナツを得るための手法として、(1)ドーナツ生地を食品素材で被覆し、油ちょう中の吸油を抑制し、油性感を低減する手法(2)ドーナツ生地中に、油性感を感じさせにくくする食品素材、若しくは油ちょう中の吸油を抑制する食品素材を練り込む手法(3)油ちょうする揚げ油の組成を調整する、の3種に大別されるアプローチから検討が為されている。
【0004】
(1)の手法として、例えば餅様素材でドーナツ生地をコーティングする手法(特許文献1)などが挙げられる。また、(2)の手法として、例えばキサンタンガム・グアガム・ビタミンCを特定比率で混合したものをドーナツ生地に練り込む手法(特許文献2)や、加熱時にゲル化可能な水溶性セルロースエーテルの水溶液を含有する吸油抑制剤を練り込む手法(特許文献3)、乳由来のリン脂質、乳タンパク質及び特定分子量のデキストランからなる吸油抑制材を練り込む手法(特許文献4)などが挙げられる。 さらに(3)の手法として、例えばショ糖脂肪酸エステルを特定量含有するフライ用油脂組成物を用いる手法(特許文献5)や、ジグリセリドを多く含有する揚げ油を用いる手法(特許文献6)などが挙げられる。
【0005】
しかし、(1)の手法では、生地成形時や油ちょう中に被覆部分が損傷しやすく、油ちょう中の吸油を十分に抑制することが難しかった。また、(3)の手法では、油ちょうする際に用いる揚げ油の組成のみで、ドーナツの油性感を抑制することは困難であった。一方で、(2)の手法のように、ドーナツ生地自体の配合に工夫を施す手法では、他の手法と比較して、相対的には油性感の低減効果は得られ易いものの、油性感を低減させるために添加量を増やすと、ゲル化剤や増粘安定剤由来のねちゃついた食感になりやすく、軽く歯切れのよい食感が得られにくいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2016-086743号公報
特開2016-214230号公報
特開2010-268693号公報
特開2019-071805号公報
特開2014-014317号公報
特開平11-243857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、体積、口溶け、歯切れ、風味が良好で、かつ、油性感が低減された油菓子を得ることが可能である油菓子用添加剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、乳由来のリン脂質及び乳タンパク質を含有し、乳由来のリン脂質1質量部に対し乳タンパク質を1~15質量部含有する水性液を油菓子用添加剤として使用することで、上記の課題を解決できることを見出した。
本発明は、上記知見により得られたものであり、乳由来のリン脂質及び乳タンパク質を含有し、乳由来のリン脂質1質量部に対し乳タンパク質を1~15質量部含有する水性液であることを特徴とする、油菓子用添加剤を提供するものである。
また本発明は、当該油菓子用添加剤を含有する油菓子生地及び当該油菓子生地を油ちょうした油菓子製品を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の油菓子用添加剤及び油菓子生地を使用することにより、体積、口溶け、歯切れ及び風味が良好で、油性感が低減された油菓子を得ることができる。また本発明の油菓子用添加剤及び油菓子生地を使用して得られた油菓子は、体積、口溶け、歯切れ及び風味が良好で、油性感が低減されている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の油菓子用添加剤について詳述する。
本発明の油菓子用添加剤は、乳由来のリン脂質及び乳タンパク質を含有し、乳由来のリン脂質1質量部に対し乳タンパク質を1~15質量部、好ましくは1.2~13質量部、より好ましくは1.5~10質量部、最も好ましくは2~5質量部含有する水性液である。
上記水性液中に、乳由来のリン脂質1質量部に対して乳タンパク質が1質量部よりも少なく含まれている場合や15質量部よりも多く含まれている場合は、本発明の効果が得られない。
(【0011】以降は省略されています)

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