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公開番号2024077961
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-10
出願番号2022190224
出願日2022-11-29
発明の名称シフト装置
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類F16H 61/32 20060101AFI20240603BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】車両のシフト装置において、出力軸回転角度センサを使わずにシフトバイワイヤを実現する。
【解決手段】実施形態のシフト装置は、第1の谷部を含む複数の谷部を有するシフト切替部材と、位置決め部材と、モータと、駆動力伝達機構部と、ロータ回転角度センサと、制御部と、を備える。制御部は、ロータ回転角度センサによる検出結果を参照しながら、モータを駆動してローラ部が第1の谷部の壁部に当たった後でモータを停止し、その後にローラ部が第1の谷部に嵌まり込んだときのロータの回転角度を第1の回転角度と決定する。次に、ローラ部が第1の谷部の壁部とは逆方向に所定回転角度分だけ移動するようにモータを駆動し、その後にモータを停止し、その後にローラ部が第1の谷部に嵌まり込んだときのロータの回転角度を第2の回転角度と決定する。次に、第1の回転角度と第2の回転角度の中間の角度を第1の谷部の回転角度と決定する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項１】
車両に搭載されるシフト装置であって、
シフト位置に対応するように設けられた複数の谷部として、少なくとも、端の谷部である第１の谷部を含む前記複数の谷部を有するシフト切替部材と、
自由端側に設けられたローラ部を前記シフト切替部材に対して押圧し、前記ローラ部が前記シフト切替部材の前記複数の谷部のいずれかに嵌まり込むことで前記シフト位置を成立させる位置決め部材と、
駆動されることで、前記シフト切替部材に対して、正転、逆転のいずれかの回動方向に加力する、ロータとステータとを含むモータと、
ガタを有し、前記モータによる駆動力を前記シフト切替部材に伝達して、前記シフト切替部材を正転、逆転のいずれかの回動方向に移動させる駆動力伝達機構部と、
前記ロータの回転角度を検出するロータ回転角度センサと、
前記ロータ回転角度センサによる検出結果を参照しながら、
前記ローラ部が前記第１の谷部の壁部の方向に移動するように前記モータを駆動し、前記ローラ部が前記第１の谷部の壁部に当たった後で前記モータを停止し、その後に前記ローラ部が前記第１の谷部に嵌まり込んだときの前記ロータの回転角度を第１の回転角度と決定し、
次に、前記ローラ部が前記第１の谷部の壁部とは逆方向に、前記ローラ部が前記第１の谷部と隣の谷部との間の山部を乗り越えないように設定された所定回転角度分だけ移動するように前記モータを駆動し、その後に前記モータを停止し、その後に前記ローラ部が前記第１の谷部に嵌まり込んだときの前記ロータの回転角度を第２の回転角度と決定し、
前記第１の回転角度と前記第２の回転角度の中間の角度を前記第１の谷部の回転角度と決定する制御部と、を備えるシフト装置。
続きを表示（約 400 文字）【請求項２】
前記複数の谷部は、前記第１の谷部とは異なる第２の谷部を含み、
前記第２の谷部は、前記シフト位置の１つであるパーキング位置に対応するように設けられた谷部であり、
前記第１の谷部は、前記シフト位置の１つである非パーキング位置に対応するように設けられた谷部であり、
前記制御部は、前記第２の谷部に関する目標回転角度を設定する場合に、前記第１の谷部の回転角度に基づいて、前記目標回転角度を設定する、請求項１に記載のシフト装置。
【請求項３】
前記複数の谷部は、前記第１の谷部とは異なる第２の谷部を含み、
前記制御部は、前記第２の谷部に関する目標回転角度を設定する場合に、前記第１の谷部の回転角度と、予め設定された前記第１の谷部と前記第２の谷部との間の設定角度と、に基づいて、前記目標回転角度を設定する、請求項１に記載のシフト装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明の実施形態は、車両に搭載されるシフト装置に関する。
続きを表示（約 1,800 文字）【背景技術】
【０００２】
従来から、運転者のシフト操作に基づいて電気的にシフト位置を切り替えるシフトバイワイヤ（ＳＢＷ）式のシフト装置が知られている。シフト位置とは、例えば、Ｐ（パーキング）位置、Ｒ（リバース）位置、Ｎ（ニュートラル）位置、Ｄ（ドライブ）位置などである。
【０００３】
シフトバイワイヤ式のシフト装置では、例えば、ディテントプレート（シフト切替部材）、ディテントスプリング（位置決め部材）、駆動力伝達機構部、ロータ回転角度センサ、出力軸回転角度センサ（絶対角センサ）などが用いられる。
【０００４】
ディテントプレートは、シフト位置に対応するように設けられた複数の谷部を有する。また、ディテントスプリングは、自由端側に設けられたローラ部をディテントプレートに対して押圧し、ローラ部がディテントプレートの複数の谷部のいずれかに嵌まり込むことでシフト位置を成立させる。
【０００５】
また、駆動力伝達機構部は、ガタ（ギアの噛み合わせ部分における隙間）を有し、モータによる駆動力をディテントプレートに伝達して、ディテントプレートを正転、逆転のいずれかの回動方向に移動させる。
【０００６】
また、ロータ回転角度センサは、モータのロータの回転角度を検出する。また、出力軸回転角度センサは、ディテントプレートの回転角度を検出する。
【０００７】
これらの構成を用いて、運転者のシフト操作に基づく電気的なシフト位置の切り替えを実現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
しかしながら、上述の従来技術では、出力軸回転角度センサを用いているために、出力軸回転角度センサ、および、それに付随する部品（例えば、制御用ＩＣ（Integrated Circuit）や取付部材など）が必要になる。したがって、コストや車内スペース制約などの点で、出力軸回転角度センサをなくすことができれば望ましい。
【０００９】
そこで、本発明は、出力軸回転角度センサを使わなくてもシフトバイワイヤを実現することができるシフト装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
実施形態のシフト装置は、車両に搭載されるシフト装置であって、シフト位置に対応するように設けられた複数の谷部として、少なくとも、端の谷部である第１の谷部を含む前記複数の谷部を有するシフト切替部材と、自由端側に設けられたローラ部を前記シフト切替部材に対して押圧し、前記ローラ部が前記シフト切替部材の前記複数の谷部のいずれかに嵌まり込むことで前記シフト位置を成立させる位置決め部材と、駆動されることで、前記シフト切替部材に対して、正転、逆転のいずれかの回動方向に加力する、ロータとステータとを含むモータと、ガタを有し、前記モータによる駆動力を前記シフト切替部材に伝達して、前記シフト切替部材を正転、逆転のいずれかの回動方向に移動させる駆動力伝達機構部と、前記ロータの回転角度を検出するロータ回転角度センサと、制御部と、を備える。制御部は、前記ロータ回転角度センサによる検出結果を参照しながら、前記ローラ部が前記第１の谷部の壁部の方向に移動するように前記モータを駆動し、前記ローラ部が前記第１の谷部の壁部に当たった後で前記モータを停止し、その後に前記ローラ部が前記第１の谷部に嵌まり込んだときの前記ロータの回転角度を第１の回転角度と決定し、次に、前記ローラ部が前記第１の谷部の壁部とは逆方向に、前記ローラ部が前記第１の谷部と隣の谷部との間の山部を乗り越えないように設定された所定回転角度分だけ移動するように前記モータを駆動し、その後に前記モータを停止し、その後に前記ローラ部が前記第１の谷部に嵌まり込んだときの前記ロータの回転角度を第２の回転角度と決定し、前記第１の回転角度と前記第２の回転角度の中間の角度を前記第１の谷部の回転角度と決定する。
この構成により、ロータ回転角度センサによる検出結果に基づいて第１の回転角度と第２の回転角度を決定し、それらの中間の角度を第１の谷部の回転角度と決定することで、出力軸回転角度センサを使わなくてもシフトバイワイヤを実現することができる。
（【００１１】以降は省略されています）

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