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公開番号2024084383
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-25
出願番号2022198631
出願日2022-12-13
発明の名称水系顔料分散体
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C09D 11/104 20140101AFI20240618BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】保存安定性に優れた水系顔料分散体及び水系インクを提供する。
【解決手段】顔料と式(1)で表される化合物を含有するポリエステル樹脂とを含有する水系顔料分散体、及び前記水系顔料分散体と水溶性有機溶剤を含有する水系インク。
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(X、Yはそれぞれ水素原子又はカルボキシ基又は炭化水素基を示す。但し、X,Yのうち少なくとも一方はカルボキシ基である。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
顔料とポリエステル樹脂とを含有する水系顔料分散体であって、
該ポリエステル樹脂の構成単位であるカルボン酸成分が、下記式（１）で表される化合物を含有する、水系顔料分散体。
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（Ｘ、Ｙはそれぞれ水素原子又はカルボキシ基又は炭化水素基を示す。但し、Ｘ，Ｙのうち少なくとも一方はカルボキシ基である。）
続きを表示（約 700 文字）【請求項２】
式（１）で表される化合物が、アクリル化ロジンである、請求項１に記載の水系顔料分散体。
【請求項３】
顔料が、顔料を含有するポリエステル樹脂粒子の形態である、請求項１又は２に記載の水系顔料分散体。
【請求項４】
前記ポリエステル樹脂の構成単位であるカルボン酸成分中の、式（１）で表される化合物の含有量が、５モル％以上１００モル％以下である、請求項１～３のいずれか一項に記載の水系顔料分散体。
【請求項５】
前記ポリエステル樹脂の構成単位であるアルコール成分として、脂肪族ジオール、脂肪族トリオール及び芳香族ジオールから選ばれる１種以上を含有する、請求項１～４のいずれか一項に記載の水系顔料分散体。
【請求項６】
前記ポリエステル樹脂の構成単位であるカルボン酸成分として、芳香族ジカルボン酸、及び脂肪族ジカルボン酸、前記式（１）で表される化合物を除く脂環式ジカルボン酸、及び３価以上の多価カルボン酸から選ばれる１種以上を更に含有する、請求項１～５のいずれか一項に記載の水系顔料分散体。
【請求項７】
前記ポリエステル樹脂の酸価が５ｍｇＫＯＨ／ｇ以上１００ｍｇＫＯＨ／ｇ以下である、請求項１～６のいずれか一項に記載の水系顔料分散体。
【請求項８】
前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度が３５℃以上１０５℃以下である、請求項１～７のいずれか一項に記載の水系顔料分散体。
【請求項９】
請求項１～８のいずれか一項に記載の水系顔料分散体と水溶性有機溶剤を含有する水系インク。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、水系顔料分散体、及びそれを含有する水系インクに関する。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録媒体に直接吐出し、付着させて、文字や画像を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易で、かつ安価であり、記録媒体として普通紙が使用可能、被印刷物に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しい。
近年、印刷物に耐候性や耐水性を付与する観点や、作業環境、自然環境への負担軽減の観点から、着色剤として顔料を用い、顔料を分散させるポリマーを使用する水系顔料インクが注目されている。
一方、水系顔料インクは、顔料やポリマーが粗大粒子を発生させ、保存安定性や吐出性が悪化するという問題がある。
【０００３】
そこで、水系顔料インクの保存安定性や吐出性を改善すべく種々の提案がなされている。
例えば、特許文献１には、分散安定性、長期保存後の再分散性に優れた顔料水分散体、及び長期分散安定性に優れ、かつ基材密着性、耐擦過性、耐アルコール性に優れた記録物を得ることができる水系インクを提供することを目的として、顔料を含有するポリエステル樹脂の顔料水分散体であって、該ポリエステル樹脂の構成単位であるアルコール成分として３－メチル－１，５－ペンタンジオールを含有する顔料水分散体、及びこれを含む水系インクが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０２２－１５１７６０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
商業・産業印刷におけるインクジェット記録方式では、一般的に、水系インクは、主タンク、副タンクを経由して吐出ノズルに供給される。この時、主タンク内のインクは長時間放置されることが多い。そのため、特に、長時間印刷を休止した後、印刷を再開する際の水系インクの吐出性（以下、「吐出安定性」ともいう）が悪化するという問題がある。
一方で、低吸液性のコート紙や、非吸液性の樹脂フィルム等に印刷したインクは基材中に浸透し難いため、得られる記録物の耐擦過性が低いという問題がある。
特許文献１等の従来の水系インクは、長時間未使用の状態の後の吐出安定性や、記録物の耐擦過性が十分では無く、改善の余地がある。
本発明は、保存安定性に優れた水系顔料分散体、及び長時間未使用の状態の後の吐出安定性に優れ、かつ低吸液性の印刷媒体に印刷された場合であっても、耐擦過性、及び含アルコール液体に対して浸食されない性能、すなわち耐アルコール性に優れた記録物を得ることができる水系インクに関する。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明者らは、顔料と、カルボン酸成分として特定の構造を有する化合物を含有するポリエステル樹脂とを有する水系顔料分散体が、特に保存安定性に優れ、また該水系顔料分散体を用いた水系インクが、長時間未使用の状態の後の吐出安定性に優れ、更に低吸液性の印刷媒体に使用した場合であっても、記録物の耐擦過性、耐アルコール性に優れることを見出した。
本発明は、以下の〔１〕及び〔２〕に関する。
〔１〕顔料とポリエステル樹脂とを含有する水系顔料分散体であって、該ポリエステル樹脂の構成単位であるカルボン酸成分が、下記式（１）で表される化合物を含有する、水系顔料分散体。
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（Ｘ、Ｙはそれぞれ水素原子又はカルボキシ基又は炭化水素基を示す。但し、Ｘ，Ｙのうち少なくとも一方はカルボキシ基である。）
〔２〕前記〔１〕に記載の水系顔料分散体と水溶性有機溶剤を含有する水系インク。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、保存安定性に優れた水系顔料分散体、及び長時間未使用の状態の後の吐出安定性に優れ、かつ低吸液性の印刷媒体に印刷された場合であっても、耐擦過性及び耐アルコール性に優れた記録物を得ることができる水系インクを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
［水系顔料分散体］
本発明の水系顔料分散体は、顔料とポリエステル樹脂とを含有する水系顔料分散体であって、該ポリエステル樹脂の構成単位であるカルボン酸成分が、下記式（１）で表される化合物を含有する、水系顔料分散体である。
【０００９】
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【００１０】
式（１）において、Ｘ、Ｙはそれぞれ水素原子又はカルボキシ基又は炭化水素基を示す。但し、Ｘ，Ｙのうち少なくとも一方はカルボキシ基である。
（【００１１】以降は省略されています）

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