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公開番号2024071498
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-24
出願番号2024047280
出願日2024-03-22
発明の名称スキャフォールドフリー三次元軟骨組織体を製造する方法、スキャフォールドフリー三次元軟骨組織体、及びスキャフォールドフリー三次元軟骨組織体を製造するためのモジュール化ポリイミド多孔質膜
出願人UBE株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 5/077 20100101AFI20240517BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】
本発明は、十分な力学的強度及び厚みを持った軟骨組織体であって、他の動物由来のスキャフォールド成分を含まない、安全性の高い軟骨組織体を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明は、スキャフォールドフリー三次元軟骨組織体を製造する方法であって、軟骨細胞が播種されたモジュール化ポリイミド多孔質膜を、浮遊培養用の細胞培養容器内に固定されていない状態で培地中に浮遊させながら、前記モジュール化ポリイミド多孔質膜にシェアストレスを付与しながら培養する工程、
を含む、方法を提供する。また、本発明は、スキャフォールドフリー三次元軟骨組織体、及びスキャフォールドフリー三次元軟骨組織体を製造するためのモジュール化ポリイミド多孔質膜を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
スキャフォールドフリー三次元軟骨組織体を製造する方法であって、
軟骨細胞が播種されたモジュール化ポリイミド多孔質膜を、浮遊培養用の細胞培養容器内に固定されていない状態で培地中に浮遊させながら、前記モジュール化ポリイミド多孔質膜にシェアストレスを付与しながら培養する工程、
を含み、
ここで前記モジュール化ポリイミド多孔質膜が、ポリイミド多孔質膜と、前記ポリイミド多孔質膜が収容されたケーシングとを備えるものであって、前記ポリイミド多孔質膜は、流体によって継続的に波打つ動きを行わない状態でケーシングに固定されており、
前記ケーシングが、前記ポリイミド多孔質膜の少なくとも一部の表面に培地を曝露するための1以上の培地流出入口を有し、
ここで前記ポリイミド多孔質膜が、複数の孔を有する表面層A及び表面層Bと、前記表面層A及び表面層Bの間に挟まれたマクロボイド層とを有する三層構造のポリイミド多孔質膜であって、ここで前記表面層Aに存在する孔の平均孔径は、前記表面層Bに存在する孔の平均孔径よりも小さく、前記マクロボイド層は、前記表面層A及びBに結合した隔壁と、当該隔壁並びに前記表面層A及びBに囲まれた複数のマクロボイドとを有し、前記表面層A及びBにおける孔が前記マクロボイドに連通している、
前記方法。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記モジュール化ポリイミド多孔質膜は、2以上の前記ポリイミド多孔質膜が積層されて収容されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シェアストレスが、旋回運動、往復運動、上下運動、波動形揺動運動、回転運動又はそれらの運動を組み合わせた状態で振盪及び/又は攪拌することにより、生じさせるシェアストレスである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリイミド多孔質膜が、平均孔径0.01~100μmの複数の細孔を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記表面層Aの平均孔径が、0.01~50μmである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記表面層Bの平均孔径が、20~100μmである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリイミド多孔質膜の総膜厚が、5~500μmである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリイミド多孔質膜が、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとから得られるポリイミドを含む、ポリイミド多孔質膜である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリイミド多孔質膜が、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとから得られるポリアミック酸溶液と着色前駆体とを含むポリアミック酸溶液組成物を成形した後、250℃以上で熱処理することにより得られる着色したポリイミド多孔質膜である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法によって得られるスキャフォールドフリー三次元軟骨組織体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャフォールドフリー三次元軟骨組織体を製造する方法、スキャフォールドフリー三次元軟骨組織体、及びスキャフォールドフリー三次元軟骨組織体を製造するためのモジュール化ポリイミド多孔質膜に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
軟骨組織は、神経及び血管のない組織であり、軟骨細胞と細胞外マトリックス(2型コラーゲン、プロテオグリカン、水等)から構成されている。また、損傷すると修復に必要な栄養が供給されにくい為、自然修復が困難と言われている。その為、手術等による高位骨切り術や人工関節への置換等、様々な治療方法が採用されて来た。近年、自家細胞を培養して増殖させた後に損傷患部に包埋して損傷部を治癒させる再生医療法が多く創出された。軟骨細胞は通常の平面培養法ではその特性が喪失されてしまう易脱分化細胞であるが、種々研究の結果様々な特性維持培養法が考案された。また、細胞だけではなく、軟骨細胞特有の細胞外マトリクス(グルコサミノグリカンや2型コラーゲン)を患部に細胞と共に包埋する事が治癒の観点から重要である事も判明しているので、細胞培養時にこれらの細胞外マトリクスが潤沢に産生される点に関しても、多くの研究が展開された。これらの努力を経て、現在は研究開発の成果としていくつかの製品が上市され、医療場面で使用されて来ている。実用法として活用され始める傍ら、各方法論に関して課題が見出され、それら課題の解決が望まれて来た。各種課題の特性を整理すると、以下の様な課題が重要点と言える。
【0003】
(i)組成(ヒト由来成分以外の混入):軟骨特性維持や細胞外マトリクスの好適な産生の為には、いくつかの製品に於いては、培養基材を用いる方法論が用いられるが、基本的に培養基材はヒト由来成分ではなく、異物である。
【0004】
(ii)細胞外マトリクス:軟骨特有の細胞外マトリクスを細胞と共に包埋する事は治療では重要な要素。潤沢にこれらマトリクスに富む状態で移植を実施する必要性が高い。
【0005】
(iii)細胞数:治癒の本体は移植された軟骨細胞である為、大量の細胞を限定的な領域に包埋する事が重要となる。
【0006】
(iv)強度とサイズ:患部にしっかりと包埋・固定させる為には、患部から容易に喪失されず、かつ、手術過程で容易に取り扱える強度及びサイズが重要となる。
【0007】
(v)取り扱い性:生きた細胞を包埋の素材として利用する為、総部包埋の前に、培養デバイスから簡便かつ効率的に、また再現性高く、包埋細胞を取り扱う事が重要となる。
【0008】
(vi)包埋物健全性:ヒトに包埋する素材である為、十分に生育する事が求められる一方で、異物等を含まず、かつ、ゼノフリーの状態で培養工程が進行する事が重要。
【0009】
(vii)容易性:包埋組織体の調達は各箇所で容易に実行される事が望ましい為、培養工程で特殊な装置を必要としない事が望ましい。
【0010】
上記の課題に対し軟骨の再生医療では、軟骨細胞の懸濁液、スフェロイド(細胞同士が集合・凝集化した球状の細胞集合体)、温度応答性ポリマーを使用して作製された軟骨細胞シート、スキャフォールド中で軟骨細胞を培養して作製された培養軟骨等を患部に注入又は移植する方法が提案されている。
(【0011】以降は省略されています)

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