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公開番号2024078325
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-10
出願番号2022190807
出願日2022-11-29
発明の名称腸由来細胞においてCLEC7Aの発現を誘導するための組成物及びCLEC7Aを発現する腸由来細胞を取得する方法
出願人国立大学法人山梨大学
代理人SK弁理士法人,個人,個人
主分類C12N 5/071 20100101AFI20240603BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】炎症性腸疾患は、現在、完治させる薬剤はなく、また、薬剤により寛解を維持することも難しく、患者のQOLを著しく低下させる。
【解決手段】本発明者らは、難消化性炭水化物(食物繊維やオリゴ糖)に分類されるフラクトオリゴ糖が腸由来細胞においてCLEC7Aの発現を誘導させることを明らかにした。本発明の目的は、フラクトオリゴ糖を含む、腸由来細胞においてCLEC7Aの発現を誘導するための組成物を提出することである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
フラクトオリゴ糖を含む、腸由来細胞においてCLEC7Aの発現を誘導するための組成物。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
前記腸由来細胞は、大腸由来細胞である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記大腸由来細胞は、大腸由来上皮様Caco-2細胞である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
腸由来細胞を提供する提供工程と、
前記腸由来細胞にフラクトオリゴ糖を添加する添加工程と、
を含む、CLEC7Aを発現する腸由来細胞を取得する方法。
【請求項5】
前記腸由来細胞におけるCLEC7Aの発現量は、前記添加工程において添加される前記フラクトオリゴ糖の濃度に応じて増加する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記腸由来細胞は、大腸由来細胞である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記大腸由来細胞は、大腸由来上皮様Caco-2細胞である、請求項6に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、腸由来細胞においてCLEC7Aの発現を誘導するための組成物及びCLEC7Aを発現する腸由来細胞を取得する方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患の有症率は年々増加している。これらの炎症性腸疾患は、腸下部(潰瘍性大腸炎)、腸全体(クローン病)の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる炎症性疾患である。
【0003】
潰瘍性大腸炎は、自己免疫性疾患の一つであるが、その原因について未だ不明な点が多く、日本において指定難病に指定されている。また、潰瘍性大腸炎は、食生活、腸内細菌等の乱れによる免疫異常であるとも考えられている。
【0004】
近年において、潰瘍性大腸炎など腸の炎症が誘導される疾患の原因物質にCLEC7A(Dectin-1)やCLEC7Aが認識する真菌が発症と関連する強い因子であることが明らかとなってきた。CLEC7Aは、真菌の(1-3)-β-グルカンを認識し、炎症性サイトカインや抗菌ペプチドの分泌、免疫応答細胞の動員等を介して真菌を除去するものである。
【0005】
CLEC7Aは、真菌からヒトを防御するために必須なタンパク質である。近年、潰瘍性大腸炎の重症度には、CLEC7Aの多型が関連していること、CLEC7Aのノックアウトマウスでは、真菌に対する応答性が低下するとともに、潰瘍性大腸炎を誘導するデキストラン硫酸ナトリウム塩の添加により大腸炎が増悪することが明らかとなってきた(非特許文献1)。
【0006】
さらに、潰瘍性大腸炎患者では、特定の真菌群が増加することが報告されている(非特許文献2)。
【0007】
一方で、無菌環境においては、CLEC7Aの欠損は、炎症性サイトカインや抗菌ペプチドの減少等を介し、デキストラン硫酸ナトリウム塩を介した大腸炎が過剰発現を誘導するため、大腸炎の発症を促進するとの研究成果もある(非特許文献3)。
【0008】
ヒトにおいては、無菌環境で生存することは通常考えられず、常に真菌の脅威に晒されているため、適度なCLEC7Aの刺激が真菌感染やそれに伴う大腸炎の発症予防に有効であると考えられる。これらのことから、真菌がどのように腸細胞を障害し、潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患を誘導するか、また、治療標的タンパク質を探索するためには、異なるCLEC7Aの発現量を有する腸細胞において研究を進める必要がある。
【0009】
CLEC7Aの発現を増大させる方法には、(1-3)-β-グルカン自体を添加する方法がまず挙げられる。典型的な(1-3)-β-グルカンには酵母細胞壁より抽出されたザイモサンや、AgrobacteriumやAlcaligenesなどの細菌が発酵により培地中に産生されたものを抽出したカードランなどがある。ともに、腸上皮様培養細胞に添加するとCLEC7Aの発現が上昇する知見が得られている(非特許文献4)。
【0010】
また、高分子の(1-3)-β-グルカンは、CLEC7Aの過剰活性化を誘導するが、低分子の(1-3)-β-グルカンはCLEC7Aの活性を抑制することが報告されている(非特許文献5)。
(【0011】以降は省略されています)

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