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公開番号2024074779
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-31
出願番号2023187081
出願日2023-10-31
発明の名称オートバイ後進装置
出願人個人
代理人個人,個人
主分類F16H 35/00 20060101AFI20240524BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】オートバイの後輪に後退動力を付与または遮断することができるオートバイ後輪後退装置を提供する。
【解決手段】ミッションドア1とミッションカバー23とによって形成された空間内に並列配置された左右のクラッチプレート21、22の一方の表面とそれぞれ分離可能に接触する対向表面を有する左、右クラッチチェーン28、29、左、右スプロケットを介して連結するチェーン25、トラストベアリング6、ランプ接続部材45により互いに連結され伝達軸に結合された左右のランプ27、左、右ランプ27を所定角度で回転させるように連結されたケーブル18、左、右ランプ27がボールを支えるランププレート24、ランププレート24と伝達軸のリング溝に挿入されるスナップリング43との間には、トラストベアリング、ワッシャ42、リングスプリング12、を備えた。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ミッションドア1とミッションカバー23とによって形成された空間内に設置されたオートバイ後進装置において、並列に配置された左右のクラッチプレート21、22;
前記左右のクラッチプレート21、22の一方の面とそれぞれ分離可能に接触する対向面を有する左右のクラッチチェーン28、29;
前記左右のクラッチチェーン28、29から延びた各伝達軸50に連結され、ランプ接続部材45によって連結された左右のランプ27;
前記左右のランプ27とそれぞれボール5を介して支持されるランププレート24;
前記ランププレート24は、ミッションカバー23にボルト固定されることを特徴とするオートバイ後進装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記左右のクラッチチェーン28、29には、左右のスプロケット46が一体にそれぞれ連結され、チェーン25を介して回転動力を伝達することを特徴とする請求項1に記載のオートバイ後進装置。
【請求項3】
前記左右のクラッチプレート21、22の一面と、前記左右クラッチチェーン28、29の対向する表面には、それぞれ平面から突出した突起が形成され、動力を伝達することを特徴とする請求項2に記載のオートバイ後進装置。
【請求項4】
前記左側ランプ27の外周面には2つのフックが設けられ、前記右側ランプ27の外周面には1つのフックが設けられており、前記左右のランプ27の対向するフックはリンク付きランプ接続部材45によって接続され、前記左側ランプ27に形成された他のフックはケーブル18に接続されることを特徴とする請求項3に記載のオートバイ後進装置。
【請求項5】
前記右側ランプ27は、フック32を含む上部ランプ34と、挿入溝38を備える下部ランプ35からなり、下部ランプ35の挿入溝38に挿入される上部ランプ34はヒンジピン36に回動可能に係合され、上部ランプ34と下部ランプ35は、ばね37によって弾性支持されることを特徴とする請求項4に記載のオートバイ後進装置。
【請求項6】
前記ばね37は、ランプ接続部材45の張力に応じて上部ランプ34の回転によって圧縮され、右クラッチチェーン29の突起を位置変更するように下部ランプ35を回転させる復元力を提供することを特徴とする請求項5に記載のオートバイ後進装置。
【請求項7】
前記左右のランプ27は、伝達軸50が通過する中心孔の周囲にそれぞれ3つのランプ案内溝31が形成され、この案内溝はボール5が安着される左側の溝が一番深く、円弧状に右側に行くほど溝の深さが浅くなる傾斜をなし、前記ランププレート24には円弧状ランププレート案内溝33がランプ27の案内溝に対応する位置に各3個が形成され、このランププレート案内溝33は、ボール5が着座する中部が最も深く、両端に向かうにつれて深さが浅くなる傾斜をなすことを特徴とする請求項6に記載のオートバイ後進装置。
【請求項8】
前記ランププレート24と伝達軸50のリング溝51に挿入されるスナップリング43との間には、トラストベアリング7、ワッシャ42、リングスプリング12、ワッシャ42が設けられ、前記ケーブル18の張力が除去されると、自動的にクラッチチェーンを後退させると同時にランプ27も回転させ、元の位置に戻ることを特徴とする請求項4乃至請求項7記載のオートバイ後進装置。
【請求項9】
前記左右スプロケット46と左右ランプ27との間には左右トラストベアリング6が設けられ、左右ランプ27の回転を容易にすることを特徴とする請求項8に記載のオートバイ後進装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はオートバイ後退装置に関することであり、より具体的にはユーザが狭い場所での駐車など、オートバイの後進が必要な場合に、オートバイの後輪に後退動力を付与または遮断することができる構成を備えたオートバイ後輪後退装置に関することである。
続きを表示(約 8,400 文字)【背景技術】
【0002】
通常、オートバイは2ストロークまたは4ストローク内燃機関から発生する回転動力をチェーンを介して後輪に転動させることによってオートバイを前進させる。しかし、大抵の場合にバイクを後退させるための構成が別途設けられていないので、オートバイを後退させるときはほぼ全く人力に依存することになる。この方法は、オートバイが大型化し重くなると、オートバイの運転者がオートバイを適切に運用できないという問題がある。
また、以前バイク後進装置があるが、後進動力の確実で円滑な取り締まりのため構造が複雑で、構成部品が過剰で製造コストを高め、変速機の中立軸に後進装置が常時結合されて不要な動力損失が発生する。これを改善するために中立軸に接続され駆動となることを防止する断続装置としてソレノイドやモーターなど電気装置を利用する場合は設置部品が多く、かさばる問題があり、またオートバイ後進装置を作動後、これらの作動を中止する際にも他の動力手段が必要な問題点などがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
米国登録特許番号第US8001862号(2011.8.23登録)
韓国登録特許番号第10-1405149号(2014.06.02.登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、このような従来の問題点を改善するために、比較的簡単な構成で後進時のみ中立軸と締結され、この場合スムーズかつ確実に動力を制御することができるバイク後進装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、ミッションドア1とミッションカバー23とによって形成された空間内に設置されるオートバイ後進装置において、並列に配置される左右のクラッチプレート21、22、前記左右クラッチプレート21、22の一面とそれぞれ分離可能に接触する対向表面を有する左右クラッチチェーン28、29、前記左右クラッチチェーン28、29から延びる各伝達軸50に結合され、ランプ接続部材45によって連結された左右ランプ27、前記左右ランプ27及びそれぞれボール5を介して支持されるランププレート24、前記ランププレート24は、ミッションカバー23にボルト固定されることを特徴とするオートバイ後進装置が設けられる。
本発明の他の特徴によれば、前記左右のクラッチチェーン28、29には左右のスプロケット46が一体的にそれぞれ連結され、チェーン25を介して回転動力を伝達し、前記左右のクラッチプレート21、22の一表面と、前記左右のクラッチチェーン28、29の対向する表面には、それぞれ平面から突出した突起が形成され、動力を伝達することを特徴とするオートバイ後進装置が設けられる。
本発明の他の特徴によれば、前記左ランプ27の外周面には2つのフックが設けられ、前記右ランプ27の外周面には1つのフックが設けられており、前記左右のランプ27と対向するフックはリンク付きランプ接続部材45によって接続され、前記左側ランプ27に形成された他のフックはケーブル18に接続されることを特徴とするオートバイ後進装置が提供される。
本発明の他の特徴によれば、右ランプ27は、フック32を含む上部ランプ34と、挿入溝38とをさらに含む下部ランプ35からなり、下部ランプの挿入溝38に挿入された上部ランプ34はヒンジピン36に回動可能に係合され、上部ランプ34と下部ランプ35はばね37によって弾性支持される。ばね37は、ランプ連結部材45の張力に応じて上部ランプ34の回転により圧縮され、右クラッチチェーン29の突起を位置変更させ、下部ランプ35を回転させる復元力を提供することを特徴とするオートバイ後進装置が提供される。
本発明の他の特徴によれば、左右のランプ27は、伝達軸50が通過する中心孔の周囲にそれぞれ3つのボール案内溝が形成され、この案内溝はボール5が置かれる左端の溝が一番深く、円弧状に右側に行くほど溝の深さが浅くなり、前記ランププレート24には円弧状内溝が左右ランプ27の案内溝に対応する位置に各3個が形成されるが、これらの案内溝は前記ボール5が配置される中央部が最も深く、両端に行くほど深さが浅くなる。
本発明の他の特徴によれば、前記ランププレート24と伝達軸50のリング溝51に挿入されるスナップリング43との間には、トラストベアリング7、ワッシャ42、リングプリング12、ワッシャ42が設けられて回転した左右ランプ27を元の位置に回転させる。
本発明の他の特徴によれば、前記左右スプロケット46と左右ランプ27との間には左右のトラストベアリング6が設けられ、左右のランプ27の回転を容易にする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、2つの左右ランプとそれを連結する弾性を有するランプ接続部材45、右ランプの上部ランプ34と下部ランプ35を弾性支持するばね37により後進動力を伝達するクラッチプレート21、22とクラッチチェーン28、29に形成された突起が互いによく係合し、回転動力を確実に伝達できるだけでなく、リングスプリング12によりクラッチチェーン28,29の後進と左右のランプの回転が容易に復元されるように機械的装置のみになってモータ等の動力が全く必要なく、作動の信頼性の高いオートバイ後進装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明によるオートバイ後退装置の斜視図である。
本発明によるオートバイ後退装置の概略分解斜視図である。
本発明によるオートバイ後進装置の動作説明図である。
本発明によるオートバイ後進装置のモジュール図である。
ランプ接続部材の一実施形態(スプリング)で接続された左右のランプの概略斜視図である。
ランププレートの概略斜視図である。
ケーブルを引っ張る前の待機状態で、オートバイ後退装置のクラッチプレートとクラッチチェーンが分離された状態を示す平面図と部分正面図である。
ケーブルが引かれたときの後進駆動状態でオートバイ後進装置のクラッチプレートとクラッチチェーンが結合された状態を示す平面図と部分正面図である。
図1のランププレートとクラッチチェーンに結合された伝達軸との間に結合されたリングスプリングを示す。
右側ランプが上部ランプと下部ランプとからなり、上部ランプが下部ランプの挿入溝に挿入され、ヒンジピンとばねによって回動できるように結合されたことを示す概略図である。
右側ランプが上部ランプと下部ランプとからなり、上部ランプが下部ランプの挿入溝に挿入され、ヒンジピンとばねによって回動できるように結合されたことを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を添付図面に示す実施例を参照してより詳細に説明する。
図1を参照すると、オートバイ後退装置は、ミッションドア1とミッションカバー23との間の空間に設けられた装置を含む。ケーブル18は、オートバイ後退装置を制御するために設けられており、ユーザがケーブル18を引っ張ると、オートバイの後輪に動力伝達が行われ、後輪が回転する。これに対し、ケーブル18に張力が与えられていない状態では、後輪に対する動力伝達は行われない。
図2は、本発明によるオートバイ後退装置の概略分解斜視図である。
図面を参照すると、本発明のオートバイ後退装置は、ミッションドア1とミッションカバー23とによって形成された空間内に並列な配置状態で設けられた左右クラッチプレート21、22と左右クラッチチェーン28、29は、それぞれ分離可能に噛み合うことができるように、左側、右側クラッチプレート21、22の一方の表面とそれぞれ分離可能に接触する左側、右側クラッチチェーン28、29の対向する表面には、それぞれ平面から突出した突起が形成され、動力を伝達することができる。
また、左右クラッチチェーン28、29から延びる伝達軸50に順次連結される左、右トラスト軸受6、左、右ランプ27を備える。
前記左右のランプ27はボール5を介してランププレート24に支持されており、ランプ27に面するランププレート24の表面にはボール5を収容するための案内溝が形成されている。一方、ミッションカバー23に向かうランププレート24の孔を貫通した伝達軸50には、後述するように、トラストベアリング7、ワッシャ42、リングスプリング12、ワッシャ42及びスナップリング43が設けられている。また、ランププレート24は、図示しないボルトでミッションカバー23に固定結合される。
前記左右のクラッチプレート21、22とクラッチチェーン28、29とは互いに噛み合うように多数の突起が形成されるため、従来のクラッチプレートとクラッチチェーン表面の摩擦力を利用した方式よりも回転動力を確実に伝達できる。
図3は、本発明によるオートバイ後進装置の動作説明図であり、図面を参照すると、オートバイ後進のためにケーブル18を引くとランプ接続部材45に連結された左右のランプ27が反時計方向に回転しながらランプ27とランププレート24間の案内溝に置かれたボール5が円弧状に加工された溝に沿って回転しながらクラッチチェーン28,29が前進してクラッチプレート21,22と噛み合うようになると左クラッチプレート21が中立軸(図示せず)から伝達された時計回りの回転力が左クラッチチェーン28に伝達され、左クラッチチェーン28の後方に設けられた左スプロケット46と右クラッチチェーン29後方に設けられた右スプロケット46がチェーン25に連動するので、右クラッチチェーン29も時計方向に回転し、これを右クラッチプレート22を介して後進軸(図示せず)に伝達し、オートバイを後退させることになる。
本発明は、回転動力が入力される左伝達軸50と出力される右伝達軸50の回転方向が等しくなるように、左クラッチチェーン28と右クラッチチェーン29に結合された左右スプロケット46をチェーン25に連結するので、入力軸と出力軸の回転方向を変換するための追加機構が不要となる。
図5および図6は、図2に示すランプ接続部材45によって接続された左右のランプとランププレート24の概略的な試みであり、本発明は動力伝達装置の円滑な制御のため2つのランプとそれらを接続するリンクなどからなるランプ接続部材45が用いられた実施例を示している。
左側ランプ27および右側ランプ27の中心には伝達軸50が通過する孔が形成され、前記中央孔の周りにそれぞれ3つのランプ案内溝31が設けられている。ランプ案内溝31は、ボール5が着座する左端の溝が最も深く、円弧状に右側に行くほど溝の深さが浅い傾斜をなしている。
左ランプ27の外周面には2つのフック32が設けられる一方、右ランプ27の外周面には1つのフック32が設けられている。左右のランプ27の対向するフックとフックは図2に示すようにランプ連結部材45によって連結される。ユーザは、左側ランプの他方のフック32に引っ掛かったケーブル18を引っ張ることによって、左右のランプ27が反時計回りに一緒に回転するか、またはユーザがケーブル18を引っ張らない場合に自動的にランプ27は元の位置に戻ることができる。
また、ランププレート24には伝達軸50が貫通する2つの穴が形成されており、前記各穴の周りに円弧状ランププレート案内溝33がランプ27のランプ案内溝31に対応する位置に各3つが形成される。ランププレート24の溝は、前記ボール5が着座する中部が最も深く、両端に行くほど深さが浅くなる傾斜をなしている。
オートバイ後退装置のクラッチプレートとクラッチチェーンが分離された状態を示す図7は、ケーブル18を引っ張る前の待機状態を示しており、ここでボール5は左右のランプ27のランプ案内溝31で最も深い左端部分と、ランププレート24のランププレート案内溝33の最も深い中間部分に位置するようになり、ランプ27とランププレート24は互いに対して最も近い距離にある状態となり、クラッチプレート21、22とクラッチチェーン28、29は離間して分離された状態となる。
後進駆動状態でオートバイ後進装置のクラッチプレート21、22とクラッチチェーン28、29とが結合された状態を示す図8は、ユーザがケーブル18を引っ張ってランプ27を反時計方向に回転させると、ボール5はランプ27とランププレート24の案内溝の円弧状に沿って深さが浅くなる傾斜に沿って時計方向に移動するようになり、ランププレート24が固定されているので、ランプ27が前進するようになり、クラッチチェーン28、29を前方に押し、クラッチプレート21、22と噛み合うことで、中立軸の時計方向回転力を後進動力として使用できるようになる。
また、伝達軸50に結合されたランプ27とクラッチチェーン28、29との間には、ランプ27の回転を円滑にするためにトラストベアリング6が介在している。
一方、本発明のランプ接続部材45で接続された2つのランプの動作について図5、7、8を参照して詳細に説明すると、まずケーブル18により、左ランプ27を反時計方向に回転させると、左ランプ27のフック32と右ランプ27のフック32に掛かったランプ接続部材45により右ランプも反時計方向に回転して左右のクラッチチェーン28、29の突起を前方に押す。
ここで右ランプ27を具体的に説明すると、図10、11に示すように、左ランプ27と異なり、右ランプ27は、フック32を含む上部ランプ34と左ランプとほぼ同じであるが、挿入溝38をさらに備えた下部ランプ35からなり、さらに下部ランプ35の挿入溝38に上部ランプ34が挿入され、ヒンジピン36によって上部ランプ34は挿入溝38内で回動され、ばね37によって上部ランプ34と下部ランプ35とが弾性支持されるので、右側ランプ27はランプ連結部材45により、上部ランプ34がばね37を圧縮し、下部ランプ35を押して右ランプ27全体を反時計回りに回転させることができる構造である。
図10は、便宜上、挿入溝38がランプ案内溝31まで形成されているように見えるが、ランプ案内溝31の上部に形成することができる。すなわち、右ランプの厚さに応じて強度を維持できれば、挿入溝38の下限位置はランプ案内溝31部分までも形成できることは、通常の技術者にとって自明な事項である。
本発明の左右のクラッチチェーン28、29の突起が前進移動による左右のクラッチプレート21、22の突起と噛み合う状態を見ると、左クラッチプレート21は回転しており、前進する左クラッチチェーン28とは2つの突起が当接しても回転によって容易に噛み合うことができ、問題はないが、静止状態の右クラッチプレート22と右クラッチチェーン29は2突起が容易に噛み合うこともできるが(この場合も問題がないので説明を省略する)、当接する場合もあり、これを本発明は解決しようとするものである。
これを具体的に説明すると、右クラッチプレート22の突起と右クラッチチェーン29の突起が当接する瞬間に回転する左クラッチプレート21の突起と左クラッチチェーン28の突起は相対回転により容易に挿入されて噛み合うことができるのに比べて、停止した右クラッチプレート22の突起と右クラッチチェーン29の突起は挿入されずに互いに当接するようになるので、右クラッチチェーン29の前進が中止され、したがって右側ランプ27の回転が瞬間的に停止する状態とすることができる。
このとき、右側ランプ27の下部ランプ35が回転しなくても、上部ランプ34はばね37を圧縮してさらに回転するので、左ランプ27もケーブル18の張力により反時計方向にさらに回転することになり、左クラッチチェーン28は前進移動して左クラッチプレート21の突起と左クラッチチェーン28の突起は互いに係合して動力伝達がなされ、このような回転動力はチェーン25により右クラッチチェーン29の突起を回転させ、突起の位置を変更することにより右クラッチプレート22の突起間に挿入されるところに配置されると、圧縮されたばね37の復元力により下部ランプ35が反時計方向に回転して右クラッチチェーン29が前進可能となるので、右クラッチチェーン29の突起と右クラッチプレート22の突起は互いに係合して動力を伝達する。
すなわち、左クラッチプレート21から左クラッチチェーン28、右クラッチチェーン29、右クラッチプレート22に順次回転動力を伝達し、後進動力の連結を確実にすることができる。この動作は瞬間的に行われるが、上下部ランプに結合されたばね37の弾性によって後進動力伝達を円滑に行うことができる。
図4および図7乃至図9を参照すると、クラッチチェーン28、29と係合してランププレート24を貫通する伝達軸50には、ばね組立体であるトラストベアリング7、ワッシャ42、リングスプリング12、ワッシャ42およびスナップリング43がランププレート24の後方に順番に取り付けられて固定される。ここでは、ワッシャ42の間に1つのリングスプリング12を示しているが、必要に応じてリングスプリング12を2つ以上使用してもよい。
また、ランププレート24の後面と伝達軸50のリング溝51に挿入され固定されたスナップリング43の間に、トラストベアリング7、ワッシャ42、リングスプリング12、ワッシャ42が設けられており、使用者がケーブル18を引いてクラッチチェーン28、29が前進してクラッチプレート21,22と噛み合うとき、クラッチチェーン28、29と係合した伝達軸50も前進し、ランププレート24とスナップリング43との間のリングばね12は圧縮状態になり、使用者がケーブル18の張力を取り除くと圧縮されたリングスプリング12が伸び、自動的に伝達軸(クラッチチェーン)を後進させるとともにランプ27も回転させて元の位置に戻しながらボール5を元位置に移動させるので、後進動力が遮断された状態で左側クラッチプレート21のみ回転するアイドリング状態(図7参照)となる。
このように本発明の詳細な説明では具体的な実施例について説明したが、本発明の範囲は、記載された実施形態に限定されて定められてはならず、特許請求の範囲だけでなく、特許請求の範囲と均等な範囲によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0009】
1:ミッションドア 5:ボール
6、7:トラストベアリング 12:リングスプリング
17:クラッチシリンダ 18:ケーブル
21,22:クラッチプレート 23:ミッションカバー
24:ランププレート 25:チェーン
27:ランプ 28、29:クラッチチェーン
31:ランプ案内溝 32:フック
33:ランププレート案内溝 34:上部ランプ
35:下部ランプ 36:ヒンジピン
37:ばね 38:挿入溝
42:ワッシャー 43:スナップリング
45:ランプ接続部材 46:スプロケット
50:伝達軸 51:リング溝

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