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公開番号2024072107
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-27
出願番号2022182767
出願日2022-11-15
発明の名称カスケード形PID制御系の設計法
出願人CKD日機電装株式会社
代理人
主分類G05B 11/32 20060101AFI20240520BHJP(制御;調整)
要約【課題】カスケード形PID制御系の設計法を提供する。
【解決手段】
特許文献1のPID設計法は、制御対象であるモータの粘性摩擦が0のとき、積分ゲインが0に設計されるのでPD制御となる。この場合でも制御対象がもつ積分器により定常偏差は生じないが、積分制御を残しておきたいケースも多い。そこで本発明では、モータの粘性摩擦が0の場合でも積分ゲインが0にならないように特許文献1の方法を拡張する。またこの拡張した方法の類似手法として、極配置設計によるワンパラメータチューニング法も示す。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
特許文献1の方式のように閉ループ伝達関数の分母多項式を分子多項式で完全に割りきるのではなく、割り切る状態に近い状態にすることによって、積分ゲインが零値にならないように特許文献1の方式を拡張した設計法
続きを表示(約 72 文字)【請求項2】
請求項1の方式の分母多項式のみに注目した極配置設計による、カスケード形PID制御系のワンパラメータチューニング法

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、制御系の設計法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
モータの位置決め等では、速度制御系の外側に位置制御のフィードバックを追加した制御系を用いることも多い。(これはモータ制御が速度制御から始まったことに由来する。)その基本的なブロック線図を図1に示す。ここでθ,ωはモータ角とモータ角速度である。rとrvは位置目標値と速度目標値、uは制御入力である。kpとkiは速度コントローラの比例ゲインと積分ゲイン、kposは位置コントローラの比例ゲインである。J,Dは制御対象とするモータの慣性モーメントと粘性摩擦係数である。sはラプラス演算子であり、sは微分、1/sは積分を表す。このように外側の制御ループの制御入力(コントローラ出力rv)を内側の制御ループの目標値とする構成をカスケード制御という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
速度フィードフォワードを加えたカスケード型モータ位置決め制御系の簡易設計法(特許第6149291号)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、図1のPIDパラメータの計算式(kpのみを調節するワンパラメータチューニング法)として次式を示した。
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2024072107000002.tif
6
7
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2024072107000003.tif
6
12
図1の速度制御と位置制御の閉ループ伝達関数は数3と数4で表されるが、数3(および数4)において分子多項式が分母多項式を割り切るための条件が数1である。その結果として、数3は1次系、数4は2次系に低次元化される。さらに数2を用いると、数4は数5の2次遅れ系の特性になる。
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62
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【0005】
特にD = 0の場合、特許文献1の方式は、数1の積分ゲインが0になるのでPD制御となる。この場合でも制御対象がもつ積分器(図1の符号4)によって定常偏差は生じないが、積分制御を残しておきたいケースも多くある。そこで本発明ではD = 0でも積分ゲインが0にならないように特許文献1の方法を拡張する(本発明の方式1)。また方式1の分母多項式のみに注目した極配置設計によるワンパラメータチューニング法も示す(本発明の方式2)。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の方式1では、数4が数6の特性に一致するようにPIDパラメータを設計する。
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2024072107000007.tif
7
52
Δは設計パラメータとし、小さな値とする。αは計算により求まる正数とする。Δが小さくαが大きいほど、数6は2次遅れ系に近づく。Δ = 0のとき数6は2次遅れ系に等しい。特許文献1では数4を2次遅れ系に低次元化したが、本発明では数4を3次系のまま2次遅れ系に近い特性にする。数6は零点をもつ2次遅れ系にローパスフィルタを追加したもの(数7)とみなせる。
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10
39
【0007】
kiとkposの計算式の導出を以下に示す。まず数6を単に展開すると数8となる。
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6
62
数8と数4の係数比較より、数9を得る。
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13
31
数9の第1式より、数10を得る。
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6
15
数9の第4式に数10を代入すると数11を得る。
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6
19
数9の第3式に第4式と数10を代入すると数12を得る。
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7
72
【0008】
次にαの計算法を示す。まず数9の第2式に数11,12,10を代入すると数13となる。
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8
58
上式を整理すると数14となり、これはαについて解けて数15を得る。
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66
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ここで大きい方の解である数16を選ぶ。(αが大きいほど数7は2次遅れ系に近づく。)
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10
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ただし数16のαをつねに正の実数にするため、Δは非負の値を選ぶこととする。
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2
6
【0009】
D = 0の場合でも数16のαは0にならないので、数11の積分ゲインも0にならない。なお数16,11,12でΔ = 0とすると数19,20が得られ、特許文献1と同じ結果(数1,2)となる。
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9
71
【0010】
パラメータΔの値の影響について述べる。数11のなかでΔに依存する部分は数21であり、これをΔで偏微分すると数22となる。
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11
71
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85
ただし
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8
27
数22をΔとD/kpの関数としてプロットしたものを図2に示す。図2は数24の範囲でプロットした。この理由は、ワンパラメータチューングが進むにつれてkpは増加しD/kpは減少すること、およびΔは小さな正数と仮定したためである。なおζは2の平方根の逆数とした。
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6
23
図2より、数22は正値をとるので、数11の積分ゲインはΔの単調増加関数である。よってΔが大きいほど積分ゲインが大きくなることが分かる。
(【0011】以降は省略されています)

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