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公開番号
2024069538
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-05-21
出願番号
2024042170,2020538431
出願日
2024-03-18,2019-08-21
発明の名称
ポリアミド組成物及び該ポリアミド組成物からなる成形品
出願人
株式会社クラレ
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
C08L
77/00 20060101AFI20240514BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】薄肉での高度な難燃性を有し、かつ優れた耐熱性及び成形性を有するポリアミド組成物及び該ポリアミド組成物からなる成形品の提供。
【解決手段】融点が280℃以上であるポリアミド(A)、難燃剤(B)、及び芳香族ビニル系共重合体(C)を含有するポリアミド組成物であり、該芳香族ビニル系共重合体(C)が、芳香族ビニルに由来する構成単位とα,β-不飽和ジカルボン酸無水物に由来する構成単位とを含み、該芳香族ビニル系共重合体(C)のガラス転移温度が140℃以上であり、該芳香族ビニル系共重合体(C)の含有量が、ポリアミド(A)、難燃剤(B)及び芳香族ビニル系共重合体(C)の合計含有量に対して、0.3~2.0質量%である、ポリアミド組成物、及び該ポリアミド組成物からなる成形品である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
融点が280℃以上であるポリアミド(A)、難燃剤(B)、及び芳香族ビニル系共重合体(C)を含有するポリアミド組成物であり、
該芳香族ビニル系共重合体(C)が、芳香族ビニルに由来する構成単位とα,β-不飽和ジカルボン酸無水物に由来する構成単位とを含み、該芳香族ビニル系共重合体(C)のガラス転移温度が140℃以上であり、
該芳香族ビニル系共重合体(C)の含有量が、ポリアミド(A)、難燃剤(B)及び芳香族ビニル系共重合体(C)の合計含有量に対して、0.3~2.0質量%である、ポリアミド組成物。
続きを表示(約 910 文字)
【請求項2】
ポリアミド(A)が半芳香族ポリアミドである、請求項1に記載のポリアミド組成物。
【請求項3】
前記半芳香族ポリアミドにおいて、該半芳香族ポリアミドを構成するジカルボン酸に由来する構成単位のうちの50モル%超が芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位であり、かつ該半芳香族ポリアミドを構成するジアミンに由来する構成単位のうちの50モル%超が炭素数4~18の脂肪族ジアミンに由来する構成単位である、請求項2に記載のポリアミド組成物。
【請求項4】
前記脂肪族ジアミンが、1,6-ヘキサンジアミン、1,9-ノナンジアミン、2-メチル-1,8-オクタンジアミン、及び1,10-デカンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載のポリアミド組成物。
【請求項5】
難燃剤(B)が臭素系難燃剤である、請求項1~4のいずれか1項に記載のポリアミド組成物。
【請求項6】
前記芳香族ビニルに由来する構成単位が、スチレン及びα-メチルスチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種、に由来する構成単位を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のポリアミド組成物。
【請求項7】
前記α,β-不飽和ジカルボン酸無水物が、無水マレイン酸及び炭素数1以上3以下のアルキル基を有するモノアルキル無水マレイン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1~6のいずれか1項に記載のポリアミド組成物。
【請求項8】
芳香族ビニル系共重合体(C)中のα,β-不飽和ジカルボン酸無水物に由来する構成単位の含有量が18~50質量%である、請求項1~7のいずれか1項に記載のポリアミド組成物。
【請求項9】
芳香族ビニル系共重合体(C)の重量平均分子量(Mw)が10,000~500,000である、請求項1~8のいずれか1項に記載のポリアミド組成物。
【請求項10】
更に充填剤(D)を含有する、請求項1~9のいずれか1項に記載のポリアミド組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド組成物及び該ポリアミド組成物からなる成形品に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリアミドは、機械的特性、成形性等に優れることから、電気電子部品、自動車部品、機械部品、産業部品、繊維、フィルム、シート等の様々な用途で使用されている。特に電気電子部品用途においては、UL-94規格に基づく高度な難燃性が要求されることから、種々の難燃剤によるポリアミド組成物の難燃化の方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、特定のポリアミド、特定のガラス繊維及び臭素系難燃剤を含有するポリアミド組成物が提案され、流動性等に優れることが記載されている。
また、特許文献2~3では、末端アミノ基比率又は末端カルボキシル基比率が特定の範囲にあるポリアミド、臭素化ポリスチレン、及び芳香族ビニル化合物とα,β不飽和ジカルボン酸無水物の共重合体を含む難燃性ポリアミド樹脂組成物が提案され、薄肉での難燃性、押出加工性、成型加工性等に優れることが記載されている。
また、特許文献4では、融点が特定の範囲であるポリアミド、難燃剤、及び滴下防止剤を含有してなるポリアミド組成物において、前記滴下防止剤として、フッ素樹脂と、アイオノマーおよび変性芳香族ビニル系重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体とを、特定の範囲の質量比で用いる、ポリアミド組成物が提案され、薄肉部を有する電子部品を成形するための材料として好適な難燃性、耐熱性、成形性(流動性)等に優れることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2003-82228号公報
特開2007-291249号公報
特開2007-291250号公報
国際公開第2009/017043号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、電気電子部品に関して、その実装において、製品サイズの小型化、軽量化に伴う部品の小型化、薄肉化に伴い、薄肉でのより高度な難燃性が求められている。また、近年の表面実装技術(SMT)の進歩に伴うリフローハンダ耐熱性を必要とする電気電子部品や、耐熱性への要求が高まる自動車部品等においては、ポリアミド組成物の耐熱性及び成形性の更なる向上が求められている。しかしながら、特許文献1~3の技術では、薄肉での高度な難燃性、耐熱性及び成形性において十分に満足できるものではない。また、特許文献4の技術では、難燃性、耐熱性、成形性等が改善されるものの、更なる性能の向上が望まれている。
【0006】
以上の事情を鑑み、本発明は、薄肉での高度な難燃性を有し、かつ優れた耐熱性及び成形性を有するポリアミド組成物及び該ポリアミド組成物からなる成形品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、特定のポリアミド、難燃剤、及び芳香族ビニル系共重合体を含有し、該芳香族ビニル系共重合体が特定の構成単位を含み、該芳香族ビニル系共重合体のガラス転移温度が特定の範囲であり、該芳香族ビニル系共重合体を特定の割合で含有するポリアミド組成物により、上記課題を解決できることを見出し、当該知見に基づいてさらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち本発明は、下記[1]~[13]に関する。
[1] 融点が280℃以上であるポリアミド(A)、難燃剤(B)、及び芳香族ビニル系共重合体(C)を含有するポリアミド組成物であり、
該芳香族ビニル系共重合体(C)が、芳香族ビニルに由来する構成単位とα,β-不飽和ジカルボン酸無水物に由来する構成単位とを含み、該芳香族ビニル系共重合体(C)のガラス転移温度が140℃以上であり、
該芳香族ビニル系共重合体(C)の含有量が、ポリアミド(A)、難燃剤(B)及び芳香族ビニル系共重合体(C)の合計含有量に対して、0.3~2.0質量%である、ポリアミド組成物。
[2] ポリアミド(A)が半芳香族ポリアミドである、[1]のポリアミド組成物。
[3] 前記半芳香族ポリアミドにおいて、該半芳香族ポリアミドを構成するジカルボン酸に由来する構成単位のうちの50モル%超が芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位であり、かつ該半芳香族ポリアミドを構成するジアミンに由来する構成単位のうちの50モル%超が炭素数4~18の脂肪族ジアミンに由来する構成単位である、[2]のポリアミド組成物。
[4] 前記脂肪族ジアミンが、1,6-ヘキサンジアミン、1,9-ノナンジアミン、2-メチル-1,8-オクタンジアミン、及び1,10-デカンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[3]のポリアミド組成物。
[5] 難燃剤(B)が臭素系難燃剤である、[1]~[4]のいずれかのポリアミド組成物。
[6] 前記芳香族ビニルに由来する構成単位が、スチレン及びα-メチルスチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種、に由来する構成単位を含む、[1]~[5]のいずれかのポリアミド組成物。
[7] 前記α,β-不飽和ジカルボン酸無水物が、無水マレイン酸及び炭素数1以上3以下のアルキル基を有するモノアルキル無水マレイン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種である、[1]~[6]のいずれかのポリアミド組成物。
[8] 芳香族ビニル系共重合体(C)中のα,β-不飽和ジカルボン酸無水物に由来する構成単位の含有量が18~50質量%である、[1]~[7]のいずれかのポリアミド組成物。
[9] 芳香族ビニル系共重合体(C)の重量平均分子量(Mw)が10,000~500,000である、[1]~[8]のいずれかのポリアミド組成物。
[10] 更に充填剤(D)を含有する、[1]~[9]のいずれかのポリアミド組成物。
[11] 前記ポリアミド組成物が、ポリアミド(A)、難燃剤(B)、及び芳香族ビニル系共重合体(C)を、溶融混錬して得られる[1]~[9]のいずれかのポリアミド組成物。
[12] 前記ポリアミド組成物が、ポリアミド(A)、難燃剤(B)、芳香族ビニル系共重合体(C)、及び充填剤(D)を、溶融混錬して得られる[10]のポリアミド組成物
[13] [1]~[12]のいずれかのポリアミド組成物からなる成形品。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、薄肉での高度な難燃性を有し、かつ優れた耐熱性及び成形性を有するポリアミド組成物及び該ポリアミド組成物からなる成形品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[ポリアミド組成物]
本発明のポリアミド組成物は、融点が280℃以上であるポリアミド(A)(以下、単に「ポリアミド(A)」とも称する)、難燃剤(B)、及び芳香族ビニル系共重合体(C)(以下、「共重合体(C)」とも称する)を含有する。そして、共重合体(C)は、芳香族ビニルに由来する構成単位とα,β-不飽和ジカルボン酸無水物に由来する構成単位とを含み、共重合体(C)のガラス転移温度が140℃以上であり、共重合体(C)の含有量が、ポリアミド(A)、難燃剤(B)及び共重合体(C)の合計含有量に対して、0.3~2.0質量%である。
【0010】
本発明のポリアミド組成物は、特定の融点を有するポリアミド(A)、難燃剤(B)、及び特定の芳香族ビニル系共重合体(C)を含有し、該芳香族ビニル系共重合体を特定の割合で含有することにより、薄肉での高度な難燃性を有し、かつ優れた耐熱性及び成形性を有する。この理由については定かではないが、以下のように推察される。
本発明に係るポリアミド(A)の融点が280℃以上であり、共重合体(C)のガラス転移温度が140℃以上であるため耐熱性が向上する。また、共重合体(C)中のα,β-不飽和ジカルボン酸無水物単位がポリアミド(A)のカルボキシル基末端又はアミノ基末端と反応することにより、ポリアミド組成物が高粘度化され、溶融張力が向上し、ドリップの抑制につながっていると考えられる。更に該反応によりカルボキシル基末端量が低減されるため、高温下におけるポリアミド(A)の分解も抑制される。その結果、薄肉での難燃性を向上させることができると考えられる。また、ポリアミド組成物中の共重合体(C)の含有量を特定の割合とすることにより、ポリアミド組成物の粘度が高くなり過ぎず、薄肉での高度な難燃性と優れた成形性とを両立できると考えられる。
(【0011】以降は省略されています)
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