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公開番号2024083640
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-21
出願番号2024070413,2023545123
出願日2024-04-24,2022-07-01
発明の名称酸化物焼結体及びその製造方法並びにスパッタリングターゲット材
出願人三井金属鉱業株式会社
代理人弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類C04B 35/457 20060101AFI20240614BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】ピンホール等の欠陥が少なく、スパッタリングターゲット材として用いた場合に異常放電や割れが発生しづらい酸化物焼結体及びその製造方法並びにスパッタリングターゲット材を提供すること。
【解決手段】酸化物焼結体は、スズ元素、タンタル元素及びニオブ元素を含む。酸化物焼結体の断面観察における単位面積当たりの孔部の面積率が1%以下である。酸化物焼結体の断面観察における孔部の最大円相当径が20μm以下である。酸化物焼結体の断面観察における孔部の最大フェレ径が50μm以下である。JIS R1601に準拠して測定された酸化物焼結体の抗折強度が180MPa以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
スズ元素、タンタル元素及びニオブ元素を含む酸化物焼結体であって、
前記酸化物焼結体の断面観察における単位面積当たりの孔部の面積率が1%以下であり、
JIS R1601に準拠して測定された抗折強度が180MPa以上である、酸化物焼結体。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
スズ元素、タンタル元素及びニオブ元素を含む酸化物焼結体であって、
前記酸化物焼結体の断面観察における孔部の最大円相当径が20μm以下であり、
JIS R1601に準拠して測定された抗折強度が180MPa以上である、酸化物焼結体。
【請求項3】
スズ元素、タンタル元素及びニオブ元素を含む酸化物焼結体であって、
前記酸化物焼結体の断面観察における孔部の最大フェレ径が50μm以下であり、
JIS R1601に準拠して測定された抗折強度が180MPa以上である、酸化物焼結体。
【請求項4】
スズ元素、タンタル元素及びニオブ元素を含む酸化物焼結体であって、
前記酸化物焼結体の断面観察における単位面積当たりの孔部の面積率が1%以下であり、
前記孔部の最大円相当径が20μm以下であり、
前記孔部の最大フェレ径が50μm以下であり、
JIS R1601に準拠して測定された抗折強度が180MPa以上である、酸化物焼結体。
【請求項5】
SnO

換算で80質量%以上100質量%未満のスズ元素と、Ta



換算で0質量%超10質量%以下のタンタル元素と、Nb



換算で0質量%超10質量%以下のニオブ元素とを含む、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の酸化物焼結体。
【請求項6】
SnO

換算で90質量%以上96.5質量%以下のスズ元素と、Ta



換算で3質量%以上7質量%以下のタンタル元素と、Nb



換算で0.5質量%以上3質量%以下のニオブ元素とを含む、請求項5に記載の酸化物焼結体。
【請求項7】
Ta



とNb



との比率が、Nb



/Ta



の質量比で表して、0.15以上0.90以下である、請求項5に記載の酸化物焼結体。
【請求項8】
アルキメデス法に基づき測定された相対密度が99.6%以上である、請求項5に記載の酸化物焼結体。
【請求項9】
バルク抵抗率が10Ω・cm以下である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の酸化物焼結体。
【請求項10】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の酸化物焼結体からなるスパッタリングターゲット材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化物焼結体及びその製造方法に関する。また本発明は、酸化物焼結体からなるスパッタリングターゲット材に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
酸化スズ系透明導電膜は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ及び有機ELといった表示デバイスを始めとして幅広い用途に用いられている。酸化スズ系透明導電膜を形成する手段の一つとしてスパッタリングが知られている。スパッタリングを用いた導電膜の形成においては、スパッタリングターゲット材にピンホール等の欠陥が多く存在すると、スパッタリング中の異常放電の発生の一因となり、スパッタリング中におけるパーティクルの発生や、ターゲット材の割れやクラックの発生の一因ともなる。
【0003】
スパッタリング中に異常放電が発生することを防止する目的で、本出願人は先に、SnO

を主成分とし、Nb



及びTa



とを含む未焼結の成形体を用意し、該成形体を1550℃~1650℃で焼結する、スパッタリングターゲットの製造方法を提案した(特許文献1参照)。同様の目的で、本出願人は先に、Ta



と、Nb



と、残部としてのSnO

と不可避不純物とを含むスパッタリングターゲットを提案した(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-131891号公報
特開2008-248278号公報
【発明の概要】
【0005】
特許文献1及び2に記載の技術によれば、スパッタリング中の異常放電やターゲット材の割れを抑制することが可能である。しかし、酸化スズ系透明導電膜が用いられる表示デバイスは、その性能の更なる向上が求められており、酸化スズ系透明導電膜についても一層高品質なものが求められている。したがって、酸化スズ系透明導電膜を製造するために用いられるスパッタリングターゲット材についても、スパッタリング中の異常放電やターゲット材の割れの発生が従来よりも低減した品質の高いものが求められている。
したがって本発明は、ピンホール等の欠陥が少なく、スパッタリングターゲット材として用いた場合に異常放電や割れが発生しづらい酸化物焼結体及びその製造方法並びにスパッタリングターゲット材を提供することにある。
【0006】
本発明は、スズ元素、タンタル元素及びニオブ元素を含む酸化物焼結体であって、
前記酸化物焼結体の断面観察における単位面積当たりの孔部の面積率が1%以下である酸化物焼結体を提供することにより前記の課題を解決したものである。
【0007】
また本発明は、前記の酸化物焼結体からなるスパッタリングターゲット材を提供するものである。
【0008】
更に本発明は、スズ酸化物のスラリー、タンタル酸化物のスラリー及びニオブ酸化物のスラリーをそれぞれ別個に調製し、
前記各スラリーを混合して混合スラリーを調製し、
前記混合スラリーをスプレードライ法に付して造粒物を製造し、
前記造粒物を用いて成形体を製造し、
前記成形体を焼結させる、酸化物焼結体の製造方法であって、
前記スズ酸化物のスラリー、前記タンタル酸化物のスラリー及び前記ニオブ酸化物のスラリーのそれぞれに分散剤を含有させておく、酸化物焼結体の製造方法を提供するものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明する。本発明は酸化物焼結体及びそれを用いたスパッタリングターゲット材に関する。
本発明の酸化物焼結体は、複数種類の金属酸化物の焼結体である。詳細には、本発明の酸化物焼結体は、金属としてスズ元素(以下、単に「Sn」ともいう。)、タンタル元素(以下、単に「Ta」ともいう。)、及びニオブ元素(以下、単に「Nb」ともいう。)を含んでいる。これらの金属元素は、それぞれの金属の酸化物の状態で焼結体中に存在しているか、あるいはこれら3種類の金属元素から選択される少なくとも2種類の金属元素の複合酸化物の状態で焼結体中に存在している。
【0010】
上述した特許文献1に記載されているとおり、SnO

は難焼結性の物質であることに起因して、SnO

を含む緻密な焼結体を製造することはこれまで困難であった。そのことに起因して、これまで知られているSnO

を含む焼結体には欠損部位である孔部が生じやすかった。これに対して本発明の酸化物焼結体は、孔部の存在が極めて低減されていることに特徴の一つを有する。孔部は、本発明の酸化物焼結体の断面に観察される欠損部位である。本明細書において酸化物焼結体の断面とは、酸化物焼結体を所定の手段によって切断して得られる面のことである。
孔部は断面において開口しており、酸化物焼結体の内部に向けて延びている。孔部は、透孔及び有底孔の双方を包含する。本明細書において孔部とは、酸化物焼結体の断面を200倍の倍率(観察視野:445.3μm×634.6μm)で顕微鏡観察したときに存在が認められる大きさの欠損部位のことである。
(【0011】以降は省略されています)

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