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公開番号2024071964
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-27
出願番号2022182510
出願日2022-11-15
発明の名称歯車製造装置
出願人株式会社不二越
代理人個人,個人
主分類B23F 5/16 20060101AFI20240520BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】スカイビング加工によってワークに対して切り上がり溝を形成する際のバリの発生を抑制し、サイクルタイムおよびコストの削減を図ることが可能な歯車製造装置を提供する。
【解決手段】歯溝の加工終わりに切り上がりのある形状を有する歯車を創成する歯車製造装置(スカイビング加工機100)であって、工具中心の軌跡において、歯底を形成する経路を平行経路とし、平行経路からカッタを逃がし始める位置を第1変曲点とし、ワークからカッタが抜ける切り上がり点を切削する位置を第2変曲点としたとき、2回目以降のパスの第1変曲点を直前のパスの第1変曲点よりも後退させると共に、2回目以降のパスの第2変曲点を最初のパスの第2変曲点に設定し、2回目以降のパスの第1変曲点から第2変曲点までを円弧または直線で補間し、最初のパスの切り上がり点と2回目以降のパスの切り上がり点とを一致させる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
複数の刃を有するカッタを用いてワークを加工して歯溝の加工終わりに切り上がりのある形状を有する歯車を創成する歯車製造装置であって、
前記カッタが取り付けられる工具軸と、
前記ワークが把持されるワーク軸と、
前記工具軸及び前記ワーク軸の動作を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、
前記歯溝の加工終わりに切り上がりのある歯車形状を複数回のパスで前記ワークに形成する際に、
工具中心の軌跡において、歯底を形成する経路を平行経路とし、前記平行経路から前記カッタを逃がし始める位置を第1変曲点とし、前記ワークから前記カッタが抜ける切り上がり点を切削する位置を第2変曲点としたとき、
2回目以降の前記パスの第1変曲点を直前の前記パスの第1変曲点よりも後退させると共に、
2回目以降の前記パスの第2変曲点を最初のパスの第2変曲点に設定し、
2回目以降の前記パスの第1変曲点から第2変曲点までを円弧または直線で補間し、最初の前記パスの切り上がり点と2回目以降の前記パスの切り上がり点とを一致させることを特徴とする歯車製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の刃を有するカッタを用いてワークを加工して歯溝の加工終わりに切り上がりのある歯車を創成する歯車製造装置に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
歯車製造装置を用いた歯車製造方法としては、複数の刃を有する切削工具を用いてワークを加工する方法が広く知られている。また、切削によって歯車を加工する場合、バリの発生が問題となる。加工後のバリ取りについての従来技術としては、バリ取り専用機を用いたり、回転ブラシや専用ツールを使用したり、旋削バイトを歯端面に当てて切り込みゼロで切削(ゼロカット)したりすることが周知である。
【0003】
例えば特許文献1には「予め歯形が形成された歯車形の工作物に対して、前記歯形の歯溝における歯面を加工する歯車加工方法」が開示されている。特許文献1の歯車加工方法は特に、「前記工作物の回転軸線と切削工具の回転軸線とを平行に配置した状態で前記工作物と前記切削工具とを同期回転させることにより前記工作物に対して前記切削工具の刃先を所定軌跡に沿って移動させ、各前記歯溝における前記歯面の一方を、前記歯面の歯先から歯底に向かって加工する歯面加工工程と、前記歯面の加工終点に到達した時に、前記切削工具の刃先を、前記歯溝の内部空間において前記歯面との非接触位置であって前記所定軌跡から異なる一時退避位置に移動させる一時退避工程と、前記歯溝の内部空間において前記切削工具の刃先を前記一時退避位置から前記所定軌跡に復帰させる復帰工程と、前記所定軌跡に復帰した後に、前記切削工具の刃先を前記所定軌跡に沿って移動させ、前記切削工具の刃先を前記歯溝の内部空間から前記歯溝の外に退避させる退避工程と」を備えている。特許文献1では、上記構成により「工作物の回転軸線と切削工具の回転軸線とを平行に配置した状態で工作物と切削工具とを同期回転させることにより、高速な切削速度を得ることができると共に、一時退避工程によってバリが残ることを抑制できる」といったバリ取り構成及び手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-84109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、歯車に形成される歯溝の形状としては、ワークの側面の端から端まで貫通する一般的な歯溝の他に、ワークの側面の途中で止まる歯溝が周知である(突き止め加工と呼ばれる場合もある)。このようにワークの一方の端面から始まって他方の端面の手前で切り上がる歯溝を、以下の説明において切り上がり溝と称する。
【0006】
切り上がり溝においては、主として溝の加工終わりの切り上がり点(工具が抜ける位置)においてバリが発生する。この切り上がり点のバリ取りにバリ取り専用機を用いると、設備コストがかかる他、工程間の搬送が必要になる。また、回転ブラシを用いたりゼロカットを行ったりする場合には、ツール交換に時間がかかるほか、バリ取りの効果が不安定であるという問題がある。専用ツールを用いると、ツール交換に時間がかかるほか、ツールが高価になってしまうという問題もある。
【0007】
また特許文献1では工作物の回転軸線と切削工具の回転軸線とを平行に配置した状態で工作物と切削工具とを同期回転させて加工を行っている。すると歯の部分であれば特許文献1の動作を行うことができるが、溝が徐々に浅くなる切り上がり点においては特許文献1の技術を適用することができない。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み、スカイビング加工によってワークに対して切り上がり溝を形成する際のバリの発生を抑制し、サイクルタイムおよびコストの削減を図ることが可能な歯車製造装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明にかかる歯車製造装置の代表的な構成は、複数の刃を有するカッタを用いてワークを加工して歯溝の加工終わりに切り上がりのある形状を有する歯車を創成する歯車製造装置であって、カッタが取り付けられる工具軸と、ワークが把持されるワーク軸と、工具軸及びワーク軸の動作を制御する制御部と、を具備し、制御部は、歯溝の加工終わりに切り上がりのある歯車形状を複数回のパスでワークに形成する際に、工具中心の軌跡において、歯底を形成する経路を平行経路とし、平行経路からカッタを逃がし始める位置を第1変曲点とし、ワークからカッタが抜ける切り上がり点を切削する位置を第2変曲点としたとき、2回目以降のパスの第1変曲点を直前のパスの第1変曲点よりも後退させると共に、2回目以降のパスの第2変曲点を最初のパスの第2変曲点に設定し、2回目以降のパスの第1変曲点から第2変曲点までを円弧または直線で補間し、最初のパスの切り上がり点と2回目以降のパスの切り上がり点とを一致させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、スカイビング加工によってワークに対して切り上がり溝を形成する際のバリの発生を抑制し、サイクルタイムおよびコストの削減を図ることを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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