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公開番号2024068967
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-21
出願番号2022179683
出願日2022-11-09
発明の名称アレイアンテナシステム、非線形歪み抑制方法、及び無線装置
出願人富士通株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類H03F 3/24 20060101AFI20240514BHJP(基本電子回路)
要約【課題】広帯域での非線形歪みを抑制できる。
【解決手段】アレイアンテナシステムは、送信信号の帯域に隣接する第1の帯域内の第1の非線形歪みを抑制するDPDと、第1のアンテナ素子及び第2のアンテナ素子を含む複数のアンテナ素子と、送信信号及び、帯域から離れ、かつ、第1の帯域に隣接する第2の帯域内の第2の非線形歪みに、ウエイトを付与して所定方向に指向する送信信号及び第2の非線形歪みを形成する、複数のアンテナ素子のそれぞれに対応する複数の位相シフタと、第1のアンテナ素子に対応した第1の位相シフタから出力された、所定方向に指向する送信信号及び第2の非線形歪みである第1の歪みを増幅する第1のアンプと、第2のアンテナ素子に対応する第2の位相シフタから出力された、所定方向に指向する送信信号及び、第2の非線形歪みである、第1の歪みと逆相の第2の歪みを増幅する第2のアンプと、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
送信信号の帯域に隣接する第1の帯域内の第1の非線形歪みを抑制するDPD(Digital Predistortion)と、
第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子と、を含む複数のアンテナ素子と、
前記送信信号及び、前記帯域から離れ、かつ、前記第1の帯域に隣接する第2の帯域内の第2の非線形歪みに、ウエイトを付与して所定方向に指向する前記送信信号及び前記第2の非線形歪みを形成する、前記複数のアンテナ素子のそれぞれに対応する複数の位相シフタと、
前記第1のアンテナ素子に対応した第1の位相シフタから出力された、前記所定方向に指向する送信信号及び前記第2の非線形歪みである第1の歪みを増幅する第1のアンプと、
前記第2のアンテナ素子に対応する第2の位相シフタから出力された、前記所定方向に指向する前記送信信号及び、前記第2の非線形歪みである、前記第1の歪みと逆相の第2の歪みを増幅する第2のアンプと、
を有することを特徴とするアレイアンテナシステム。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記第2のアンプは、
前記第1のアンテナ素子から出力する前記送信信号及び前記第2の非線形歪みを受信する受信器側で前記第2の非線形歪みが小さくなるように前記第2の歪みを増幅して前記第2のアンテナ素子から出力することを特徴とする請求項1に記載のアレイアンテナシステム。
【請求項3】
前記第2のアンプは、
前記第1のアンテナ素子から出力する前記送信信号及び前記第2の非線形歪みを受信する受信器側で前記第2の非線形歪みが打ち消すように前記第2の歪みを増幅して前記第2のアンテナ素子から出力することを特徴とする請求項1に記載のアレイアンテナシステム。
【請求項4】
前記第1のアンプは、
所定電流に応じて、前記所定方向に指向する前記送信信号及び前記第1の歪みを増幅して出力する第1の負荷インピーダンスを有する第1の負荷を有し、
前記第2のアンプは、
前記所定電流に応じて、前記所定方向に指向する前記送信信号及び前記第2の歪みを増幅して出力する、前記第1の負荷インピーダンスと異なる第2の負荷インピーダンスを有する第2の負荷を有することを特徴とする請求項1に記載のアレイアンテナシステム。
【請求項5】
前記第1の負荷は、
前記所定電流に応じた前記第1の負荷インピーダンスを有する配線パターンを有し、
前記第2の負荷は、
前記配線パターンと、前記配線パターンと接続するスタブとを有し、前記所定電流に応じた前記第2の負荷インピーダンスを有することを特徴とする請求項4に記載のアレイアンテナシステム。
【請求項6】
前記第1のアンプは、
所定電流に応じて、前記所定方向に指向する前記送信信号及び前記第1の歪みを増幅して前記第1のアンテナ素子から出力する第1の反射係数を有する第1の負荷を有し、
前記第2のアンプは、
前記所定電流に応じて、前記所定方向に指向する前記送信信号及び前記第2の歪みを増幅して前記第2のアンテナ素子から出力する、前記第1の反射係数と異なる第2の反射係数を有する第2の負荷を有することを特徴とする請求項1に記載のアレイアンテナシステム。
【請求項7】
送信信号の帯域に隣接する第1の帯域内の第1の非線形歪みを抑制するDPD(Digital Predistortion)と、第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子とを含む複数のアンテナ素子と、前記送信信号及び、前記帯域から離れ、かつ、前記第1の帯域に隣接する第2の帯域内の第2の非線形歪みに、ウエイトを付与して所定方向に指向する前記送信信号及び前記第2の非線形歪みを形成する、前記複数のアンテナ素子のそれぞれに対応する複数の位相シフタと、第1のアンプと、第2のアンプとを有するアレイアンテナシステムにおける前記第2の非線形歪みを抑制する非線形歪み抑制方法であって、
前記第1のアンプは、
前記第1のアンテナ素子に対応する第1の位相シフタから出力された、前記所定方向に指向する前記送信信号及び前記第2の非線形歪みである第1の歪みを増幅して前記第1のアンテナ素子に出力し、
前記第2のアンプは、
前記第2のアンテナ素子に対応する第2の位相シフタから出力された、前記所定方向に指向する前記送信信号及び、前記第2の非線形歪みであり、前記第1の歪みと逆相の第2の歪みを増幅して前記第2のアンテナ素子に出力する、
処理を実行することを特徴とする非線形歪み抑制方法。
【請求項8】
送信信号の帯域に隣接する第1の帯域内の第1の非線形歪みを抑制するDPD(Digital Predistortion)と、
第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子と、を含む複数のアンテナ素子と、
前記送信信号及び、前記帯域から離れ、かつ、前記第1の帯域に隣接する第2の帯域内の第2の非線形歪みに、ウエイトを付与して所定方向に指向する前記送信信号及び前記第2の非線形歪みを形成する、前記複数のアンテナ素子のそれぞれに対応する複数の位相シフタと、
前記第1のアンテナ素子に対応した第1の位相シフタから出力された、前記所定方向に指向する送信信号及び前記第2の非線形歪みである第1の歪みを増幅する第1のアンプと、
前記第2のアンテナ素子に対応した第2の位相シフタから出力された、前記所定方向に指向する前記送信信号及び、前記第2の非線形歪みである、前記第1の歪みと逆相の第2の歪みを増幅する第2のアンプと、
を含むことを特徴とする無線装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アレイアンテナシステム、非線形歪み抑制方法、及び無線装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
アレイアンテナは、5G(5
th
Generation)ミリ波の周波数帯域(例えば、28GHz帯)の高いデータレートを実現するための主要な技術である。5Gミリ波周波数帯の無線システム内の基地局では、例えば、使用可能な数百MHzのスペクトルの高周波帯域を利用して数百個のアンテナ装置を配備している。
【0003】
無線システム内の、例えば、RU(Radio Unit)に配置されるアレイアンテナは、複数のアンテナ素子を平面上に複数配列して各アンテナ素子の位相を電子的に制御するアンテナ素子の集合体である。アレイアンテナは、各アンテナ素子の放射パターンが隣接するアンテナ素子の放射パターンと強め合うことでメインローブと呼ばれる効果的な放射パターンが形成される。例えば、Tx(Transmitter)アレイアンテナは、アンテナ素子毎に、PA(Power Amplifier)及び位相シフタを備えている。
【0004】
Txアレイアンテナのビームフォーミングは、Tx信号を送信する際に無線チャネルを介して特定のUE(User Equipment)に向かって電波エネルギーを送る技術である。アンテナ素子の出力におけるTx信号の位相及び振幅を調整することで、UE側で受信するTx信号を強め合うコヒーレント合成が行われる。その結果、UEではスループットが高くなる。Txアレイアンテナは、主ビームで放射されるエネルギーを最大化する一方で、サイドローブで放射されるエネルギーを許容可能なレベルまで低減させるものである。
【0005】
Txアレイアンテナ内のPAは、RUの中で最も電力を消費する装置であるため、電力効率が高い方が好ましい。RU内の終段に配置されるPAは、RF(Radio Frequency)信号の増幅効率が高くなると、飽和状態に近い非線形領域で動作することが多くなる。その結果、RF信号がPAの非線形領域を通過する際にTx信号の隣接チャネル漏洩電力比(Adjacent Channel Leakage Ratio; ACLR)やEVM(Error Vector Magnitude)が劣化してしまう。そこで、PAでは、十分な帯域幅でアンテナ素子に電力を供給して高い線形性を確保することで、EVM及びACLRの両方を最小限に抑制できることが求められている。
【0006】
しかしながら、PAの非線形性によって5Gミリ波周波数帯域の帯域内(In-Band)及び帯域外(Out of Band)に非線形歪み、例えば、IMD(相互変調歪み:Intermodulation Distortions)が生じる。帯域内はTx信号の帯域、帯域外はTx信号の帯域に隣接する隣接帯域である。帯域外のIMDは、広帯域である。例えば、帯域外のIMDは、Tx信号の帯域幅に対して帯域の7倍~9倍の周波数帯域である隣接帯域に発生する。そのため、帯域外のIMDは、隣接帯域に割り当てられている他のキャリア事業者の基本周波数のTx信号に干渉してしまう。その結果、帯域外のIMDが複数のキャリア事業者で使用するTx信号に干渉して無線システム全体のスループットが低下してしまうことになる。
【0007】
そこで、DPD(Digital Predistortion)は、アレイアンテナのPAの線形化、EVMの改善、及び隣接帯域での干渉レベルの改善をするためにアレイアンテナシステムの技術分野で幅広く採用されている。DPDは、IMDを補償してPAの増幅効率を高める技術である。
【0008】
しかしながら、5Gミリ波の周波数帯域において広帯域の信号を線形化する場合に、DPDの内、高速クロックで動作する広帯域DPDが必要となる。5Gミリ波の周波数帯域は、Tx信号の帯域内の周波数帯域である帯域と、帯域と隣接する第1の帯域と、帯域と離れ、かつ、第1の帯域と隣接する第2の帯域とを有する。第1の帯域は、帯域の3倍未満の周波数帯域である。第2の帯域は、帯域の3倍の周波数帯域から帯域の7倍又は9倍の周波数帯域までの周波数帯域である。広帯域は、例えば、第2の帯域である。広帯域DPDでは、第1の帯域内のIMD成分である第1のIMD成分は勿論のこと、第2の帯域でのIMD成分である第2のIMD成分として7次IMD又は9次IMDを許容レベルまで抑制できる。尚、許容レベルは、抑制対象のIMD成分がTx信号や他のキャリア事業者のTx信号に影響を与えない程度のレベルである。
【0009】
図12は、広帯域DPD使用時のOFDM信号の周波数帯域毎のPSD(Power Spectrum Density)の関係の一例を示す説明図である。OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)信号は5Gミリ波の周波数帯域で使用する信号である。図12に示す横軸はOFDM信号の周波数帯域、縦軸はPSDである。図12に示す帯域の帯域幅400MHzのTx信号は、中心周波数が、例えば、28GHzのOFDM信号である。Tx信号の帯域は、例えば、27.8GHz~28.2GHzの周波数帯であって400MHzの帯域幅である。第1の帯域(BW2)は、例えば、27.6GHz~27.8GHz、28.2GHz~28.4GHzの周波数帯である。また、第2の帯域は、例えば、27.3GHz~27.6GHz、28.4GHz~28.7GHzの周波数帯である。PAで発生するIMD成分W1を含むTx信号は、図12中の点線で示す成分である。IMD成分は27.3GHzから28.7GHzまでの広帯域幅に含まれている。
【0010】
そこで、広帯域DPDを採用した場合、帯域外である第1の帯域及び第2の帯域のIMD成分W2を図12中の一点鎖線で示すように(約10dB)抑制できる。その結果、広帯域DPDを採用した場合には、例えば、27.3GHz~28.7GHzの周波数帯域全体でIMD成分を許容レベルまで抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)

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