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公開番号2024073229
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-29
出願番号2022184328
出願日2022-11-17
発明の名称作業車用無段変速動力伝達装置及び作業車
出願人株式会社クボタ
代理人弁理士法人R&C
主分類F16H 61/42 20100101AFI20240522BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】無段変速装置と遊星変速装置とを組み合わせた無段変速動力伝達装置において、回転数の検出が適正に行われ、効率的な無段変速制御が行われること。
【解決手段】エンジン動力を入力して無段変速動力を出力する無段変速装置28と、エンジン動力と無段変速動力とを入力して遊星動力を出力する遊星変速装置31と、遊星変速装置の変速段を選択する遊星クラッチ機構32と、無段変速装置28と遊星クラッチ機構32とを制御する制御信号を生成する変速制御ユニット50が備えられ、変速制御ユニット50は、エンジン回転数取得部62と無段変速回転数取得部63と遊星回転数取得部64と走行回転数取得部65との少なくとも1つは、それぞれ同じ回転数を検出する複数の回転検出器からの回転数信号に基づいて対応回転数を取得する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
エンジンからのエンジン動力を走行装置に伝達する作業車用無段変速動力伝達装置であって、
前記エンジン動力を入力して無段変速動力を出力する無段変速装置と、
前記エンジン動力と前記無段変速動力とを入力して遊星動力を出力する遊星変速装置と、
前記遊星変速装置の変速段を選択する遊星クラッチ機構と、
前記遊星動力を入力して前進動力または後進動力を前記走行装置に出力する前後進切換装置と、
前記無段変速装置と前記遊星クラッチ機構と前記前後進切換装置を制御する制御信号を生成する変速制御ユニットと、
を備え、
前記変速制御ユニットは、前記エンジンのエンジン回転数を取得するエンジン回転数取得部と、前記無段変速動力の回転数である無段変速回転数を取得する無段変速回転数取得部と、前記遊星動力の回転数である遊星回転数を取得する遊星回転数取得部と、前記前進動力または前記後進動力の回転数である走行回転数を取得する走行回転数取得部とを備え、
前記エンジン回転数取得部と無段変速回転数取得部と遊星回転数取得部と走行回転数取得部との少なくとも1つは、それぞれ同じ回転数を検出する複数の回転検出器からの回転数信号に基づいて対応回転数を取得する作業車用無段変速動力伝達装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記エンジン回転数取得部は、前記エンジンのエンジン制御ユニットから送られてくるエンジン回転数信号に基づいて前記エンジン回転数を取得し、
前記無段変速回転数取得部は、前記無段変速装置の無段変速出力軸の回転を検出する無段変速回転検出器から送られてくる無段変速回転数信号に基づいて前記無段変速回転数を取得し、
前記遊星回転数取得部は、前記遊星変速装置の遊星出力軸の回転を検出する遊星回転検出器から送られてくる遊星回転数信号に基づいて前記遊星回転数を取得し、
前記走行回転数取得部は、前記前後進切換装置の前後進出力軸の回転を検出する走行回転検出器から送られてくる走行回転数信号に基づいて前記走行回転数を取得する請求項1に記載の作業車用無段変速動力伝達装置。
【請求項3】
前記エンジン回転数取得部は、前記無段変速装置に動力を入力する無段変速入力軸の回転数を検出する冗長エンジン回転検出器からの冗長エンジン回転数信号に基づいて前記エンジン回転数を取得することができる請求項2に記載の作業車用無段変速動力伝達装置。
【請求項4】
前記遊星回転検出器は、主遊星回転検出器と冗長遊星回転検出器とを含み、前記主遊星回転検出器は、前記遊星変速装置の遊星出力軸の回転に準じる回転を行う第1回転体の回転を検出し、前記冗長遊星回転検出器は、前記遊星変速装置の遊星出力軸の回転に準じる回転を行う第2回転体の回転を検出する請求項2に記載の作業車用無段変速動力伝達装置。
【請求項5】
前記主遊星回転検出器は回転方向検出可能であり、前記冗長遊星回転検出器は回転方向検出不能である請求項2に記載の作業車用無段変速動力伝達装置。
【請求項6】
前記走行回転検出器は、主走行回転検出器と冗長走行回転検出器とを含み、前記主走行回転検出器は、車速を決定する第1回転部材の回転を検出し、前記冗長走行回転検出器は、車速を決定する第2回転部材の回転を検出する請求項2に記載の作業車用無段変速動力伝達装置。
【請求項7】
前記主走行回転検出器は回転方向検出可能であり、前記冗長走行回転検出器は回転方向検出不能である請求項2に記載の作業車用無段変速動力伝達装置。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか一項に記載の作業車用無段変速動力伝達装置を備えた作業車。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、無段変速装置と遊星変速装置とを備えた作業車用無段変速動力伝達装置、及び当該作業車用無段変速動力伝達装置を備えた作業車に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
無段変速装置と遊星変速装置とを組み合わせた無段変速動力伝達装置(HMTとも呼ばれる)は、ホイールローダやトラクタなどの作業車の動力伝達構造に利用されている。例えば、特許文献1には、エンジンからの動力が無段変速装置の油圧ポンプと遊星変速装置とに分岐され、さらに無段変速装置の油圧モータ軸からの無段変速出力が遊星変速装置に入力される無段変速動力伝達装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-96208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で開示されたような無段変速動力伝達装置では、遊星変速装置の太陽歯車に入力される無段変速装置の変速出力と、内歯歯車と遊星歯車とキャリアとから選択される遊星変速装置からの出力との組み合わせで、所望の変速動力が得られる。この無段変速動力伝達装置では、エンジン出力と無段変速出力とが遊星変速装置に入力されるとともに、遊星変速装置の選択された部材(内歯歯車、遊星歯車、キャリア)からの出力が後段に伝達されるので、適正な変速制御においては、リアルタイムでの各変速要素の回転数(回転速度)の検出が重要となる。
【0005】
本発明の課題は、無段変速装置と遊星変速装置とを組み合わせた無段変速動力伝達装置を備えた無段変速動力伝達装置及び作業車において、各変速要素の回転数の検出が適正に行われ、効率的な無段変速制御が行われることである。また、複数の回転数検出器から回転数を取得することによりフェールセーフを得ることも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による作業車用無段変速動力伝達装置は、エンジンからのエンジン動力を走行装置に伝達する装置であり、前記エンジン動力を入力して無段変速動力を出力する無段変速装置と、前記エンジン動力と前記無段変速動力とを入力して遊星動力を出力する遊星変速装置と、前記遊星変速装置の変速段を選択する遊星クラッチ機構と、前記遊星動力を入力して前進動力または後進動力を前記走行装置に出力する前後進切換装置と、前記無段変速装置と前記遊星クラッチ機構と前記前後進切換装置を制御する制御信号を生成する変速制御ユニットと、
を備え、
前記変速制御ユニットは、前記エンジンのエンジン回転数を取得するエンジン回転数取得部と、前記無段変速動力の回転数である無段変速回転数を取得する無段変速回転数取得部と、前記遊星動力の回転数である遊星回転数を取得する遊星回転数取得部と、前記前進動力または前記後進動力の回転数である走行回転数を取得する走行回転数取得部とを備え、
前記エンジン回転数取得部と無段変速回転数取得部と遊星回転数取得部と走行回転数取得部との少なくとも1つは、それぞれ同じ回転数を検出する複数の回転検出器からの回転数信号に基づいて対応回転数を取得する。
【0007】
この構成によれば、エンジン回転数取得部によって取得されるエンジン回転数(エンジン出力回転数)、無段変速回転数取得部によって取得される無段変速回転数(無段変速装置出力回転数)、遊星回転数取得部によって取得される遊星回転数(遊星出力回転数)、走行回転数取得部によって取得される走行回転数(車速)のうちの少なくとも1つは、複数の回転検出器からの回転数信号が入力されるので、つまり少なくとも1つの回転数の検出に関して冗長性ないしはデュアルシステム化(フェールセーフ化)されているので、回転数検出の安全性が向上し、変速制御ユニットは、安全かつ効率的な無段変速制御を実現することができる。
【0008】
本発明では、前記エンジン回転数取得部は、前記エンジンのエンジン制御ユニットから送られてくるエンジン回転数信号に基づいて前記エンジン回転数を取得し、前記無段変速回転数取得部は、前記無段変速装置の無段変速出力軸の回転を検出する無段変速回転検出器から送られてくる無段変速回転数信号に基づいて前記無段変速回転数を取得し、前記遊星回転数取得部は、前記遊星変速装置の遊星出力軸の回転を検出する遊星回転検出器から送られてくる遊星回転数信号に基づいて前記遊星回転数を取得し、前記走行回転数取得部は、前記前後進切換装置の前後進出力軸の回転を検出する走行回転検出器から送られてくる走行回転数信号に基づいて前記走行回転数を取得する。この構成により、遊星変速装置へ入力されるエンジン出力及び無段変速装置出力の回転数、遊星変速装置の出力回転数、最終的な変速結果(車速)としての走行回転数、が正確に検出されるので、この検出結果に基づき、変速制御ユニットは、効率的な無段変速制御を正確に実現することができる。
【0009】
エンジン出力及び無段変速出力の回転数、遊星変速装置の出力回転数、走行回転数は、変速制御にとって重要なファクタであるので、それらを検出するセンサが故障すれば、正確な無段変速制御が不能となる。このため、センサの二重化などの回転数検出のフェールセーフが必要となる。
【0010】
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記エンジン回転数取得部は、前記無段変速装置に動力を入力する無段変速入力軸の回転数を検出する冗長エンジン回転数検出器からの冗長エンジン回転数信号に基づいて前記エンジン回転数を取得することができる。エンジン回転数は、エンジン制御のために必須のファクタであることから、エンジン制御ユニットで検知されている。しかしながら、エンジン制御ユニットからエンジン回転数が取得できない事態が生じた場合、エンジン回転数取得部は、別な検出系統でエンジン回転数を取得する必要がある。この構成では、エンジン回転数取得部のための冗長エンジン回転数検出器として、無段変速入力軸の回転数を検出する回転数検出器が、別に設けられているので、エンジン回転数取得に関するフェールセーフが実現している。
(【0011】以降は省略されています)

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