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公開番号2024080317
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-13
出願番号2022193404
出願日2022-12-02
発明の名称半導体装置とその製造方法
出願人株式会社デンソー
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類H01L 29/739 20060101AFI20240606BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 ダイオードの良好な特性を得る。
【解決手段】 半導体装置であって、コレクタ領域を含むトランジスタ部とカソード領域を含むダイオード部を有する。前記半導体基板が、前記コレクタ領域と前記カソード領域に対して上側から接しているバッファ領域を有する。前記コレクタ領域内と前記カソード領域内のp型不純物濃度が、厚さ方向に沿う濃度分布において第1山状分布と前記第1山状分布よりも上側に位置する第2山状分布が形成されるように分布している。前記カソード領域内のn型不純物濃度が、厚さ方向に沿う濃度分布において前記第1山状分布の厚さ範囲内に前記第1山状分布よりも高い濃度を有する第3山状分布が形成されるとともに前記第2山状分布の厚さ範囲内に前記第2山状分布よりも高い濃度を有する第4山状分布が形成されるように分布している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
半導体装置であって、
半導体基板(12)と、
前記半導体基板の下面に接する下部電極(14)と、
ゲート電極(20)、
を有し、
前記半導体基板が、
前記下部電極に接するp型のコレクタ領域(40)と、
前記下部電極に接するn型のカソード領域(42)、
を有し、
前記半導体基板を厚さ方向に沿ってみたときに前記コレクタ領域を含む部分がトランジスタ部(30)であり、
前記半導体基板を厚さ方向に沿ってみたときに前記カソード領域を含む部分がダイオード部(32)であり、
前記半導体基板が、
前記トランジスタ部と前記ダイオード部に跨って分布しており、前記コレクタ領域と前記カソード領域に対して上側から接しているバッファ領域(44)と、
前記トランジスタ部と前記ダイオード部に跨って分布しており、前記バッファ領域よりもn型不純物濃度が低いn型領域であり、前記バッファ領域に対して上側から接しているドリフト領域(46)と、
前記トランジスタ部内に配置されており、前記ドリフト領域に接するp型のボディ領域(48)と、
前記トランジスタ部内に配置されており、前記ボディ領域によって前記ドリフト領域から分離されているn型のエミッタ領域(52)と、
前記ダイオード部内に配置されており、前記ドリフト領域に接するp型のアノード領域(50)、
を有し、
前記ゲート電極が、前記ボディ領域に対してゲート絶縁膜を介して対向しており、
前記コレクタ領域内と前記カソード領域内のp型不純物濃度が、厚さ方向に沿う濃度分布において第1山状分布(PM1)と前記第1山状分布よりも上側に位置する第2山状分布(PM2)が形成され、前記第1山状分布と前記第2山状分布が前記コレクタ領域と前記カソード領域に跨って形成されるように分布しており、
前記カソード領域内のn型不純物濃度が、厚さ方向に沿う濃度分布において前記第1山状分布の厚さ範囲内に前記第1山状分布よりも高い濃度を有する第3山状分布(NM1)が形成されるとともに前記第2山状分布の厚さ範囲内に前記第2山状分布よりも高い濃度を有する第4山状分布(NM2)が形成されるように分布している、
半導体装置。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記カソード領域のうち、前記第3山状分布を有する領域が第1カソード領域(42a)であり、前記第4山状分布を有する領域が第2カソード領域(42b)であり、
前記半導体基板が、前記ダイオード部内であって前記トランジスタ部に隣接する配置されており、前記コレクタ領域と連続しており、前記第1カソード領域に対して上側から接するp型の境界領域(58)を有する、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体基板の上面に、前記トランジスタ部から前記ダイオード部に向かう横方向に間隔をあけて複数のトレンチ(16)が設けられており、
前記トランジスタ部内の前記各トレンチ内に、前記ゲート電極が配置されており、
前記ダイオード部内の前記各トレンチ内に、前記ゲート電極から独立した電位を有するダミー電極(22)が配置されており、
前記ゲート電極が配置された前記トレンチのうちで前記ダイオード部の最も近くに位置する前記トレンチと前記カソード領域の前記トランジスタ部側の端部との間に、前記横方向に沿って間隔(C)が設けられている、
請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記ダイオード部内に間隔をあけて複数の前記カソード領域が設けられている、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項5】
厚さ方向に沿う濃度分布において前記第4山状分布が複数の極大値を有する、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項6】
半導体装置の製造方法であって、
前記半導体装置が、
半導体基板と、
前記半導体基板の下面に接する下部電極と、
ゲート電極、
を有し、
前記半導体基板が、
前記下部電極に接するp型のコレクタ領域と、
前記下部電極に接するn型のカソード領域と、
前記カソード領域よりもn型不純物濃度が低いn型領域であり、前記コレクタ領域と前記カソード領域に対して上側から接しているバッファ領域と、
前記バッファ領域よりもn型不純物濃度が低いn型領域であり、前記バッファ領域に対して上側から接しているドリフト領域と、
前記コレクタ領域の上部に配置されており、前記ドリフト領域に接するp型のボディ領域と、
前記コレクタ領域の上部に配置されており、前記ボディ領域によって前記ドリフト領域から分離されているn型のエミッタ領域と、
前記カソード領域の上部に配置されており、前記ドリフト領域に接するp型のアノード領域、
を有し、
前記ゲート電極が、前記ボディ領域に対してゲート絶縁膜を介して対向しており、
前記製造方法が、
前記半導体基板の前記下面の前記カソード領域と前記コレクタ領域に対応する注入範囲に、前記半導体基板の厚さ方向において第1山状分布が形成されるようにp型不純物を注入する第1注入工程と、
前記半導体基板の前記下面の前記カソード領域と前記コレクタ領域に対応する注入範囲に、前記半導体基板の厚さ方向において第2山状分布が形成されるようにp型不純物を注入する第2注入工程と、
前記半導体基板の前記下面の前記カソード領域に対応する注入範囲に、前記半導体基板の厚さ方向において第3山状分布が形成されるようにn型不純物を注入する第3注入工程と、
前記半導体基板の前記下面の前記カソード領域に対応する注入範囲に、前記半導体基板の厚さ方向において第4山状分布が形成されるようにn型不純物を注入する第4注入工程、
を有し、
前記第1注入工程、前記第2注入工程、前記第3注入工程、及び、前記第4注入工程は、前記第2山状分布が前記第1山状分布よりも上側に位置し、前記第1山状分布の厚さ範囲内に前記第1山状分布よりも高い濃度を有する前記第3山状分布が形成され、前記第2山状分布の厚さ範囲内に前記第2山状分布よりも高い濃度を有する前記第4山状分布が形成されるように実施される、
製造方法。
【請求項7】
前記第3注入工程の前記注入範囲の前記コレクタ領域側の端部が、前記第4注入工程の前記注入範囲の前記コレクタ領域側の端部よりも前記コレクタ領域に近い位置に配置される、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記第3注入工程及び前記第4注入工程では、前記半導体基板の前記下面において間隔をあけて配置された複数の注入範囲にn型不純物を注入する、請求項6または7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記第4注入工程では、注入深さを変えて複数回n型不純物を注入することによって、複数の極大値を有する前記第4山状分布を形成する、請求項6または7に記載の製造方法。
【請求項10】
レーザアニールによって前記カソード領域内のn型不純物を活性化する工程をさらに有し、
前記第3注入工程では、2×10
15
cm
-2
以上のドーズ量でn型不純物を注入する、請求項6または7に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、半導体装置とその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【0002】
特許文献1に開示のIGBT(insulated gate bipolar transistor)は、p型のコレクタ領域とn型のバッファ領域(フィールドストップ層)を有している。コレクタ領域は、半導体基板の下面を含む範囲に配置されており、下部電極に接している。バッファ領域は、コレクタ領域に対して上側から接している。
【0003】
特許文献1では、コレクタ領域に対するイオン注入において、深さを異ならせて複数回p型不純物を注入している。したがって、コレクタ領域内には、半導体基板の厚さ方向に沿うp型不純物濃度分布において、複数の山状分布が形成されている。このようにコレクタ領域を形成することで、バッファ領域の近傍の位置においてコレクタ領域内のp型不純物濃度を高くすることができる。これにより、IGBTの短絡耐量が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-043301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
IGBTに隣接してダイオードが設けられた半導体素子が知られている。この種の半導体装置は、RC-IGBT(reverse conducting IGBT)と呼ばれる場合がある。RC-IGBTでは、IGBTのコレクタ領域に隣接して、ダイオードのカソード領域(すなわち、n型領域)が設けられている。バッファ領域は、コレクタ領域とカソード領域に対して上側から接している。RC-IGBTにおいて上述した複数の山状分布をコレクタ領域に形成する場合、通常、以下のような工程が実施される。まず、コレクタ領域とカソード領域に相当する範囲に、深さを異ならせて複数回p型不純物を注入する。次に、カソード領域に相当する範囲に対して、p型不純物よりも高濃度にn型不純物を注入する。これにより、n型のカソード領域を形成する。しかしながら、この方法では、p型不純物濃度が山状に分布している領域が、カソード領域とバッファ領域の間にp型領域として残存する場合がある。このようにカソード領域とバッファ領域の間にp型領域が残存すると、ダイオードにおいて所望の特性を得ることができない。本明細書では、コレクタ領域内にp型不純物濃度の複数の山状分布が形成されているRC-IGBTにおいて、ダイオードの良好な特性を得る技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板の下面に接する下部電極と、ゲート電極を有する。前記半導体基板が、前記下部電極に接するp型のコレクタ領域と、前記下部電極に接するn型のカソード領域、を有する。前記半導体基板を厚さ方向に沿ってみたときに前記コレクタ領域を含む部分がトランジスタ部であり、前記半導体基板を厚さ方向に沿ってみたときに前記カソード領域を含む部分がダイオード部である。前記半導体基板が、バッファ領域、ドリフト領域、ボディ領域、エミッタ領域、及び、アノード領域を有する。前記バッファ領域は、前記トランジスタ部と前記ダイオード部に跨って分布しており、前記コレクタ領域と前記カソード領域に対して上側から接している。前記ドリフト領域は、前記トランジスタ部と前記ダイオード部に跨って分布しており、前記バッファ領域よりもn型不純物濃度が低いn型領域であり、前記バッファ領域に対して上側から接しているn型の領域である。前記ボディ領域は、前記トランジスタ部内に配置されており、前記ドリフト領域に接するp型領域である。前記エミッタ領域は、前記トランジスタ部内に配置されており、前記ボディ領域によって前記ドリフト領域から分離されているn型領域である。前記アノード領域は、前記ダイオード部内に配置されており、前記ドリフト領域に接するp型領域である。前記ゲート電極が、前記ボディ領域に対してゲート絶縁膜を介して対向している。前記コレクタ領域内と前記カソード領域内のp型不純物濃度が、厚さ方向に沿う濃度分布において第1山状分布と前記第1山状分布よりも上側に位置する第2山状分布が形成され、前記第1山状分布と前記第2山状分布が前記コレクタ領域と前記カソード領域に跨って形成されるように分布している。前記カソード領域内のn型不純物濃度が、厚さ方向に沿う濃度分布において前記第1山状分布の厚さ範囲内に前記第1山状分布よりも高い濃度を有する第3山状分布が形成されるとともに前記第2山状分布の厚さ範囲内に前記第2山状分布よりも高い濃度を有する第4山状分布が形成されるように分布している。
【0007】
この構成によれば、p型不純物の第1山状分布の厚さ範囲内においては第1山状分布よりも高い濃度を有するn型不純物の第3山状分布が形成されているので、この範囲をn型化することができる。また、p型不純物の前記第2山状分布の厚さ範囲内においては第2山状分布よりも高い濃度を有する第4山状分布が形成されているので、この範囲をn型化することができる。したがって、下部電極からバッファ領域までの深さ範囲にn型のカソード領域を形成することができ、カソード領域とバッファ領域の間にp型領域が残存することを防止できる。したがって、この構成によれば、ダイオードの良好な特性を得ることができる。
【0008】
また、本明細書は、半導体装置の製造方法を提案する。この製造方法で製造される半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板の下面に接する下部電極と、ゲート電極、を有する。前記半導体基板が、コレクタ領域、カソード領域、バッファ領域、ドリフト領域、ボディ領域、エミッタ領域、及び、アノード領域を有する。前記コレクタ領域は、前記下部電極に接するp型領域である。前記カソード領域は、前記下部電極に接するn型領域である。前記バッファ領域は、前記カソード領域よりもn型不純物濃度が低いn型領域であり、前記コレクタ領域と前記カソード領域に対して上側から接している。前記ドリフト領域が、前記バッファ領域よりもn型不純物濃度が低いn型領域であり、前記バッファ領域に対して上側から接している。前記ボディ領域が、前記コレクタ領域の上部に配置されており、前記ドリフト領域に接するp型領域である。前記エミッタ領域が、前記コレクタ領域の上部に配置されており、前記ボディ領域によって前記ドリフト領域から分離されているn型領域である。前記アノード領域が、前記カソード領域の上部に配置されており、前記ドリフト領域に接するp型領域である。前記ゲート電極が、前記ボディ領域に対してゲート絶縁膜を介して対向している。前記製造方法が、第1注入工程、第2注入工程、第3注入工程、及び、第4注入工程を有する。前記第1注入工程では、前記半導体基板の前記下面の前記カソード領域と前記コレクタ領域に対応する注入範囲に、前記半導体基板の厚さ方向において第1山状分布が形成されるようにp型不純物を注入する。前記第2注入工程では、前記半導体基板の前記下面の前記カソード領域と前記コレクタ領域に対応する注入範囲に、前記半導体基板の厚さ方向において第2山状分布が形成されるようにp型不純物を注入する。前記第3注入工程では、前記半導体基板の前記下面の前記カソード領域に対応する注入範囲に、前記半導体基板の厚さ方向において第3山状分布が形成されるようにn型不純物を注入する。前記第4注入工程では、前記半導体基板の前記下面の前記カソード領域に対応する注入範囲に、前記半導体基板の厚さ方向において第4山状分布が形成されるようにn型不純物を注入する。前記第1注入工程、前記第2注入工程、前記第3注入工程、及び、前記第4注入工程は、前記第2山状分布が前記第1山状分布よりも上側に位置し、前記第1山状分布の厚さ範囲内に前記第1山状分布よりも高い濃度を有する前記第3山状分布が形成され、前記第2山状分布の厚さ範囲内に前記第2山状分布よりも高い濃度を有する前記第4山状分布が形成されるように実施される。
【0009】
なお、第1注入工程、第2注入工程、第3注入工程および第4注入工程は、どのような順序で実施してもよい。
【0010】
この構成によれば、良好なダイオード特性を有する半導体装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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