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公開番号2024084884
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-26
出願番号2022199047
出願日2022-12-14
発明の名称選択負荷遮断システム及び選択負荷遮断方法
出願人日本製紙株式会社,美和アキュテック株式会社
代理人個人
主分類H02J 3/14 20060101AFI20240619BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】 電力会社の電力系統の系統周波数が低下した後、電力系統が解列した場合であっても適切に構内負荷を選択遮断することができる選択負荷遮断システムを提供する。
【解決手段】 電力会社の電力系統から構内に供給される受電電力を検出する受電電力検出手段と、前記構内に電力を供給する構内用発電機より発電される発電電力を検出する発電電力検出手段と、前記電力系統の解列時に、前記受電電力及び前記発電電力に基づいて前記電力系統及び前記構内用発電機から電力供給を受ける構内負荷群より予め定められる優先順位で構内負荷を選択し、選択された前記構内負荷に供給される電力を遮断する遮断手段と、を備える負荷選択遮断システムにおいて、前記電力系統の系統周波数低下の有無を判定する判定手段を備え、前記遮断手段は、前記判定手段により前記系統周波数の低下があったと判定された場合に、前記発電電力の最小値または前記最小値より所定量少ない値に基づいて前記構内負荷を選択する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電力会社の電力系統から構内に供給される受電電力を検出する受電電力検出手段と、
前記構内に電力を供給する構内用発電機より発電される発電電力を検出する発電電力検出手段と、
前記電力系統の解列時に、前記受電電力及び前記発電電力に基づいて前記電力系統及び前記構内用発電機から電力供給を受ける構内負荷群より予め定められる優先順位で構内負荷を選択し、選択された前記構内負荷に供給される電力を遮断する遮断手段と、
を備える負荷選択遮断システムにおいて、
前記電力系統の系統周波数低下の有無を判定する判定手段を備え、
前記遮断手段は、前記判定手段により前記系統周波数の低下があったと判定された場合に、前記発電電力の最小値または前記最小値より所定量少ない値に基づいて前記構内負荷を選択することを特徴とする負荷選択遮断システム。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記発電電力の最小値は、前記電力系統の解列時から所定時間前までの間の最小値であることを特徴とする請求項1記載の負荷選択遮断システム。
【請求項3】
前記所定時間前までの間の前記発電電力を記憶する記憶手段を備え、
前記遮断手段は、前記記憶手段に記憶されている前記発電電力の最小値または前記最小値より所定量少ない値に基づいて前記構内負荷を選択することを特徴とする請求項2記載の負荷選択遮断システム。
【請求項4】
前記判定手段により前記系統周波数の低下があったと判定された場合に、前記遮断手段により遮断される電力は、前記構内負荷群に供給を要する電力から前記発電電力の最小値または前記最小値より所定量少ない値を減算した値以上の電力であることを特徴とする請求項1または2記載の負荷選択遮断システム。
【請求項5】
電力会社の電力系統から構内に供給される受電電力を検出する受電電力検出手段と、
前記構内に電力を供給する構内用発電機より発電される発電電力を検出する発電電力検出手段と、
前記電力系統の解列時に、前記受電電力及び前記発電電力に基づいて前記電力系統及び前記構内用発電機から電力供給を受ける構内負荷群より予め定められる優先順位で構内負荷を選択し、選択された前記構内負荷に供給される電力を遮断する遮断手段と、
を備える負荷選択遮断システムを用いて実行する負荷選択遮断方法において、
前記電力系統の系統周波数低下の有無を判定する判定工程と、
前記判定工程において前記系統周波数の低下があったと判定された場合に、前記構内用発電機による前記発電電力の最小値または前記最小値より所定量少ない値に基づいて前記構内負荷を選択し、選択された前記構内負荷に供給される電力を遮断する遮断工程と、
を含むことを特徴とする負荷選択遮断方法。
【請求項6】
前記発電電力の最小値は、前記電力系統の解列時から所定時間前までの間の最小値であることを特徴とする請求項5記載の負荷選択遮断方法。
【請求項7】
前記所定時間前までの間の前記発電電力を記憶する記憶工程を含み、
前記遮断工程は、前記記憶工程において記憶された前記発電電力の最小値または前記最小値より所定量少ない値に基づいて前記構内負荷を選択することを特徴とする請求項6記載の負荷選択遮断方法。
【請求項8】
前記判定工程において前記系統周波数の低下があったと判定された場合に、前記遮断工程において遮断される電力は、前記構内負荷群に供給を要する電力から前記発電電力の最小値または前記最小値より所定量少ない値を減算した値以上の電力であることを特徴とする請求項5または6記載の負荷選択遮断方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電力会社の電力系統及び構内用発電機により電力供給を受ける構内の電気設備において、電力会社の電力系統が解列した際に構内負荷を選択遮断する選択負荷遮断システム及び該選択負荷遮断システムを用いた選択負荷遮断方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
構内の電気設備では、母線に電力会社の電力系統、構内用発電機及び複数の構内負荷を含む構内負荷群が接続されており、複数の構内負荷に電力会社の電力系統及び構内用発電機より電力が供給される。ところで、事故や地震等により電力会社の電力系統が解列した際、構内用発電機のみではすべての構内負荷に必要な電力を供給できず、停電する。したがって、電力を削減するために、構内負荷群から構内負荷を選択し遮断する選択負荷遮断を実行する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2000-184599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電力系統の系統周波数が低下すると、構内用タービンを制御する制御装置の特性により構内用発電機の発電電力が増加し、構内用発電機の発電電力が増加することにより電力会社の電力系統からの受電電力が減少する。そして、電力系統の系統周波数低下により電力系統の遮断器が動作(トリップ)した場合には、電力会社の電力系統からの電力供給が停止する。図4に示すグラフの破線を電力会社の電力系統からの受電電力、実線を構内用発電機により発電される発電電力、一点鎖線を電力系統の系統周波数としたとき、選択負荷遮断装置は、電力系統の系統周波数低下前(周波数f1(Hz))における電力系統からの受電電力P1(MW)でなく、電力系統の系統周波数低下後(周波数f2(Hz))における電力系統からの受電電力P2(MW)分の電力を削減するために、構内負荷群から構内負荷を選択し遮断する。
【0005】
選択負荷遮断後、構内負荷群は電力系統の系統周波数低下後における構内用発電機により発電される発電電力Pd2(MW)を必要とするため、構内用発電機は発電電力Pd2(MW)を供給し続ける必要がある。しかしながら、電力系統の系統周波数低下後において構内用発電機により発電される発電電力の増加(発電電力Pd1(MW)からPd2(MW)に増加)は構内用タービンの制御装置の特性によるものであり、構内用発電機は、発電電力Pd2(MW)を給電し続けると蒸気不足となるため、発電電力Pd2(MW)を短時間しか給電できない。したがって、構内用発電機の周波数が正常値、即ち周波数f2(Hz)から周波数f1(Hz)に回復することなく、構内用発電機の遮断器が動作(トリップ)し、構内の電気設備が停電するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、電力会社の電力系統の系統周波数が低下した後、電力系統が解列した場合であっても適切に構内負荷を選択遮断することができる選択負荷遮断システム及び該選択負荷遮断システムを用いた選択負荷遮断方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、選択負荷遮断システムに電力系統の系統周波数低下の有無を判定する判定手段を設けることにより上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明は、以下を提供する。
(1) 電力会社の電力系統から構内に供給される受電電力を検出する受電電力検出手段と、前記構内に電力を供給する構内用発電機より発電される発電電力を検出する発電電力検出手段と、前記電力系統の解列時に、前記受電電力及び前記発電電力に基づいて前記電力系統及び前記構内用発電機から電力供給を受ける構内負荷群より予め定められる優先順位で構内負荷を選択し、選択された前記構内負荷に供給される電力を遮断する遮断手段と、を備える負荷選択遮断システムにおいて、前記電力系統の系統周波数低下の有無を判定する判定手段を備え、前記遮断手段は、前記判定手段により前記系統周波数の低下があったと判定された場合に、前記発電電力の最小値または前記最小値より所定量少ない値に基づいて前記構内負荷を選択することを特徴とする負荷選択遮断システム。
(2) 前記発電電力の最小値は、前記電力系統の解列時から所定時間前までの間の最小値であることを特徴とする(1)記載の負荷選択遮断システム。
(3) 前記所定時間前までの間の前記発電電力を記憶する記憶手段を備え、前記遮断手段は、前記記憶手段に記憶されている前記発電電力の最小値または前記最小値より所定量少ない値に基づいて前記構内負荷を選択することを特徴とする(2)記載の負荷選択遮断システム。
(4) 前記判定手段により前記系統周波数の低下があったと判定された場合に、前記遮断手段により遮断される電力は、前記構内負荷群に供給を要する電力から前記発電電力の最小値または前記最小値より所定量少ない値を減算した値以上の電力であることを特徴とする(1)または(2)記載の負荷選択遮断システム。
(5) 電力会社の電力系統から構内に供給される受電電力を検出する受電電力検出手段と、前記構内に電力を供給する構内用発電機より発電される発電電力を検出する発電電力検出手段と、前記電力系統の解列時に、前記受電電力及び前記発電電力に基づいて前記電力系統及び前記構内用発電機から電力供給を受ける構内負荷群より予め定められる優先順位で構内負荷を選択し、選択された前記構内負荷に供給される電力を遮断する遮断手段と、を備える負荷選択遮断システムを用いて実行する負荷選択遮断方法において、前記電力系統の系統周波数低下の有無を判定する判定工程と、前記判定工程において前記系統周波数の低下があったと判定された場合に、前記構内用発電機による前記発電電力の最小値または前記最小値より所定量少ない値に基づいて前記構内負荷を選択し、選択された前記構内負荷に供給される電力を遮断する遮断工程と、を含むことを特徴とする負荷選択遮断方法。
(6) 前記発電電力の最小値は、前記電力系統の解列時から所定時間前までの間の最小値であることを特徴とする(5)記載の負荷選択遮断方法。
(7) 前記所定時間前までの間の前記発電電力を記憶する記憶工程を含み、前記遮断工程は、前記記憶工程において記憶された前記発電電力の最小値または前記最小値より所定量少ない値に基づいて前記構内負荷を選択することを特徴とする(6)記載の負荷選択遮断方法。
(8) 前記判定工程において前記系統周波数の低下があったと判定された場合に、前記遮断工程において遮断される電力は、前記構内負荷群に供給を要する電力から前記発電電力の最小値または前記最小値より所定量少ない値を減算した値以上の電力であることを特徴とする(5)または(6)記載の負荷選択遮断方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電力会社の電力系統の系統周波数が低下した後、電力系統が解列した場合であっても適切に構内負荷を選択遮断することができる選択負荷遮断システム及び該選択負荷遮断システムを用いた選択負荷遮断方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施の形態に係る構内に設けられる電気設備の一例を示す図である。
実施の形態に係る選択負荷遮断システムの構成を示すブロック図である。
実施の形態に係る構内に供給される電力系統及び構内用発電機の電力及び電力系統の周波数の変化を示すグラフである。
実施の形態に係る構内に供給される電力系統及び構内用発電機の電力及び電力系統の周波数の変化を示すグラフである。
実施の形態に係る選択負荷遮断システムを用いて電力系統解列時に構内負荷を選択遮断する際の処理について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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