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公開番号2024077216
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-07
出願番号2022189164
出願日2022-11-28
発明の名称半導体ウエハ加工用液状表面保護材、半導体ウエハ加工用液状表面保護材から形成された保護膜、および、半導体ウエハの加工方法
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人籾井特許事務所
主分類H01L 21/304 20060101AFI20240531BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】半導体ウエハ表面の埋め込み性に優れ、かつ、剥離後の半導体ウエハ表面への糊残り(表面保護部材の残渣の付着)を抑制し得る半導体ウエハ加工用液状表面保護材を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態の半導体ウエハ加工用液状表面保護材は、アクリル系エマルション樹脂を含む。また、本発明の実施形態の保護膜は上記半導体ウエハ加工用液状表面保護材から形成される。本発明の実施形態の半導体ウエハの加工方法は、半導体ウエハ加工用液状表面保護材を半導体ウエハの回路パターンが形成された面に塗布し、保護膜を形成することと、半導体ウエハの保護膜が形成されていない面を研削することと、保護膜を剥離除去することと、を含む。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
アクリル系エマルション樹脂を含む、半導体ウエハ加工用液状表面保護材。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記アクリル系エマルション樹脂の酸価が10mg/KOH以下である、請求項1に記載の半導体ウエハ加工用液状表面保護材。
【請求項3】
前記アクリル系エマルション樹脂のSP値が9(cal/cm


1/2
~11(cal/cm


1/2
である、請求項1に記載の半導体ウエハ加工用液状表面保護材。
【請求項4】
BH粘度が0.1Pa・s~10Pa・sである、請求項1に記載の半導体ウエハ加工用液状表面保護材。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用液状表面保護材を用いて形成された保護膜。
【請求項6】
23℃における引張弾性率が0.1GPa~1.1GPaである、請求項5に記載の保護膜。
【請求項7】
シリコンウエハに対する粘着力が1.0N/25mm以下である、請求項5に記載の保護膜。
【請求項8】
請求項1から4のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用液状表面保護材を半導体ウエハの回路パターンが形成された面に塗布し、保護膜を形成することと、
該半導体ウエハの保護膜が形成されていない面を研削することと、
該保護膜を剥離除去することと、を含む、半導体ウエハの加工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は半導体ウエハ加工用液状表面保護材、半導体ウエハ加工用液状表面保護材から形成された保護膜、および、半導体ウエハの加工方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
半導体ウエハは、回路が形成された面を保護材で保護した状態で、バックグラインド工程等の加工工程に供される。半導体ウエハの代表的な保護材としては、粘着テープが知られている(例えば、特許文献1)。近年、半導体ウエハの回路面は複雑化しており、粘着テープでは回路面の凹凸を十分に埋め込むことができない場合がある。埋め込みが不十分である場合、粘着テープの粘着剤層と半導体ウエハ表面との間に水が浸入し、チップ飛び、および、割れが生じるおそれがある。また、埋め込みが不十分である部分に異物が付着する場合がある。
【0003】
粘着テープ以外の半導体ウエハの回路面の保護方法として、液状の組成物を塗布し、保護膜を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2~6)。しかしながら、これらの方法により形成された保護膜は、保護膜除去後に、回路面に残渣が付着し保護膜による回路面の汚染が生じ得る。また、除去工程には、溶剤を用いた除去工程が必要な場合があり、環境への負荷が増加し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-185641号公報
特開平10-120965号公報
特開2000-315668号公報
特開2014-212179号公報
特開2011-23272号公報
特開2014-19889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、半導体ウエハ表面の埋め込み性に優れ、かつ、剥離後の半導体ウエハ表面への糊残り(表面保護部材の残渣の付着)を抑制し得る半導体ウエハ加工用液状表面保護材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1.本発明の実施形態の半導体ウエハ加工用液状表面保護材は、アクリル系エマルション樹脂を含む。
2.上記1に記載の半導体ウエハ加工用液状表面保護材において、上記アクリル系エマルション樹脂の酸価は10mg/KOH以下であってもよい。
3.上記1または2に記載の半導体ウエハ加工用液状表面保護材において、上記アクリル系エマルション樹脂のSP値は9(cal/cm


1/2
~11(cal/cm


1/2
であってもよい。
4.上記1から3のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用液状表面保護材において、BH粘度は0.1Pa・s~10Pa・sであってもよい。
5.本発明の実施形態の別の局面においては保護膜が提供される。この保護膜は、上記1から4のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用液状表面保護材を用いて形成される。
6.上記5に記載の保護膜において、23℃における引張弾性率は0.1GPa~1.1GPaであってもよい。
7.上記5または6に記載の保護膜において、シリコンウエハに対する粘着力は1.0N/25mm以下であってもよい。
8.本発明の実施形態のさらに別の局面においては、半導体ウエハの加工方法が提供される。この半導体ウエハの加工方法は、上記1から4のいずれかに記載の半導体ウエハ加工用液状表面保護材を半導体ウエハの回路パターンが形成された面に塗布し、保護膜を形成することと、該半導体ウエハの保護膜が形成されていない面を研削することと、該保護膜を剥離除去することと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、半導体ウエハ表面(より詳細には回路面)の埋め込み性に優れ、かつ、保護膜を剥離後の半導体ウエハ表面への糊残り(表面保護部材の残渣の付着)を抑制し得る半導体ウエハ加工用液状表面保護材が提供される。さらに、本発明の実施形態の半導体ウエハ加工用液状表面保護材を用いて形成された保護膜は、剥離除去が可能であり、溶剤による除去工程を必要としない。したがって、溶剤使用による環境への負荷を低減し得る。さらに、剥離後の半導体ウエハ表面への糊残り(表面保護部材の残渣の付着)も抑制し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態の半導体ウエハの加工工程における半導体ウエハおよび保護膜の概略断面図である。
本発明の別の実施形態の半導体ウエハの加工工程における半導体ウエハおよび保護膜の概略断面図である。
本発明のさらに別の実施形態の半導体ウエハの加工工程における半導体ウエハおよび保護膜の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.半導体ウエハ加工用液状表面保護材
本発明の実施形態の半導体ウエハ加工用液状表面保護材(以下、液状表面保護材ともいう)は、アクリル系エマルション樹脂を含む。本発明の実施形態の液状表面保護材は、例えば、半導体ウエハの回路面に塗布して用いられる。半導体ウエハの回路面の形状は複雑化しており、半導体ウエハの加工工程で回路面を適切に保護するために、より埋め込み性に優れた表面保護材が求められている。本発明の実施形態の表面保護材は液状であるため、半導体ウエハの回路面が複雑な形状であっても、半導体ウエハの表面(より詳細には回路面)の埋め込み性に優れ得る。また、本発明の実施形態の液状表面保護材により形成される保護膜は、剥離により容易に除去することができる。そのため、溶剤による溶解除去工程を必要とせず、溶剤による環境への負荷を低減し得る。さらに、半導体ウエハ表面への糊残り(表面保護部材の残渣の付着)も抑制し得る。
【0010】
本発明の実施形態の液状表面保護材のBH粘度は、好ましくは0.1Pa・s~10Pa・sであり、より好ましくは0.2Pa・s~5Pa・sであり、さらに好ましくは0.3Pa・s~3Pa・sであり、特に好ましくは0.5Pa・s~2Pa・sである。BH粘度が上記範囲であれば、液状表面保護材を半導体ウエハ表面に良好に塗布することができる。BH粘度は塗布方法に合わせて任意の適切な値に調整され得る。本明細書において、BH粘度は、BH型粘度計により、30℃、2rpmの条件で測定した粘度をいう。測定に使用するローターは、粘度に応じて任意の適切なローターを用いることができ、例えば、No.2ローターを用いることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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