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公開番号2024077350
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-07
出願番号2022189401
出願日2022-11-28
発明の名称炭素および水素の製造方法
出願人三菱マテリアル株式会社,国立大学法人東京工業大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C01B 32/05 20170101AFI20240531BHJP(無機化学)
要約【課題】二酸化炭素と水から炭素と水素とを効率的に生成し、還元剤を繰り返し生成、利用する。
【解決手段】表面に炭素を付着させたマグネタイトを生成する二酸化炭素分解工程と、炭素と、塩化鉄とを生成する炭素分離工程と、マグネタイトと、水素と、塩化水素ガスとを生成する水素製造工程と、前記二酸化炭素分解工程で用いる前記還元剤を生成する還元剤再生工程とを有し、前記水素製造工程は、3価の塩化鉄を電気分解によって還元して2価の塩化鉄を生成する電解還元過程と、該電解還元過程で得られた2価の塩化鉄と水とを反応させて、マグネタイトと、水素と、塩化水素ガスとを生成する加水分解過程と、を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
二酸化炭素と還元剤とを反応させて、表面に炭素を付着させたマグネタイトを生成する二酸化炭素分解工程と、
前記二酸化炭素分解工程で得られた表面に炭素を付着させたマグネタイトと、塩酸、または塩化水素ガスとを反応させて、炭素と、塩化鉄とを生成する炭素分離工程と、
前記炭素分離工程で得られた塩化鉄と、水とを反応させて、マグネタイトと、水素と、塩化水素ガスとを生成する水素製造工程と、
前記水素製造工程で得られたマグネタイトおよび水素を互いに反応させて、前記二酸化炭素分解工程で用いる前記還元剤を生成する還元剤再生工程と、を有し、
前記水素製造工程は、3価の塩化鉄を電気分解によって還元して2価の塩化鉄を生成する電解還元過程と、該電解還元過程で得られた2価の塩化鉄と水とを反応させて、マグネタイトと、水素と、塩化水素ガスとを生成する加水分解過程と、を有し、
前記還元剤は、マグネタイトの結晶構造を維持したままマグネタイトを還元することで得られるFe


4-δ
(但し、δは1以上4未満)で表される酸素欠陥鉄酸化物、またはマグネタイトの結晶構造を維持したままマグネタイトを完全に還元することで得られる酸素完全欠陥鉄(δ=4)、またはヘマタイトや使用済みカイロを還元することで得られるマグネタイトの結晶構造を維持した酸素欠陥鉄酸化物、またはヘマタイトや使用済みカイロを完全に還元することで得られるマグネタイトの結晶構造を維持した酸素完全欠陥鉄であることを特徴とする炭素および水素の製造方法。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記電解還元過程は、3価の塩化鉄を含む陰極液を収容する陰極槽と、電解質を含む陽極液を収容する陽極槽と、前記陰極槽および前記陽極槽の間に形成され、イオンを透過させる隔壁と、前記陰極槽に設けられる陰極電極と、前記陽極槽に設けられる陽極電極と、を有する電解装置を用いて行うことを特徴とする請求項1に記載の炭素および水素の製造方法。
【請求項3】
前記陰極液のpHを0.5以下に保つことを特徴とする請求項2に記載の炭素および水素の製造方法。
【請求項4】
前記陽極液は、希硫酸を含むことを特徴とする請求項2に記載の炭素および水素の製造方法。
【請求項5】
前記陰極液は、3価の塩化鉄が溶解された塩酸水溶液を含むことを特徴とする請求項2に記載の炭素および水素の製造方法。
【請求項6】
前記陰極電極は、炭素電極、または白金電極であることを特徴とする請求項2に記載の炭素および水素の製造方法。
【請求項7】
前記陽極電極は、炭素電極、または白金電極であることを特徴とする請求項2に記載の炭素および水素の製造方法。
【請求項8】
前記隔壁は、陽イオン交換膜、またはガラスフィルターであることを特徴とする請求項2に記載の炭素および水素の製造方法。
【請求項9】
前記陰極槽は、不活性ガス雰囲気中に設けられることを特徴とする請求項2に記載の炭素および水素の製造方法。
【請求項10】
前記炭素は、粒子径が1μm以下のナノサイズの炭素であることを特徴とする請求項1または2に記載の炭素および水素の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、二酸化炭素および水を用いて、炭素と水素とを製造する炭素および水素の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、製鉄所、火力発電所、セメント工場、ゴミ焼却施設などでは、多量の二酸化炭素(CO

)が排出されている。このため、地球温暖化防止の観点から、二酸化炭素を大気中に放出させずに回収することが重要になっている。
一方、燃料電池自動車(FCV)や水素発電など水素需要の増大に伴って、低コストで大量に供給が可能な水素が求められている。
【0003】
従来、二酸化炭素を分離回収する技術として、化学吸収法,物理吸収法,膜分離法などが知られている。また、回収した二酸化炭素を分解する技術として、半導体光触媒法、金属コロイド触媒,金属錯体,触媒等を用いた光化学的還元法、電気化学的還元法、化学的固定変換反応、例えば、塩基との反応,転移反応,脱水反応,付加反応などを用いる分解方法などが知られている。しかしながら、これらの二酸化炭素の分解方法は、何れも反応効率、コスト、消費エネルギーなどの面から実用的ではないという課題があった。
【0004】
このため、例えば、特許文献1では、格子中に酸素欠陥部位である空孔のあるマグネタイト、即ち酸素欠陥鉄酸化物を用いて二酸化炭素を還元して炭素を生成し、炭素からメタンやメタノールを得る方法が開示されている。こうした特許文献1の発明では、酸素欠陥鉄酸化物によって二酸化炭素を分解(還元反応)し、酸化されて生じた鉄酸化物を水素で還元して再び酸素欠陥鉄酸化物に戻すことによって、連続的かつ効率的に二酸化炭素を分解可能なクローズドシステムを実現できるとされている。
【0005】
一方、高純度の水素を製造する方法として、例えば、特許文献2では、塩化鉄と水とを410℃以上で反応させ、マグネタイト、塩化水素、および水素を生成し、生成した水素を分離膜を用いて回収する方法が開示されている。こうした特許文献2の発明では、各種プラントから排出されるプロセス廃熱を有効利用し、水を原料として、クリーンなエネルギー燃料である水素を、熱化学分解技術によって得ることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平5-184912号公報
特開2001-233601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1で開示された反応条件では、酸素欠陥鉄酸化物の酸素欠陥度が小さく(酸素欠陥鉄酸化物をFe


4-δ
で示した場合に、δは最大で0.16程度)、二酸化炭素の分解能力が低いため、効率的に二酸化炭素を分解処理できないという課題があった。また、特許文献1の方法で二酸化炭素を連続して分解する場合、マグネタイトを酸素欠陥鉄酸化物に還元するための水素を外部から供給する必要があり、水素供給に係るコストが大きいという課題もあった。
更に、特許文献1では、高価なナノサイズのマグネタイトを使用しているため、二酸化炭素の分解コストが高い。また、生成した炭素は付加価値の高いナノ炭素ではないため(>1μm)、二酸化炭素分解プラントの経済性が低いという課題がある。
【0008】
特許文献2では、水素製造反応に関与する物質が多く(鉄化合物であるマグネタイト以外にマグネシウム化合物もある)、反応機構が複雑である。また、反応に必要な温度が高いため(~1000℃程度)、エネルギー消費量が多く、製造コストが高くなるという課題がある。
また、特許文献2では、エネルギーを多量に消費する各種プラントから排出される排熱の有効利用だけに着目したものであり、こうしたプラントの多くから排熱と共に排出される二酸化炭素も有効利用することが求められている。
【0009】
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、二酸化炭素と水から、炭素と水素とを効率的に生成するとともに、反応に用いる還元剤を繰り返し生成、利用することが可能な炭素および水素の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態の炭素および水素の製造方法は、以下の手段を提案している。
(1)本発明の態様1の炭素および水素の製造方法は、二酸化炭素と還元剤とを反応させて、表面に炭素を付着させたマグネタイトを生成する二酸化炭素分解工程と、前記二酸化炭素分解工程で得られた表面に炭素を付着させたマグネタイトと、塩酸、または塩化水素ガスとを反応させて、炭素と、塩化鉄とを生成する炭素分離工程と、前記炭素分離工程で得られた塩化鉄と、水とを反応させて、マグネタイトと、水素と、塩化水素ガスとを生成する水素製造工程と、前記水素製造工程で得られたマグネタイトおよび水素を互いに反応させて、前記二酸化炭素分解工程で用いる前記還元剤を生成する還元剤再生工程と、を有し、前記水素製造工程は、3価の塩化鉄を電気分解によって還元して2価の塩化鉄を生成する電解還元過程と、該電解還元過程で得られた2価の塩化鉄と水とを反応させて、マグネタイトと、水素と、塩化水素ガスとを生成する加水分解過程と、を有し、前記還元剤は、マグネタイトの結晶構造を維持したままマグネタイトを還元することで得られるFe


4-δ
(但し、δは1以上4未満)で表される酸素欠陥鉄酸化物、またはマグネタイトの結晶構造を維持したままマグネタイトを完全に還元することで得られる酸素完全欠陥鉄(δ=4)、またはヘマタイトや使用済みカイロを還元することで得られるマグネタイトの結晶構造を維持した酸素欠陥鉄酸化物、またはヘマタイトや使用済みカイロを完全に還元することで得られるマグネタイトの結晶構造を維持した酸素完全欠陥鉄であることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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