TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024083709
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-24
出願番号2022197669
出願日2022-12-12
発明の名称コート剤、シートおよび成形体
出願人artience株式会社
代理人
主分類C09D 133/04 20060101AFI20240617BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】
耐油性および耐水性が良好であって、高塗布量時の低抽出性にも優れるコート剤と、それを用いたシートおよび成形体を提供すること。
【解決手段】
エチレン性不飽和単量体(a)の重合体である樹脂粒子(A)を含み、
前記エチレン性不飽和単量体(a)は、アルキル基の炭素数が6以上12以下であるアルキル基含有エチレン性不飽和単量体(a-1)を10質量%以上80質量%以下およびカルボキシ基含有エチレン性不飽和単量体(a-2)を1質量%以上10質量%以下含み、
前記樹脂粒子(A)は、-50℃以上20℃以下および40℃以上140℃以下のそれぞれの温度範囲内にガラス転移温度を有し、かつ酸価が10mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である、コート剤。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
エチレン性不飽和単量体(a)の重合体である樹脂粒子(A)を含み、
前記エチレン性不飽和単量体(a)は、アルキル基の炭素数が6以上12以下であるアルキル基含有エチレン性不飽和単量体(a-1)を10質量%以上80質量%以下およびカルボキシ基含有エチレン性不飽和単量体(a-2)を1質量%以上10質量%以下含み、
前記樹脂粒子(A)は、-50℃以上20℃以下および40℃以上140℃以下のそれぞれの温度範囲内にガラス転移温度を有し、かつ酸価が10mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である、コート剤。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記カルボキシ基含有エチレン性不飽和単量体(a-2)は、メタクリル酸を含む、請求項1記載のコート剤。
【請求項3】
前記エチレン性不飽和単量体(a)は、さらに芳香族エチレン性不飽和単量体(a-3)を10質量%以上40質量%以下含む、請求項1記載のコート剤。
【請求項4】
さらに、前記樹脂粒子(A)を基準として、炭素数6以上12以下の脂肪族モノアルコールを100ppm以上20000ppm以下含む、請求項1記載のコート剤。
【請求項5】
前記樹脂粒子(A)の平均粒子径が、30nm以上300nm以下である、請求項1記載のコート剤。
【請求項6】
食品包装用である、請求項1記載のコート剤。
【請求項7】
基材上の少なくとも片面に被覆層を有するシートであって、
前記被覆層は、エチレン性不飽和単量体(a)の重合体である樹脂粒子(A)を含み、
前記エチレン性不飽和単量体(a)は、
アルキル基の炭素数が6以上12以下であるアルキル基含有エチレン性不飽和単量体(a-1)を10質量%以上80質量%以下およびカルボキシ基含有エチレン性不飽和単量体(a-2)を1質量%以上10質量%以下含み、
前記樹脂粒子(A)は、-50℃以上20℃以下および40℃以上140℃以下のそれぞれの温度範囲内にガラス転移温度を有し、かつ酸価が10mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である、シート。
【請求項8】
基材上の少なくとも片面に、請求項1~6いずれか1項記載のコート剤の被覆層を有する、シート。
【請求項9】
請求項7記載のシートを成形してなる成形体。
【請求項10】
前記コート剤の被覆層が内容物側になるように成形され、且つ内容物が食品である請求項9記載の成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コート剤、シートおよび成形体に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、食品包装シートには、薄紙、板紙等の紙や不織布等の基材シートにポリエチレン等の樹脂フィルムをラミネートしたラミネートシートが用いられてきた。ラミネートシートは、食品由来の油分による基材シートの油汚れや基材強度の低下防止等の機能を有する。一方で、近年、世界的な環境負荷低減の流れから、紙のリサイクル化が加速している。しかしながら、基材シートが紙であるラミネートシートで紙のリサイクルを行おうとする場合、基材シートとラミネートした樹脂フィルムとを分離する工程が必要となるが、経済的に大きな負担とならずに紙を分離回収するための技術的難度は高く、リサイクル化促進の障害となっていた。このような背景から、よりリサイクルが容易なコート剤タイプの食品包装シートが活発に検討されている。
【0003】
このような食品包装用シートとしては、例えば特許文献1において、肉類等の動物性油脂を含む食品を包装する場合に、耐油性付与を目的として、コアシェル型アクリルエマルジョンを用いたコート剤とそれを塗工してなる食品包装シートが開示されている。
【0004】
しかしながら、このようなコート剤では、肉類等の動物性油脂を含む食品に対しては一定以上の耐油性を示すが、水分が多い食品に対する耐水性が不足しており、そのコート剤を用いた食品包装シートによって包装された成形体がふやけてしまい、水分が外に染み出してしまうといった問題があった。
【0005】
さらには、食品包装用途の観点から、成形体から水に移行する物質中に存在している過マンガン酸カリウムによって酸化される物質の量を一定値以下にすること(以下、「低抽出性」と省略)が求められるが、耐水性を向上させるためにコート剤の塗布量を増やすと、低抽出性が悪化してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-016065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、耐油性および耐水性が良好であって、高塗布量時の低抽出性にも優れるコート剤と、それを用いたシートおよび成形体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、エチレン性不飽和単量体(a)の重合体である樹脂粒子(A)を含み、上記エチレン性不飽和単量体(a)は、アルキル基の炭素数が6以上12以下であるアルキル基含有エチレン性不飽和単量体(a-1)を10質量%以上80質量%以下およびカルボキシ基含有エチレン性不飽和単量体(a-2)を1質量%以上10質量%以下含み、上記樹脂粒子(A)は、-50℃以上20℃以下および40℃以上140℃以下のそれぞれの温度範囲内にガラス転移温度を有し、かつ酸価が10mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である、コート剤に関する。
【0009】
本発明は、上記カルボキシ基含有エチレン性不飽和単量体(a-2)は、メタクリル酸を含む、上記コート剤に関する。
【0010】
本発明は、上記エチレン性不飽和単量体(a)は、さらに芳香族エチレン性不飽和単量体(a-3)を10質量%以上40質量%以下含む、上記コート剤に関する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許