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公開番号2024072143
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-27
出願番号2022182832
出願日2022-11-15
発明の名称水蒸気改質触媒
出願人エヌ・イーケムキャット株式会社,大阪瓦斯株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B01J 23/63 20060101AFI20240520BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】硫黄化合物による被毒や酸化によって触媒性能が劣化しにくく、かつ、触媒性能を維持しながらも触媒成分中のルテニウム等の貴金属触媒の使用量も低減できる水蒸気改質触媒を提供する。
【解決手段】炭化水素類を含む燃料ガスを、水素を含む合成ガスに改質するための改質触媒であって、触媒成分と前記触媒成分が担持された無機酸化物担体とを備え、前記触媒成分が、ルテニウムと、セリウムおよび/またはコバルトとを含み、前記触媒成分中に、ルテニウムが0.1質量%以上1.5質量%以下含まれ、セリウムおよび/またはコバルトが酸化物換算において0.1質量%以上2.0質量%以下含まれる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
炭化水素類を含む燃料ガスを、水素を含む合成ガスに改質するための水蒸気改質触媒であって、
触媒成分と前記触媒成分が担持された無機酸化物担体とを備え、
前記触媒成分が、ルテニウムと、セリウムおよび/またはコバルトとを含み、
前記触媒成分中に、ルテニウムが0.1質量%以上1.5質量%以下含まれ、セリウムおよび/またはコバルトが酸化物換算において0.1質量%以上2.0質量%以下含まれる、水蒸気改質触媒。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
ルテニウムに対するセリウムおよび/またはコバルトのモル比が0.2~2.0である、請求項1に記載の水蒸気改質触媒。
【請求項3】
ルテニウムに対するセリウムおよび/またはコバルトのモル比が0.2~1.0である、請求項1に記載の水蒸気改質触媒。
【請求項4】
無機酸化物担体がアルミナである、請求項1に記載の水蒸気改質触媒。
【請求項5】
前記燃料ガスが硫黄化合物を含む、請求項1に記載の水蒸気改質触媒。
【請求項6】
前記燃料ガスが、都市ガスまたはLPガスである、請求項1に記載の水蒸気改質触媒。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の水蒸気改質触媒を用いて、炭化水素類を含む燃料ガスを、水蒸気の存在下で、水素を含む合成ガスに改質する、合成ガスの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水蒸気改質触媒に関し、より詳細には、炭化水素類を含む燃料ガスに水蒸気を添加し、水蒸気の存在下で燃料ガスから水素ガスを生成する改質反応を行う水蒸気改質触媒に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
環境負荷の少ない水素を利用するエネルギ技術の一つとして、水素と酸素を反応させて電気エネルギを発生する燃料電池が注目されている。燃料電池の水素源として、天然ガスや石油系炭化水素等の種々の炭化水素系の原料が利用可能であり、特に、供給インフラの整備された都市ガス、LPガス、ナフサ、ガソリン、灯油等の炭化水素類が好適に利用可能である。現在、実用化されている主たる技術として、得られる合成ガス中の水素/一酸化炭素比が高い水蒸気改質法が注目されている。水蒸気改質法は、上記した炭化水素類を含む燃料ガスを、水蒸気改質触媒の存在下において、水蒸気との改質反応により一酸化炭素と水素を含む合成ガスを生成し、合成ガス中の一酸化炭素を変成反応処理や選択酸化処理等により除去することで水素ガスを製造する方法である。
【0003】
上記した水蒸気改質法に使用される触媒として貴金属触媒やニッケル系触媒が知られているが、ニッケル系触媒は炭素析出を起こしやすく、活性が短時間で低下するという欠点を有していることから、種々の貴金属触媒が検討されている。例えば、特許文献1には、触媒成分としてルテニウムをアルミナ等に担持させた触媒を用いることが開示されている。また、特許文献2には、触媒成分としてルテニウムとロジウムとを担体に担持した触媒を用いることが開示されている。
【0004】
ところで、都市ガスやLPガスには、一般にメタンチオールや硫化カルボニル、ジメチルジスルフィド等に加えて、付臭剤として、メルカプタン類、ジメチルスルフィド、2-メチル-2-プロパンチオール、メチルエチルスルフィド等の硫黄化合物が添加されている。上記した貴金属触媒においても、硫黄化合物によって被毒されて触媒性能が低下する。そのため、例えば特許文献3にも記載のように、白金およびイリジウムを主成分とする触媒金属成分と、ルテニウム、ロジウム、パラジウムから選ばれる少なくとも一種の貴金属成分とを担体に担持した耐硫黄水蒸気改質触媒を用いたり、硫黄化合物を含有する燃料ガスから硫黄化合物を除去する水添脱硫剤とを順に通過させて、燃料ガス中の硫黄成分を貴金属触媒接触前に除去することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2006-45049号公報
特開2015-74586号公報
特開2017-159290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
硫黄化合物が含まれる燃料ガスを使用して水蒸気改質を行う場合、上記のように脱硫層を介しても硫黄化合物を完全に除去することは困難であり、数ppb程度の硫黄化合物が残存するため、数年から数十年の長期間にわたって水蒸気改質装置の運転を行うと、硫黄被毒による触媒性能の劣化が避けられない。また、水蒸気改質装置のシャットダウン時など、触媒が高温の状態で外部から空気が系内に逆流する場合があり、酸素により触媒成分であるルテニウムが酸化されて、触媒活性が低下することも懸念される。さらに、ルテニウム、白金、イリジウムといった貴金属触媒は高価なレアメタルであり、希少な資源であることから、その使用量を減らしつつ同等の触媒活性をもたせることが要望されている。
【0007】
したがって、本発明の目的は、硫黄化合物による被毒や酸化によって触媒性能が劣化しにくく、かつ、触媒性能を維持しながらも触媒成分中のルテニウム等の貴金属触媒の使用量も低減でき、低温での反応性にも優れる水蒸気改質触媒を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した特許文献2、3等にも記載されているように、セリウムやコバルトは硫黄吸着剤として作用する材料であるところ、本発明者らは、触媒成分としてルテニウムとセリウムまたはコバルトとを所定の割合で併用することで、硫黄化合物による被毒や酸化によるルテニウムの触媒劣化を抑制できるとともに、触媒成分中のルテニウムの含有量を低減できる、との知見を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。即ち、本発明の要旨は以下のとおりである。
【0009】
[1] 炭化水素類を含む燃料ガスを、水素を含む合成ガスに改質するための水蒸気改質触媒であって、
触媒成分と前記触媒成分が担持された無機酸化物担体とを備え、
前記触媒成分が、ルテニウムと、セリウムおよび/またはコバルトとを含み、
前記触媒成分中に、ルテニウムが0.1質量%以上1.5質量%以下含まれ、セリウムおよび/またはコバルトが酸化物換算において0.1質量%以上2.0質量%以下含まれる、水蒸気改質触媒。
[2] ルテニウムに対するセリウムおよび/またはコバルトのモル比が0.2~2.0である、[1]に記載の水蒸気改質触媒。
[3] ルテニウムに対するセリウムおよび/またはコバルトのモル比が0.2~1.0である、[1]に記載の水蒸気改質触媒。
[4] 無機酸化物担体がアルミナである、[1]に記載の水蒸気改質触媒。
[5] 前記燃料ガスが硫黄化合物を含む、[1]に記載の水蒸気改質触媒。
[6] 前記燃料ガスが、都市ガスまたはLPガスである、[1]に記載の水蒸気改質触媒。
[7] [1]~[6]のいずれか一項に記載の水蒸気改質触媒を用いて、炭化水素類を含む燃料ガスを、水蒸気の存在下で、水素を含む合成ガスに改質する、合成ガスの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、触媒成分としてルテニウムとセリウムまたはコバルトとを所定の割合で併用した水蒸気改質触媒とすることで、硫黄化合物による被毒や酸化によるルテニウムの触媒劣化を抑制できるとともに、触媒成分中のルテニウムの含有量を低減できる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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