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公開番号2024070707
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-23
出願番号2022181365
出願日2022-11-11
発明の名称B型肝炎ウイルス(HBV)に対する免疫応答を生じさせるために用いられるウイルス様粒子
出願人株式会社ビークル,公益財団法人東京都医学総合研究所,国立大学法人 鹿児島大学,国立大学法人愛媛大学
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C12N 7/01 20060101AFI20240516BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】近年、F型が北米で広がりを見せている、遺伝子型がF型のHBVに対するワクチンの提供。
【解決手段】少なくとも2種類以上の遺伝子型のHBs-L抗原タンパク質を保持するウイルス様粒子であって、前記遺伝子型の少なくとも1種は、F型又はその変異体であり、前記ウイルス様粒子に保持されるHBs-L抗原タンパク質の遺伝子型以外の、1又は2種以上の遺伝子型のHBVに対する免疫反応を生じさせるために用いられる、ウイルス様粒子の提供。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも2種類以上の遺伝子型のHBs-L抗原タンパク質を保持するウイルス様粒子であって、
前記遺伝子型の少なくとも1種は、F型又はその変異体であり、
前記ウイルス様粒子に保持されるHBs-L抗原タンパク質の遺伝子型以外の、1又は2種以上の遺伝子型のHBVに対する免疫反応を生じさせるために用いられる、
ウイルス様粒子。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
請求項1に記載のウイルス様粒子であって、
前記ウイルス様粒子に保持されるF型又はその変異体以外のHBs-L抗原タンパク質の遺伝子型は、A型、B型、C型、D型、E型、G型、H型及びこれらの各遺伝子型の変異体からなる群より選択される少なくとも1種である、
ウイルス様粒子。
【請求項3】
請求項2に記載のウイルス様粒子であって、
前記遺伝子型がA型のHBs-L抗原タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号1~9の何れかに示す配列であり、
前記遺伝子型がB型のHBs-L抗原タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号10~18の何れか示す配列であり、
前記遺伝子型がC型のHBs-L抗原タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号19~28の何れかに示す配列であり、
前記遺伝子型がD型のHBs-L抗原タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号29~38の何れかに示す配列であり、
前記遺伝子型がE型のHBs-L抗原タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号39~42の何れかに示す配列であり、
前記遺伝子型がF型のHBs-L抗原タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号43~56の何れかに示す配列であり、
先記遺伝子型がG型のHBs-L抗原タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号57~62の何れかに示す配列であり又は
前記遺伝子型がH型のHBs-L抗原タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号63~66の何れかに示す配列である、
ウイルス様粒子。
【請求項4】
少なくとも2種類以上のウイルス様粒子を含有する、HBs-L抗原タンパク質を保持するウイルス様粒子含有組成物であって、
前記ウイルス様粒子の少なくとも1種は、遺伝子型がF型のHBs-L抗原タンパク質又はその変異体を保持し、
前記ウイルス様粒子含有組成物に含有されるウイルス様粒子が保持するHBs-L抗原タンパク質の遺伝子型以外の、1又は2種以上の遺伝子型のHBVに対する免疫反応を生じさせるために用いられる、
ウイルス様粒子含有組成物。
【請求項5】
請求項4に記載のウイルス様粒子含有組成物であって、
前記ウイルス様粒子含有組成物に含有される、F型又はその変異体のHBs-L抗原タンパク質を保持するウイルス様粒子以外のウイルス様粒子に保持されるHBs-L抗原タンパク質の遺伝子型が、A型、B型、C型、D型、E型、G型及びH型及びこれらの各遺伝子型の変異体からなる群より選択される少なくとも1種以上である、
ウイルス様粒子含有組成物。
【請求項6】
請求項5に記載のウイルス様粒子含有組成物であって、
前記遺伝子型がA型のHBs-L抗原タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号1~9の何れかに示す配列であり、
前記遺伝子型がB型のHBs-L抗原タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号10~18の何れか示す配列であり、
前記遺伝子型がC型のHBs-L抗原タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号19~28の何れかに示す配列であり、
前記遺伝子型がD型のHBs-L抗原タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号29~38の何れかに示す配列であり、
前記遺伝子型がE型のHBs-L抗原タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号39~42の何れかに示す配列であり、
前記遺伝子型がF型のHBs-L抗原タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号43~56の何れかに示す配列であり、
先記遺伝子型がG型のHBs-L抗原タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号57~62の何れかに示す配列であり又は
前記遺伝子型がH型のHBs-L抗原タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号63~66の何れかに示す配列である、
ウイルス様粒子含有組成物。
【請求項7】
1種のウイルス様粒子が保持するHBs-L抗原タンパク質の遺伝子型は、1種の型又はその変異体のみである、請求項4~6のいずれかに記載のウイルス様粒子含有組成物。
【請求項8】
請求項1~3の何れかに記載するウイルス様粒子又は請求項4~7の何れかに記載のウイルス様粒子含有組成物と、HBVのコア抗原を保持するウイルス様粒子とを含有する、組成物。
【請求項9】
請求項8に記載する組成物を含有する、B型肝炎の治療用及び/又は予防用ワクチン。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
HBVに対する免疫応答を生じさせるために用いられるウイルス様粒子に関する。また、本発明は、HBVに対する免疫応答を生じさせるために用いられるウイルス様粒子含有組成物に関する。また、本発明は、これらを有効成分として含有する、HBVの治療用及び/又は予防用ワクチンに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(本明細書において、これを「HBV」と呼ぶことがある。)による感染症である。本疾患は、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変及び肝細胞癌等に代表される種々の肝臓疾患の主要な原因として知られる。HBVの感染者は、全世界で3億人とも言われており、B型肝炎は、世界的な健康問題の一つである。
【0003】
HBVは、その中心にDNAと、それを取り囲むカプシドとから構成された粒子であり、さらにその表面の脂質膜中に、多数のタンパク質を含むエンベロープ構造を有している。当該エンベロープは、ウイルスの最外部に位置する構造であり、HBVの免疫学的な検出に利用されるため、これを表面抗原とも呼ぶこともある(図1)。
【0004】
HBVの表面抗原を形成する全長のタンパク質をLタンパク質と呼び、粒子最外部に提示されたN末端から順にPre-S1領域、Pre-S2領域及びS領域の3つの領域が存在する(図1)。Pre-S1領域は、HBVがヒト肝細胞へ感染する際に細胞を認識し、細胞へ結合するセンサーとしての役割を担っている。
【0005】
全長のLタンパク質HBs-L抗原タンパク質からPre-S1領域を欠き、Pre-S2領域及びS領域からなるタンパク質をMタンパク質、そしてHBs-L抗原タンパク質からPre-S1及びPre-S2領域を欠き、S領域のみからなるタンパク質をSタンパク質と呼ぶ。なお、HBVの表面抗原(Hepatitis B Surface Antigen:HBsAg)をSタンパク質のみからなるS抗原粒子を意味する場合があるなど、本分野では、言葉の定義が曖昧な場合がある。
【0006】
本明細書中では、特に断らない限り、HBV表面抗原タンパク質として、Sタンパク質のみからなる抗原粒子をS抗原又はHBs-S抗原と、Mタンパク質のみからなる抗原粒子をM抗原又はHBs-M抗原と、そしてLタンパク質のみからなる抗原粒子をL抗原又は又はHBs-L抗原と定義する(図1)。
【0007】
HBVの遺伝子型は、A型~J型の10種類とされている。主要な遺伝子型についてグループ分けがされており、遺伝子型がA型、B型及びC型のグループ、遺伝子型がD型及びE型のグループ並びに遺伝子型がF型及びH型のグループが明らかとなっており、同じ遺伝子型のグループ内ではアミノ酸配列が比較的、似ているという特徴がある。また、遺伝子型G型、I型及びJ型は、非常に特殊な遺伝子型であり、これらについてのグループ分けが未だされていない。
【0008】
特許文献1には、2種類以上のHBs-L抗原タンパク質を含有するウイルス様粒子であって、前記HBs-L抗原タンパク質の遺伝子型がA型、B型、C型、D型、E型、F型、G型、H型及びこれらの各遺伝子型の変異体からなる群より選択されるウイルス様粒子が、数種類の遺伝子型のHBVに対する免疫反応を生じさせる効果を発揮することを開示している。
【0009】
しかしながら、特許文献1が実質的に効果を確認しているのは、A型及びB型、A型及びD型、B型及びC型、B型及びD型、C型及びD型、並びにB型、C型及びD型の遺伝子型のHBs-L抗原タンパク質を含有する6種類のウイルス様粒子に留まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特許6613399号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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